はじめに
目的
本資料は、Webサイトの「レイアウト名称」を整理し、それぞれの意味・特徴・用途をわかりやすく示すことを目的としています。デザインの専門用語に詳しくない方でも、実際のサイト例を思い浮かべながら理解できるように配慮しています。
対象読者
- Webデザインを学び始めた方
- サイト制作を外注するクライアント
- コンテンツ担当者や開発者
日常の業務でレイアウト名称を使う場面が増える方に役立ちます。
本資料で学べること
- 主要なレイアウト名称の一覧と定義
- 各レイアウトの特徴と向くサイト例（コーポレート、ブログ、ECなど）
- 実務での選び方の考え方（ユーザー、コンテンツ、表示領域の優先順位）
読み方と使い方
各章ごとに名称→特徴→用途の順で説明します。まずは自分のサイトの目的を思い浮かべ、該当するレイアウトを探してください。具体例を見比べると選びやすくなります。
注意点
レイアウトは目的に合わせて柔軟に選びます。表示領域やスマホ対応、アクセシビリティも同時に考慮してください。
Webサイトの「レイアウト」とは何か？
レイアウトの定義
Webサイトのレイアウトとは、画面上で要素をどのように配置するかを決めた設計図です。見た目だけでなく、情報の優先順位や操作のしやすさにも関わります。身近な例で言えば、新聞の見出しや段組みを決めるような作業に当たります。
基本パーツとその役割
- ヘッダー：ロゴやサイト名、検索窓を置きます。訪問者がどのサイトにいるか分かる場所です。
- ナビゲーション：ページ間の移動リンクです。主要なページに素早く辿り着けるようにします。
- メインコンテンツ：そのページの主目的の情報を載せます。記事本文や商品説明などが該当します。
- サイドバー：関連記事、広告、プロフィールなど補助的な情報を置きます。メインを邪魔せず補足します。
- フッター：著作権、会社情報、問い合わせ先などの補足情報をまとめます。
レイアウトのパターン化と用途
パーツの並べ方を定型化したものがレイアウト名称です。シングルカラムはスマホに向きます。マルチカラムは情報量の多いサイトやポータルに便利です。グリッドは写真や商品を並べるのに適しています。フルスクリーンはビジュアル重視のサイトでよく使われます。
なぜ重要か
良いレイアウトは、訪問者が迷わず目的を達成できる設計です。情報の優先順位が明確になり、使いやすさと見た目の両方を高めます。初心者でも意図が伝わるよう、まずは基本パーツを意識して配置を考えると良いです。
Webサイトでよく使われるレイアウト名称一覧
概要
代表的なレイアウトを分かりやすく紹介します。用途や見せ方で選びます。
シングルカラム（1カラム）
縦にコンテンツが続くシンプルな構成です。スマホ向けや読み物に向きます。例：ブログ、ランディングページ。
ツーカラム（2カラム）／スリーカラム（3カラム）
メインとサイドの使い分けができる配置です。2カラムは記事＋サイドバー、3カラムは左右に補助情報を置けます。ニュースサイトやECで多く使われます。
グリッドレイアウト
格子状に要素を並べます。カード型の一覧表示に便利です。写真ギャラリーや商品一覧で使われます。
フルスクリーンレイアウト
画面全体を使うデザインです。ビジュアル重視のサイトやポートフォリオに適しています。
ブロークングリッド（崩したグリッド）
あえてグリッドを崩してリズムを作ります。個性的な印象を与えたい場合に有効です。
ノングリッド（自由配置）
厳密な列に頼らず自由に要素を配置します。アート系や実験的なサイトで見られます。
視線誘導パターン（F型・Z型・N型）
ユーザーの目の動きを想定した配置です。テキスト中心はF型、視線を横切らせたいときはZ型が有効です。
シングルカラムレイアウト（1カラム）の名称と特徴
概要
シングルカラムはページを縦一列に並べ、サイドバーを持たないレイアウトです。上から下へ自然に読み進められるため、ストーリーや手順を伝えるのに向いています。ブログ記事やランディングページ、採用ページなどでよく使われます。
主な特徴
- 構造がシンプルで視線の流れをコントロールしやすい。
- モバイルでの表示が安定し、レスポンシブ対応がしやすい。
- 一度に表示できる情報量は少なめで、スクロールが必要になる。
長所（メリット）
- 読者に一方向の導線を示しやすく、重要なメッセージを伝えやすい。
- デザインや実装が比較的シンプルで保守が楽。
短所（デメリット）
- 多くの情報を一画面で見せにくい。
- ナビゲーションや関連情報を同時に提示しにくい。
よく使われる場面と具体例
- ブログ記事：本文を集中して読ませたいとき。
- ランディングページ：商品の順を追って説明するとき。
- 採用ページ：募集内容を段階的に伝えるとき。
デザインのポイント
- 重要な見出しや行動喚起（CTA）を上位に配置する。
- セクションごとに余白を取り、読みやすさを確保する。
- 画像やアイコンで視線を誘導すると効果的です。
マルチカラムレイアウト（2カラム・3カラム）の名称と特徴
2カラムレイアウト（ツーカラム）
- 構成: メインコンテンツ＋サイドバーを左右に並べます。よくある例は、記事本文が中央か左、サイドバーに目次や広告、関連リンクを置く配置です。
- 特徴: 情報を整理しやすく、企業サイトやブログ、ECのカテゴリ表示に向きます。幅を固定するか画面幅に合わせるかで印象が変わります。
- 実用ポイント: スマホではサイドバーを下に回すか、折りたたみで優先度の高い情報を上にします。サイドバーを固定（スクロール追従）にすると便利です。
3カラムレイアウト（スリーカラム）
- 構成: 中央に主要コンテンツ、左右に補助情報を配置します。ニュースサイトやポータルでよく見られます。
- 特徴: 多種類の情報を同時に見せられますが、ごちゃつくと読みにくくなります。視線の流れを意識して重要度を調整します。
- 実用ポイント: 幅配分を明確にし、左右どちらかを補助的に抑えると読みやすくなります。スマホでは中央→左→右の順に表示するなど順番を工夫します。
共通の注意点
- 優先度をはっきりさせ、視覚的な余白を十分に取ると読みやすくなります。
- 実装ではレイアウト崩れに注意し、必要な情報を優先して表示してください。
