サーチコンソールで複数サイトを効率よく管理する方法

目次

はじめに

目的

本記事は、Googleサーチコンソールを使って複数のWebサイトを効率よく管理・分析する方法を丁寧に解説します。複数サイトを運用するときの手間を減らし、検索流入の改善につなげることを目指します。

対象読者

個人ブログ運営者、EC担当者、複数サイトを抱える中小企業やWeb制作・SEO担当の方に向けています。専門知識がなくても分かるように具体例を交えて説明します。

本記事で学べること

  • サーチコンソールでのサイト登録と権限管理の基本
  • サイトごとのデータ確認と集約・比較の方法
  • Looker Studioなど外部ツールでのレポート化
  • 運用のコツとよくあるトラブル対応

読み方の目安

章ごとに手順と注意点、運用ノウハウをまとめました。まずは第2章で基本の登録方法を確認してください。

サーチコンソールで複数サイトを管理できる?

概要

Googleサーチコンソールは、1つのGoogleアカウントで複数のWebサイト(プロパティ)を登録・管理できます。サイト数に上限はなく、必要に応じて追加できます。

プロパティの種類と具体例

  • ドメインプロパティ:example.com や *.example.com をまとめて管理します。サブドメインやプロトコル(http/https)を一括で扱いたいときに便利です。
  • URLプレフィックス:https://blog.example.com や https://example.com/shop のように個別のURL単位で登録します。部分的に管理したい場合に使います。

例)企業サイトとブログを別々に管理するなら、ドメインでまとめるか、ブログだけをURLプレフィックスで登録します。

所有権の確認が必要

各プロパティごとに所有権確認(DNS、HTMLファイル、メタタグなど)が必要です。すでに所有権がある例では、同じアカウントで再利用できます。

ユーザー管理と権限

複数のサイトでも、プロパティごとにユーザーを追加できます。オーナー・フル・制限付きといった権限があり、共同運用がしやすいです。

注意点

  • 似たURLを別プロパティで登録するとデータが分散します。目的に合わせてドメインかURLプレフィックスを選んでください。
  • サイト追加時はサマリー(サイト名のルール)を決めておくと管理が楽になります。

サイトの登録方法と運用時の注意点

1. プロパティの種類と選び方

  • ドメインプロパティ:example.com のようにドメイン全体を一括管理できます。サブドメインやhttp/httpsをまとめたいときに推奨します(例:www.example.com と blog.example.com を一括)。
  • URLプレフィックス:https://example.com/blog のようにプロトコルやパスを含めた個別管理に向きます。特定のフォルダだけ管理したい場合に便利です。

2. 登録の基本手順

  1. サーチコンソールにログインして「プロパティを追加」を選択。
  2. ドメインかURLプレフィックスを選んでドメイン名またはURLを入力。
  3. 所有権の確認を行う(次項参照)。

3. 所有権確認の方法

  • ドメインプロパティ:DNSのTXTレコード追加(推奨)。
  • URLプレフィックス:HTMLアップロード、metaタグ、Google Analytics、Tag Manager のいずれか。
    各サイトごとに必須です。自動で共通化されません。

4. 代理店・複数担当者での運用注意点

  • 「ユーザーと権限」から個別に権限を付与します。所有者(完全管理)、フル、制限付きなどを用途に応じて設定してください。
  • 所有権は個人アカウントに結びつくため、契約変更時は権限移譲や所有者変更を忘れないでください。

5. 運用時の小さな注意点

  • サイトごとにサイトマップを送信・更新する。
  • ドメインのリダイレクトやhttp⇄httpsの仕様を揃えておくとデータがぶれにくいです。
  • 複数サイトを扱う場合はドメインプロパティを基本に、例外的にURLプレフィックスを使い分けると管理が楽になります。

複数サイトのデータを集約・比較する方法

概要

Googleサーチコンソール単体はプロパティ(サイト)ごとにデータを表示します。複数サイトを一括で見るにはBIツール(Looker Studioなど)やBigQuery連携を使い、可視化・比較・自動化します。

主な方法と特徴

  • Looker Studio(旧Data Studio): 複数のSearch Consoleプロパティを個別にデータソースとして追加し、「データブレンド」で結合できます。サイト名を共通フィールドにして比較しやすくします。
  • BigQuery経由: Search Console APIやコネクタで大量の検索クエリ(数万件)を取り込み、集計・保存します。高速に集約・再利用できます。
  • サードパーティ(Supermetrics等): 複数アカウントをまとめて引き出し、Looker Studioやスプレッドシートに流せます。

実践手順(Looker Studioの例)

  1. 各サイトのオーナー権限または閲覧権限を用意します。複数アカウントがある場合は、集約用のGoogleアカウントに権限を付けると便利です。
  2. Looker Studioで新規レポートを作成し、Search Consoleをデータソースとして追加します(サイトごとに追加)。
  3. サイト名やプロパティURLを示すフィールドを用意し、グラフや表でそのフィールドを軸に比較します。
  4. 複数ソースを結合する際は「データをブレンド」し、共通のキー(クエリやページ)で結合します。

