はじめに
目的
この章では、この記事の目的と読み方をやさしく説明します。キーワード「Webサーバー アプリ」で検索する方が知りたい点、つまり両者の違いや役割、仕組みを初心者にも分かりやすくまとめることを目指します。
想定読者
- Webやサーバに詳しくない方
- サイトやサービスの仕組みを理解したい方
- エンジニアではないが用語の違いを知りたい方
本記事で学べること
- Webサーバーがどんな仕事をするか
- Webアプリケーション(Webアプリ)とは何か
- アプリケーションサーバの位置づけと役割
- 代表的なソフトや言語の例と、実際の処理の流れ
読み方のポイント
各章で具体例を交えて説明します。例として、静的なHTMLを表示する場合と、注文フォームのように内容を生成する場合の違いを比較します。専門用語は最小限にし、図やコードは使わず言葉で丁寧に解説します。
これからの流れ
次章から順に、まずWebサーバーとWebアプリの関係を説明します。その後で個別の役割と具体例、最後に違いを整理します。気軽に読み進めてください。
WebサーバーとWebアプリ/アプリケーションの関係とは?
全体の流れ
ブラウザが要求(HTTPリクエスト)を送ると、まずWebサーバーが受け取ります。Webサーバーは静的なファイル(HTML、画像、CSSなど)を返し、動的な処理が必要な場合はWebアプリケーションやアプリケーションサーバへ処理を渡します。最終的にデータベースから情報を取得してブラウザへ返します。
Webサーバーの役割
主にHTTPのやり取りを扱います。静的ファイルを効率よく配信し、リクエストを適切な先へルーティングします。例:ホームページのHTMLや画像を返す。</n
Webアプリケーションの役割
ブラウザ上で動くサービスそのものです。例えばオンラインショップのカート機能やログイン機能など、利用者が操作する機能を提供します。ユーザーの入力に応じて処理を行い、結果を表示します。
Webアプリケーションサーバの役割
ビジネスロジックやデータベースアクセスなど、動的処理を実行します。Webサーバーからの要求を受け、必要な計算やDB操作を行って応答を返します。単独で動く場合も、Webサーバーと連携する場合もあります。
よくある構成例
ブラウザ → Webサーバー(静的配信・ルーティング)→ アプリケーションサーバ(処理実行)→ DB
この関係を理解すると、どの部分を改善すれば速く安全になるかが見えてきます。
Webアプリケーション(Webアプリ)とは?
概要
Webアプリは、Webブラウザを通じて使うアプリケーションです。専用ソフトをインストールせず、ブラウザでURLにアクセスするだけで利用できます。身近な例はGmail、ECサイト、SNSなどです。
具体例でイメージ
- Gmail:ブラウザでメールの送受信や検索ができます。
- ECサイト:商品を見てカートに入れ、注文まで行えます。
- SNS:投稿やコメント、写真の閲覧ができます。
フロントエンドとバックエンドの役割
フロントエンドは画面表示を担当します。HTMLやCSSで見た目を作り、JavaScriptで動きを付けます。バックエンドはデータの保存や業務処理を担当します。ここではWebサーバやアプリケーションサーバ、データベースが動き、会員情報や注文データを扱います。
基本のやり取り(仕組み)
利用者がブラウザで操作すると、ブラウザはサーバーに「この情報をください」と要求を送ります(リクエスト)。サーバーは処理して返答(レスポンス)を返し、ブラウザが画面を更新します。動的な更新は小さなリクエストを繰り返して行います。
利点と注意点
利点は導入が簡単で、複数の端末から使える点です。便利ですが、インターネット接続やセキュリティ対策に注意が必要です。
Webサーバーとは何をするものか?
