はじめに
この章では、本調査の目的と読者に期待することをやさしく説明します。初心者の方が無理なく読み進められるよう、専門用語は最小限にして具体例を交えます。
目的
特定のウェブページやウェブサイトがどのサーバーで運営されているかを、自分で確認できるようにすることが目的です。たとえば、気になるブログの運営先を知りたい場合や、自分のサイトの設定を見直したい場合に役立ちます。
なぜ調べるのか
・サービスの信頼性や所在地を把握できます。
・障害発生時の切り分けがしやすくなります。
・セキュリティ確認や学習にも使えます。
対象読者と前提
このガイドは初心者から中級者向けです。特別なソフトは不要で、基本はウェブブラウザとインターネット接続だけで進めます。
本ガイドの構成(全6章)
第1章: はじめに(本章)
第2章: ウェブサイトのサーバーを調べる方法 – 初心者向けガイド
第3章: 初心者向けサーバー調査ツール
第4章: Netcraftを使った具体的な調査手順
第5章: ドメイン取得先の調べ方
第6章: 管理画面からのIPアドレス確認方法
この後は、実際の手順や無料ツールの使い方を順を追って解説します。利用は必ず正当な目的で行ってください。
ウェブサイトのサーバーを調べる方法 – 初心者向けガイド
概要
ウェブサイトのサーバーを調べると、管理やトラブル対応、セキュリティ対策に役立ちます。専門知識がなくても、無料の手軽な方法で基本的な情報を得られます。
用意するもの
- 普通のパソコンとインターネット接続
- ウェブブラウザ(ChromeやFirefoxなど)
基本の調べ方(初心者向け)
1) ブラウザで確認
– サイトを開き、アドレスバーの鍵アイコンをクリックすると一部の情報が見えます。HTTPS証明書の発行者などが分かります。
2) Pingやtraceroute(簡単な方法)
– Windowsならコマンドプロンプト、MacやLinuxならターミナルで「ping example.com」と入力すると、サーバーのIPアドレスが表示されます。接続の遅延も分かります。
3) WHOISでドメイン情報を確認
– ドメインの登録者や登録会社(レジストラ)を調べられます。サービスのWebページで調べるだけで使えます。
4) DNS情報の確認(nslookupやオンラインツール)
– 「nslookup」や「dig」でDNSレコードを見れば、どのホスティングを使っているか手がかりになります。オンラインのDNSチェッカーも便利です。
どんな情報が得られるか
- サーバーのIPアドレス、ホスティング会社、証明書の発行者、DNSレコードなど。これらで管理先や運用形態の手がかりを得られます。
注意点
- 他人のサイトで過度に調べたり、攻撃に使うのは違法・不倫理です。所有サイトや許可を得た範囲で行ってください。
初心者向けサーバー調査ツール
簡単な説明
まずは手軽に調べたい方向けに、2つの無料ツールを紹介します。どちらも会員登録なしで使えるため、初心者でもすぐ試せます。
クイックレスキューの無料サーバー調査ツール(日本語)
- 使い方:検索欄に調べたいドメイン(例:example.com)を入力して実行するだけです。httpやhttpsは外してドメインだけで大丈夫です。
- 得られる情報:ホスティング会社、IPアドレス、ネームサーバー、逆引きDNS、リダイレクト診断、Webサーバーの種類、ホスティングプロバイダ、サーバーの地理的位置などを一覧で表示します。具体例として、IPアドレスから国や都市の目安を確認できます。
- 初心者向けのポイント:画面が日本語で分かりやすいので、結果をそのままコピーしてメモに残すとよいです。リダイレクト診断はURL遷移の問題を見つけるのに便利です。
Netcraft(英語)
- 使い方:ドメインを入力して検索します。英語表示ですが操作は直感的です。
- 得られる情報:サイトの稼働履歴や使用技術、ホスティングプロバイダ、証明書情報など、やや詳しい内容を確認できます。
- 初心者向けのポイント:技術情報が多いので、まずは「Hosting provider(ホスティング)」や「Server(サーバー)」の欄だけ確認すると混乱しにくいです。
注意点と使い方のコツ
- CDNを使っているサイトは本当のホストが隠れることがあります。見つからない場合は別のツールで補足しましょう。
- IPの所在地は目安です。正確な住所を示すものではありません。複数ツールで照合すると精度が上がります。
Netcraftを使った具体的な調査手順
準備
