はじめに
本調査の目的
本調査は、ホームページ作成ソフト「ホームページ・ビルダー21」(以下HPB21)の特徴や機能、バージョン体系、操作性、互換性、サポート体制などを分かりやすく整理することを目的としています。特に初心者が使いやすい点や、テンプレートやドラッグ&ドロップの利便性に着目しました。
調査の背景と重要性
近年、個人や小規模事業者が簡単にウェブ公開できるツールが増えています。HPB21は長年の実績があり、操作画面やテンプレートが親しみやすいため、導入の判断材料として本調査が役立ちます。具体例として、テンプレートを選んで画像とテキストを入れるだけでページが作れる点を取り上げます。
対象読者
- 初めてホームページを作る方
- 既存のHPBユーザーでバージョンアップを検討している方
- 他の作成ソフトと比較したい方
本書の読み方
各章で機能や操作性、互換性などを順に解説します。第2章から操作の基本、第4章でHPB21の具体的な使い方を詳しく紹介します。気になる章だけ先に読むこともできます。
ホームページ・ビルダーの基本概要
何か
ホームページ・ビルダーは、株式会社ジャストシステムが提供するホームページ作成ソフトです。専門的なプログラミング知識がなくても、文字入力や写真配置を直感的に行えます。WYSIWYG(見たまま編集)に近い操作感で作業できます。
主な特徴
- テンプレートから選んでカスタマイズするだけでページを作れます。例:店舗紹介、趣味のブログ、企業の簡易サイト。
- CD-ROMやダウンロードでインストールし、ローカルで作業します。
- 画像の挿入、テキストの装飾、メニュー作成などを画面上で操作できます。
操作の流れ(簡単な手順)
- ソフトをインストール
- テンプレートを選択
- 文字や写真を配置・編集
- プレビューで確認
- サーバーにアップロードして公開
用意するもの
- パソコン(対応OS)
- インターネット接続(公開時)
- 公開先のサーバー情報(FTPなど)
注意点
テンプレートで簡単に作れますが、細かいデザインや最新の表示対応は手作業が必要な場合があります。使い方に慣れれば短時間で見栄えの良いページを作成できます。
バージョン体系の理解
基本ルール
ホームページ・ビルダーのバージョン表記は、製品名の後ろに付く数字で示します。数字が大きいほど新しい世代の製品です。たとえば「ホームページ・ビルダー21」は過去のバージョンで、「ホームページ・ビルダー23」が現在の最新版となります。数字を見るだけで世代感を把握できます。
数字が示すもの(具体例)
- 大きな整数(例:21→23)は新機能追加や画面改善などの世代交代を意味します。
- 小数点やサブ番号(例:21.1)は同じ世代内の修正や小さな機能追加を表すことが多いです。
実務での読み方
新しい番号ほど新機能や対応OSが増えますが、古いバージョンが必ずしも使えなくなるわけではありません。たとえば既存サイトを更新するだけなら、21でも十分な場合があります。一方で、新しいテンプレートやセキュリティ更新を使いたい場合は23を検討してください。
選び方のポイント(簡潔に)
- 利用目的:デザイン変更だけなら旧版で事足りることが多いです。
- 互換性:お使いのパソコンやサーバーが対応しているか確認します。
- サポート期間:新しい版ほど長くサポートされる傾向があります。
注意点
バージョンを上げると操作画面やメニューの位置が変わることがあります。古いテンプレートやプラグインが動作しない場合もありますので、事前にバックアップを取り、試用版や体験版で確認することをおすすめします。
ホームページ・ビルダー21の機能と操作性
概要
ホームページ・ビルダー21は、テンプレートにパーツをドラッグ&ドロップしてページを作る操作性を重視したソフトです。HTMLやCSSの知識がなくても、直感的にサイトを完成できます。
主な機能
- テンプレート選択:業種や目的別に用意されたテンプレートを選べます。実例として、店舗用、ブログ用、ランディングページ用があります。
- パーツ配置:見出し・画像・ボタン・フォームなどの部品を画面上で移動して配置します。細かい調整はプロパティパネルで行います。
- メディア管理:画像や動画を取り込み、サイズや表示方法を簡単に設定できます。
- レスポンシブ対応:スマホ・タブレット向けにレイアウトが最適化されるテンプレートが多く用意されています。
操作の流れ(簡潔)
- テンプレートを選ぶ
- パーツをドラッグ&ドロップで配置する
- テキストや画像を編集する
- プレビューで表示を確認し、公開する
カスタマイズと拡張性
基本はノーコードで完了しますが、必要ならHTML編集やカスタムCSSで細部を調整できます。プラグインやウィジェットで機能を追加することも可能です。
公開と管理
内蔵の公開機能でFTPや独自ドメインへの公開をサポートします。また、サイトのバックアップやバージョン管理も行えるため、運用も安心です。
ホームページ・ビルダー21のメリット
ホームページ・ビルダー21(以下、HPB21)は、専門知識が少ない方でも見栄えの良いサイトを短時間で作れる点が大きな魅力です。ここでは具体的なメリットをわかりやすく説明します。
視覚的な編集で直感的に作成できる
画面上で配置やデザインを確認しながら作業できます。たとえば、見出しをドラッグして位置を変えるだけでレイアウトが整います。コードを書かずに完成形を確認できるため、作業が速くなります。