概要
Webサーバーは、ブラウザなどのクライアントから来るHTTPリクエストを受け取り、応答を返すソフトウェアまたはハードウェアです。主にHTML、CSS、画像、JavaScriptなどの静的コンテンツを配信します。
主な役割
- リクエストの受付と応答:ブラウザの要求を受け取り、該当するファイルやエラーページを返します。
- 静的ファイルの配信:画像やPDF、動画やCSS・JSをそのまま送ります。
- MIMEタイプやヘッダーの設定:ファイル種別やブラウザに伝える情報を付けます。
- TLS/SSL終端:暗号化通信を処理し、証明書を使って安全に接続します。
- リバースプロキシ/ルーティング:動的処理が必要な場合、アプリケーションサーバに処理を渡します(例:NginxがNode.jsに転送)。
- キャッシュ・圧縮:応答を圧縮したりキャッシュ指示を出して高速化します。
実際の流れ(簡単な例)
- ブラウザがURLにアクセス→DNSでIPを取得
- TCP/TLSで接続→HTTPリクエストを送信
- Webサーバーが静的ファイルを返す、またはアプリサーバーへ転送
- クライアントが表示
代表的なソフトと運用ポイント
ApacheやNginx、IIS、Caddyなどが有名です。運用では設定のテスト、証明書管理、ログ監視、定期的な更新を心掛けます。
Webアプリケーションサーバ(アプリケーションサーバ)とは?
概要
Webアプリケーションサーバは、プログラミング言語で書かれたWebアプリを実行するソフトウェアです。静的ファイルはWebサーバが返しますが、動的な処理や業務ロジックはここで実行します。
主な役割
- ビジネスロジックの実行(計算や判断)
- データベースへのアクセスとトランザクション管理
- ユーザー認証やセキュリティの処理
- セッション管理や状態保持
- 外部API呼び出しやバックグラウンド処理の起点
3層構成での位置づけ
プレゼンテーション層:Webサーバ(静的)
アプリケーション層:Webアプリケーションサーバ(動的)
データ層:データベースサーバ
実行言語と代表例
主にJava、PHP、Ruby、Pythonなどで動きます。代表的なソフトとしてTomcat、Puma、PHP-FPMなどがあります。
処理の流れ(簡単な順序)
- ユーザーがリクエストを送る
- Webサーバが静的か動的か判別
- 動的ならアプリケーションサーバに渡す
- アプリケーションサーバが処理しDBを参照
- 結果を生成してWebサーバへ返し、ユーザーへ送る
運用上のポイント
プロセス数やメモリ管理、タイムアウト、ログと監視が重要です。言語やフレームワークにより推奨設定が異なります。適切に設定して性能と安定性を保ちます。
Webサーバとアプリケーションサーバの違い
概要
Webサーバとアプリケーションサーバは役割が異なります。Webサーバは主にHTTPでのやり取りを受けて静的なファイル(HTML、画像、CSS、JavaScript)を返します。一方、アプリケーションサーバはプログラムを実行して動的な処理(ログイン処理や商品検索など)を行います。
主な役割の違い
- Webサーバ:HTTPリクエストの受け口、静的コンテンツ配信、リバースプロキシやロードバランサとして動作。
- アプリケーションサーバ:ビジネスロジックの実行、DBアクセス、セッション管理などの動的処理を担当。
扱うものと具体例
- Webサーバの例:NginxやApache。画像やスタイルシートを高速に配信します。
- アプリケーションサーバの例:Tomcat(Java)、PHP-FPM(PHP)、Puma(Ruby)。プログラムを実行してデータを組み立てます。
配置と連携
典型的には「Webサーバ → アプリケーションサーバ → DBサーバ」の順に並びます。Webサーバが公開面を受け持ち、必要な場合だけアプリケーションサーバへ処理を渡します。
使い分けと運用のポイント
- 静的サイトならWebサーバだけで十分です。動的処理があるサイトは両者を組み合わせます。
- パフォーマンス面では静的配信はWebサーバが得意、動的処理はアプリサーバのCPUやDBに依存します。
- セキュリティやSSL終端、キャッシュはWebサーバ側で処理するのが一般的です。
実際の設計では負荷分散や可用性を考えて両者を分けることが多く、役割を分離することで運用が楽になります。












