はじめに
本ドキュメントは、Firefoxブラウザで使えるウェブアーカイブ関連の拡張機能(アドオン)をやさしく紹介するために作成しました。代表的な4つのアドオンについて、特徴や主な機能、利点、想定ユーザーを具体的に解説します。保存されたページの確認や過去の情報の参照、改ざんのチェック、軽快な動作を重視する場合など、用途に合わせて選べるようまとめています。
想定する読者例:
– 研究者やジャーナリスト:過去の公開情報を検証したい方
– ウェブ制作者や管理者:改変や消失を把握したい方
– 一般ユーザー:誤情報や履歴を簡単に確認したい方
本書の構成は以下の通りです:
– 第2章:Web Archive Explorer — 複数アーカイブサービスを一括検索
– 第3章:Internet Archive Assistant — Internet Archive と Firefox の連携
– 第4章:Web Archive Viewer — 7つのアーカイブエンジンでキャッシュ表示
– 第5章:Web Archives — 多様なアーカイブ・キャッシュを検索
各章で実際の操作イメージや利点・注意点を具体例を交えて説明します。まずは第2章から順にご覧ください。
Web Archive Explorer – Firefox で複数アーカイブサービスを一括検索
概要
Web Archive Explorer は Firefox 用の軽量アドオンです。archive.org(Wayback Machine)、archive.is、archive.today、archive.ph の4つから現在表示中のページを一括検索・保存できます。拡張機能はわずか14.88KBで、ブラウザの動作にほとんど影響を与えません。
主な機能
- ワンクリック検索:ツールバーのボタンや右クリックメニューから現在のページを各アーカイブで検索します。
- アーカイブ作成:必要ならその場でアーカイブを作成できます。
- 保存状況通知:保存済みかどうかを知らせる通知が表示されます。
使い方(例)
- ページを開く。
- 右クリックして「Search archives」を選ぶか、ツールバーボタンを押します。
- 結果が新しいタブで開き、各サービスの該当ページに移動できます。
注意点
- 各アーカイブサービスのポリシーや利用可否はサービス側で変わる場合があります。ログインが必要なサービスは別途対応が必要です。
- 軽量ですが、古い Firefox では互換性に注意してください。
こんな人におすすめ
複数のアーカイブを手早く調べたいジャーナリスト、研究者、リンク切れを確認したい一般ユーザーに向いています。軽量で操作が簡単なので、気軽に試せます。
Internet Archive Assistant – Internet Archive と Firefox をシームレスに連携
概要
Internet Archive Assistant は、Firefox から Internet Archive(ウェイバックマシン)へ直接アクセスできる軽量なアドオンです。閲覧中のページをワンクリックで即時保存し、過去のスナップショットを埋め込みビューアーで素早く確認できます。新しいタブを開かずに操作できるため作業の邪魔になりません。
主な機能
- 即時保存:ツールバーのボタンやコンテキストメニューで現在ページをアーカイブに送信します。
- 埋め込みビューアー:ページを別タブで開かずに過去のスナップショットを表示します。
- 軽量設計:Internet Archive に特化しているため動作が速く、ブラウザの負荷が小さいです。
使い方(例)
- アドオンをインストールしてツールバーにアイコンを表示します。
- 保存したいページでアイコンをクリックすると即時保存が始まります。
- アイコンから「表示」を選ぶと埋め込みビューアーが開き、過去のスナップショットを切り替えられます。
利点
研究や学習で長期保存が必要なページを素早く保存できます。操作が直感的で初心者にも扱いやすいです。
注意点
- Internet Archive に特化しているため、他サービスのキャッシュは検索できません。
- 一部の動的コンテンツは正しく保存されないことがあります。
Web Archive Viewer – 7つのアーカイブエンジンでキャッシュ版を表示
概要
Web Archive Viewer は、Firefox で現在表示しているページの過去版やキャッシュ版を、7つのアーカイブ・キャッシュサービスからすばやく確認できるアドオンです。デフォルトでは3つのエンジンが有効で、必要に応じて追加や順序変更ができます。
主な機能
- ツールバーのポップアップから選択し、新しいタブでアーカイブ版を開く。
- 複数サービスを横断的に検索し、リンク切れの代替を見つける。
- デフォルト有効の3エンジンに加え、設定で最大7エンジンを利用可能。
使い方(簡単)
- Firefox のツールバーに表示されたアイコンをクリック。
- ポップアップで利用したいアーカイブサービスを選ぶ。
- 選んだサービスが新しいタブで開き、キャッシュ版を表示します。
オプション設定
設定画面で有効・無効の切替や、表示順の変更ができます。優先して確認したいサービスを上に並べれば、作業が効率化します。
利点と注意点
このアドオンは複数サービスを一度に試せるため、リンク切れ対策に非常に有効です。Firefox 専用でありオープンソースではない点は注意してください。バグや改善要望は開発元へ報告できます。
バグ報告について
不具合を見つけたら、アドオンの説明ページや開発元の連絡先から報告してください。報告時は対象のページURL、発生手順、使用しているFirefoxのバージョンを添えると対応が早くなります。
Web Archives – Firefox で多様なアーカイブ・キャッシュを検索
概要
Web Archives は、Firefox 用のオープンソース拡張機能です。現在のタブや任意のURLのアーカイブ・キャッシュ版を、複数のソースから素早く検索できます。右クリックメニュー、ツールバー、アドレスバーから実行でき、Wayback Machine や archive.is などを含むソースをカスタマイズできます。Chrome や Safari にも対応しており、複数ブラウザを使う方に便利です。バージョン7.1.0、最終更新は2025年10月12日です。
主な機能
- 現在のタブや指定URLの一括検索
- 右クリック(コンテキストメニュー)からの即時検索
- ツールバーアイコンやアドレスバーからの起動
- 検索対象ソースの追加・削除・優先順位設定
使い方(簡単な例)
- ページ上で右クリックし「Web Archives」を選ぶと、記録された版の一覧が開きます。
- アドレスバーにURLを入力して検索すると、複数ソースの結果を並べて確認できます。
- 特定のソースのみを使いたい場合は、拡張機能の設定画面で有効/無効を切り替えます。
ソースのカスタマイズ
デフォルトで主要なアーカイブが登録されています。新しいサービスを追加する際は、サービスのURLパターンを登録します。逆に使わないものは無効にして表示をすっきりさせられます。
クロスブラウザでの利用
Chrome や Safari でも同様の拡張機能が提供されているため、ブラウザをまたいで同じ操作感で履歴を確認できます。複数ブラウザで作業する場合に特に役立ちます。












