webサイトで使うダークモードの魅力と活用法を徹底解説

目次

はじめに

調査の目的

本調査は「webサイト ダークモード」に関する情報を分かりやすく整理したものです。Webサイトにダークモードを導入する際の方法や技術的選択肢、メリット、既存サイトへの対応方法まで幅広く扱います。実装の具体例や注意点も含め、実務で役立つ内容を目指します。

対象読者

デザイナー、フロントエンド開発者、サイト運営者、これから学ぶ方まで幅広く想定しています。専門用語は必要最小限に抑え、具体例で補足しますので初学者にも読みやすい構成です。

本書の構成と読み方

第2章でダークモードの基本を説明し、第3〜6章で実装方法を順に紹介します。第7章は注意点、第8章は既存サイトへの対応方法を扱います。各章でサンプルやポイントを示すので、目的に合わせて読み進めてください。

期待できる効果

ダークモード導入で視認性の改善やバッテリー消費の軽減、ブランド体験の向上が期待できます。本稿を通じて、実装の全体像と実用的な手順をつかんでいただければ幸いです。

ダークモードとは

概要

ダークモードは、画面の背景を暗くして文字やアイコンを明るく表示するカラースキームのことです。目の疲れを軽減したり、暗い場所で見やすくしたりする目的で使われます。OSやブラウザにはダークモード設定があり、それを有効にするとブラウザのタブやツールバーなどの外側UIが暗くなります。

Webページとダークモードの違い

ブラウザ自体がダークになっても、Webページ内のコンテンツは自動で変わりません。多くのサイトは白地に黒文字を前提にデザインしているため、ページ内は従来の配色のまま残ります。サイト側で対応していないと、OS設定だけではページの見た目を変えられません。

視覚的な特徴(具体例)

  • 背景:黒や濃いグレー
  • 文字:白や薄いグレーでコントラストを確保
  • 強調色:リンクやボタンは明るいアクセントカラーを使う

主な利点

  • 暗い場所での視認性が上がる
  • 光の刺激が少なく、目の負担を減らせる
  • OLED系ディスプレイではバッテリー節約に寄与する場合がある

注意点と補足

  • コントラスト不足で読みにくくなることがあるため、色の組み合わせを慎重に選びます。
  • 画像や動画の背景が暗いと見えにくくなることがあるので、個別調整が必要です。

実際の切り替え方法(イメージ)

OS設定でダークを選ぶ→ブラウザのUIは暗くなる→対応サイトはページ内も暗くなる(未対応サイトは変わらない)

以上がダークモードの基本的な説明です。次章では実際の実装方法について詳しく見ていきます。

ダークモード実装の主な方法

ダークモードを実装する基本は主に2つです。1つはユーザーのOS設定に合わせて自動で切り替える方法、もう1つはサイト内に切り替えボタンを用意して手動で切り替える方法です。ここでは仕組みと簡単な実装例を分かりやすく説明します。

自動切り替え(システム設定に合わせる)

ブラウザのメディア特性「prefers-color-scheme」を使います。幅広い環境で有効です。

@media (prefers-color-scheme: dark) {
  body { background:#111; color:#eee }
}

これでユーザーがOSでダークを選んでいれば自動で適用されます。

手動切り替え(ユーザーが選ぶ)

ページにボタンを置き、ダーク用クラスを付け替えます。状態はlocalStorageに保存すると便利です。

// クリックで切替
btn.onclick = ()=>{
  const isDark = document.documentElement.classList.toggle('dark');
  localStorage.setItem('theme', isDark? 'dark':'light');
}
// 読み込み時に復元
const saved = localStorage.getItem('theme');
if(saved) document.documentElement.classList.toggle('dark', saved==='dark');

両方を組み合わせる

実装の基本は優先順を決めることです。まずlocalStorageの設定を確認し、なければprefers-color-schemeを参照します。これでユーザーの意図を尊重しつつ、システム設定にも対応できます。

