はじめに
「AWSにはEC2やS3、RDSなどのサービスがあるけれど、それぞれ何のために使うの?」
「サービス同士がどのようにつながって、Webサイトやアプリが動いているのか分からない」と迷っていませんか。
AWSの管理画面や構成図を見ると、サーバーやデータベース、ネットワークなどの名前が並んでいて、どこから理解すればよいのか手が止まることがありますよね。
この記事では、AWSの基本的な構成を図解しながら、EC2・S3・RDSなど主要サービスの役割とつながりを整理します。
AWSの全体像を図解で理解しよう

AWSの構成を理解するときは、個々のサービスを暗記するよりも、ユーザーの操作がどのサービスを経由して処理されるのかを図で確認すると整理しやすくなります。
ユーザーからサーバー、データベースへ処理が進む流れを順番に見ていきましょう。
AWSの基本構成を1枚の図で確認する

AWSの基本構成は、ユーザーの端末からWebサーバー、データベースまでの流れを1枚の図にするとイメージしやすくなります。
たとえば、アクセスを受ける入口にAmazon CloudFrontやElastic Load Balancingを配置し、その先にAmazon EC2、さらにデータを保存するAmazon RDSなどを置きます。
図を左から右へ順番に追うと、それぞれのサービスがどの役割を担当しているのか整理しやすいでしょう。
ユーザーからサーバー・データベースまでの流れを理解する

ユーザーがWebサイトへアクセスすると、リクエストがインターネットを経由してAWSへ送られ、設定されたサービスを通ってAmazon EC2などのWebサーバーへ届きます。
EC2は必要に応じてAmazon RDSからデータを取得し、処理した結果をユーザーのブラウザへ返します。
図を見るときは、「ユーザー→サーバー→データベース→ユーザー」という流れを追うと、AWS内でどのように処理されているのか理解しやすくなります。
AWSの構成図を読むために知っておきたい基本要素
AWSの構成図を正しく読むには、まずAWS上でリソースが配置される範囲とネットワークの区切り方を理解する必要があります。
外部からアクセスできるパブリックサブネットと、インターネットから直接アクセスさせないプライベートサブネットの違いを順番に整理します。
リージョンとAZ(アベイラビリティゾーン)

リージョンはAWSのサービスやリソースを配置する地理的な地域で、その中には複数のAZ(アベイラビリティゾーン)があります。
構成図では、リージョンの大きな枠の中に複数のAZが分かれて表示されるのが一般的です。
EC2などが複数のAZに配置されていれば、1つのAZで障害が起きても、別のAZで処理を継続できるように構成されていることが分かります。
VPCとサブネット

VPCはAWS上に作る仮想ネットワークで、EC2などのリソースを配置するネットワークの範囲を定めます。
サブネットはVPCのIPアドレス範囲をさらに分けたもので、それぞれ特定のAZに作成されます。
構成図では、VPCの中にサブネットが配置され、その中にEC2などのリソースが置かれているイメージで確認すると分かりやすいでしょう。
パブリックサブネットとプライベートサブネット

パブリックサブネットは、インターネットゲートウェイへの経路を持ち、インターネットと直接通信できる構成にできるサブネットです。
一方、プライベートサブネットはインターネットから直接アクセスできないようにし、データベースなど外部へ公開したくないリソースの配置に使われます。
構成図では、インターネットゲートウェイへの経路が設定されているかを見ると、両者の違いを判断しやすくなります。
VPCやサブネットの違いがまだ分かりにくい場合は、ネットワーク構成を整理してから図を見ると理解しやすくなります。
▶AWSのVPCとは?サブネットとの違いや基本構成をわかりやすく解説
AWSの主要サービスを役割別に図解
AWSの構成図では、複数のサービスがそれぞれ異なる役割を持ち、ユーザーからのアクセスを受けて処理やデータ保存を分担しています。
ここでは主要サービスを役割ごとに分けて、構成図のどこで使われるのかを順番に確認します。
Route 53|ドメインとアクセス先をつなぐ

Route 53は、ドメイン名とAWS上のアクセス先を対応付けるDNSサービスです。
「example.com」などへアクセスすると、DNSの設定に従ってCloudFrontやロードバランサーなどの宛先へ案内します。
構成図では、ユーザーからAWSへアクセスする入口付近に配置され、ドメインとアクセス先をつなぐ役割として確認できます。
CloudFront|コンテンツを効率よく配信する

CloudFrontは、画像や動画、Webページなどのコンテンツを効率よく配信するCDNサービスです。
ユーザーに近い拠点からキャッシュしたコンテンツを配信できるため、オリジンサーバーへのアクセスを減らせます。
構成図では、ユーザーとEC2やS3などの配信元との間に配置されていることが一般的です。
ELB|アクセスを複数のサーバーへ振り分ける

ELBは、受け取ったリクエストを複数のEC2などへ振り分けるロードバランサーです。
複数のサーバーへアクセスを分散することで、特定のサーバーに負荷が集中するのを防ぎやすくなります。
構成図では、ELBの先に複数のEC2が接続されていれば、アクセスを振り分ける役割だと理解できます。
EC2|Webサイトやアプリケーションを動かす

