はじめに
このドキュメントは、Webサイトの「ドメイン」について初心者向けにやさしく解説するために作りました。ドメインとは何か、URLやIPアドレスとの関係、種類や選び方まで、順を追って具体例を交えて説明します。
なぜ読むとよいか
- 自分のサイトを持ちたい方や、ドメインの意味を知りたい方に役立ちます。
- 専門用語をなるべく使わず、実際の例で理解を助けます。
本書で学べること（例）
- ドメインの基本的な意味（例: example.com がWebの住所）
- URLの中でドメインがどの部分かが分かる
- ドメインとIPアドレスの関係がイメージできる
- トップレベルドメインやサブドメイン、独自ドメインの違い
読み方のヒント
章ごとに図や例を使います。最初は第2章から順に読むと理解しやすいです。用語が出てきたら付随する具体例を参考にしてください。
それでは、最初の章から一緒に見ていきましょう。
第1章 ドメインとは何か？一言でいうと「インターネット上の住所」
概要
ドメインはインターネット上の“住所”に当たります。たとえばhttps://www.example.comなら、example.comがドメイン名です。人が覚えやすい文字列で、サイトを見つけやすくします。
住所にたとえた説明
街の住所で考えると、ドメインは建物の住所、URLは建物の中の部屋番号まで含めた完全な住所です。建物（ドメイン）を指定すれば、その中の部屋（ページ）にたどり着けます。
なぜドメインが必要か
コンピュータは数字のIPアドレスで通信しますが、人は数字を覚えにくいです。ドメインを使うと、名前で目的のサイトにアクセスできます。また、会社名やブランド名をそのまま使えば信頼感が増します。
実際の使い方の例
ブラウザのアドレス欄にドメインを入力すると、そのドメインが指すサーバーへ接続され、サイトが表示されます。メールでは@example.comのようにドメインがメールアドレスにも使われます。
注意点（簡単に）
同じドメインは世界で一つだけです。使いたい名前は事前に登録が必要で、多くは年間料金がかかります。初心者は取得サービスを使うとスムーズです。
第2章 URLのどこが「ドメイン」か：図解で分かる構造
以下では、実際の URL を分解して「どこがドメインか」を分かりやすく説明します。
例: https://www.value-domain.com/path/to/page
- https://
-
通信方式（プロトコル）です。ブラウザがどの方法で通信するかを示します。
-
www.
-
ホスト名です。サブドメインに近い概念で、運営者が自由に設定できます。たとえば “shop.” や “blog.” に変えることが可能です。
-
value-domain.com
-
ここがドメイン名そのものです。サイト全体を指す名前で、他の記事でよく出る example.com の “example.com” 部分と同じものです。
-
/path/to/page
- サーバー内の具体的な場所（ページやファイルの指定）です。ドメインとは別に扱います。
補足: ドメインは人が読みやすい名前で、裏では IP アドレスに対応します。ですから URL の中でドメイン部分だけがサイトの”住所”に当たる重要な部分です。
第3章 ドメインとURLの違い
ドメインとは
ドメインはWebサイト全体の名前で、インターネット上の住所に例えられます。たとえば「example.com」がドメインです。人が覚えやすい名前を与えて、複数のページをまとめて指します。
URLとは
URLは特定のページやファイルの正確な場所を示す完全な住所です。例: https://example.com/service/index.html。プロトコル（https://）、ドメイン（example.com）、パス（/service/index.html）、場合によってはクエリ（?id=10）やアンカー（#section）が含まれます。
具体例での違い
- ドメイン: example.com（ビルの名前）
- URL: https://example.com/shop/item1.html（ビルの中の部屋番号や階）
ドメインはURLの一部です。URLが指す場所を特定するためにドメインが使われます。
覚えておきたいポイント
- ドメインはサイト全体をまとめる名前です。
- URLはそのサイト内の個別ページを指します。
- リンクを共有する時はURL、名刺や広告で簡潔に見せたい時はドメインを使います。
なぜ違いが重要か
SEOやアクセス管理、SSL設定などでは正しい単位（ドメインかURLか）を扱う必要があります。間違えると想定したページだけに影響を与えないことがあります。