豊富なテンプレートで目的に合うデザインが見つかる
店舗、ブログ、ポートフォリオなど用途別に用意されたテンプレートが多数あります。テンプレートを選んでテキストや画像を差し替えるだけで、プロ風の仕上がりになります。
画像編集機能が内蔵されている
色調整やトリミング、文字入れなど簡単な画像編集がソフト内で可能です。外部ソフトを使わずにバナーや見出し画像を作れるため手間が省けます。
高品質な素材が多数付属している
商用利用可能な写真やアイコンがセットになっていることが多く、素材探しに時間をかけずに済みます。結果としてサイトの見栄えが向上します。
初心者でも短期間で公開できる
テンプレートと素材、視覚的編集の組み合わせで、初めての方でも短期間に形にできます。たとえば小さな店舗の案内ページや個人のポートフォリオなら、数時間~数日で公開可能です。
活用のコツ
- 目的に合ったテンプレートを最初に選ぶ
- 付属素材はサイズや色を統一して使う
- 画像編集は必要最低限にして読みやすさを優先する
これらのメリットがあるため、HPB21は初心者から中級者まで幅広く使いやすい選択肢です。
バージョン互換性と継続性
互換性の仕組み
ホームページ・ビルダーは古いプロジェクトファイルを読み込める仕組みを備えています。例として「ホームページ・ビルダー22 クラシック」は、ホームページ・ビルダー18以前で作ったサイトをそのまま開いて編集できます。テンプレートやレイアウト情報を保持しつつ、編集画面で扱えるようにします。
継続性の利点
- 長期間同じデザインを維持できます。実際に20年以上同じ見た目を保つ運用が可能です。
- リニューアルの手間とコストを抑えられます。既存コンテンツを流用できるため作業が短縮されます。
- 運用担当者の負担を軽くできます。習熟した操作で更新を続けられます。
注意点と対策
- 外部サービスやブラウザの仕様変更で表示が崩れる場合があります。定期的にブラウザ検証を行ってください。
- プラグインやカスタムスクリプトは互換性がないことがあります。動作確認と書き出し後の手直しを推奨します。
- セキュリティ面では、古いコードに脆弱性が残る可能性があります。SSLやサーバー設定は最新に保ち、バックアップを必ず取ってください。
運用の実践例
- 本番サイトのバックアップを取る。2. テスト環境でクラシックモードで開いて確認。3. 問題がなければ本番に反映。4. 将来的にはモダンなテンプレートへ段階的に移行する計画を立てる。
この流れで、互換性を活かしつつ安全に長期運用を続けられます。
現代における位置付けと課題
現在の位置付け
ホームページ・ビルダーはかつて多くの個人や中小企業に支持されました。現在は、WordPressやクラウド型のサイト作成サービスに利用者を奪われ、シェアは下がっています。それでも、会社の連絡先や個人のポートフォリオのような“名刺代わり”の静的サイト作成には十分役立ちます。
主な強み
- 操作が分かりやすく、初心者でもページを作れます。具体例として、テンプレートに文字や画像を入れるだけで体裁が整います。
- ローカル環境で編集できるため、インターネットに接続しなくても作業できます。
- 最新版ではスマートフォン対応テンプレートが充実し、表示崩れが起きにくくなりました。
直面する課題
- 動的な機能(ブログの自動更新や複雑な会員管理)には弱いです。ネットショップや多人数での共同編集には向きません。
- テンプレートや外部サービスとの連携が限定的で、最新のSEO対策や解析ツール導入が手間になる場合があります。
- 長期間使うと古いブラウザや新機能への対応が遅れる恐れがあります。
改善の方向性
今後は、スマホ対応をさらに強化するとともに、フォーム送信や解析ツールなど外部サービスとの簡単な連携を増やすことが有効です。また、静的サイトとしての利点を前面に出し、手早く作れる点や一括購入型のコスト面をアピールすると利用者の需要を取り戻しやすくなります。
アップデートとサポート体制
概要
ホームページ・ビルダーは本体のバージョンアップと手厚いサポートを特徴とします。バージョンによっては永久無料の更新や、ライセンスに基づく有償更新があり、ユーザーは継続的に新機能や不具合修正を受け取れます。
アップデートの形態
無料アップデートは主にセキュリティパッチや細かな機能改善で提供されます。メジャーな機能追加はライセンス更新や新バージョンで配布されることが多いです。例えば、最新のテンプレート追加や公開機能の拡張は有償版で先行することがあります。
マニュアルと学習支援
マニュアルはバージョンに合わせて無償で配布します。オンラインのマニュアルサイトや操作ガイド、動画チュートリアルを常時更新し、検索や具体例で学べるように整備しています。
サポートチャネル
メールや問い合わせフォーム、電話サポート、ユーザーフォーラムを用意しています。緊急の不具合は優先対応され、初心者向けは手順を丁寧に案内する窓口があります。
利用者への注意点
更新前に必ずサイトのバックアップを取ってください。プラグインやカスタムコードとの互換性を確認し、問題がある場合は旧バージョンでの運用を検討します。
推奨される運用
定期的にアップデートを適用し、マニュアルや公式サイトの案内を確認してください。問い合わせ時は使用中のバージョン情報を伝えると、迅速に対応してもらえます。












