はじめに
本資料の目的
この資料は「webサイトのブロック」について、わかりやすく整理した入門ガイドです。主にGoogle Chromeでの設定、拡張機能の活用、OSやネットワークでの制限、スマホでの方法、サイト運営者向けの不要アクセス対策まで幅広く扱います。
誰に向けているか
家庭で子どもの閲覧制限をしたい方、仕事中の集中を助けたい方、管理者として社内・学校のネットワークを守る必要がある方、サイト運営者で不要なクロールや攻撃的アクセスを減らしたい方に役立ちます。
この章で得られること
各章は実践的な手順と注意点を中心に構成します。設定例や使いやすい拡張機能、OSごとの方法、法人向けのネットワーク対策、スマホでの具体手順を順に解説します。
注意点
設定を変更する前に重要なデータのバックアップや管理者パスワードの確認をおすすめします。プライバシーや利用規約にも配慮して操作してください。
Chromeで特定のウェブサイトをブロックする方法徹底解説
1. 拡張機能を使う(最も簡単)
拡張機能を追加すると、特定のドメインを簡単にブロックできます。Chromeウェブストアで「site block」「website blocker」などを検索し、評価の高いものをインストールします。導入後はブロックしたいURLを登録し、必要ならパスワードやスケジュール機能を有効にします。
2. 検索結果を制限する(セーフサーチ)
Google検索のセーフサーチを有効にすると、不適切な検索結果を減らせます。ChromeでGoogleを開き、設定→検索設定→セーフサーチをオンにしてください。検索結果中心の対策です。
3. Googleアカウント/ファミリーリンクで管理する
お子様用の端末ならGoogleファミリーリンクでChromeのアクセス管理が可能です。アプリやサイトごとに許可・不許可が設定できます。アカウントを子供用に設定し、親用アプリから制限を行ってください。
4. Chromeのサイト権限で実質的にブロックする
設定→プライバシーとセキュリティ→サイトの設定で、特定サイトの「JavaScript」「ポップアップ」「Cookie」をブロックすると、閲覧が困難になります。完全な遮断ではない点にご注意ください。
5. OSレベルの方法との使い分け
Chrome内の対策で足りない場合は、ホストファイルやルーター、OSのブラックリストで上書きすると確実です。手順は第5章で詳しく解説します。
Chrome拡張機能「BlockSite」を使ったサイトブロック
概要
BlockSiteは100万人以上が使う人気のChrome拡張機能です。Chromeウェブストアから追加し、ブロックしたいサイトのURLをリストに登録します。無料版は3サイトまでブロック可能で、パスワード保護機能があり設定の変更を防げます。
インストールと初期設定
- Chromeウェブストアで「BlockSite」を検索し「Chromeに追加」をクリックします。
- 拡張機能アイコンを右クリックして「オプション」や「設定」を開きます。
- 必要に応じてパスワードを設定します(誤操作で解除されないようにするため推奨)。
サイトをブロックする方法
- 拡張機能アイコンをクリックして管理画面を開きます。
- ブロックリストにブロックしたいURLやドメインを入力して追加します。
- 設定を保存すると即時ブロックが有効になります。テストで対象サイトにアクセスし動作を確認してください。
無料版の制限と有料機能
無料版は基本的なブロック機能を提供し、ブロック可能なサイト数に制限があります。プレミアム版ではサイト数の拡張やスケジュール、キーワードブロックなど追加機能が利用できることが多いです。
活用のコツ
- 就業時間や勉強時間に合わせてスケジュールを設定すると効率的です。
- 家族で使う場合はパスワードを共有しないように注意してください。
- 拡張機能は更新されるので定期的に最新バージョンを適用してください。
セーフサーチ・ペアレンタルコントロールの活用
概要
Googleのセーフサーチは検索結果から不適切な画像や動画を除外する機能です。ペアレンタルコントロールは端末やアプリ単位で閲覧や利用時間を制限でき、家族のネット環境作りに役立ちます。
セーフサーチの使い方(簡単)
- Google検索画面の「設定」→「検索設定」でセーフサーチをオンにします。
- 家族用アカウントでログインしていると設定を固定(ロック)できます。
ペアレンタルコントロールの選択肢
- スマホ標準機能:iPhoneは「スクリーンタイム」、Androidは「Googleファミリーリンク」。