第4章 ドメインとIPアドレスの関係：数字を人間が読める形にしたもの
ドメインとIPアドレスは何が違うか
IPアドレスはコンピュータ同士が使う住所のような数字（例：192.168.0.1）。ドメインは人が覚えやすい名前です（例：www.example.com）。内部ではドメインが特定のIPアドレスに結び付けられ、利用者は数字を意識せずにアクセスできます。
DNSの役割（電話帳のような仕組み）
DNSはドメイン名を対応するIPアドレスに変換する仕組みです。電話帳と同じで、ブラウザが名前を渡すとDNSが該当する番号（IP）を返します。多くの場合、ISPやレンタルサーバーが代わりに調べてくれます。
変換の流れ（簡単な手順）
- ブラウザでwww.example.comを入力
- まずキャッシュを確認（以前に調べていればすぐ使える）
- なければDNSサーバーに問い合わせて、最終的にそのドメインのIPを取得
- 受け取ったIPに接続してページを表示
実務で知っておきたい点
- 1つのドメインが複数のIPを持つことがあります（負荷分散のため）。
- IPは変わることがあるため、ドメインで管理すると便利です。
- 家庭内ネットワークの192.168.x.xや10.x.x.xは内部用で、外部と直接やり取りしません。
簡単な確認方法
ブラウザで見えないときは、端末で「ping」や「nslookup（またはdig）」を使うと、どのIPが返っているか確認できます。
第5章 ドメイン名の基本構造：トップレベル・セカンドレベル・サブドメイン
トップレベルドメイン（TLD）
ドメイン名の一番右側にある部分です。例：www.example.com の “.com” がTLDです。用途を示すgTLD（.com/.netなど）や国を示すccTLD（.jp/.usなど）があります。日本では企業向けの.co.jpや個人向けの.xyzなど、用途や登録ルールが異なる種類があります。
セカンドレベルドメイン（SLD）
TLDの左側にある部分で、運営者が登録する文字列です。例：example.com の “example” がSLDです。同じTLD内ではこの名前が一意になります。サービス名や会社名を使うことが多く、取得できるかは先に登録されているかで決まります。
サブドメイン（ホスト名）
SLDの左側につく任意の文字列です。例：www.example.com の “www”、blog.example.com の “blog”。用途ごとに分けるために使います。サブドメインはDNSで自由に追加できますので、新しいサービスごとに設定できます。
設定例と注意点
- メインサイト：example.com または www.example.com
- ブログ：blog.example.com
- メール専用：mail.example.com
登録時にTLDごとのルール（企業証明が必要かなど）を確認してください。
第6章 独自ドメインとは？レンタルサーバー付与ドメインとの違い
独自ドメインとは
独自ドメインは世界に一つだけの住所のようなものです。例としてhttps://www.original-domain.com の “original-domain.com” が独自ドメインに当たります。企業名やブランド名を含めやすく、覚えやすい名前を自由に付けられます。
メリット
- ブランディングに強い：自分の名前や会社名を入れられるので信頼感が増します。
- メール運用がしやすい：@your-domain のメールを作ればプロらしく見えます。
- サイト移転やDNS設定の自由度：サーバーを変えてもドメイン名は維持できます。
レンタルサーバー付与ドメインとの違い
無料ブログやレンタルサーバーが付与するドメインは、サービス側のドメインの下にあるサブドメインです（例：yourname.examplehost.com）。見た目でサービス利用中と分かりやすく、導入は簡単です。独自ドメインに比べてカスタマイズや所有権の移転が制限されます。
注意点と運用のポイント
- 取得と維持に費用がかかります（年単位の更新）。
- 期限切れで失うと同じ名前を取り戻せないことがあります。プライバシー保護（WHOIS公開の非表示）や更新設定は必ず確認してください。
取得の流れ（簡単）
- ドメイン名を決める（ブランド名や短い英数字が一般的）。
- レジストラで空き状況を確認し、申し込む。
- 支払いと登録情報の入力後、DNS設定で利用するサーバーを指定する。
独自ドメインは少し手間と費用が必要ですが、長期的な信用と自由度を得られます。まずは使いたい名前が空いているか確認してみてください。
