はじめに
この章では、本ドキュメントの目的と読み方、期待できる効果をわかりやすく説明します。
目的
ホームページ構成に関する基本方針と実践手順を整理します。検索意図の分析からサイト全体の構成(サイトマップ)やページ単位の設計(ワイヤーフレーム)まで、順を追って学べるようにしています。実務で使える視点を重視してまとめています。
対象読者
・これからホームページを作る個人や中小企業の担当者
・既存サイトの見直しを検討している方
・制作会社とスムーズに進めたい発注者
専門用語は最小限にし、具体例で補足します。
本書の構成と読み方
全6章で、基本概念・重要要素・ページ設計のポイント・トップページの要素・構成決定手順を順番に解説します。まず第2章で全体像を掴み、第4章以降で実務的な設計に移ると理解が深まります。
期待できる効果
ユーザー導線を意識した設計ができるようになり、訪問者の目的達成率と問い合わせや購入の増加につながります。簡単なチェックリスト付きで実践にも移せます。
ホームページ構成とは何か
構成の定義
ホームページ構成とは、サイト全体の「骨組み」を指します。ユーザーが知りたい情報に迷わずたどり着けるよう、ページ同士のつながりや要素の配置を決めます。例として、飲食店なら「トップ→メニュー→予約→アクセス」の流れを設計します。
全体構成(サイトマップ)とページ構成(ワイヤーフレーム)
- サイトマップ:サイト内のページ一覧と階層を図にしたものです。例)会社概要、サービス、ブログ、問合せ。
- ワイヤーフレーム:各ページの大まかなレイアウトです。見出しや導線、画像の位置などを線画で示します。具体例:トップに目立つ問い合わせボタンを置く。
なぜ重要か
良い構成はユーザーの離脱を防ぎ、目的達成を助けます。例えば購買サイトで「商品を買う」までに何回もクリックが必要だと購入率が下がります。構成を整えると制作や更新も楽になります。
作るときのポイント
- ユーザーの目的を優先して項目を並べる。
- 重要な情報を上や目立つ場所に置く。
- 手書きでまず図にして、実際に動かして確認する。
これらを踏まえて全体像を固めると、制作がスムーズになります。
ホームページ構成の2つの重要な要素
サイトマップ(全体構成)
サイトの全体像を図にしたものです。トップページを第1階層として、カテゴリやサービス、会社情報などを階層化します。ユーザーが重要な情報へ「3クリック以内」に到達できるように設計するのが理想です。
- なぜ必要か:迷わず目的地にたどり着けると、離脱が減ります。
- 簡単な作り方:まず主要な目的(購入、問い合わせ、情報取得)を決め、それに沿ってページを分類します。例:店舗サイトなら「商品一覧→商品詳細→購入フォーム」
ワイヤーフレーム(ページ単位の構成)
ページごとの設計図です。基本は「ファーストビュー」「メインコンテンツ」「クロージング・CTA」の3つで考えます。
- ファーストビュー:最初に目に入る部分。魅力的な見出し、キャッチコピー、視覚要素で関心を引きます。例:商品画像+短いメリット
- メインコンテンツ:詳細情報や根拠を伝えます。箇条書きでメリット、導入事例、価格表、よくある質問などを配置します。ユーザーが納得できる情報を優先します。
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クロージング・CTA:問い合わせボタンや購入ボタンを分かりやすく配置します。フォームは必要最小限の項目にし、安心感を与える文言(返品可、個人情報保護)を添えます。
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実用的なコツ:各セクションを視線の流れに合わせて配置し、重要なCTAは複数箇所に置きます。モバイルを意識して縦にスクロールしやすい構成にすることも大切です。
ページ構成で意識すべき3つの要素
ページを構成するときに特に意識したいのは、ファーストビュー、メインコンテンツ、クロージング(CTA)の三つです。訪問者が迷わず目的にたどり着けるよう、順番と見せ方を工夫します。
ファーストビュー