EC2は、AWS上に仮想サーバーを作り、Webサイトやアプリケーションなどを動かせるサービスです。
必要なOSやソフトウェアを設定し、受け取ったリクエストに応じてさまざまな処理を行います。
構成図では、ELBなどの先に配置され、必要に応じてRDSやS3と接続する形で表されます。
EC2がどのような仕組みで動いているのか、サーバーの基本からもう少し詳しく知りたい方は確認してみてください。
▶Amazon EC2とは?仕組みやできることを初心者向けに解説
RDS|データベースを管理する

RDSは、MySQLやPostgreSQLなどのリレーショナルデータベースを利用できるマネージドサービスです。
アプリケーションから接続し、ユーザー情報や商品情報などのデータを保存・検索・更新できます。
構成図では、EC2などのアプリケーションから接続するデータの保存先として配置されます。
S3|画像やファイルなどを保存する

S3は、画像や動画、PDF、バックアップなどのデータをオブジェクトとして保存できるストレージサービスです。
データはバケットと呼ばれる入れ物に保存し、ファイルごとに管理できます。
構成図では、Webサイトで使う画像やアップロードファイルなどの保存先として、EC2やCloudFrontと接続して表示されることがあります。
AWSの基本的なWebシステム構成を図解
AWSの主要サービスの役割を確認したら、実際にサービスを組み合わせたWebシステムの構成を見ると全体のつながりを理解しやすくなります。
それぞれの構成図を比較しながら、利用するサービスと処理の流れを順番に確認していきましょう。
シンプルなWebサイトのAWS構成例

シンプルなWebサイトでは、Route 53でドメインを管理し、CloudFrontを経由してS3に保存したHTMLや画像を配信できます。
ユーザーがアクセスすると、Route 53が設定された宛先へ案内し、CloudFrontからコンテンツが配信されます。
静的なWebサイトであれば、EC2などのサーバーを用意せずに公開することも可能です。
EC2とRDSを使ったWebアプリの構成例

EC2とRDSを使うWebアプリでは、EC2でユーザーからのリクエストを処理し、必要なデータをRDSから取得します。
たとえば、ユーザー情報や登録データをRDSから読み込み、EC2上のアプリケーションで処理してWebページへ反映します。
この流れを押さえておくと、Webサーバーとデータベースがどのように連携しているのか理解しやすくなります。
冗長化したWebアプリの構成例

Webアプリを冗長化する場合は、複数のEC2を異なるAZに配置し、ELBでアクセスを振り分ける構成が考えられます。
1台のEC2や1つのAZで障害が起きても、正常に動いている別のEC2で処理を続けやすくなります。
構成図では、ELBの先に複数のEC2があり、それぞれ異なるAZに配置されているかを見ると、冗長化の仕組みを確認しやすいでしょう。
複数のAZへEC2を配置する理由や、障害時にどのように切り替わるのか気になる方は、冗長化の仕組みも確認しておきましょう。
▶AWSの冗長化とは?マルチAZ構成と可用性をわかりやすく解説
AWS構成図を見るときのポイント
AWSの構成図は、サービス名だけを確認するのではなく、通信の流れや各サービスの配置場所まで見ると構成全体を把握しやすくなります。
複数のAZに分ける理由やAWS公式のアーキテクチャアイコンの意味も確認すると、構成図からシステムの役割や設計意図を読み取りやすくなります。
矢印を追って通信の流れを確認する

AWS構成図を見るときは、まずユーザーから始まる矢印を追い、どのサービスを経由するのか確認します。
たとえば「ユーザー→Route 53→CloudFront→ELB→EC2→RDS」とつながっていれば、それぞれがどのように関わっているのかイメージしやすくなります。
矢印の向きと接続先を順番に見ることで、通信やデータの流れを整理できるでしょう。
各サービスがどこに配置されているか確認する

構成図ではサービス名だけでなく、VPCやサブネット、AZなどのどこに配置されているかも確認します。
たとえばELBがパブリックサブネット側、EC2がプライベートサブネット側にあれば、ELBで外部からのアクセスを受けてEC2へ渡す構成だと読み取れます。
どの枠の内側にあるかを見ると、外部との通信をどのように分けているのか理解しやすくなります。
複数のAZに分かれている理由を理解する

複数のAZにサーバーを配置するのは、1つのAZで障害が起きても、別のAZで処理を続けやすくするためです。
たとえば異なるAZにEC2を配置し、ELBからアクセスを振り分けることで、片方に障害が起きた場合にも正常なEC2を利用できます。
構成図で同じ役割のEC2が複数のAZに分かれていれば、可用性を高めるための構成だと読み取れるでしょう。
AWS公式のアーキテクチャアイコンの見方を知る

AWS構成図では、EC2やS3、RDSなどをAWS公式のアーキテクチャアイコンで表すことがあります。
それぞれ専用のアイコンが用意されているため、最初はアイコンの近くに書かれたサービス名とあわせて確認すると分かりやすいでしょう。
よく使われるアイコンを少しずつ覚えていけば、構成図全体の役割やつながりも読み取りやすくなります。
まとめ
AWSの構成を理解するときは、サービスを一つずつ覚えるだけでなく、それぞれがどこに配置され、どのようにつながっているのかを見ることが大切です。
最初は複雑に感じる構成図でも、ユーザーからの矢印を追いながら、VPCやサブネット、AZと各サービスの位置関係を確認すると、システム全体の流れが少しずつ見えてきます。
まずは「どこからアクセスが入り、どこで処理され、データがどこに保存されるのか」という流れから確認してみましょう。
サービスの役割と通信経路を順番に整理していけば、初めて見るAWS構成図でも仕組みを読み取りやすくなります。











