はじめに
この章の目的
本記事は、Webに関する用語「Webサイト」と「Webページ」の違いを、初心者から実務初級者向けにやさしく解説するために作りました。用語の意味や構造、ホームページとの違い、現場での使い分けまで、図や比喩を交えてわかりやすく説明します。
誰に向けて書いたか
- Webの基礎を学びたい方
- サイト制作や依頼を始めたばかりの方
- 用語の使い方に自信がないビジネス担当者
読み方のポイント
各章は短く区切り、具体例を多めに説明します。まずは第2章で一言の違いを押さえ、その後に詳しい定義や構造へ進んでください。
注意点
日常的に混同されやすい用語を扱います。最初は混乱しても大丈夫です。順を追って読めば自然と理解できます。
WebサイトとWebページの違いを一言でいうと?
一言でいうと
Webページはインターネット上でブラウザから見る「1枚のページ」です。文字・画像・動画などが載った単体の画面を指します。一方、Webサイトは複数のWebページがリンクでつながり、同じドメイン名のもとにまとめられた「ページの集合体」です。
なぜ区別するのか(簡単に)
1枚のWebページだけを作ることもできますが、会社情報や商品ページ、問い合わせページなどを揃えると、それらがまとまって1つのWebサイトになります。役割や管理のしかたが変わるため、区別して考えると便利です。
見分け方のポイント
- URLを見る:1つのページには固有のURLがあります。複数のURLが階層的に並ぶとサイトです。
- ナビゲーションの有無:メニューやリンクで他ページへ移動できればその集まりがサイトです。
- ドメイン:同じドメイン配下のページ群をまとめてサイトと呼ぶことが多いです。
身近な例でイメージ
Webページ=1枚の紙。Webサイト=その紙が集まった1冊の本や図書館のようなものです。たとえば「会社のトップページ」は紙の表紙、「採用情報」は別の紙ですが、両方が集まって会社のWebサイトになります。
Webページとは?定義と具体例
定義
Webページは、ブラウザで表示される「1枚のページ」のことです。HTMLを土台に、文字・画像・動画・リンクなどを組み合わせて作るインターネット上の文書です。通常は1つのテーマに絞って情報を伝えます。
具体例
- 会社概要ページ:会社の基本情報や沿革をまとめたページ
- サービス紹介ページ:提供するサービスの内容や特徴を説明するページ
- 料金表ページ:価格やプランを一覧にしたページ
- お問い合わせページ:問い合わせフォームや連絡先を載せるページ
- ブログ記事ページ:1つの記事を全文表示するページ
- 商品ページ(EC):商品画像・説明・カートへの導線を含むページ
一般的な構造
1つのWebページは次の要素で構成されることが多いです。
– ヘッダー:ロゴやメニューなど、サイト全体で共通する部分
– メインコンテンツ:そのページで伝えたい本文や画像、見出し
– サイドバー(任意):関連情報や最新記事、CTAを置く補助領域
– フッター:著作権や住所、利用規約などの補足情報
URLとページの関係
基本的に1ページ=1URLです。ブラウザのアドレス欄に表示されるURLで特定のページを開けます。なお、近年は動的に見た目を切り替えるサイトもあり、見た目は1つでも内部で複数の状態を持つ場合がありますが、概念としては「1画面分(1URL)で1つのWebページ」と考えて問題ありません。
ページごとに情報を分けることで、利用者が目的の情報にたどり着きやすくなります。
Webサイトとは?定義と構造のイメージ
定義
Webサイトは、インターネット上にある複数のWebページがまとまった集合です。通常は同じドメイン(例: example.com)配下にあるページ群を指します。企業やブランド、サービスごとに1つのWebサイトを持つことが一般的です。
構造のイメージ
多くのサイトは階層構造を持ち、トップページ(ホーム)を起点に各ページへ移動できます。ページ同士はリンクで結ばれ、訪問者は自由に行き来できます。サイト内の構造は木の枝分かれのようなイメージです。
具体例(企業サイト)
- トップページ
- 会社概要
- サービス一覧、各サービスの詳細ページ
- 導入事例、FAQ、採用情報
- お問い合わせフォーム
これらが階層的に並び、必要に応じて深い階層のページへ進みます。