ページを開いて最初に目に入る部分です。主な要素はキャッチコピー、サブコピー、メイン画像や動画、目立つ行動ボタン(CTA)、必要に応じた簡潔なナビゲーションです。訪問から3秒で伝えたい価値を示すことを意識します。具体例:『30分で始められる英会話レッスン』という短いコピーと『無料体験』ボタン。画像は高品質で読み込みは軽く、CTAは色と文言で目立たせます。
メインコンテンツ
詳しい説明や根拠を示す部分です。見出しで構成を分かりやすくし、導入→詳細→証拠(導入事例やレビュー)の順に並べます。テキストだけでなく図表や短い動画を使い、要点は箇条書きにします。ユーザーの疑問に答えるQ&Aや料金表を用意すると安心感が増します。SEOを意識するなら、自然な形で主要なキーワードを盛り込み、最新情報は適宜更新します。
クロージング・CTA
コンバージョンを促す最後の導線です。強い行動喚起のボタンを目立つ位置に置き、ページ上部と下部、スクロール追従のいずれかに複数設置します。不安を和らげるために保証やFAQ、問い合わせ窓口を近くに置くと効果的です。文言は具体的にし、『今すぐ申し込む』より『初回30分無料で申し込む』のようにメリットを示します。フォームは入力項目を絞り、送信までの手順を短くします。
トップページの主な構成要素
ヘッダー(Header)
ロゴは左上、ナビは右上か中央に配置します。メニューは「サービス」「料金」「導入事例」「会社情報」「お問い合わせ」が基本です。電話番号やログインを右上に置くと分かりやすくなります。
メインビジュアル・キャッチコピー(Hero)
訪問者の悩みと解決策を一言で示すキャッチをトップに置きます。背景は製品や利用シーンの写真、短い説明と目立つCTAボタン(例:無料相談はこちら)を組み合わせます。
メインコンテンツ(サービス紹介)
代表的なサービスや商品の要点を3〜4つに分け、見出し+短い説明+アイコンで示します。料金の目安や利用の流れを図解すると理解が早まります。
最新情報・お知らせ
新着情報やブログ、イベント情報を最新3件程度表示します。更新日を付けると信頼感が増します。
お客様の声・導入事例
短い引用や写真、導入前後の成果を載せます。企業ロゴや数値を入れると説得力が出ます。
CTA(行動喚起)
問い合わせや資料請求、見積り依頼など、主要な行動を明確にします。ヘッダーとファーストビュー、各セクション下に同じCTAを複数置くと効果的です。
フッター(Footer)
コピーライト、プライバシーポリシー、サイトマップ、会社住所・連絡先、SNSリンクを含めます。二次的なナビゲーションとして役立ちます。
実装上のポイント
視線の流れを意識し、重要な要素を上に置きます。モバイルでは縦スクロールを優先し、読みやすい文量にまとめてください。色や余白でメリハリをつけると誘導が自然になります。
ホームページ構成を決める手順
STEP1:ホームページの目的とターゲットユーザーを明確にする
まず目的を一文で書きます(例:初めての訪問者を会員登録へ導く)。次に代表的なユーザー像を2〜3個作ります(年齢、職業、目的)。目的とターゲットを決めると優先するページが見えてきます。
STEP2:必要なページ(要素)を洗い出す
トップ、サービス(商品)ページ、料金、会社情報、お問い合わせ、よくある質問、ブログなどをリスト化します。ECなら商品一覧、商品詳細、カート、購入手続きも含めます。最初はシンプルにして必須項目を優先します。
STEP3:ページをカテゴリ分けし階層構造を設計
リスト化したページを大カテゴリと小カテゴリに分けてサイトマップを作ります。深さはできるだけ2〜3階層に抑えます(例:トップ→サービス→各プラン)。分かりやすいラベルと短いURLを心がけます。
STEP4:ユーザー導線を考慮し配置を最適化
訪問者が目標に到達する最短ルートを設計します。重要なCTAは目立つ位置に置き、ヘッダー・フッター・サイドに必要なリンクを配置します。スマホでの確認も必ず行います。
実践チェックリスト
・目的とターゲットが明確か
・必須ページがそろっているか
・階層が深くなりすぎていないか
・CTAが目立つか
・スマホで使いやすいか
・アクセス解析を設置して改善につなげるか