- 専用アプリ:Qustodio、Norton Family、Kaspersky Safe Kidsなど。サイトブロック・時間制限・アクティビティ報告が可能です。
- ルーター設定:家庭内ネットワーク単位でフィルタをかけられます。
実践のポイント
- パスワードで設定を保護して子どもが変更できないようにします。
- 夜間や学習時間は利用時間を制限してください。
- 完全に安全にすることは難しいので、保護者の見守りや対話を続けてください。
Windows/MacでOSレベルのサイトブロック
概要
hostsファイルを編集すると、そのPC全体で特定のドメインへのアクセスを遮断できます。ブラウザだけでなく、アプリも影響を受けるため強力です。管理者(または管理者権限)が必要になります。事前にファイルのバックアップを取ってください。
基本原理(簡単に)
hostsファイルは「ドメイン名をIPアドレスに結びつける」小さな一覧です。あるドメインをローカルのアドレス(例: 127.0.0.1)に向けると、そのPCから本物のサイトへ接続できなくなります。
Windowsでの手順(手順形式)
- 管理者権限でメモ帳を開きます(スタート→メモ帳→右クリック→管理者として実行)。
- ファイルから「C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts」を開きます。
- ファイル末尾に次を追加します(例):
127.0.0.1 example.com
127.0.0.1 www.example.com - 上書き保存します。
- コマンドプロンプト(管理者)で「ipconfig /flushdns」を実行してキャッシュをクリアします。
Macでの手順(手順形式)
- ターミナルを開きます。
- sudo nano /etc/hosts でhostsを開きます。
- ファイル末尾に次を追加します(例):
127.0.0.1 example.com
127.0.0.1 www.example.com - 保存して終了(Ctrl+O、Enter、Ctrl+X)。
- キャッシュをクリアします(例): sudo dscacheutil -flushcache && sudo killall -HUP mDNSResponder
注意点と補足
- サブドメインは個別に指定する必要があります(blog.example.comなど)。
- 一部のアプリやVPNは独自のDNSを使い、hostsを無視する場合があります。その場合はルーター側や専用ソフトでの対策を検討してください。
- 管理者権限を誤用するとシステムに影響が出ます。編集前に必ずバックアップを取ってください。
企業・学校でのネットワーク全体のブロック
概要
ルーターやファイアウォールでのコンテンツフィルタリングや、URLフィルタリングを使うと、複数端末をまとめてブロックできます。学校や企業では一元管理できるため、運用が楽になります。Google管理コンソール(Chrome Enterprise)を使えば、Chromeの端末でURLの許可・拒否をポリシーで設定できます。
主な方法
- ルーター/ファイアウォールのURLフィルタ:特定ドメインやキーワードを遮断。
- DNSフィルタリング:DNSレベルで危険サイトやカテゴリをブロック。
- プロキシやUTM:アクセスを中継して細かい制御やログ取得が可能。
- Google管理コンソール:Chrome端末へポリシーを配布してURLを一括管理。
導入手順(基本)
- 方針を決める(何を、誰に、いつ制限するか)。
- 機器やサービスを選ぶ(既存のルーターやクラウドサービス)。
- ルールを作成する(ドメイン、パス、カテゴリ指定)。
- テストして影響範囲を確認する。
- ログを確認し、必要であれば調整する。
運用上の注意
- 誤ブロックで業務に支障が出ないよう、ホワイトリストを用意してください。
- SSLを復号して検査する場合、端末への証明書配布が必要になり、利用者の理解を得るべきです。
- ログ管理と定期的な見直しをルール化しておくと効果的です。
導入例
- 学校:SNSや動画配信を授業時間帯のみ遮断し、休み時間は解除するスケジュールを設定。
- 企業:業務外のストリーミングを常時ブロックし、マーケティング部門だけアクセス許可にする。
※ 中央管理により設定変更や監査が楽になり、全体の安全性が向上します。
自分の運営サイトへの不要クローラー・アクセスのブロック
イントロ
自分のサイトに来る不要なクローラーや悪意のあるアクセスは、帯域・ログの肥大化や解析の妨げになります。ここでは手軽にできる対処法を具体例とともに説明します。
