はじめに
概要
本資料は「web ゲーム fps」に関する調査結果を分かりやすくまとめたものです。Webゲームにおけるフレームレート(fps)の基本概念や、オンラインゲームで快適に遊ぶための目安、さらにジャンル別(FPS/TPS、MOBA、バトルロイヤル、MMORPG、ターン制RPG、サンドボックスなど)の推奨fpsを詳しく解説します。競技性の高いジャンルでは144fps以上が理想とされる点にも触れます。
目的
読者が自分の遊ぶゲームに対してどの程度のfpsが必要か判断できるようにすることが目的です。パソコンやブラウザの設定、機材選びの参考にも使えます。
想定読者
初心者から中級者までを想定しています。専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明しますので、技術に詳しくない方でも理解しやすい内容です。
本書の使い方
第2章以降で基礎とジャンル別要件を順に解説します。まずは第2章でfpsの基本を確認してから、関心のあるジャンルをお読みください。
フレームレート(fps)の基本概念
定義
フレームレートは「Frames Per Second(fps)」の略で、1秒間に画面に表示される画像(フレーム)の枚数を表します。例えば60fpsは1秒間に60枚の絵が連続して表示されることを意味します。
なぜ重要か
フレームレートが高いほど映像は滑らかに見え、操作した入力の反応も速く感じます。ゲームでは視認性と操作性に直結するため、快適さに大きく影響します。逆にfpsが低いと映像がカクつき、正確な操作が難しくなります。
主なfpsの目安(用途別)
- 防犯カメラ:3~5fps(動きの確認が主)
- 映画:24fps(フィルムの標準)
- テレビ:25~30fps(放送規格に準拠)
- YouTube:24~60fps(映像の種類や好みによる)
- ゲーム:60~240fps(競技性や滑らかさを重視)
フレーム時間(わかりやすい換算)
fpsは「1枚あたりの表示時間(ms)」でも考えられます。例:
– 60fps → 約16.7ミリ秒/フレーム
– 144fps → 約6.9ミリ秒/フレーム
– 240fps → 約4.2ミリ秒/フレーム
短いほど画面更新が速く、入力遅延も小さくなります。
モニターと同期
モニターのリフレッシュレート(Hz)は、1秒間に画面が何回書き換えられるかを示します。モニターが60Hzなら60fpsまでしか表示できません。高fpsを活かすには、対応する高リフレッシュレートのディスプレイが必要です。
fpsの測り方と注意点
多くのゲームにはFPS表示やカウンターがあり、PCではツール(例:MSI Afterburnerなど)で測定できます。ネットワーク遅延はfpsそのものとは別ですが、オンライン対戦では両方が快適さに影響します。ハードウェア性能や設定で大きく変わる点に注意してください。
オンラインゲームに必要なフレームレート
概要
オンラインゲームを快適に遊ぶ目安は60fps(フレーム毎秒)です。多くのタイトルは60fpsを想定して作られており、初心者や一般プレイヤーには十分な滑らかさを提供します。設定や機材が許せば、より高いfpsで映像がさらに滑らかになります。
なぜ60fpsが基準か
一般的なモニターは60Hzで、1秒間に60回画面を更新します。60fpsあれば表示と更新が合いやすく、入力操作の遅れも抑えられます。操作感が安定するため、まずは60fpsを目標にすると良いです。
ジャンル別の目安
- FPS/TPS: 144fps以上を推奨。照準の追従や反応速度が重要なため、高fpsが有利です。
- MMORPG/アクションRPG: 60~120fpsが目安。多数のエフェクトや敵が出る場面では60fpsでも十分なことが多いです。
- MOBA: 60~144fps。視認性と操作の正確さが求められます。
- ターン制RPG/カードゲーム: 30~60fpsで問題ありません。処理負荷が低くても快適に遊べます。
メリットと注意点
高fpsは映像が滑らかになり、狙いや操作がしやすくなります。注意点はGPU負荷や発熱、電力消費が増える点です。また、ネットワークの遅延(ラグ)はfpsだけで解決しません。モニターのリフレッシュレートに合わせて設定することをおすすめします。
FPS/TPS(ファーストパーソンシューター/サードパーソンシューター)のfps要件
概要