比喩での説明
Webサイトを「一冊の本」や「図書館」に例えると分かりやすいです。サイト全体が本や図書館で、各Webページがその中の章や一冊に相当します。
WebサイトとWebページの違いを表で整理
以下の表で、両者の違いをわかりやすく整理します。日常的な例を交えているので、実務でもすぐ使えます。
| 項目 | Webページ | Webサイト | 例 |
|---|---|---|---|
| 定義 | ブラウザで表示される1枚のページ | 複数のWebページをまとめた集合体 | 会社概要ページ vs 企業サイト全体 |
| 単位感 | 単品 | セット全体 | ブログ記事(1つ)/ブログ(全記事) |
| URL | 個別のURL(/about.html) | ドメイン配下の複数URL(example.com) | example.com/contact |
| 目的 | 個別情報の提供 | ブランド構築・サービス提供など複合的な目的 | 商品説明ページ/ECサイト全体 |
| 更新頻度 | 頻度は内容による | ページごとに異なるが全体運用が必要 | ニュースは頻繁に更新、会社案内は稀に更新 |
| 管理 | ページ単位で編集 | サイト構成や導線設計を管理 | 担当が1人でページ作成、別チームでサイト運用 |
| ナビゲーション | 単独では完結しないことが多い | サイト内リンク・メニューでつながる | サイトメニューから各ページへ移動 |
| 利用シーン | 特定情報の共有・印刷 | 集客・取引・問い合わせなどの総合窓口 | 商品購入・資料請求の導線作成 |
使い方のヒント:制作や打ち合わせでは「このページだけ直すのか」「サイト全体の導線を見直すのか」を、この表で即判断できます。どちらを指すか迷ったら「単品か集合体か」を基準にしてください。
ホームページとの違いもよく聞かれる理由
本来の意味
ホームページは本来、Webサイトの「トップページ(入口)」を指します。つまりホームページは複数あるWebページのうちの一つです。例えば会社のWebサイトなら、社名ロゴや主要リンクが載った最初のページがホームページです。
日常での混同が起きる理由
日本では日常会話で「ホームページ」をサイト全体の意味で使うことが多いです。広告や名刺でも「ホームページをご覧ください」と書かれ、サイト全体を示す場合が多いため、混同が広まりました。
具体例で整理
- Webサイト:会社の全体(トップ・会社概要・採用・お問い合わせなどすべて)
- ホームページ:サイトのトップページ(入口ページ)
- Webページ:個々のページ(採用ページやお問い合わせページなど)
使い分けが大切な場面
制作や契約書、技術的な説明では用語の正確さが求められます。依頼時に「ホームページ全体を作るのか、トップページだけを直すのか」を明確にすると認識違いが減ります。
一言アドバイス
会話で「ホームページ」と言われたら、必要に応じて「サイト全体ですか、それともトップページですか?」と確認すると安心です。
用語を正しく使うメリット(ビジネス・制作現場の視点)
なぜ重要か
用語を正しく使うと、関係者の認識が揃います。例えば「サイトを直してほしい」とだけ伝えると、トップページの変更を指すのか、商品詳細の誤字修正を指すのか分かりません。具体的に「サイト全体(ドメイン直下のページ群)」「トップページ」「商品詳細ページ(/products/123)」のように示すと伝わりやすくなります。
制作会社・エンジニアとのやり取りでの効果
見積もりやスケジュールの精度が上がります。依頼範囲を「サイト全体」か「トップページのみ」かで工数が大きく変わるため、誤解が減り追加費用や手戻りを防げます。仕様書やバグ報告ではURLやスクリーンショットを添えるとさらに確実です。
社内共有・企画書・マニュアルでの利点
用語を統一すると意思決定が早くなります。企画書で「トップページ改修」「詳細ページ追加」「サイト構造の見直し」と明記すれば、承認者や実務者が同じイメージを持てます。マニュアルやオンボーディング資料にも同じ用語を使うと、新しいメンバーが理解しやすくなります。
実践的なコツ
用語集を作る、URLやワイヤーフレームを添える、受発注時は対象ページを明記する。この三つを習慣にすると、業務効率とプロジェクト成功率が確実に改善します。












