はじめに
この文書の目的
本書はWeb(ウェブ)の意味、構成要素、インターネットとの違いを分かりやすく説明します。ニュースを読む、動画を視聴する、商品を調べるといった日常の例を使いながら、専門用語は最小限に抑えて解説します。
想定読者
インターネットを普段使うが、Webとインターネットの違いがよく分からない方や、Webの基本を学びたい初心者の方を想定しています。技術的な背景がなくても読み進められる内容です。
本書の構成と読み方
第2章で「Web」の意味を、第3章でWebを支える主な要素を、第4章でWebとインターネットの違いを順に説明します。各章では具体例を交えて、日常での利用場面から理解を深めます。分からない箇所は何度でも読み返してください。
Web(ウェブ)の意味
Webとは何か
Web(ウェブ)は、世界中の情報をつなげて見られる仕組みのことです。新聞や本のように情報が並んでいて、リンクと呼ばれる道でページ同士が結ばれています。パソコンやスマートフォンのブラウザーでページを開くと、文字や画像、動画を順に見ることができます。
どんなことができるか(具体例)
- 調べ物:レシピや学びたいことを検索して読むことができます。
- 動画や写真の視聴:旅行の様子や説明動画をすぐに見ることができます。
- 買い物や予約:商品を選んで注文したり、映画やレストランの予約ができます。
「蜘蛛の巣」に例えられる理由
Webは情報が網の目のように広がっているため、英語で“World Wide Web”と呼ばれます。あるページの中に別のページへのリンクがあり、それをたどることで関連する情報を簡単に見つけられます。例えばニュース記事から関連する関連記事へ移動する感覚です。
気をつけること
便利な反面、間違った情報や個人情報の扱いには注意が必要です。信頼できるサイトかどうかを確認し、個人情報を送るときは慎重に行ってください。
Webの構成要素
概要
Webは複数の要素が組み合わさって動きます。ここでは、実際に皆さんが目にするページの部分と、それを配信・表示するための仕組みを分かりやすく説明します。
HTML:ページの骨組み
HTMLは文章の構造を作る言語です。見出し、段落、画像などを決めます。たとえば「
」が大見出し、「
」で画像を表示します。紙の本で言えば目次や章立ての役割です。
CSS:見た目の装飾
CSSは文字の色やレイアウトを決めます。文字を大きくしたり、背景に色を付けたりします。HTMLが骨組みなら、CSSは服やデザインです。
JavaScript:動きや振る舞い
JavaScriptはボタンを押した時の反応や、ページ内で動く要素を作ります。フォームの入力チェックや、ボタンを押すと写真が切り替わるといった操作を実現します。
WebサーバーとWebブラウザ
WebページのファイルやデータはWebサーバーに置かれます。ブラウザ(Google ChromeやFirefoxなど)がそのデータを受け取り、画面に表示します。サーバーは図書館、ブラウザは利用者の目に当たります。
通信の仕組み(HTTP/HTTPS)とURL
ブラウザはURLを使ってサーバーにデータを要求します。HTTP/HTTPSという約束事で通信します。HTTPSは安全な暗号化された通信です。
DNS:住所の役割
URLの中のドメイン名は、人にわかりやすい住所です。DNSはその名前をコンピュータの住所(IPアドレス)に変換します。
メディアや外部サービス
画像、動画、音声はページ内で再生できます。地図や動画は外部のサービス(API)を使って埋め込むことが多いです。データはデータベースで管理され、必要なときに取り出されます。
以上がWebを支える主な構成要素です。実際のサイトはこれらが連携して動いています。
インターネットとの違い
イメージで分ける
インターネットは世界中のコンピューターを繋ぐ「道」です。光ファイバーや無線、ルーターが道の構造に当たります。Webはその道の上にある建物や看板のような情報の仕組みで、ブラウザーで見るホームページやニュース記事が該当します。
依存関係と役割
Webを利用するにはインターネットが必要です。しかしインターネット上のすべてのサービスがWebというわけではありません。インターネットは基盤として通信を運び、Webはその上で情報を整理して見せる仕組みを提供します。URLやブラウザー、HTTPという仕組みがWebの例です(専門用語は最低限に留めます)。
Web以外の代表的なサービス
メール(電子メール)はWebとは別の仕組みで送受信します。ファイル転送(FTP)や音声通話(VoIP)、オンラインゲームの通信もインターネット上で動きますが、必ずしもWeb技術で動いていません。実生活の例で言えば、道の上を走る郵便車はWebの外で働く別のサービスです。
日常での見分け方
ホームページを見たり検索したりするのがWeb中心の利用です。一方、メール送受信やビデオ会議、ゲームではWeb以外の仕組みが使われることがあります。まずは“道(インターネット)”と“建物や看板(Web)”という違いを意識すると分かりやすいです。












