はじめに
目的
本資料は「web制作 ホームページ制作 違い」について、用語の使い分けや機能の違い、目的別の分類、情報発信の方針、外注時の判断基準などを分かりやすく整理したものです。具体例を交え、実務で使える判断材料を提示します。
対象読者
中小企業の担当者、個人事業主、これからサイト制作を依頼する方、業界用語を正しく理解したい方に向けています。専門知識がなくても読み進められるよう配慮しています。
本資料の進め方
各章は順を追って理解できる構成です。第2章で基本的な関係性を説明し、第3章以降で用語の使い分けや機能的違い、目的別の分類、情報発信の方針まで詳しく扱います。各章に具体的な例やチェックポイントを載せますので、実務でそのまま使えます。
読み方の提案
まずは第2章から順に読むことをおすすめしますが、特に知りたい章があればその章だけ先に読むことも可能です。どの章も用語の解説と実務上の判断基準を重視して書いています。
ホームページとWebサイトの基本的な関係性
用語の基本
「Webサイト」とは、複数のWebページが集まったものを指します。画像や文章、フォームなどを含む、まとまりのある情報の集合です。一方、日本語で広く使われる「ホームページ」も、ほとんど同じ意味で受け取られます。
日本と英語圏の違い
日本では「ホームページ＝Webサイト」として理解されることが多いです。英語圏では“homepage”がサイトの入り口であるトップページを意味します。言語や文化によって使い方に差が出る点に注意してください。
実務での影響
依頼や会話で混同しても支障は少ないですが、海外向けの説明や翻訳時は定義を明確に伝えた方が安心です。例えば「会社のホームページを作る」と言った場合、日本では会社サイト全体を指すと受け取られます。
具体例で理解する
・会社サイト：企業情報や採用情報など複数ページ＝Webサイト／ホームページ
・ブログ：複数記事で構成される＝Webサイト／ホームページ
言葉の違いを意識するだけで、伝わり方がより正確になります。
Web制作とホームページ制作の用語としての違い
用語が与える印象の違い
「ホームページ制作」は、名刺代わりの企業サイトや個人の紹介ページを想像させます。具体例として、会社案内、店舗情報、問い合わせフォームなど、比較的シンプルな構成を指すことが多いです。一方、「Web制作」はサイト全体だけでなく、デザイン、ユーザー体験、コンテンツ戦略やSNS連携まで含む広い活動を示す印象です。
誰がどちらを好むか
中小企業の担当者や個人事業主は「ホームページ制作」を使う傾向があります。理由は分かりやすさと馴染みやすさです。対して、ITリテラシーの高い層や大企業の担当者は「Web制作」を好み、マーケティングやシステム連携を重視する会話が多くなります。
実務上の違い（具体例）
・ホームページ制作の依頼例：会社案内ページの作成、写真と営業時間の掲載、簡単な問い合わせフォームの設置。
・Web制作の依頼例：レスポンシブ設計、CMS導入、SEO対策、分析ツールの設定、SNS連携やランディングページ制作。
用語選びの実用的ポイント
対象者に合わせて言葉を選んでください。依頼先や見込み客が専門用語を嫌うなら「ホームページ制作」で伝わります。戦略的な相談を期待する相手には「Web制作」と表現すると期待値が合いやすくなります。
Webシステム開発とWebサイト制作の明確な機能的違い
目的の違い
Webシステム開発は業務を自動化したり、ユーザー同士のやり取りを仲介したりします（例：ECサイトの注文処理や予約管理）。一方、Webサイト制作は情報を届けたり、ブランドを伝えたりする役割が中心です（例：会社案内、ポートフォリオ、ブログ）。
ユーザーとの関わり方
Webシステムはログインやデータ入力、複雑な操作を伴うことが多く、双方向のやり取りが前提です。Webサイトは閲覧中心で、ユーザーアクションは限られます（問い合わせフォームや資料ダウンロード程度）。
機能の具体例
Webシステム：会員管理、注文処理、決済、在庫連携、レポート出力など。データベースと連携して業務を支援します。
Webサイト：固定ページ、記事更新、画像や動画の掲示、簡単なフォーム。CMSで手軽に更新できます。
開発と運用の差