まずNetcraftの公式サイトにアクセスします。トップページ左下にある「What’s that site running?」の入力欄を探してください。調べたいサイトの完全なURL(例: https://example.com)を用意します。
1. URLを入力してANALYZEを押す
入力欄に調べたいサイトのURLを入れ、「ANALYZE」ボタンを押します。数秒で解析結果が表示されます。
2. 結果の見方(基本項目)
表示される項目の中で主に見るべきは以下です。
– Netblock Owner:サーバーの割当先(多くの場合はホスティング会社)
– IPアドレス:そのサイトが応答しているIP
– Server(ソフトウェア):使われているサーバーソフト(例: Apache, nginx)
– Location(物理的所在地):データセンターの国や都市情報
3. Netblock Ownerが不明な場合
Netblock Ownerが空欄や不明な表記なら、同ページの「Reverse DNS」欄を確認します。そこに表示されるホスト名や、同一IP上の他サイト一覧(Hosted sites)から手がかりが得られます。
4. CDNやプロキシに注意
サイトがCDNやプロキシ経由だと、表示される会社は配信元(CDN事業者)になることがあります。その場合はReverse DNSやHosted sitesでオリジンらしき情報を探すか、WHOISなど他の情報源と組み合わせて判断します。
5. 実用的なコツ
- 表示をスクリーンショットして記録します。
- 結果は変わることがあるので、時間を置いて再確認します。
以上の手順で、Netcraftからサーバー提供企業、IP、所在地、サーバーソフトなどの基本情報を得られます。
ドメイン取得先の調べ方
概要
ドメインの取得先(どの業者で登録されたか)を調べる基本手順を分かりやすく説明します。まずは.jpとcom/net/orgで使うサイトが異なる点を押さえます。
.jpドメインの調べ方(JPRS Whois)
- JPRSのWhoisサイト(https://jprs.jp/)にアクセスします。
- 調べたい.jpドメインを入力して検索します。
- 「ネームサーバ」欄を確認します。ネームサーバ名から提供元(レンタルサーバやDNSサービス)を推測できます。
- ネームサーバ名をそのままGoogleなどで検索すると、どの企業やサービスが使われているか見つかることが多いです。
com/net/orgなどの調べ方(ICANN Lookup)
- ICANN Lookup(https://lookup.icann.org/)にアクセスします。
- ドメインを入力して検索します。
- 結果の「Registrar Information」欄の「Name」で取得元の企業名を確認します。
注意点
- WHOIS情報が代理(プライバシー保護)になっている場合、登録者名は表示されません。
- ネームサーバ名がリセラー名や大手CDNのもので、正確な取得業者が分かりにくい場合があります。その際はレジストラ名や料金請求メールのヘッダを参考にします。
(まとめは不要)
管理画面からのIPアドレス確認方法
レンタルサーバー管理画面で確認する(例:さくらインターネット)
- サーバーの管理画面にログインします。
- 「サーバー情報」や「アカウント情報」「ドメイン設定」などの項目を開きます。
- 表示されるIPアドレスやサーバー名を確認します。さくらインターネットならコントロールパネルの「サーバ情報」にIPが載っています。
Windowsのコマンドプロンプトでnslookupを使う
- スタートメニューから「cmd」または「コマンドプロンプト」を開きます。
- 次のように入力して実行します(例):
nslookup example.com
- 表示された「Address」や「非権威な回答(Non-authoritative answer)」の欄にIPが出ます。簡単で速く調べられます。
ウェブツールでホスト名から調べる(例:SEOチェキ!)
- ブラウザでSEOチェキ!などのドメイン解析ツールを開きます。
- 調べたいドメイン名を入力して検索します。
- 「DNS情報」や「サーバ情報」にホスト名やIPアドレスが表示されることが多いです。
注意点
- 共有サーバーでは複数のドメインが同じIPを使います。IPだけで運用元を特定できない場合があります。
- 管理画面で見つからないときは、サポートに問い合わせると確実に教えてもらえます。