注意点としてはコントラストや画像の見え方、初回表示のちらつき対策(FOUT)を検討してください。

CSSを使った実装方法

概要

CSSだけでダークモードを実装する場合、ブラウザがユーザーの配色設定を伝えるメディア特性「prefers-color-scheme」を使います。まずは最小限の記述例を示します。

基本の書き方

/* ライトはデフォルト */
body { background: #fff; color: #000; }
/* ユーザーがダークを選んでいるとき */
@media (prefers-color-scheme: dark) {
  body { background: #000; color: #fff; }
}

この方法は簡単で、OSやブラウザの設定に合わせ自動で切り替わります。

CSS変数を使った実用的な方法

複数要素の色を一元管理するには変数が便利です。

:root{
  --bg: #fff; --fg: #000;
}
@media (prefers-color-scheme: dark){
  :root{ --bg:#000; --fg:#fff; }
}
body{ background:var(--bg); color:var(--fg); }

変数なら色を変更しても複数箇所を直す必要がありません。

クラス切替との併用

ユーザーがページ内で手動切替をしたい場合は、HTMLにclassを付けて上書きします。

html.dark { --bg:#000; --fg:#fff; }

JavaScriptでhtmlにclassを付ければ、OS設定に関係なく切替できます。

実用的な注意点

  • 画像やアイコンの色も確認してください。
  • コントラスト比を保ち、可読性を優先してください。
  • スムーズな切替にはtransitionを使うと見た目が良くなります。

これらを組み合わせると、シンプルで拡張しやすい実装になります。

JavaScriptを使った実装方法

概要

JavaScriptを使うと、システム設定の検知やユーザー操作への即時反映など、細かな制御ができます。matchMediaで「prefers-color-scheme」を監視し、.light-theme/.dark-themeクラスを切り替えます。ここでは基本的な実装手順と注意点を例で示します。

実装手順(基本)

  1. 初期テーマの決定
  2. localStorageに保存されたユーザー設定があればそれを使い、なければmatchMediaの結果で決めます。

  3. matchMediaの監視

  4. ユーザーがOSのテーマを変えたときに自動で切り替えます。

  5. トグル操作と保存

  6. ボタンでテーマを切り替え、選択をlocalStorageに保存します。元に戻してシステムに従わせる機能も用意します。

例(簡略コード)

const mq = window.matchMedia('(prefers-color-scheme: dark)');
function apply(theme){
  document.documentElement.classList.remove('light-theme','dark-theme');
  document.documentElement.classList.add(theme);
}
const saved = localStorage.getItem('theme');
apply(saved || (mq.matches ? 'dark-theme' : 'light-theme'));
// 監視
if(mq.addEventListener) mq.addEventListener('change',e=>{ if(!localStorage.getItem('theme')) apply(e.matches?'dark-theme':'light-theme'); });
else mq.addListener(e=>{ if(!localStorage.getItem('theme')) apply(e.matches?'dark-theme':'light-theme'); });
// トグル例(省略)

注意点

  • ユーザーの保存設定を優先してください。画像やアイコンの色も切り替える必要があります。アクセシビリティのため、状態を示すaria属性を更新してください。

Darkmode.jsライブラリを使った実装

概要

Darkmode.jsは、既存サイトに数行を追加するだけで簡単にダークモードを提供できる軽量ライブラリです。内部ではCSSのmix-blend-modeなどを用いて色を切り替えるため、細かなCSSを書かずに済みます。

導入手順(基本)

  1. CDNまたはnpmでライブラリを読み込みます。
<script src="https://unpkg.com/darkmode-js@1.5.7/lib/darkmode-js.min.js"></script>
  1. ページ末尾でインスタンスを作りウィジェットを表示します。
<script>
  new Darkmode().showWidget();
</script>

これだけで画面右下に切替ボタンが現れ、ダークモードの切替が可能になります。

オプション例

オプションを渡すと見た目や動作を調整できます。例:

const options = {
  bottom: '32px',
  right: '32px',
  time: '0.5s',
  mixColor: '#111',
  label: '☾'
};
new Darkmode(options).showWidget();

