はじめに
概要
本資料は、Web制作プラットフォームの代表的なツール(WordPress、Wix、STUDIO、ペライチ、Jimdo)を比較し、それぞれの特徴・利点・注意点、向いているユーザー層を分かりやすくまとめたガイドです。
本資料の目的
目的は、目的に合ったツール選びをサポートすることです。制作の手間、費用、拡張性、デザインの自由度など、実際の利用場面を想定して比較しています。
想定読者
- これからサイトを作る個人や小規模事業者
- サイトのリニューアルや移行を検討している方
- 制作会社に依頼する前に自分で比較しておきたい方
この章の読み方
各章でツールの特徴、メリット・デメリット、向いているケースを順に解説します。具体例を交えているので、自分の目的に近いものを基準に選んでください。
比較時の主なポイント
- 使いやすさ(直感的な操作か)
- デザインの自由度
- 維持や運用の手間
- 費用(初期・月額・追加費用)
- 拡張性(将来の機能追加のしやすさ)
以降の章で各ツールの特徴を具体的に説明します。ご自身の目的に合う選び方の参考にしてください。
WordPress(ワードプレス)
概要
WordPressは世界で最も使われているサイト作成ツール(CMS)です。サーバーとドメインを用意すれば、自由にデザインや機能を追加できます。ブログから企業サイト、ネットショップまで幅広く使えます。
特長と具体例
- カスタマイズ性:見た目はテーマ(テンプレート)で変えられます。たとえば、写真を多く見せたい場合はギャラリー重視のテーマを使います。
- 機能拡張:プラグインで機能を追加できます。お問い合わせフォームやSEO対策、SNS連携などを簡単に導入できます。
メリット
- 豊富なテーマ・プラグインがあるため拡張しやすいです。
- SEO対応の設定がしやすく、検索で見つけてもらいやすくできます。
デメリット
- 初心者には設定や保守がやや難しいです。サーバー設定や更新管理が必要です。
- セキュリティ対策やバックアップを自分で行う必要があります。
誰に向くか
長期運用や大規模なサイトを考えている人、細かくデザインや機能を変えたい人に向いています。
始め方と運用のポイント
- サーバーとドメインを用意し、WordPressをインストールします。
- テーマで見た目を決め、必要なプラグインだけを入れます。
- 定期的に更新・バックアップ・セキュリティチェックを行います。
初めは難しく感じるかもしれませんが、使いこなせば自由度が高く頼れるツールです。
Wix(ウィックス)
概要
Wixはイスラエル発のホームページ作成ツールで、日本語に対応しています。900以上のデザインテンプレートを用意し、コードを書かずにドラッグ&ドロップで編集できます。初心者から上級者まで使え、短時間で見栄えの良いサイトを作れます。
主なメリット
- 使いやすさ:画面上で要素を直接動かして配置できます。たとえば画像をクリックしてサイズ変更や位置調整ができます。
- 豊富なテンプレート:ポートフォリオ、飲食店、オンラインショップなど目的別のデザインが揃っています。テンプレートを選んでテキストと画像を差し替えるだけで完成に近づきます。
- 機能追加(App Market):予約フォーム、チャット、SNS連携、SEOツールなどをワンクリックで追加できます。無料アプリも多いです。
- セキュリティ:無料でSSLを提供し、基本的なセキュリティ対策が施されています。
主なデメリット
- デザイン自由度の限界:テンプレートをベースにするため、細かなレイアウト調整や独自のデザインには制約があります。完全に自由なカスタマイズが必要な場合は物足りなく感じるかもしれません。
- テンプレートの切替制限:公開後にテンプレートを大きく変えると作り直しが必要になるケースがあります。
- 多機能化による速度低下:アプリを多数入れると表示速度が遅くなることがあります。
向いている人
おしゃれなサイトや多機能サイトを簡単に作りたい初心者に特に向きます。オンラインショップや予約機能を手軽に始めたい場合もおすすめです。
STUDIO(スタジオ)
概要
