はじめに
本ドキュメントは「web パフォーマンス」に関する主要な記事や解説を分かりやすく整理したものです。
目的
- WebサイトやWebアプリの表示速度と操作の軽さについて、基礎から実践まで把握できるようにします。
- 開発者だけでなく、運用担当や企画担当にも役立つ視点を提供します。
なぜ重要か
ページの表示が遅いと、訪問者は待てずに離れてしまいます。具体例として、写真が多いページで画像が遅く表示される、重いJavaScriptがページの操作を止める、といった現象があります。こうした問題はユーザー体験を損ない、問い合わせ減少や売上低下につながります。
本ドキュメントで扱うこと
- MDNによる「ウェブパフォーマンス」の定義と考え方
- 実際の改善取り組み（product.plexの事例）
- ホスティング事業者のお名前.comによる解説
- Core Web Vitalsなど、具体的な指標と計測方法
読者は本書を通じて、何を計測し、どこを優先して改善すべきかが明確になります。
MDN「ウェブパフォーマンス」/「ウェブパフォーマンスとは」
ウェブパフォーマンスの定義
MDNはウェブパフォーマンスを「ページの読み込み速度」「操作可能になる速さ（Time to Interactive）」「操作時のスムーズさ（スクロールやアニメーション）」と定義しています。利用者が感じる速さを大切にする考え方です。
改善の基本目標
- 全体の読み込み時間を短くする（ファイルサイズ削減や圧縮）。
- 早く利用できる状態にする（最小限の初期表示を素早く出す）。
- 測定して維持する（定期的に速度を計測し改善を続ける）。
具体例として、画像を軽くする、不要なスクリプトを後回しにする、ブラウザキャッシュを活用することが挙げられます。
知覚パフォーマンスとクリティカルレンダリングパス
実際の処理が遅くても「速く感じさせる」工夫が重要です。たとえば、スケルトンスクリーン（骨組み表示）や段階的レンダリングで利用者にすぐ見える部分を先に表示します。クリティカルレンダリングパスの最適化では、レンダリングを妨げるCSSやスクリプトを見直し、重要なスタイルを先に読み込むことで最初の描画を早めます。これにより体感速度が向上します。
測定と維持のポイント
定期的に測定ツールで指標を確認し、小さな改善を積み重ねます。たとえばページの読み込み時間や反応時間を記録し、問題があれば優先順位を付けて対処します。継続的な観察が安定した性能につながります。
Webパフォーマンス改善に向き合っていくお話（product.plex）
MDNの定義を起点に
MDNが示す「ウェブパフォーマンス」は、読み込み時間・操作可能時間・スムーズさなどユーザーが体感する要素で整理できます。たとえば、ページがすぐ表示されても操作できるまで時間がかかれば体験は悪化します。
何を目指すべきか
目標は単なる高速化ではなく、ユーザーの満足度向上と事業成果の改善です。読み込み遅延は離脱につながり、結果としてコンバージョンや売上に影響します。具体例としては、大きな未圧縮画像を減らすと表示が速くなり、直帰率が下がることがあります。
指標と運用
Core Web Vitalsなどの定量指標で現状を把握し、RUM（実際の利用データ）とラボ測定を組み合わせて監視します。短期的な改善と長期的な文化作りを両立させ、改善は小さな実験と評価を繰り返して進めます。
組織と継続性
担当者を明確にし、パフォーマンスを評価するKPIを設定します。デザイナー、開発者、プロダクト担当が協力する仕組みを作ると、継続的な改善が進みやすくなります。
お名前.com「サイトパフォーマンスとは」
サイトパフォーマンスとは
サイトパフォーマンスは、ウェブページの表示や操作の速さを指します。ユーザーがページを開いたときに「どれだけ早く見えるか」と、ボタンを押したときに「どれだけ早く反応するか」の両方が含まれます。遅いと感じると、利用者は待てずに離れてしまいます。
表示速度（ページの見え方）
表示速度は、ページの内容が画面に表示されるまでの時間です。例えば、商品一覧の画像がすぐに表示されなければ、買い物を続ける気持ちが薄れます。大きな画像や不要なスクリプトがあると遅くなります。具体的には、画像を圧縮したり、必要な部分だけ先に読み込む工夫が効果的です。
リアクション速度（操作の速さ）
リアクション速度は、ボタンやフォームに対する反応の速さです。フォーム入力で反応が遅いと、ユーザーは操作を繰り返してしまいストレスになります。小さな遅延でも操作感が悪くなり、満足度が下がります。
ビジネスへの影響
サイトが遅いと、離脱やコンバージョン低下につながります。ECサイトなら購入完了率が下がり、問い合わせフォームが遅ければ問い合わせ自体が減ります。反対に、速いサイトはユーザーの信頼を得やすく、売上や予約率の向上につながります。
基本的な改善手法
- 画像圧縮：画質を保ちながらファイルサイズを小さくします。例）商品写真を軽くする
- キャッシュ活用：一度読み込んだデータを再利用して表示を速くします
- 遅延読み込み（必要なときだけ読み込む）：下にある画像はスクロールしたときに読み込む
- ファイルの軽量化：不要なコードを減らし、読み込みを速くする
- 配信の見直し（CDNやホスティング）：ユーザーに近いサーバーから配信することで応答が速くなります
これらは基本の対策です。まず簡単な画像圧縮やキャッシュ設定から始めて、徐々に改善を進めると成果が見えやすくなります。
Core Web Vitalsとは何か？Webページパフォーマンスの重要指標
概要
Core Web Vitalsは、Googleがユーザー体験（UX）を評価するために示した重要な指標です。読み込みの速さ、操作への応答性、表示の安定性を測ります。主にモバイルでの快適さが重視されます。
主要な指標と具体例
- LCP（Largest Contentful Paint）: ページの主要なコンテンツが表示されるまでの時間です。例：記事の見出しや大きな画像が見えるまでの時間。目安は2.5秒以内が良好です。
- FID（First Input Delay）: ユーザーが最初に操作してから応答するまでの遅延時間です。例：ボタンを押してから反応するまでの時間。100ms以下が目標です。
- CLS（Cumulative Layout Shift）: ページ表示中に要素が動いてしまう量を表します。例：広告が後から読み込まれ押し下げられる。スコアは0.1未満が良好です。
改善のコツ（簡単な対策）
- LCP: 画像を圧縮し、優先的に読み込む。サーバー応答を速くする。
- FID: 不要なJavaScriptを減らす。処理を分割して遅延実行する。
- CLS: 画像や広告にサイズを指定する。動的挿入を控える。
各指標にはGoogleの評価基準があり、基準を満たすと「快適なページ」と評価されます。まずは実測ツールで現状を把握し、簡単な対策から試してみてください。
