はじめに
概要
このガイドは、Webサイトの文章を引用するときの基本ルールと、実際の書き方をやさしくまとめたものです。引用部分を明確に区別し、必要な情報を正しく記載する方法を中心に解説します。
なぜ引用が大切か
引用は情報の出所を示し、読者が元の内容を確認できるようにする手段です。正しく引用すると信頼性が高まり、誤解や著作権の問題を避けられます。
このガイドの目的
- 引用箇所の見分け方を学ぶ
- 引用時に必ず書くべき情報を理解する
- 実際の書き方の例を見て真似できるようにする
- 参考文献リストでの書き方を身につける
本書の構成
第1章:はじめに(本章)
第2章:基本の書き方(引用表記のルール)
第3章:必ず書くべき情報(出典、URL、日付など)
第4章:具体的な書き方の例(会話文やブログ記事など)
第5章:表や参考文献リストでの書き方
次章からは、具体的な手順と例を丁寧に説明していきます。
基本の書き方
引用の区切り方
引用する文章は、かぎ括弧(「」)か引用ブロック(> で始める形式)で明確に区別します。どこからどこまでが引用か一目で分かるようにしてください。短い文はかぎ括弧、複数行にわたる引用は引用ブロックが向きます。
出典の示し方
引用の直後か本文の末尾に「出典」「引用」「参考」などのラベルを付けます。可能な限り元のサイト名か著者名、掲載日、URLを添えます。例:引用:〇〇サイト(URL)
具体例
-
かぎ括弧の例:
「ここに引用文を入れます。」 引用:〇〇サイト -
引用ブロックの例:
ここに複数行の引用文を入れます。
続きの行も同様に引用ブロックで示します。
出典:△△新聞(URL)
注意点
・引用の範囲が分かるように省略を示す場合は“…”や“(中略)”を使います。
・長文をそのまま多用すると著作権の問題が生じる場合があります。必要最低限にとどめ、要点は自分の言葉でまとめてください。
・引用と自分の解説は分けて書き、読者が混同しないように配慮してください。
必ず書くべき情報
はじめに
Webサイトを引用するときは、読む人が元情報を確認できるように基本情報をそろえます。次の項目を必ず記載すると安全です。
必須項目
- 著者名(分かる場合)
- 記事タイトル
- サイト名(運営元名)
- URL
- 公開日または更新日
- 分からない場合はアクセス日(閲覧日)
各項目の書き方
- 著者名:個人名が分かれば記載します。組織が明示なら組織名を著者にします。無い場合は省略しても構いませんが、その旨を明記すると親切です。
- 記事タイトル:原文のタイトルを正確に書きます。引用符で囲むと分かりやすいです。
- サイト名:運営元の正式名称を記載します。ニュースサイトや企業名を明確にします。
- URL:ブラウザに表示される完全なURLを書くと、読者が直接飛べます。長い場合は短縮せずそのまま記載します。
- 公開日・更新日:見つかればどちらかを明記します。更新日が分かれば、そちらを優先します。
- アクセス日:公開日が不明な場合は「閲覧日:YYYY年MM月DD日」の形式で記します。
書式例(ひとつの例)
著者名. 「記事タイトル」. サイト名. 公開日. URL(閲覧日: YYYY年MM月DD日)
注意点
- リンク切れに備え、重要な場合はアーカイブのURLも添えてください。サイトの信頼性も確認して引用してください。
具体的な書き方の例
文中の末尾にまとめて記載する例
本文の最後に出典情報をまとめて書く方法です。読みやすく、参考情報をすぐ確認できます。
例(本文の後):
著者名, 「記事タイトル」, サイト名, URL, (アクセス日: 2025年12月1日)
書き方のポイント:
– 著者がいる場合は名前を先に書きます。
– タイトルは引用符で囲むと判別しやすくなります。
– URLとアクセス日は必ず記載します(ウェブページは更新されるため)。
引用ブロックで囲い、その直後に出典表記する例
引用箇所をはっきり示したいときに使います。引用文の直後に出典を付けると、どこから来た情報か明確になります。
例:
“ここに引用した文章をそのまま書きます。”
出典: 著者名, 「記事タイトル」, サイト名, URL (アクセス日: 2025-12-01)
そのほかの注意点
- 書式は記事全体で統一してください(同じ順序・括弧を使う)。
- 著者不明の場合はサイト名や組織名を先に書きます。
- 二次引用や翻訳した引用は出典元と自分の扱いを明記します(例: 引用元: A著、訳: B)。
- 引用は必要最小限にとどめ、著作権に配慮してください。
表や参考文献リストでの書き方
表(テーブル)の基本
表は本文の補助として使います。各表に番号(表1、表2…)と短いタイトルを付け、本文で必ず参照します。例:表1 年代別利用率
表の下に出典を明記し、必要なら注(備考)で略語や計算方法を説明します。表は可能な限り簡潔にし、セル内の数字は小数点や単位をそろえます。
Webサイトを参考文献にする基本要素
一貫したスタイル(例:APA、MLA)で統一します。最低限入れる項目は:著者名、公開年(または更新日)、記事タイトル、サイト名、URL。公開年が不明なら「n.d.(年不詳)」や「(参照日:YYYY年MM月DD日)」を記載します。
形式の例(簡潔)
- APA風:山田太郎(2020年3月1日). 記事タイトル. サイト名. https://example.com
- MLA風:Yamada, Taro. “Article Title.” Site Name, 1 Mar. 2020, https://example.com.
本文中の簡略表記は(山田, 2020)や(Yamada 2020)とし、詳細は文末の参考文献リストに示します。
よくある間違い
URLだけを並べる、日付を省く、表の出典を書かないことが多いです。必ず形式を統一し、読み手が元資料にたどれるように記載してください。