STUDIOは日本発のノーコード制作ツールです。ドラッグ&ドロップでレイアウトを組み、細かなデザイン調整やモダンなアニメーションを直感的に設定できます。デザイナー品質のサイトをコードを書かずに作成したい人に向いています。
メリット
- デザインの自由度が高い:余白やタイポグラフィを細かく調整できます。テンプレートをベースに独自デザインへ変えやすいです。
- シンプルな操作性:画面上で直感的に要素を配置できます。パーツの複製や調整が速いです。
- 日本語サポート:日本語のヘルプやドキュメントが充実し、初心者でも相談しやすいです。
デメリット
- 機能は比較的新しく限定的:高度なEC機能や細かなプラグインは少ない場合があります。外部サービスの連携で補うことが多いです。
- デザイン知識があると有利:自由度が高いため、配色やレイアウトの基本を知っているとより美しいサイトになります。
向いている人
デザインの洗練度を重視する個人や小規模ブランド、ポートフォリオ、キャンペーンページ制作者に適しています。
活用のポイント
- まずテンプレートを使って全体構成を作り、徐々に細部を調整しましょう。
- アニメーションは控えめに使い、読みやすさを優先します。
- フォームや外部サービス連携は事前に確認しておくと公開がスムーズです。
ペライチ
概要
ペライチは1ページ構成のランディングページ作成に特化した国産のツールです。テンプレートを選んでパーツを並べるだけで、初心者でも短時間に見栄えの良いページを作れます。イベント告知や商品の紹介、申し込みフォームの設置などに向きます。
メリット
- 操作が直感的:ドラッグやクリック中心で作業できます。実際に、テンプレートを使えば1時間以内に公開できます。
- 低コスト:無料プランから試せて、有料でも比較的安価です。小規模な告知ページに最適です。
- 日本語サポート充実:問い合わせやヘルプが日本語で受けられます。
デメリット
- デザインの自由度が低め:細かいレイアウト変更や複雑な表現は苦手です。
- 複数ページサイトには不向き:会員サイトや大規模な会社サイトには不向きです。
- SEOや高度な機能は限定的です。
使い方の流れ(簡単4ステップ)
- アカウント登録
- テンプレートを選ぶ(目的に合ったものを選んでください)
- 文章・画像・ボタンを編集して公開
- 必要に応じてフォームや決済を追加
こんな人におすすめ
- 1ページで用が足りる告知やキャンペーンを素早く作りたい方
- コストを抑えて簡単に始めたい個人事業主や小規模店舗
- 日本語のサポートを重視する方
使い方はシンプルですので、まずは無料プランで試してみると良いでしょう。
Jimdo(ジンドゥー)
概要
Jimdoはドイツ発のホームページ作成サービスで、日本語対応が整い国内で使いやすい点が特徴です。操作がシンプルで、初めての方でも短時間で公開まで進められます。
AIビルダーとクリエイターモード
JimdoにはAIアシスト機能(AIビルダー)と、より自由に編集できるクリエイターモードがあります。AIビルダーは質問に答えるだけで自動的にページを作成し、写真やテキストを配置します。クリエイターモードはブロック単位で細かく調整でき、デザインの自由度が高いです。
メリット
- シンプル操作:直感的な画面で迷わず作業できます。
- AIアシスト:文章やレイアウト作成の手間が減ります。
- 低コストで公開可能:無料プランから有料プランまで選べます。
- 日本語サポート:設定や問い合わせがしやすいです。
デメリット
- 高度なカスタマイズは制限があります。独自機能を多用する場合は物足りないことがあります。
- EC機能は簡易的で、大規模なネットショップには向きません。
公開までの流れと料金の目安
- アカウント作成→2. AIビルダーで自動生成またはテンプレート選択→3. コンテンツ編集→4. ドメイン設定→5. 公開。無料プランはサブドメインでの公開、有料プランで独自ドメインや追加機能が利用できます。
運用のポイント
初期はAIビルダーで素早く公開し、運用しながらクリエイターモードで細部を整える方法がおすすめです。更新は定期的に行い、写真や文章を新しくすると訪問者の印象が良くなります。