FPS/TPSは瞬時の反応と精密な操作が求められるジャンルです。高いfpsは視界の滑らかさと操作感に直結し、エイム(照準)や回避の精度を高めます。代表例:APEX Legends、Counter-Strike 2、VALORANT、フォートナイト(60〜144fpsで幅があります)。
推奨フレームレート
- 競技志向:144fps以上を理想とします。可能であれば240fpsを目指すとさらに有利です。
- 一般プレイ:60〜144fps。60fpsは最低ラインで、安定した動作が重要です。
高fpsの利点(わかりやすく)
- 画面が滑らかに動くため敵の動きを追いやすくなります。
- 入力の反映が早く感じられ、照準合わせや反撃が素早くできます(入力遅延=操作してから画面に出るまでの時間が短くなる)。
実用的なアドバイス
- モニターのリフレッシュレート(例:60Hz、144Hz、240Hz)に合わせたfpsを目標にしてください。
- 目標fpsに届かない場合は、グラフィック設定(影の品質や描写距離)を下げて安定させます。
- V-Syncは遅延を増やすことがあるので、競技ではオフにすることが多いです。
- 安定したfpsは快適さに直結します。短時間で大きく変動するより、少し低くても安定した値を優先してください。
ハード面のポイント
- 高fpsにはGPUとCPUの両方が関係します。古い機材では設定を落としても厳しい場合があります。
- 144Hzや240Hz対応モニターを使うと高fpsの恩恵を実感しやすくなります。
MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)のfps要件
概要
MOBAは瞬時の判断と操作の正確さが勝敗を左右します。リーグ・オブ・レジェンドやDota 2のような代表作では、高いフレームレートが操作感と視認性に大きく影響します。競技シーンや上位ランクでのプレイでは120fps以上を目安にすることが一般的です。
なぜ高fpsが重要か
高fpsは入力遅延の短縮と表示の滑らかさにつながります。スキルショットや瞬間的な回避、視点移動で違いを感じやすく、フレーム数が多いほど反応が速く見えます。また、モニターのリフレッシュレート(例:144Hz)に合わせると表示が自然になります。
推奨fps目安
- カジュアルプレイ:60fps以上で十分快適です。
- 競技・上位ランク:120fps以上を推奨します。プロや上位プレイヤーは144〜240fpsでプレイすることもあります。
実践的な設定と対策
- 安定したfpsを優先してください。短時間の高fpsよりも、変動の少ない一定のfpsの方が操作感は良くなります。
- 描画距離やエフェクトを下げて負荷を抑えます。影やハイエンドのテクスチャをオフにすると効果が出ます。
- フルスクリーン表示にすると遅延が低くなることが多いです。
- ネットワーク遅延とは別物なので、fpsが高くてもラグは解消されません。ネット環境も同時に整えましょう。
モニターと周辺機器
- モニターのリフレッシュレートはfpsの恩恵を受ける重要な要素です。144Hzや240Hzのモニターは高fpsを活かせます。
- 高速なマウスや安定した入力機器も操作感に影響します。
バトルロイヤルゲームのfps要件
概要
バトルロイヤルは広いマップで多数のプレイヤーが対戦するジャンルです。索敵や射撃、接近戦などの場面が多く、視認性と入力反応が勝敗に直結します。代表例は荒野行動やNARAKA BLADEPOINTです。
推奨fps
- 最低:60fps
- 目安:144fps(競技寄りの環境で十分)
60fps未満だと照準の追従や視認に支障が出やすく、操作遅延を感じます。144fpsあればエイム感覚が安定し、リフレッシュレートの高いモニターの恩恵を受けやすくなります。240fps以上は反応で有利になる場面もありますが、体感差は小さくなります。
実用的な設定と注意点
- 優先順位は「安定したfps>最高画質」。解像度や影、エフェクトを下げてfpsを確保してください。
- VSyncは入力遅延を増やすのでオフが基本。G-Sync/FreeSyncは有効です。
- モバイルは60〜90fps、高性能機で144fpsを目指せます。コンソールは多くが60fpsがターゲットです。
測定方法
ゲーム内のfps表示か、MSI Afterburnerなどのツールで確認してください。重要なのはピークではなく「安定性」、大きな変動がないことが勝負に直結します。
MMORPG・アクションRPGのfps要件
なぜfpsが重要か
