はじめに
本レポートの目的
このレポートは「web 作成」に関する基礎を分かりやすくまとめたものです。Webサイトやホームページを作る際に知っておきたい基本知識、代表的な作成方法、それぞれのメリット・デメリット、そして自分で作成するための具体的な手順を丁寧に解説します。
対象読者
・これから自分のホームページを作ろうとしている方
・作成方法の違いを比較したい方
・外注と自作のどちらが良いか迷っている方
本書の構成と使い方
全8章で、基礎から実践まで順を追って学べます。第2章では基本知識、第3章では代表的な作成方法の全体像を説明します。第4〜7章では具体的な手段ごとの詳しい解説を行い、第8章で自分で作るための5ステップを示します。各章は独立して読めますので、必要な部分だけ参照しても問題ありません。
読む際のポイント
目的(個人サイト、ビジネス、ブログなど)を先に決めると、適切な方法が選びやすくなります。具体例を交えて進めますので、実際の作業にそのまま役立ててください。
Webサイト・ホームページ作成の基本知識
基本の2つ:独自ドメインとサーバー
ホームページ制作には「独自ドメイン」と「サーバー(ホスティング)」が必須です。独自ドメインはインターネット上の住所(例: example.com)で、訪問者がサイトを見つけるために必要です。サーバーはその住所に置く家のようなもので、サイトのファイルを保管し公開します。
ドメインのポイント
- 取得と更新:ドメインは登録業者で取得します。年ごとに更新費用がかかります。
- DNS(住所の案内):ドメインとサーバーを結ぶ設定がDNSです。反映に数時間〜48時間かかることがあります。
サーバーの種類(簡単な説明)
- 共有(安価で初心者向け)
- VPS/専用(性能重視)
- 静的ホスティング(HTMLだけのサイトに最適)
- マネージド(WordPressなどの運用を代行)
他に必要な要素
- SSL(https):通信を暗号化し「鍵マーク」を表示します。
- バックアップ:定期的な保存でトラブルに備えます。
- ファイル転送(FTP/SFTP)や管理画面でのアップロード方法を確認します。
制作前の準備作業(簡単な手順)
1) ドメインを決めて取得する
2) サーバーを選んで契約する
3) ドメインのDNSをサーバーに向ける
4) SSL設定とバックアップの準備
5) ファイルやCMSをアップロードして動作確認する
これらが整って初めて制作作業に進めます。準備を丁寧に行えば、あとが楽になります。
ホームページ作成の4つの代表的な方法
ホームページを作る方法は大きく4つに分かれます。目的や予算、技術レベルによって向き不向きがあるので、まず全体像をつかんでください。
1) WordPressを利用する方法
- 特徴:ブログや企業サイト、ECなど幅広く使えます。テーマやプラグインで機能を追加します。
- メリット:自由度が高く、拡張性に優れます。多くの情報やテンプレートが手に入ります。
- デメリット:初期設定や更新に少し学習が必要です。セキュリティ対策も自分で行います。
- こんな人に向く:将来機能を増やしたい方や、自分で細かく調整したい方。
2) ホームページ作成ツールを利用する方法(例:Wix、Jimdo)
- 特徴:ドラッグ&ドロップで簡単に作れます。サーバーやドメインがセットになっていることが多いです。
- メリット:初心者でも短時間で公開できます。デザインのテンプレートが豊富です。
- デメリット:細かいカスタマイズや独自機能に制限があります。長期コストがかかる場合があります。
- こんな人に向く:手早く見栄えの良いサイトを作りたい方。
3) HTMLやCSSなどのプログラミング言語を使う方法
- 特徴:コードを書いてサイトを一から作ります。表示速度や構造を細かく最適化できます。
- メリット:自由度は最大で、軽快で独自性の高いサイトが作れます。
- デメリット:技術や時間が必要です。保守や更新も手作業になります。
- こんな人に向く:デザインや動作に強いこだわりがある方、学習中の方。
4) Web制作会社に外注する方法
- 特徴:プロに依頼して企画・設計・制作・運用を任せます。
- メリット:完成度が高く、手間を大幅に省けます。要望に合わせた提案が得られます。
