はじめに
ウェブサイトを公開したばかりの方や、SEOを意識してサイト運営を進めたい方へ。本記事は、XMLサイトマップ(sitemap.xml)の作り方とGoogle Search Consoleへの登録手順を、実務レベルでわかりやすく解説します。
目的
XMLサイトマップは検索エンジンにサイトの構造を伝えるためのファイルです。正しく作成・登録すると、ページのインデックス化が速く安定します。特に新しいページや更新頻度の高いページがあるサイトでは効果を実感できます。
対象読者
- ブログやコーポレートサイトを立ち上げたばかりの方
- WordPressや静的サイトで運用している方
- サイトの検索表示を改善したい方
本記事で学べること(章の流れ)
- XMLサイトマップの基本と役割(第2章)
- どのURLを載せるべきかの判断基準(第3章)
- 手動での書き方と注意点(第4章)
- ツールを使った効率的な作成方法(第5章)
- WordPressでの実際の設定手順(第6章)
読み進めると、実際にsitemap.xmlを作成してSearch Consoleへ送信できるようになります。各章では具体例と手順を中心に説明しますので、初心者でも無理なく実践できます。
XMLサイトマップ(sitemap.xml)とは?
概要
XMLサイトマップは、Webサイト内のURLと更新情報をXML形式で一覧にしたファイルです。検索エンジンのクローラーに対し、サイト構造や重要ページを分かりやすく伝える「地図」の役割を果たします。代表的なファイル名は sitemap.xml で、sitemaps.org の規格に沿います。
主な要素と意味
- loc:ページのURL(必須)。例:https://example.com/page
- lastmod:最終更新日。更新が分かりやすくなります。
- changefreq:更新頻度の目安(daily, weekly など)。必須ではありません。
- priority:重要度の目安(0.0〜1.0)。クローラーの挙動を保証するものではありません。
例(単純なエントリ):
<url>
<loc>https://example.com/page</loc>
<lastmod>2024-01-01</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
どんなときに役立つか
- サイト内で深い階層にあるページや内部リンクが少ないページを見つけてもらいたいとき
- ページ更新をクローラーに伝えて早めにインデックスしてほしいとき
注意点
- サイトマップに載せたからといって必ずインデックスされるわけではありません。クローラーの判断に委ねられます。
- 正しいURLと日付形式で記載すること、ファイルサイズやURL数(通常は50,000件まで)に注意してください。
送信と確認の基本
作成後はGoogleサーチコンソールなどに送信して、カバレッジや公開状況を確認します。エラーが出たらXMLの構文やURLの正確さを見直してください。
XMLサイトマップを作る前に決めること(どのURLを載せるか)
概要
XMLサイトマップには「すべてのURL」を無条件に入れないでください。検索エンジンにクロールしてほしいページだけを載せると、効率よくインデックスされやすくなります。ここでは除外・包含の基準と具体的な判断手順を示します。
除外すべきURL(例)
- 404や存在しないページ
- meta robotsで「noindex」と指定したページ
- 重複コンテンツ(同一内容の複数URL)
- 役に立たない薄い内容のページ(自動生成ページや試験ページ)
- 管理画面やログインページ
含めるべきURL(例)
- 主要なコンテンツページ(商品の詳細、記事、サービス説明など)
- ユーザーに価値を提供するページ
- 正規化(canonical)されている代表ページ
実際の判断手順(チェックリスト)
- サイト全体のURLリストを取得する(クローラーやログ、CMSの出力)。
- 各URLを「インデックスすべき」「除外」の2つに分類する。
- noindexや404は自動的に除外する。
- 重複はcanonicalや301で一本化し、代表URLのみを残す。
- ページの価値が低ければ除外を検討する(例:薄い一覧ページ)。
優先度と更新頻度の付与について
priorityやchangefreqは任意です。細かく設定しても検索エンジンが必ず従うわけではありません。目安としては重要なページに高めのpriority、頻繁に更新するページに高めのchangefreqを付けると整理しやすくなります。
次に進む前に
この整理が終われば、手動での作成、専用ツール、またはWordPressプラグインのいずれかでXMLサイトマップを作成してください。作成後はSearch Consoleなどで送信して状況を確認しましょう。
XMLサイトマップの基本的な書き方(手動で作る場合)
はじめに
手動でXMLサイトマップを作る場合は、公式フォーマットに沿って正しく書くことが重要です。ここでは最低限の構成と書き方、注意点をわかりやすく説明します。
基本構造