注意点

・mix-blend-modeを使うため、画像や複雑な背景で意図しない見え方になることがあります。影響が出る要素にはクラスで除外する対応を検討してください。
・サイト全体の配色は必ず目視で確認してください。

実装時の注意点

まず覚えておくこと

単にbodyの色を変えるだけでは不十分です。文字色や背景色を個別に指定した要素、ボタンやフォーム、外部ウィジェットはそのまま残ることが多いので、個別に確認して修正する必要があります。

チェックリスト

  • テキスト色:リンクや見出し、注釈なども確認する
  • 背景:カードやモーダル単位で異なる背景色がないか確認する
  • ボタン・フォーム:ホバー・フォーカス状態まで確認する
  • 画像・アイコン:透明背景の画像やSVGは見えにくくなることがある
  • サードパーティ要素:埋め込みウィジェットは別途スタイルが必要
  • インラインスタイル:CSS変数より優先されるため注意する

実装のコツ

  • CSS変数で色を一元管理すると修正が楽になります
  • prefers-color-schemeを利用して初期表示を決め、ユーザーの選択はローカルストレージで保存してください
  • 切替時のトランジションは短めにすると不自然さが減ります

アクセシビリティとテスト

  • 十分なコントラスト比(WCAG基準)を確保してください
  • 複数の端末・ブラウザで確認し、色覚の違いをシミュレートしてテストしてください

明るさの調整

暗すぎると照明の映り込みが気になる場合があります。ユーザー向けに「カスタム」明るさ調整を用意すると親切です。

ダークモード非対応サイトへの対応

多くのWebサイトはダークモード非対応でも、表示を暗くして目に優しくできます。ここでは手軽な方法と注意点を具体的に説明します。

ブラウザ拡張を使う

最も簡単な方法は拡張機能を入れることです。たとえば「Dark Reader」や「Super Dark Mode」は有名で、インストールしてボタンを押すだけでページ全体をダーク表示にします。主な機能は次の通りです。
– サイトごとのオン/オフ切替
– 明るさ、コントラスト、色相の調整
– 画像や色の例外設定(画像はそのまま表示するなど)

インストール手順の例(Chrome)
1. Chromeウェブストアで拡張名を検索
2. 「Chromeに追加」をクリック
3. 拡張のアイコンで有効化・設定

注意点

拡張はページの色を後から書き換えるため、レイアウトが崩れることがあります。特に複雑なUIや色に依存するコンポーネントでは表示がくずれる場合があります。また、拡張がページ内容を読む必要があるため、プライバシー設定や権限を確認してください。

拡張以外の方法

  • ユーザースタイル(例:Stylus、Stylebot)で独自CSSを書き、サイト単位で調整する
  • ブラウザのリーダーモードを使う(記事本文だけを抜き出して暗く表示)
  • OSの色反転機能を使う(画像も反転するので注意)

用途に応じて方法を選べば、非対応サイトでも読みやすいダーク表示が実現できます。設定はまず一時的に試し、崩れや動作に問題がないか確認してください。

まとめ

ダークモードを導入すると、目の負担を減らし、閲覧環境を向上できます。自動切替(OS設定連動)と手動切替を組み合わせると利用者に優しいです。実装はCSSだけで済ませる方法、JavaScriptで細かく制御する方法、ライブラリを使って手早く実装する方法があります。それぞれ利点と注意点があるため、目的や規模に合わせて選んでください。

ポイントチェックリスト

  • コントラストを確保する:テキストと背景の差を十分に取る
  • ユーザーの選択を保存する:CookieやlocalStorageで記憶する
  • 画像やアイコンの扱い:必要ならダーク用素材を用意する
  • アクセシビリティ:スクリーンリーダーや拡大表示で問題がないか確認する
  • パフォーマンス:余計な再描画や大きなライブラリを避ける

導入後は実機や異なるブラウザで必ず検証してください。小さな配慮が使い勝手を大きく改善します。

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