はじめに
本記事の目的
本記事は、ホームページ制作に関する用語を初心者向けにやさしく体系立てて解説することを目的としています。制作の各フェーズで出てくる言葉や、ホームページとWebサイトの違い、目的別のタイプ、制作でよく使う重要用語、SEOに関する基本用語まで幅広く扱います。
対象読者
ホームページをこれから作る個人や小規模事業者、制作の基本用語を整理したい方を想定しています。専門知識がなくても理解できるよう、具体例を交えて説明します。
本記事の構成と使い方
全6章で構成します。第2章は制作の5つのフェーズと用語、第3章は基本概念、第4章は種類と目的別の分類、第5章は制作で押さえる重要用語、第6章はSEOに関連する用語です。必要な箇所から読むこともできますし、順に読むと全体像がつかめます。今後の章では、実際の制作で遭遇する言葉を例とともに丁寧に説明します。
ホームページ制作の5つのフェーズと用語体系
1. 企画フェーズ(目的設定)
目的をはっきり決めます。例:商品を売る、問い合わせを増やす、ブランド認知を上げる。主な作業はターゲット設定、KPI(目標)決定、サイト構成案作成です。用語:KPI(何を数えるか)、ワイヤーフレーム(ページの骨組み)。
2. 準備フェーズ(制作環境構築)
ドメインやサーバーの契約、使うツールの選定を行います。例:レンタルサーバー選び、CMS(管理システム)の導入。用語:ドメイン(サイトの住所)、SSL(通信の暗号化)、CMS(更新を楽にする仕組み)。
3. 制作フェーズ(構成・デザイン)
コンテンツ作成、デザイン、コーディングを進めます。レスポンシブ対応や読みやすさを重視します。用語:レスポンシブ(スマホ対応)、CTA(行動を促すボタン)、SEO(検索で見つけてもらう対策)。
4. 分析フェーズ(改善)
公開後に成果を測ります。アクセス数や離脱率を確認し改善案を出します。用語:PV(ページ表示数)、コンバージョン率(目標達成率)、A/Bテスト(比較実験)。
5. 集客フェーズ(集客)
広告やSNS、メールで訪問者を増やします。継続的なコンテンツ更新でリピーターを育てます。用語:オーガニック(自然流入)、リターゲティング(再訪を促す広告)。
各フェーズで使う用語は重なることがあります。実務では目的に応じて優先順位を決め、段階的に進めると分かりやすいです。
ホームページの基本概念
用語の違い
ホームページ、Webサイト、Webページは日常では似た意味で使われますが、それぞれ役割が異なります。ホームページは一般にそのサイトの「顔」に当たるトップページを指します。Webサイトは複数のWebページが集まったまとまりです。Webページは個別の情報ページで、会社案内やブログ記事など単一のページを指します。
トップページ(ホームページ)の役割
ホームページは訪問者に最初に見てもらうページです。サイト全体の目的や雰囲気を伝え、主要なページへ案内するナビゲーションの役割を担います。たとえば会社のホームページなら事業内容やお問い合わせへの導線をわかりやすく示します。
Webページの具体例
- 会社概要ページ:会社の基本情報を載せます。
- お問い合わせページ:連絡手段やフォームを設置します。
- ブログ記事:個別の話題を詳しく説明します。
- 商品ページ:商品の説明と購入への導線を用意します。
技術面の簡単な説明
ブラウザで最初に表示されるページがトップページで、多くの場合ファイル名はindex.htmlやindex.phpなどです。ドメイン(例: example.com)はサイト全体の住所に当たります。
実務での使い分け
日常会話では「ホームページ」「サイト」を混同して問題ありませんが、制作や設計の場面では用途に応じて使い分けると誤解が生じにくくなります。たとえば「トップページを改善する」と言うとホームページの見直しを指し、「サイト構成を見直す」と言うとページ間の構成全体を見直すことを意味します。
ホームページの種類と目的別分類
コーポレートサイト
企業の公式情報を伝えることが目的です。会社概要、事業内容、IR情報、採用情報などを掲載します。信用を高めるために住所や代表挨拶、プレスリリースをわかりやすく掲載することが重要です。
サービスサイト
自社サービスや製品の特徴を詳しく伝え、問い合わせや申込を促します。料金プランや導入事例、機能比較を用意し、CTA(問い合わせボタンなど)を目立たせます。具体例:クラウドサービスの紹介ページ。
ECサイト
商品を販売するネットショップです。商品一覧、カート、決済、会員登録、発送管理など購入に必要な機能を備えます。ユーザーの購入導線を短くすると売上が上がりやすくなります。
ランディングページ(LP)
特定のキャンペーンや商品に特化した1ページ構成です。申込や購入など単一の行動に誘導するために作ります。広告からの流入に強い設計が求められます。
ブログ・メディアサイト
情報発信や集客を目的に記事を定期的に公開します。専門知識やレビュー、ニュースを掲載して読者を増やします。SEOを意識したコンテンツ作りが効果的です。
ポートフォリオ・採用サイト
個人やクリエイターの作品紹介、採用向けの会社文化紹介に使います。写真や実績を見せて信頼を作ることが目的です。
キャンペーン・マイクロサイト
短期間のプロモーション用に作る小規模なサイトです。イベント情報や応募フォームを設置して反応を集めます。
会員制サイト・コミュニティ
ログイン機能で会員だけに限定コンテンツを提供します。課金モデルや交流機能(フォーラム、チャット)を組み合わせることが多いです。
ホームページ制作に関する重要な用語
サーバー
ホームページのデータを置く場所です。例えると土地や倉庫で、ファイルや画像を保管して訪問者に渡します。
レンタルサーバー
自分でサーバーを買う代わりに借りるサービスです。運用やバックアップが簡単な初心者向けプランが多くあります。
トップページ
サイトの「顔」となる最上位のページです。訪問者が最初に見ることが多く、導線や印象を決めます。
HTML
Webページの構造を作る言語です。見出しや段落、画像の位置をブラウザに伝えます。
本番環境
公開用のサーバーとドメインのことです。テスト環境で問題がなければここで正式に公開します。
ヘッダー
ページ上部のエリアで、ロゴやナビゲーションが置かれます。サイト全体の導線を作る重要な部分です。
SEOに関連する用語
はじめに
SEOは検索結果で見つけられやすくするための工夫です。ここでは日常的に使う主要な用語をやさしく説明します。
キーワード
ユーザーが検索で使う言葉です。例:「渋谷 カフェ おすすめ」。ページは想定するキーワードに合わせて作ります。
タイトルタグとメタディスクリプション
検索結果に表示されるページ名と説明文です。短く魅力的に書くとクリックされやすくなります。
見出しタグ(H1/H2)
文章の構造を示します。H1はページの要点、H2は各項目の見出しに使います。
コンテンツの品質
情報が正確で読みやすいことが重要です。具体例や画像を加えると分かりやすくなります。
内部リンクと被リンク
内部リンクは自サイト内の関連ページへ誘導します。被リンクは他サイトからの推薦で、信頼性が高まります。
ページ速度とモバイル対応
表示が速くスマホで見やすいと評価が上がります。画像を軽くするなどの改善が有効です。
構造化データとクローラビリティ
記事の意味を機械に伝える情報(構造化データ)や、検索ロボットが巡回しやすい設計が大切です。
指標とツール
検索順位、クリック率、表示回数などを測る指標と、改善に使うツールがあります。まず状態を確認してから改善案を考えます。