ファイルはUTF-8で保存し、先頭にXML宣言を置きます。ルート要素はで、sitemaps.orgの名前空間を指定します。
例(最小構成):
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-15</lastmod>
</url>
</urlset>
各要素の役割
- : 正規URL(必須)。完全なスキーム付きURLを使います。
- : 最終更新日。ISO8601(例: 2025-01-15 または 2025-01-15T12:34:56+09:00)で記述します。
- : 任意。更新頻度の目安(daily, weeklyなど)。
- : 任意。0.0〜1.0の優先度。
注意点と運用
- 1ページにつき1つのを作成します。リダイレクト先や重複ページは避けます。
- URLは正規化(末尾の/や大文字小文字に注意)し、特殊文字はXMLエスケープします。
- ファイル名は通常sitemap.xmlにし、サーバーのルートにアップロードします。robots.txtで場所を指定すると便利です。
- 上限は1ファイル50,000 URL・非圧縮で50MBまでです。超える場合はサイトマップインデックスを使います。
作成手順(簡単)
- 含めるURLを決める
- テキストエディタでUTF-8保存のXMLを作成
- 各要素を記述してバリデート
- sitemap.xmlとしてサーバールートにアップロード
- Google Search Consoleに送信またはrobots.txtで参照
以上が手動で作る際の基本です。慣れれば短時間で作成できます。
ツールを使ったXMLサイトマップの作り方(sitemap.xml Editor など)
概要
コードを書くのが難しい、ページ数が多い場合は自動生成ツールが便利です。ここでは sitemap.xml Editor を中心に、一般的な手順と注意点を説明します。
sitemap.xml Editor の基本手順
- サイトにアクセスして、対象サイトのトップページURLを入力します(例: https://example.com)。
- オプションを設定します。
- 最終更新日(自動検出か手動入力)
- 更新頻度(例: daily, weekly)—目安として使います
- 優先度(0.0〜1.0)—クローラーの目安になります
- 生成ボタンを押してプレビューを確認します。不要なURLがないかチェックします。
- 生成された sitemap.xml をダウンロードします。
- サーバーのルート(public_html やドキュメントルート)にアップロードします。
- Google Search Console 等に登録し、robots.txt に sitemap の場所を追記します。
注意点
- 多くの無料ツールは1,000ページ以内の制限があります。大規模サイトは分割して sitemap index を作成してください。
- 動的に生成されるページやクエリパラメータ付きURLは重複に注意し、必要なURLだけを含めます。
- 更新頻度は目安なので、実際の更新に合わせて再生成してください。
他のツール(sitemap xml generator など)
操作は概ね同じで、サイトクロール機能や深さ指定があるものが多いです。静的サイトや中小規模サイトでは短時間で作業が終わります。
次の一手: 生成後はSearch Consoleで送信し、クローラーの反応を確認してください。
WordPressでのXMLサイトマップ作成方法(プラグイン活用)
概要
WordPressではプラグインでsitemap.xmlを自動生成・自動更新できます。手作業が不要になり、サイトが更新されるとサイトマップも自動で反映されます。代表的なプラグインは「XML Sitemaps(旧 Google XML Sitemaps)」「Yoast SEO」「Rank Math」「All in One SEO」です。
手順(基本)
- 管理画面にログインして「プラグイン」→「新規追加」を開きます。
- 検索フォームにプラグイン名を入力し、インストール→有効化します。
- プラグインの設定画面で表示される項目を確認します。主な設定は「どの投稿タイプを含めるか」「更新頻度」「優先度の指定」「除外するURL」です。
- 設定を保存すると、自動でsitemap.xml(またはsitemap_index.xml)が生成され、サーバーに置かれます。
よくある設定例
- 投稿や固定ページを含める。不要なアーカイブやタグは除外する。
- 優先度や更新頻度は大まかに設定(例:トップページ高、古い記事低)。
- 検索エンジン通知(ping)を有効にする。
確認と送信
生成されたURL(例:https://example.com/sitemap.xml)をブラウザで確認します。Search Consoleに登録してサイトマップを送信すると、インデックスに反映されやすくなります。
補足
WordPress本体にも基本的なサイトマップ機能があり、プラグインはより細かな制御や追加機能を提供します。必要に応じて使い分けてください。