MMORPGやアクションRPGは広いフィールドや多数のプレイヤー、派手な演出を含みます。高いfpsは移動やカメラ操作、スキルの発動時の見た目を滑らかにし、操作感を良くします。例えば大規模な戦闘で多くのエフェクトが重なる場面ほどfpsの影響を受けやすいです。
推奨fpsレンジ
一般的には60fps以上を目安にすると快適です。60fpsで動きが滑らかになり視認性も向上します。より速い反応や高リフレッシュモニターを使うなら90~120fpsを目指すと良いです。低くても30fpsで遊べますが、動きの激しい場面で見づらさを感じやすくなります。
体感への影響と注意点
高fpsは入力遅延の軽減にもつながりますが、サーバー側の処理(ラグやティックレート)も体感に影響します。画面のカクつきはフレームの安定性が原因になることが多く、平均値より“安定していること”が重要です。
実践的な対策
・画質設定で影やパーティクルを下げる。負荷が下がればfpsが安定します。
・解像度や描画距離を調整する。負荷が高い場面での落ち込みを抑えます。
・フレーム制限やアダプティブ同期(G-Sync/FreeSync)を活用する。高いが不安定なfpsより安定した60fpsの方が快適です。
代表的なタイトルと目安
ファイナルファンタジーXIV、黒い砂漠、PSO2ニュージェネシスなどは、滑らかな演出を活かすため60fps以上が理想です。高性能なPCやゲーミングモニターを用意すれば、より快適に遊べます。
ターン制RPG・カードゲームのfps要件
概要
ターン制RPGやデジタルカードゲームは、瞬時の入力反応よりも情報の読み取りや演出が重視されます。対戦でも操作が急を要さないため、高いフレームレートは必須ではありません。
推奨フレームレート
- 30fps:十分プレイ可能。省電力や低スペック端末向け。
- 60fps:カードのアニメーションや演出が滑らかになり、見た目の快適さが向上します。
- 60fps以上:より滑らかな表示ですが、効果は減少します。
理由
操作タイミングの厳密さが低いため、30〜60fpsで視認性や操作感は十分です。アニメーションの滑らかさやUIの応答性を重視する場合は60fpsを目標にしてください。
代表例
シャドウバース、ハースストーン、遊戯王マスターデュエルなどが該当します。
設定と対策
- 設定でフレームレート上限を60fpsにする。バッテリー節約と温度管理に有効です。
- アニメ効果を切ると低スペック端末でも快適に動きます。
- オンライン対戦では通信遅延が影響するため、fpsより回線品質を優先してください。
サンドボックスゲームのfps要件
概要
サンドボックスゲームは探索や建築、環境の改変が主な遊びです。動きが激しい場面は少ないため、30〜60fpsで快適に遊べます。ただし、高品質のグラフィックや大規模な建築、モッド導入時はより高いfpsが望まれます。代表例はMinecraftやARK: Survival Evolvedです。
推奨fps目安
- 30fps: 最低ライン。ゆっくりとした操作や建築中心の遊びには十分です。
- 60fps: 一般的に快適。視点移動や細かな操作が滑らかになります。
- 120fps以上: 高速な視点移動や大量のエフェクト、大規模ワールドでも余裕を持ちたい場合に有効です。
fpsに影響する主な要素
- 描画距離(レンダーチャンク)やオブジェクトの数
- エンティティ(動物やNPC)や物理演算の量
- モッドやシェーダーなどの追加処理
- サーバー負荷(マルチプレイ時)
快適にするための対策
- 描画距離やエフェクトを下げる。
- 不要なエンティティやパーティクルを減らす。
- MinecraftならOptiFineやFabricの最適化MODを導入する。
- Javaゲームはメモリ割り当てや最新のランタイムを確認する。
- SSDや高速メモリを使うとワールド読み込みが安定します。
ハードウェアの目安
- 低スペック(内蔵GPU): 30〜60fps(設定低め)。
- 中~高性能GPU: 60fps前後を安定して維持可能。
- ハイエンドGPU/高リフレッシュレートモニタ: 120fps以上を目指せます。
具体例
- Minecraft: シェーダーや高レンダー距離でfps低下。OptiFineで大きく改善できます。
- ARK: 広大なマップと高負荷な物理演算で高fps向けの性能が求められます。
以上を踏まえ、遊び方と機材に合わせて目標fpsを決めると快適に遊べます。












