初心者向けにわかりやすく解説するwebとdispatcherの基本知識

2025 12/05

2025/12/05

はじめに

概要

この文書は、一般的な「web dispatcher」の役割と、SAPの文脈で使われる「SAP Web Dispatcher」について分かりやすく説明します。WebクライアントからのHTTP/HTTPSリクエストを受け取り、適切なバックエンドサーバへ振り分ける仕組みや、関連する用語、基本的な設定の考え方、比較対象を紹介します。

背景と目的

現代のWebシステムは複数のサーバで処理を分担します。web dispatcherは、受け取ったリクエストを目的のサーバへ振り分け、負荷を分散したりセキュリティを高めたりします。たとえば、ショッピングサイトで注文処理や商品表示のサーバを分ける際に役立ちます。本章では本書の扱い範囲と読み方を示します。

本書で扱う内容（簡単に）

web dispatcherの基本的な役割と仕組み
SAP Web Dispatcherの特徴と利用シーン
よく一緒に検索される用語や設定のヒント
学習や調査に便利な追加キーワード

想定読者と読み方

システム管理者、開発者、アーキテクト、導入検討中の担当者などを想定します。専門用語は最小限にし具体例で補足します。まず本章で全体像をつかみ、必要に応じて次章以降で設定例や関連語を詳しく確認してください。

キーワードの意味・役割

概要

「web dispatcher」は、外部からのWebリクエストを一手に受ける『入口』です。ブラウザやAPIクライアントから来る要求をまず受け取り、次の処理先を決めます。身近な例では、訪問者が多いWebサイトで最初にアクセスが集中する地点を想像してください。

ロードバランサとしての役割

受け取ったリクエストを複数のアプリケーションサーバへ振り分けます。負荷状況やルール（URLのパスやサーバの空き具合）を見て振り分けるため、応答が遅くなりにくくなります。たとえば、画像処理はサーバAへ、ログイン処理はサーバBへ送る、といった振り分けが可能です。

フィルタ／セキュリティゲートウェイとしての役割

アクセスの可否をURLやヘッダ、クライアントIPなどで判定します。不正アクセスや特定IPからの攻撃を遮断したり、特定のパスだけアクセスを許可したりできます。また、SSLの終端やヘッダ書き換えを行い、後段サーバの負担を減らすことも多いです。

身近な例

ECサイトで注文処理と商品一覧の表示を別サーバで分けると、混雑時もスムーズに動きます。web dispatcherはその分配役を担います。

「web dispatcher」でよく一緒に検索される内容

SAP Web Dispatcherとは

SAP Web Dispatcherは、SAPシステム向けのリバースプロキシ兼ロードバランサです。ブラウザからのリクエストを適切なABAP/Javaサーバへ振り分けます。よく話題になる設定項目に、rdisp/やwdisp/で始まるパラメータやSSL終端の扱い、FioriなどSAPアプリとの連携があります。例えば、ブラウザ→Web Dispatcher→バックエンドFioriサーバという流れを作ります。

設定・構築方法

基本はインストール後にプロファイル／設定ファイルを編集し、ルーティングや証明書を登録します。SSLは終端して内部はHTTPで流すことも、パススルーでバックエンドまで暗号化することも可能です。URLルールはパスベースやホスト名ベースで書き、例として「/sap/bc/ui5_ui5/* → Fioriサーバ」に振り分ける、といった設定を行います。設定変更後はサービス再起動や動作確認を行います。

ロードバランシング／リバースプロキシの使い分け

NGINXやApache httpdは汎用的なリバースプロキシで柔軟な設定やモジュールが使えます。一方、Web DispatcherはSAP特有のセッション管理やパラメータに詳しく、SAP環境での連携が容易です。既存のハードウェアロードバランサと併用するケースも多く、役割を分けて使うと管理が楽になります。具体例として、外部アクセスのSSL終端はLBで行い、内部のSAP特性対応をWeb Dispatcherに任せる、といった構成があります。