システムは設計・テスト・保守の工数が多く、セキュリティ対策やバックアップが重要です。サイトはコンテンツ更新やデザイン改善が中心で、短期間で公開しやすいです。
判断のポイント
・作りたい機能が単純な情報発信か、業務処理を伴うか
・利用者数やデータの重要度
・予算と納期
これらを整理すると、必要な開発の規模が明確になります。
ホームページの種類と目的別の分類
ホームページは作る目的によって性格が変わります。用途に応じて設計や見せ方、必要な機能が異なるため、目的を明確にすることが重要です。以下に主な種類ごとに分かりやすく説明します。
コーポレートサイト（企業情報発信）
目的：会社や団体の基本情報を伝え、信頼を築く。
内容：会社概要、事業内容、ニュース、問い合わせ先。
機能例：会社案内ページ、採用案内へのリンク、問い合わせフォーム。
向いている相手：顧客、取引先、投資家など。
制作ポイント：読みやすい会社情報と連絡手段を整えます。
ブランドサイト（ブランド価値伝達）
目的：商品の世界観やブランドイメージを伝える。
内容：ブランドストーリー、ビジュアル、キャンペーン情報。
機能例：ビジュアル重視のランディング、動画やストーリーページ。
制作ポイント：見た目と語りで感情に訴えます。
サービスサイト（サービス紹介・申込促進）
目的：サービスの特徴を説明して利用を促す。
内容：機能紹介、料金、導入事例、FAQ。
機能例：申込フォーム、体験予約、比較表。
制作ポイント：導線を短くして申し込みへつなげます。
リクルートサイト（採用情報）
目的：採用候補者に企業の魅力を伝える。
内容：社風、働き方、募集要項、社員の声。
機能例：エントリーフォーム、募集一覧、採用イベント告知。
制作ポイント：現場の声や具体的な業務を見せます。
オウンドメディア（ユーザー接触増加）
目的：情報発信でファンを増やし、信頼を築く。
内容：記事、コラム、ノウハウ、事例。
機能例：記事カテゴリ、検索、SNS連携。
制作ポイント：定期更新と読者目線のコンテンツが鍵です。
ECサイト（商品販売）
目的：商品をオンラインで販売する。
内容：商品一覧、詳細、決済、配送情報。
機能例：カート、決済機能、在庫管理。
制作ポイント：購入までの流れを簡潔にし、信頼感を高めます。
ランディングページ（広告経由のコンバージョン最大化）
目的：広告やキャンペーンからの申込や購入を集中して得る。
内容：一つの目的に特化した訴求文と行動ボタン。
機能例：問い合わせ・申込ボタン、限定オファー表示。
制作ポイント：一貫したメッセージで迷わせず行動を促します。
各タイプは目的に合わせて設計し、必要に応じて複数を組み合わせます。用途を整理して最適な構成を考えてください。
ブログとホームページの情報発信方針の違い
目的の違い
ブログは読者の知りたいことに応えるメディアです。製品の使い方、顧客インタビュー、アンケート結果など具体的な情報を定期的に発信し、信頼や関心を得ます。ホームページは会社紹介や事業内容、企業理念など“伝えたいこと”を網羅的に示す場です。両者は目的が違うため、伝え方も変わります。
コンテンツの種類と例
- ブログ：ハウツー記事、事例紹介、コラム、ニュースの解説。例：製品の使い方手順や顧客の声。
- ホームページ：企業概要、サービス説明、料金表、採用情報。例：代表挨拶や事業概要ページ。
更新頻度と運用体制
ブログは頻繁に更新して読者を引き付けます。短めの記事を定期公開すると良いです。ホームページは安定した情報を少ない頻度で整備します。運用担当はブログは編集者・ライター、ホームページは広報や経営側が関わることが多いです。
導線と役割分担
ブログで興味を引き、ホームページで信頼を固めて問い合わせへつなげます。具体的にはブログに製品記事を書き、詳細はサービスページへリンクします。これにより閲覧者が自然に目的ページへ移動します。
計測と改善のポイント
ブログはアクセス数、滞在時間、SNSでの反応を見ます。ホームページは問い合わせ数や資料ダウンロード数を重視します。どちらも指標を設定して定期的に見直すと効果が上がります。
運用のコツ
- 伝えたいこと（会社）と知りたいこと（読者）を分けて考える。
- ブログ記事にホームページへの導線を必ず作る。
- 更新計画を立てて役割を明確にする。
これらを意識すると、両方を使った効果的な情報発信ができます。
