はじめに
この章の目的
この記事の目的は、Webサイトで使われている色を手早く正確に調べる方法をわかりやすく紹介することです。デザインの参考にしたいとき、ブランドの色を確認したいとき、配色を統一したいときに役立ちます。
この記事でできること
- ブラウザの開発ツールを使って色を特定する方法
- Chrome拡張機能やオンラインツールで色を取得する手順
- スマホで色を調べる方法や、画像から色を抽出する手順
それぞれの方法で手順と利点・注意点を丁寧に説明します。
誰に向けているか
Webデザイン初心者、ブログ運営者、マーケティング担当者、配色を学びたい方など、幅広い方に向けています。専門知識がなくても実践できるよう、具体例を交えて説明します。
進め方の案内
以降の章でツールごとの手順を順に説明します。まずはブラウザの開発ツールから始め、その後に拡張機能、オンラインツール、スマホ、画像からの抽出へと進みます。各章を試しながら進めると理解が深まります。
ブラウザの開発ツールを使う方法
1) 開発ツールを開く
調べたいページ上で調べたい要素の上で右クリックし「検証(Inspect)」を選びます。キーボードではF12やCtrl/Cmd+Shift+Iでも開けます。開発ツールは画面内にパネルとして表示されます。
2) 要素を選んで色を確認する
左上のマウスポインタアイコン(要素選択)を押して、色を知りたい部分をクリックします。開いたパネルの「Styles」タブにあるcolorやbackground-colorの値を確認してください。値は#RRGGBBやrgb(255,0,0)の形式で表示されます。
3) 値のコピーと実験
色コードは右クリックでコピーできます。Stylesの値を直接書き換えると、ページ上で色の変化を即座に確認できます。試しに別のコードを入れて見た目を比べてください。
4) さらに詳しく見るために
Computedタブを見ると、最終的に適用されている色が分かります。ホバーなどの擬似クラスは、Stylesパネル上で:hov(擬似クラス)を選んで強制できます。背景に画像やグラデーションがある場合はbackgroundプロパティ全体を確認してください。
5) よくある注意点
- CSS変数や親要素の影響で色が決まることがあります。親のスタイルも確認してください。
- 動的に変わる色(スクリプトで切り替わるもの)は、実際に操作してから確認すると正確です。
これらの手順で、Webページ上の色を簡単に調べられます。
Chrome拡張機能を活用する方法
概要
Chrome拡張機能を使うと、Webページ上の任意のピクセルの色を手早く取得できます。代表的なものに「ColorZilla」「ColorPick Eyedropper」があり、いずれもアイドロッパーで画面上の色をクリックして取得できます。拡張機能は使いやすく、色コードのコピーや履歴保存が可能です。
主な拡張機能と特徴
- ColorZilla: ページ全体から色を取得でき、HEXやRGBで表示します。カラーヒストリーやスポイトツール、CSSグラデーション作成などの機能があります。
- ColorPick Eyedropper: シンプルで軽量。マウスでピクセルを選ぶと即座に色コードを表示します。
インストールと基本操作
- Chromeウェブストアで拡張機能を検索して「Chromeに追加」を押します。必要な権限が表示されるので確認してください。
- ツールバーにアイコンが表示されます。使うときはそのアイコンをクリックします。
使い方の手順(例)
ColorZillaの基本操作:
1. アイコンをクリックして「Pick color from page」を選びます。
2. カーソルがスポイトに変わるので、色を取りたい箇所に合わせてクリックします。
3. 表示されたウィンドウでHEXやRGBをコピーできます。履歴から過去の色を呼び出すことも可能です。
ColorPick Eyedropperの基本操作:
1. アイコンをクリックしてスポイトモードに入ります。
2. マウスでピクセルを選ぶと、下部やポップアップに色コードが表示されます。
3. クリックでコピー、あるいは表示を見ながらメモします。
便利な使い方と注意点
- 正確に取得するにはブラウザをズームせず、対象を拡大表示すると良いです。画像に重ねられた半透明のレイヤーは色を変えますから、オーバーレイを一時的に非表示にしてください。
- 拡張機能はページ内の画像や要素に対して動作しますが、ブラウザUIやPDF内では動かない場合があります。
- データの扱いに注意し、信頼できる拡張機能だけをインストールしてください。不要になったら拡張機能を削除して権限を解除できます。
オンラインツールを利用する方法
概要
