はじめに

この連載では、Webサイトにおける「タグ」の基礎から実践までをやさしく丁寧に解説します。初心者の方でも理解できるよう、専門用語は最小限にして、具体例を交えて説明します。

目的

タグがサイトの見た目や検索結果、運用にどのように影響するかを理解し、実際に使える知識を身につけていただくことを目的とします。たとえば、ページのタイトルやmeta情報、記事につけるカテゴリタグ、外部サービスが提供する計測タグなどを扱います。

本記事で学べること

• 基本的なタグの役割と種類
• SEO（検索順位）に関係するタグの考え方
• 運用上のタグ（記事タグや管理用タグ）の活用法
• 実例を交えた注意点と改善方法

読者対象

Web制作やサイト運営を始めた方、既存サイトの改善を目指す担当者、編集やライティングに関わる方に向いています。

読み方の案内

次章からは、HTMLタグ、metaタグ、titleタグなどを順に取り上げます。各章は独立して読めますので、気になる章から進めてください。

Webサイトにおける「タグ」とは何か

タグの基本的な役割

Webサイトの「タグ」は、ページの中で何が何かを示すラベル（要素）です。見出しや段落、画像やリンクといった各部分を明確にし、ブラウザや検索エンジンが内容を理解しやすくします。見た目はCSS、動きはJavaScriptと連携して決まります。

HTMLタグの書き方（簡単な例）

• <h1>見出し</h1>：大きな見出しを示します。
• <p>段落</p>：文章のまとまりを示します。
• <a href="URL">リンク</a>：別ページや外部への移動を作ります。
• <img src="画像のURL" alt="代替テキスト">：画像を表示し、代替テキストで内容を説明します。
  多くのタグは開始タグと終了タグで囲みますが、画像タグのように終了タグを必要としないものもあります。

ブログやSNSで使う「タグ」との違い

ブログやSNSのタグはキーワードやカテゴリーの意味で使います（例：#旅行）。HTMLタグはページ構造の記述、SNSのタグはコンテンツの分類に使う、と考えると分かりやすいです。

タグがあることでできること

• 構造化：検索エンジンや支援技術が内容を理解しやすくなります。
• 表示の制御：見た目やレイアウトを適切に指定できます。
• 検索・整理：SNSやブログのタグは関連コンテンツを見つけやすくします。

注意点

タグは意味に沿って正しく使うことが大切です。見た目だけで適切でないタグを使うと、検索やアクセシビリティに悪影響を与えます。画像には必ず代替テキストを入れ、リンク先が正しいか確認してください。

HTMLタグの種類と役割

構造タグ

ページ全体の骨組みを作ります。例：（文書の最上位）、（メタ情報）、（表示する本文）。これらでブラウザがページの領域を正しく解釈します。

テキストタグ

見出しや段落、強調を指定します。例：

〜

（見出しの階層）、

（段落）、（重要）、（強調）。見出しは内容の構成を示し、読みやすさと検索エンジンの理解に役立ちます。

リンク・画像タグ

他ページへの移動や画像表示に使います。例：（リンク）、（画像）。画像には必ずalt属性を入れ、リンクは具体的な文言にします。

リストタグ

箇条書きや順序付きの列挙を作ります。例：

、
、
1. 。情報を整理して伝えやすくします。

   フォーム・メディア・埋め込み

   ユーザー入力や動画、外部コンテンツを扱うタグです。例：

   、、