- デメリット:費用が高くなりやすく、納期が必要です。細かな修正で追加費用が発生することがあります。
- こんな人に向く:時間を節約したい方、プロ品質を求める法人や個人。
どの方法にも長所と短所があります。目的と予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
WordPressを利用する方法
概要
WordPressは世界で最も使われるCMSで、プログラミング知識がなくてもホームページを作成できます。手順はレンタルサーバー契約、ドメイン取得、SSL設定、WordPressインストール、テーマ設定、初期設定、デザイン・コンテンツ作成です。特に「WordPressクイックスタート」を使えば短時間でインストールが完了します。
必要な準備(かんたん)
- サーバー:ワンクリックインストール対応のレンタルサーバーを選ぶと楽です。例:エックスサーバーやロリポップ。
- ドメイン:サイトの住所です。独自ドメインを取得します(例:your-site.com)。
- SSL:通信を暗号化する設定で、多くのサーバーは無料で対応します。
インストールと初期設定
- サーバーの管理画面からWordPressをインストールします。クイックスタート機能なら10分程度で完了します。
- テーマを選び、外観を設定します。無料テーマでも十分使えますが、デザインや機能を求める場合は有料テーマを検討してください。
- プラグインを導入します。必須はバックアップ、セキュリティ、問い合わせフォーム、SEO対策のプラグインです。
デザインとコンテンツ作成
- トップページ、会社情報、サービス紹介、問い合わせページは最初に作ると訪問者が分かりやすくなります。
- スマホ表示を確認し、表示崩れがないかチェックします。
- 画像は軽くして表示速度を上げます。
運用のポイント
- 定期的にWordPress本体・テーマ・プラグインを更新します。
- 定期バックアップを自動化してください。
- 管理者アカウントは強力なパスワードにし、不要なユーザー権限は与えないでください。
初心者でも始めやすく、拡張性が高いのがWordPressの魅力です。必要に応じて少しずつ機能を増やしていきましょう。
ホームページ作成ツールを利用する方法
何ができるか
ホームページ作成ツールは、専門知識がなくても見栄えの良いサイトを作れるサービスです。ドラッグ&ドロップやテンプレート、AIによる自動作成機能を使い、数分〜数時間で公開できます。たとえば、店舗の紹介ページやブログ、簡単なネットショップまで対応するものが多いです。
代表的なサービス
- Wix:テンプレートが豊富でAI補助があり初心者向け
- Jimdo:日本語サポートが手厚く小規模事業に向く
- Squarespace:デザイン性が高く写真を使うサイト向け
- Google Sites:無料でシンプルな社内・チーム用に便利
利点
- 操作が簡単で短時間で公開できる
- サーバーやセキュリティの管理が不要
- テンプレートでプロっぽく見せられる
注意点
- 無料プランは広告表示や独自ドメイン不可がある
- カスタマイズの自由度が制限される場合がある
- 将来機能を増やす際に移行が必要になることがある
料金の目安
無料〜月額数百円〜数千円。機能や独自ドメイン、決済機能で料金が変わります。
初めて使うときの手順(簡潔)
- アカウント作成
- テンプレート選択またはAI自動作成
- 画像・文章を差し替え
- ドメイン設定と公開
- 基本的なSEO(ページタイトル・説明)を入力
選ぶ際は目的(情報提供/販売)、予算、将来の拡張性を基準にしてください。初心者にはテンプレートと日本語サポートがあるサービスをおすすめします。
HTMLやCSSなどのプログラミング言語を使用する方法
概要
HTMLでページの骨組みを作り、CSSで見た目を整えます。知識があれば自由度が高く、細かい表現や軽い動作のサイトを作成できます。
必要な準備
- テキストエディター(例:Visual Studio Code、メモ帳)
- 表示確認用のブラウザ(ChromeやFirefoxなど)
- 公開する場合はレンタルサーバーかホスティングサービスとFTP情報
基本手順
- エディターで新規ファイルを作成し、基本のHTMLを書きます。例:
見出し
本文