robots.txtでのブロック(基本)
サーバーのルートに置くrobots.txtでクローラーにアクセス制限を促します。例:
User-agent: BadCrawler
Disallow: /
全てを遮断するならUser-agent: *\nDisallow: /にします。ただしrobots.txtは遵守任意のため、悪意あるボットは無視します。
サーバー/.htaccessでの直接ブロック
悪質なIPやUser-Agentはサーバー側で遮断します。Apacheなら.htaccessでUser-AgentやIPを拒否できます。これならrobots.txtを無視するボットも止められます。
プラグインやSEOツールの活用
AIOSEOなどのプラグインは特定のボットをブロックしたり、ページへnoindexを付けて検索結果から外す設定が可能です。個別ページには
<meta name="robots" content="noindex, nofollow">を入れます。
CDN・WAFでの対策
CloudflareなどのCDNやWAFでレート制限やBotルールを設定すると効果的です。自動化された悪質トラフィックを早期に遮断できます。
確認と注意点
アクセスログやSearch Consoleでブロックの効果を確認してください。重要なクローラー(Googlebot等)を誤って遮断すると、検索流入に影響します。慎重に設定しましょう。
キーワードブロックや特殊な拡張機能
概要
キーワードブロックは、サイト単位ではなくページ内の特定語句を基に表示を制御します。感情に訴える見出しやネガティブな単語を見えなくするツール(例:EmoGuard)で、集中力維持やメンタルケアに役立ちます。
基本的な使い方
- 拡張機能をインストールする。2. ブロックしたいキーワードを登録する。3. 非表示か置換(例:***で隠す)を選ぶ。4. 時間帯やサイトごとの例外を設定することもできます。
利用シーンの例
- 勉強中や仕事中に注意をそらす話題を隠す。
- 気分が落ち込みやすい時期にトリガーとなる語をブロックして心の負担を減らす。
- 研究やモニタリングでノイズを除去する。
運用のコツ
- 初めは少ない語から始め、効果を見て追加する。誤検出が出たらホワイトリストを設定する。ブラウザの同期を使えば複数端末で同じ設定を反映できます。
注意点
- ページ構造によっては完全に隠せない場合があります。
- プライバシー設定や拡張機能の権限を確認してください。
キーワードブロックは柔軟で使いやすい方法です。目的に合わせて設定を調整すると効果的に活用できます。
スマホでサイトブロックする方法
概要
iOS・Androidでサイトを制限するには、端末内の機能や専用アプリを使います。代表的な専用アプリはQustodioやNorton Familyです。AndroidではKiwiブラウザに拡張機能を入れてPCと同じようなブロックができる場合があります。
iOS(スクリーンタイム)の基本手順
- 設定アプリ→スクリーンタイムを開きます。
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにします。
- 「コンテンツ制限」→「Webコンテンツ」→「不適切なサイトを制限」か「特定のサイトのみ許可」でURLを追加します。
- パスコードを設定すると子どもが変更できません。
Android(ファミリーリンク)の基本手順
- 保護者はGoogleファミリーリンクをインストールして子どものアカウントを管理します。
- ウェブとアプリの制限からサイトのブロックや閲覧制限が可能です。
専用アプリ(Qustodio/Norton Family)の使い方
- 両方ともインストール後にアカウントを作成し、管理デバイスと子どもデバイスを紐づけます。
- カテゴリ単位・個別URLでブロックでき、利用時間制限やレポート機能があります。
- リモートで設定変更や閲覧履歴確認ができます。
Android:Kiwiブラウザで拡張機能を使う方法
- Kiwiは拡張機能を動かせるブラウザです。Chrome用のサイトブロッカーを導入できることがあります。
- 拡張機能の互換性に注意し、公式ストア以外の拡張は慎重に扱ってください。
実用的なポイントと注意点
- ブロックは完璧ではないため複数の方法を併用すると効果的です。
- 子どもの年齢や信頼度に合わせて、ルール説明と合意を取りましょう。
- 設定後は必ず動作確認を行ってください。
終わりに
端末の機能と専用アプリを上手に組み合わせると、安全で使いやすい環境を作れます。分からない点は遠慮なくご相談ください。












