はじめに
Web制作やデザインで「参考サイト」を探す場面は多くあります。本記事は、その探し方や活用法、Web情報の“参考”と“引用”の違い、正しい参考文献の記載方法、出典の重要性と注意点、そして実務で使えるおすすめサイトやツールをやさしく解説します。
誰に向けているか
- デザイナーやコーダー、サイト制作に関わる方
- 学習中の方や、参考元の扱いに不安がある方
この記事で得られること
- 目的に合った参考サイトの見つけ方が分かります
- 参考と引用の違いを理解し、適切に使い分けられます
- Webサイトを参考文献として正しく記載する方法を学べます
- 実務で注意すべき点や便利なツールを知れます
本記事の構成
第1章 はじめに(本章)
第2章 参考サイトの探し方・活用方法
第3章 参考と引用の違い
第4章 参考文献の正しい記載方法
第5章 出典の重要性と注意点
第6章 おすすめの参考Webサイト集・ツール
以降は具体的な手順や事例を交え、順を追って説明していきます。
Webデザインや制作のための「参考サイト」の探し方・活用方法
なぜ参考サイトが必要か
デザインや構成のヒントを短時間で得られます。実際の事例を見ることで、トレンドや機能の見せ方、導線の作り方を把握できます。目的を明確にして探すと効率的です。
探し方の基本
- ギャラリー系サイト(例:Awwwards、SiteInspire、Pinterest)を使う。業種、カラー、レイアウト、機能で絞れます。
- コンポーネント集で箇所別に探す(検索ボックス、ナビ、カードなど)。
- 検索ワード例:「飲食店 サイト 事例」「ポートフォリオ レイアウト ヒント」「Eコマース 検索UI」
探すときのコツ
- クライアントの目標、ターゲット、求める機能を先に決める。
- モバイルとデスクトップ両方の事例を見る。
- 実装の難易度やアクセシビリティも確認する。
収集と整理の方法
- ブックマークやコレクション機能を使う。タグ付けで用途別に分けると後で便利です。
- スクリーンショットに注釈をつけ、良い点・改善点をメモする。
- Moodboardやリファレンスノートにまとめ、ワイヤー作成時に参照する。
参照時の心構え
- そのままコピーせず、目的やコンテキストに合わせてアイデアを翻案することが重要です。デザインは参考を元に自分の課題を解く手段だと考えてください。
Web情報の「参考」と「引用」の違いと使い分け
基本の違い
- 引用:他者の文章や図表を原文のまま用い、出典を明示する行為です。正確性や証拠を示したいときに使います。
- 参考:複数の情報を読み、自分の言葉でまとめた内容を指します。背景知識や自分の解釈を示すときに使います。
いつ「引用」するか
- 専門的な定義や公式の文言をそのまま伝えたいとき
- データや統計の元文を正確に示す必要があるとき
例)Google公式の方針や法律文の一節をそのまま示す場合。
いつ「参考」にするか
- 複数記事の知見を統合して自分の説明や意見を述べるとき
- 原文を逐語で示す必要がなく、自分の理解に基づいてまとめるとき
例)複数のSEO記事を読み、自分の経験を交えて改善手順をまとめる場合。
書き方のルール(実務的)
- 引用:引用符やブロック引用を使い、出典(著者名・サイト名・URL・日付)を明示する。
- 参考:本文内で出典を示すか、記事末に参考文献・出典一覧を作る。
- 引用は必要最小限にとどめ、長文のコピペは避ける。検索エンジンの重複評価や著作権問題を招く恐れがあります。
実例
- SEO記事:Googleの公式文を短く引用し、残りは他記事や書籍を参考にした自分の解説とするのが典型です。
注意点
- 出典は読者が元情報にたどれるようにすること。アクセス日も記載すると親切です。
- 引用の適法性は国や文脈で変わります。疑問があるときは原則として短く引用し、参照先を明示してください。
Webサイトを参考文献として記載する正しい方法
基本ルール
レポートやブログ、論文でWebサイトを参考文献にする際は、読者が元情報に確実に辿れるように書きます。必須項目は著者名(または組織名)、公開年、ページタイトルまたはサイト名、[オンライン]の明示、アクセス年月日、URLです。
記載する項目(順序の例)
- 著者名(個人または組織)
- 公開年(不明なら「作成年不明」と記載)
- ページタイトル(引用符や斜体はスタイルに合わせる)
- [オンライン]
- アクセス日(例:2025年10月1日)
- URL
記載例
-
行政機関の例
厚生労働省. (2020). 感染症の予防と対応. [オンライン]. アクセス日: 2025年10月1日, https://www.mhlw.go.jp/… -
Wikipediaの例(著者不明)
ウィキペディア日本語版. (最終更新: 2024年3月5日). “HTML”. [オンライン]. アクセス日: 2025年10月1日, https://ja.wikipedia.org/wiki/HTML
注意点
- 著者や公開年が不明な場合は、組織名や「作成年不明」を用いてください。
- URLは正確に、アクセス日は調査した日を記載します。
- 引用と参考文献は区別して記載し、引用箇所には出典を明示してください。
参考文献・出典の重要性と注意点
なぜ出典が重要か
Web情報は頻繁に更新・変更されます。出典を明記すると、読者は元情報に遡れますし、あなたの記述に信頼が生まれます。加えて、他人の知的財産を尊重する基本的なマナーになります。
明記すべき情報
- 著者名(分かれば)
- 記事タイトル/ページ名
- サイト名
- URL(可能なら恒久リンク)
- 公開日(ある場合)とアクセス日時
例:『記事タイトル』 著者名, サイト名, 公開日, URL, (アクセス:2025年5月1日)
実務的な注意点
- リンク切れ対策として、重要なページはアーカイブ(Waybackなど)を併記してください。
- スクリーンショットや図版を使う場合は出典を明示し、画像のライセンスを確認してください。
- 長文の転載は避け、短い引用にとどめて出典を示してください。引用は原文の意味を変えないようにします。
マナーと法的配慮
- 文章・画像・コードには著作権があります。再利用前にライセンスや利用条件を確認し、必要なら許諾を得てください。
- 商用利用や改変は特に注意が必要です。疑問があれば作者に連絡することをおすすめします。
おすすめの参考Webサイト集・ツール
ギャラリー系(デザイン全体を把握)
Awwwards、Behance、siteInspire、Pinterestなどは実際のデザイン事例を短時間で把握できます。業種やレイアウト、カラーで絞り込んで、雰囲気や動線を素早く比較してください。
機能別・パターン集(部分最適の参考)
ランディングページ、フォーム、ナビゲーション、カードUIなど、機能ごとの事例を集めるサイト(例:PatternTapやUIパターン集)を使うと、特定の課題に対する解決策を見つけやすいです。
キーワード・市場調査ツール
ラッコキーワードやGoogleキーワードプランナー、Googleトレンドは競合や検索ボリュームの把握に役立ちます。関連語や検索動向を調べてコンテンツ設計に活かしてください。
実装・検証ツール
FigmaやAdobe XDでプロトタイプを作成し、LighthouseやPageSpeed Insightsでパフォーマンスを測定します。WhatFontやColorZillaで色やフォントを確認するのも便利です。
その他の便利ツール
SimilarWebやWappalyzerで競合のトラフィックや技術構成を調べられます。ブックマークやスクラップツールで気になる事例を整理すると効率が上がります。