- CSSファイルを別に作り、headで読み込みます(style.css)。
- ファイルを保存してブラウザで開き、見た目を確認します。
- 問題なければサーバーへアップロードして公開します。
CSSでの基本例とコツ
- 色や余白はCSSで指定します。例:body{font-family: sans-serif; margin:20px;}
- レイアウトはflexboxやgridを使うと調整しやすいです。
- スマホ対応はmeta viewportと簡単なメディアクエリで可能です。
実用的な注意点
- ファイル構成を整理(index.html、css/style.css、img/など)。
- 小さな単位で保存・確認して作業を進めます。バージョン管理を使うと復元が楽です。
- アクセシビリティや表示速度にも気を配ってください。
Web制作会社に外注する方法
いつ外注すべきか
デザインの自由度や品質を重視する場合、時間や技術が不足しているときは外注が向きます。店舗サイトや企業サイト、複雑な機能が必要なときに特に効果的です。
メリット・デメリット
- メリット:プロの品質、納期管理、提案力。例:ブランドイメージに合う独自デザインが作れます。
- デメリット:費用が高め、依頼先に依存しやすい点。自分で細かく直せない場合があります。
制作会社の選び方
実績を見る(似た業種の事例)、担当者と相性を確認、見積りの内訳が明確かチェックします。ポートフォリオとレビューを複数比較しましょう。
契約で確認するポイント
納期、費用、成果物(デザインデータ・ソース・CMSのログイン情報)、保守範囲、著作権の扱いを明記してもらいます。
納品後の運用・更新方法
CMS(例:WordPress)で納品してもらえば自分で簡単に更新できます。更新を自分で行う場合は操作マニュアルと短期のトレーニングを依頼しましょう。保守契約で定期的なバックアップやセキュリティ対応を任せる方法も便利です。
費用感の目安
簡易な会社サイトは数十万円〜、デザイン重視や機能搭載は数十万〜数百万円が目安です。見積りは項目ごとに比較してください。
やり取りのコツ
要望は具体例(似たサイトのURLや参考画像)で伝えます。定期ミーティングを設定して進捗を確認しましょう。
最終チェックリスト
ドメイン・サーバーの所有権、納品物の受領、マニュアルの受け取り、保守契約の有無を確認して契約を締結します。
自分でホームページを作成する5ステップの手順
はじめに
自分で会社のホームページを作ると、費用を抑えつつ自由に更新できます。ここでは実際に進める5つのステップを、具体例を交えてわかりやすく説明します。
ステップ1:作成目的を決める
まず目的を明確にします。問い合わせを増やしたい、会社概要を見せたい、商品を販売したいなど目的で必要な機能が変わります。目的を1〜2行で書き出しましょう。
ステップ2:サーバーとドメインを決める
公開先(サーバー)と住所(ドメイン)を用意します。小規模なら共用サーバー、大きなアクセスを想定するなら専用やクラウドが安心です。ドメインは会社名や事業内容が分かる短めのものを選びます。
ステップ3:作成方法を決める
WordPress、ホームページ作成ツール、あるいはHTMLで作るなど方法を選びます。更新のしやすさやデザイン自由度、予算で判断します。初心者はテンプレートのあるツールやWordPressが向きます。
ステップ4:必要なページを決めて作る
代表的なページはトップ、会社概要、サービス・商品、料金、問い合わせ、実績・事例です。まずサイトマップ(ページの一覧)を作り、次にワイヤーフレーム(各ページの構成)を作ります。文章は読みやすく、写真は高品質なものを使いましょう。
ステップ5:公開と確認、運用準備
サーバーにアップして動作を確認します。スマホ表示やリンク切れ、フォーム動作も必ずチェックしてください。公開後は定期的にバックアップと更新を行い、アクセス状況を見て改善します。
補足:作業のコツ
- 優先順位をつけて、まずは必要最低限の情報で公開する。徐々にページや内容を増やす。
- テンプレートや既存デザインを活用すると短時間で見栄えが良くなる。
- SEOの基本(タイトル・見出し・本文の分かりやすさ)は忘れずに。
これらの手順を順に進めれば、初めてでも自分でしっかりしたホームページを作れます。












