はじめに
AWSとは
AWSはAmazonが提供するクラウドサービスです。インターネットを通じてサーバーやストレージ、データベースなどのIT資源を必要なときに使えます。自社で機器を持たずにシステムを動かせる点が大きな特徴です。
何ができるか
- サーバーの用意:数分で仮想サーバーを起動できます。
- ストレージとバックアップ:データを安全に保管し、障害時も復元できます。
- データベース:既存のデータベースをクラウドで運用できます。
- ネットワークとセキュリティ:アクセス制御や暗号化で安全に運用します。
具体例:個人ブログの公開、スマホアプリのバックエンド、社内データ共有や分析など、さまざまな用途で利用できます。
誰が使うか
中小企業から大企業、個人開発者まで幅広く使われます。初めての方は、小さな環境で試してから段階的に拡張すると学びやすいです。
本記事の構成と目的
本シリーズでは、主なサービス、AWSの特徴、そして利用メリットを分かりやすく説明します。具体例を交えて、導入イメージが湧くように進めます。
主なAWSサービス
Amazon EC2(仮想サーバー)
EC2は必要なときに仮想のサーバーを立ち上げて使えるサービスです。ウェブサイトやアプリのサーバーを用意するときに使います。例えば、トラフィックが増えたときにサーバーを増やして対応できます。
Amazon S3(大容量ストレージ)
S3は写真やバックアップなど大量のファイルを安全に保存する仕組みです。耐久性が高く、必要なときにすぐ取り出せます。例えば、社内の資料やユーザーのアップロード画像の保管に向きます。
Amazon RDS(データベース管理)
RDSはデータベースの運用作業を代行するサービスです。バックアップやソフトウェア更新を自動で行い、運用負荷を下げます。小規模な業務システムから始める場合に便利です。
AWS Lambda(サーバーレス)
Lambdaはサーバーを保有せずにコードだけを実行できる仕組みです。イベントに応じて短時間の処理を動かすのに向きます。例えば、画像をアップロードしたら自動で縮小処理を行う、といった使い方ができます。
Amazon VPC(ネットワークとセキュリティ)
VPCはクラウド上に自分専用のネットワーク空間を作る機能です。外部からのアクセス制御や内部ネットワーク設計を行えます。重要なデータを扱うシステムの分離に役立ちます。
AWSの特徴
概要
AWSは柔軟で拡張しやすいクラウド基盤を提供します。トラフィックやデータ量に応じて資源を増減でき、コストは使った分だけ支払う仕組みです。具体例を交えて分かりやすく説明します。
高いスケーラビリティとコスト効率
アクセスが急増したとき、自動でサーバーを増やす(オートスケール)ことで応答を保てます。逆に負荷が下がれば資源を減らし、料金を抑えられます。小さな試作段階から大規模運用まで同じ仕組みで対応可能です。
豊富なサービス群(700以上)
ストレージ、計算、データベース、分析、機械学習など用途ごとに最適なサービスがあります。例として、ファイル保存用のストレージやデータベースの選択肢があり、要件に合わせて使い分けられます。選択肢が多い分、必要な機能を的確に組み合わせられます。
セキュリティとネットワーク管理
認証やアクセス制御(IAM)、暗号化(KMS)、専用線接続(Direct Connect)など、運用に必要な機能が揃っています。これにより社内システムとの連携や機密データの保護を行いやすくなります。
クラウドでできること:Web、データ分析、AI活用
Webアプリやモバイル向けのバックエンド、ログを集めたデータ分析、モデルを使った予測やレコメンドなどがクラウド上で実行できます。例えばECサイトではアクセス増時に自動で拡張し、購入履歴を分析しておすすめを出すといった使い方が可能です。
利用メリット
クラウドを使うと、初期費用や運用の負担を大きく減らせます。ここでは主な利点を分かりやすく説明します。
1. 物理的なサーバー購入や保守が不要
サーバー本体の購入や設置、故障対応、定期的なメンテナンスが不要になります。例えば小規模な会社でも高価なハードウェアを買わずにサービスを始められ、IT担当者はハードの交換よりも業務改善に時間を使えます。
2. ニーズに応じてリソースを柔軟に拡張・縮小可能
アクセスが増えたときだけ処理能力を上げ、閑散期には減らすといった調整が簡単です。ECサイトのセール時に一時的にサーバーを増やして対応する、といった具体例が分かりやすいです。費用は使った分だけ支払う仕組みが多く、無駄な支出を抑えられます。
3. 世界中のデータセンターで高可用性と信頼性を実現
複数の地域にデータを分散して配置できます。これにより、地域的な障害や災害時でもサービスを継続しやすくなります。ユーザーに近い場所でサーバーを使えば応答速度も改善され、バックアップや自動切り替えで信頼性を高められます。