URLを入力してWebサイトの色を解析するオンラインツールは、特別なソフトを入れずに手早く色を調べられます。代表例は「HTML Color Codes」「Image Color Picker」などです。画像だけでなくページ全体の配色を取得できるものもあります。
代表的なツールと特徴
- HTML Color Codes:URLや画像から色を抽出し、HEXやRGBで表示します。使い方が分かりやすいです。
- Image Color Picker:画像の任意の場所をクリックして色を取得できます。シンプルで直感的です。
- Coolors / Site Palette:配色をまとめて表示し、カラーパレットを作れます。
使い方(URLで解析する基本手順)
- ツールのページにアクセスします。
- 「URLを入力」や「サイトを解析」などの欄に調べたいサイトのURLを貼ります。
- 解析ボタンを押すと、ページ内で使われる主要な色が一覧で出ます。
- 欲しい色のHEXやRGBをコピーしてデザインに使います。
カラーコードの読み方
- HEX(例:#ff6600):ウェブでよく使われます。
- RGB(例:rgb(255,102,0)):赤・緑・青の数値で表します。
多くのツールは両方表示します。
注意点とコツ
- 公開ページでのみ解析できます。ログインが必要なページは正しく取得できません。
- スクリーンの色味や画像圧縮で値が変わることがあります。重要な色は複数ツールで確認すると安心です。
- プライバシーが気になる場合はサイト全文を送らないか、ローカルの画像だけで試してください。
モバイルでの利用
スマホブラウザから使えるツールも増えています。URL入力欄が見つかれば、同じ手順で色を取得できます。画面サイズにより操作がやりにくい場合は、PCでの確認をおすすめします。
スマホで調べる方法
概要
外出先でもスマホで色を調べられます。Adobe CaptureやColor Picker for Androidのようなアプリを使うと、カメラで実物の色を読み取ったり、画面上の色を抽出したりできます。
必要なアプリ
- Adobe Capture(iOS/Android): 写真やカメラからパレット作成。
- Color Grab / Color Picker(Android): 画面上や写真からピンポイントで色を取得。
- スクリーン上で色を取るツール(Pixolorなど、Androidのオーバーレイ型)
カメラで調べる手順
- アプリを起動し、カメラモードを選ぶ。
- 調べたい部分にカメラを向ける。
- 画面のスポットをタップして色を取得。RGBやHEXが表示されます。
画面上の色を抽出する手順
- スクリーンショットを撮る→アプリで開いてスポイトツールを使う方法が確実です。
- Androidではオーバーレイ型の色ピッカーで直接画面上をタップして取得できます。
実用のコツ
- 屋外では光の影響を受けやすいので、影や反射に注意してください。
- スクリーン設定(明るさやダークモード)を標準に戻すと正確性が上がります。
- 複数箇所を測って平均を取るとブレが抑えられます。
保存と活用
取得した色はパレットとして保存し、コード(HEX/RGB)をコピーしてデザインや共有に使えます。
画像内の色を抽出する方法
概要
画像の特定部分の色を正確に知りたいときは、スクリーンショットを撮り、スポイト(カラーピッカー)で色を取得します。画像編集ソフトや簡単なフリーツールで、RGBや16進数(HEX)表記を確認できます。
準備するもの
- 対象の画像(ファイルまたは画面表示)
- 画像編集ソフト(例:Photoshop、GIMP、Paint.NET)またはカラーピッカー機能を持つツール
- 必要ならスクリーンショット機能
ステップ(画像ファイルを使う場合)
- 画像をソフトで開きます。ズームして確認すると誤差が減ります。
- スポイト(Eyedropper)ツールを選び、色を取りたいピクセルをクリックします。
- ソフト上でRGBやHEXの数値が表示されます。表示をコピーして使います。
ステップ(画面上の要素から取る場合)
- 画面をスクリーンショットします。全画面か範囲選択で保存します。
- 保存した画像を開き、上と同じ手順でスポイトを使います。
補足と注意点
- ピクセルの色は拡大して確認すると正確になります。アンチエイリアスや圧縮で色が混ざる場合は、周囲の複数ピクセルを平均して判定する機能を使うと良いです。
- ウェブ上の色をそのまま取得したいときは、ブラウザ拡張のカラーピッカーを使うとスクリーンショット不要で簡単です。
- 結果はRGBやHEXで保存し、デザインやコーディングにそのまま貼り付けて活用できます。