運用上のポイント

  • データ量が多い場合はBigQueryに引き出して集計し、Looker Studioは集計済みデータを使うと表示が速くなります。
  • データ更新頻度と権限管理を決め、レポートの自動更新を設定してください。
  • プライバシーやアクセス制限に注意し、必要な範囲だけ権限を付与します。

この方法で複数サイトの比較が容易になり、レポート作成を自動化して分析時間を短縮できます。

複数サイト管理時のおすすめ運用ノウハウ

はじめに

複数サイトを効率よく管理するには、ルール作りと日々の運用が鍵です。ここでは実務で使いやすい具体的なノウハウを紹介します。

プロパティ名と権限管理

  • プロパティ名は分かりやすく統一します(例:「example.com(コーポレート)」「shop.example.com(ショップ)」)。
  • 権限は最小限に絞ります。オーナーは数名、編集は担当者のみ、外部は読み取り専用にするなど役割を明確にしてください。
  • 定期的に権限を見直す(例:3ヶ月ごと)。重要なアカウントは2段階認証を必須にします。

サイトごとの施策と全体俯瞰

  • 各サイトでSEO施策や表示速度改善を実施します。例えば画像圧縮や構造化データの追加など、サイト単位で対応します。
  • 全体傾向はLooker Studioで統合します。クリック数、CTR、平均掲載順位に加え、GA4のランディングページ指標を並べると効果が分かりやすくなります。

問題発見からの対応フロー

  • 通知機能を有効にして問題を見逃さないようにします。
  • 優先度を決めて対応します。例:インデックス落ちや大規模クロールエラーは最優先。
  • 手順は「原因特定→修正→URL検査→再送信→経過観察」です。サイトマップの更新漏れはよくある例です。

GA4併用で検索前後の分析を行う

  • Search Consoleは検索結果での表示やクリックを示します。GA4は訪問後の離脱やコンバージョンを示します。
  • 施策の前後比較は期間指定で行い、ランディングページごとのセッションや目標達成率を確認してください。UTMを使うと施策別の効果が分かりやすくなります。

運用チェックリスト(実務向け)

  • 週次:重大エラーの確認、サイトマップ送信状況
  • 月次:各サイトの主要指標報告、権限の確認
  • 変更時:変更ログと検証期間を残す

日々の小さなルールと定期チェックで、複数サイト運用の負担を減らせます。

複数サイト管理でよくある質問・トラブル

所有権確認のミス

よくある原因は「プロパティの種類を間違える」ことです。URLプレフィックスで登録したつもりがドメイン全体を対象にしたかった場合、サブドメインやhttp/httpsが漏れます。対処法はDNSのTXTレコードでのドメイン所有権確認を行い、必要なプロパティをまとめて登録することです。

権限不足による登録エラー

ユーザーに「所有者」または「フル権限」が付与されていないと設定変更や登録ができません。管理者アカウントでユーザー管理を開き、該当アカウントに適切な権限を付与してください。Googleアカウントの切替ミスも原因になります。

サブドメイン・複数スキームの管理

サブドメインやhttp/httpsを一括で管理したい場合は「ドメインプロパティ」を使うと便利です。URLプレフィックスで管理する場合は、それぞれ個別に登録・確認が必要になります(例: example.com, https://www.example.com, http://example.com)。

データが分かれる・集計できない

Search Consoleはプロパティ単位でデータを保持します。全体を集計・比較したいときはLooker Studioなどに接続して横断分析してください。複数プロパティをブレンドして集計する手順を用意すると運用が楽になります。

その他のトラブルと対処法

・確認タグがページに反映されない:キャッシュやCDNを確認してください。
・クロールエラーやインデックスの差:robots.txtやサイトマップを確認し、問題箇所を修正します。
・権限変更が反映されない:時間をおいて再確認してください。

まとめ:複数サイト運用の最適なサーチコンソール活用法

要点

サーチコンソールは1アカウントで複数サイトを登録・管理できます。サイトごとに課題を把握して改善を続けることで、SEO効果を高めます。横断的な比較やレポート作成にはLooker Studioなど外部ツールを使うと効率的です。

具体的な運用ポイント

  • プロパティは適切に(ドメイン or URLプレフィックス)作成し、所有権を確認します。
  • 役割分担を明確にし、ユーザー権限を付与します。
  • 重要ページはURL検査でインデックス状況を確認します。

レポートと比較のコツ

  • Looker Studioで複数プロパティを結合して集計します。例えば、合計クリック数や重要ページのCTRを月別で並べます。
  • 共通の命名規則(ページ名やキャンペーン名)を使うと集計が楽になります。

運用チェックリスト(例)

  • 毎週:パフォーマンスの大きな変化を確認
  • 毎月:カバレッジとコアウェブバイタルを点検
  • 重要更新時:URL検査で再クロール依頼

複数サイトを可視化し、課題と成果を分けて運用すると効率が上がります。小さな改善を積み重ねて、SEOの効果を確実に高めてください。

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