はじめに
Webサイトの「サイトマップ」は、ページの構成や関係を整理するための設計図のようなものです。本記事はサイトマップの基本から具体的な作り方まで、わかりやすく順を追って解説します。
なぜサイトマップが必要か
サイトマップを用意すると、訪問者が目的のページを見つけやすくなります。検索エンジンにもサイトの構造を伝えやすくなり、結果的に見つけてもらいやすくなります。例えば、ブログと商品ページが混在するサイトでは、カテゴリごとに整理したサイトマップが役立ちます。
このガイドの対象
初心者の方から中級者までを想定します。専門用語は最小限にし、手動での作成方法やWordPressを使った方法、専用ツールやプラグインの活用法まで幅広く扱います。
本記事で学べること
- サイトマップの定義と目的
- 構造（視覚）サイトマップ、HTMLサイトマップ、XMLサイトマップの違い
- 実際の作り方と便利なツールの使い方
以降の章で具体的な手順を順番に説明します。
サイトマップとは
概要
サイトマップとは、Webサイトのページ構成を見やすく整理した図や一覧です。ツリー状に並べることで、どのページが親・子の関係にあるか一目で分かります。訪問者と検索エンジンの両方にとって道しるべになります。
なぜ必要か
- 訪問者向け：目的のページにたどり着きやすくなり、迷いを減らします。特に情報量が多いサイトで効果的です。
- 検索エンジン向け：クローラーがページを見つけやすくなり、巡回の効率が上がります。結果として検索で見つかりやすくなる可能性があります。
具体例（簡単なツリー）
- トップページ
- サービス
- サービスA
- サービスB
- 会社情報
- お問い合わせ
作るときのポイント
- 主要なページを漏らさないこと。カテゴリごとにまとめると見やすくなります。
- 更新を忘れないこと。新しいページを追加したらサイトマップに反映します。
- ユーザー視点を優先すること。専門用語は避け、分かりやすいラベルを付けます。
これらを踏まえると、サイト全体の見通しが良くなり、訪問者と検索エンジン双方にやさしい構成になります。
サイトマップの種類
サイトマップには主に3種類あります。それぞれ目的と使い方が異なるため、サイトの規模や訪問者、検索エンジンに応じて使い分けます。
1) 構造サイトマップ（サイトツリー）
サイト全体の階層構造を図やリストで示します。トップページ→カテゴリ→個別ページの流れが一目で分かります。設計段階に役立ち、重複ページや辿れないページを見つけやすくなります。例えば料理レシピサイトなら「レシピ>和食>魚料理」のように整理します。
2) HTMLサイトマップ（訪問者向け）
ユーザーが全ページを探せるように一覧ページを用意します。サイト内検索が苦手な人や古いページを見つけたい人に便利です。リンクは分かりやすい名前にし、重要なページを上に並べると使いやすくなります。
3) XMLサイトマップ（検索エンジン向け）
検索エンジンのクローラーがページを効率よく巡回するためのファイルです。公開日や更新頻度、優先度を指定できます。大規模サイトや動的に増えるページがある場合に特に有効です。
サイトマップ作成の基本手順
準備：目的とターゲットを明確にする
まずサイトの目的（情報提供・販売・予約など）と対象ユーザーを具体的に決めます。例：小さなネットショップなら「商品一覧」「商品詳細」「カート」「会社情報」「お問い合わせ」を想定します。
サイトツリーを描く
トップページを頂点にして下位ページを枝状に並べます。手書きや表計算ソフトを使い、各ページの親子関係を視覚化します。タイトルは短く具体的に付けます（例：「会社情報」→「会社概要」）。
ページタイトルとURL設計
ページ名はユーザーが直感で理解できる語にします。URLは短めで階層を反映させます（例：/products/shoes）。検索や共有を考えた命名にします。
遷移設計とクリック数の最適化
主要ページから目的のページへ2クリック以内で到達できるか確認します。例：トップ→カテゴリ→商品詳細。重要な導線は明示的にボタンやリンクでつなぎます。
優先度と更新頻度の設定
どのページを重要視するか、どれくらいの頻度で更新するかを決めます。優先度はナビゲーションの位置や目立たせ方に反映します。
チェックと改善
実際に使ってもらい、迷う箇所を洗い出します。アクセス解析や簡単なユーザーテストで改善点を反映し、サイトツリーを更新します。
HTMLサイトマップの作成方法
概要
HTMLサイトマップは訪問者向けのページ一覧です。全ページのリンクを分かりやすく並べることで、利用者が目的のページにたどり着きやすくなります。
手動で作る手順
- 全ページのURLとタイトルをリストアップします。例：/about（会社概要）、/contact（問い合わせ）など。\
- ページをカテゴリごとにまとめます。例：製品／サポート／会社情報。\
- HTMLで一覧を作ります。簡単なコード例：
<ul>
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li>製品
<ul>
<li><a href="/products/a">製品A</a></li>
<li><a href="/products/b">製品B</a></li>
</ul>
</li>
<li><a href="/contact">問い合わせ</a></li>
</ul>
リンクにはページタイトルを使い、階層はul/liで表現すると見やすくなります。
WordPressで簡単に作る方法
- プラグインを使うか、テーマのショートコードを確認します。\
- 固定ページを作成し、ショートコードを貼り付けて公開します。\
- 例：プラグインのショートコードをコピーして固定ページ本文に入れるだけで一覧が生成されます。
公開後のメンテナンス
- 新しいページを追加したらサイトマップも更新します。\
- リンク切れがないか定期的に確認します。\
表示の工夫
- カテゴリごとに分けると見つけやすくなります。\
- 長い一覧は折りたたみや検索欄を付けると親切です。
XMLサイトマップの作成方法
概要
XMLサイトマップは検索エンジン向けの地図です。専用ツール「sitemap.xml Editor」を使う方法と、WordPressプラグインを使う方法が手軽です。
sitemap.xml Editorでの手順
- ツールにサイトのURLを入力します。例：https://example.com
- インデックス対象のパスや更新頻度（daily, weeklyなど）をオプションで設定します。
- 「生成」ボタンを押すとsitemap.xmlが自動で作られます。
- 生成ファイルをダウンロードし、サイトのルートディレクトリ（/public_htmlなど）にアップロードします。
WordPressの場合
- プラグイン「Google XML Sitemaps」をインストールして有効化します。
- 設定画面で自動生成の頻度や除外ページを指定します。
- プラグインが自動でsitemapを生成・更新します。
実務的な注意点
- sitemap.xmlはサイトのルートに置きます。検索エンジンはそこをまず探します。
- 50,000 URLや50MBを超える場合はsitemapインデックスを使います。
- 圧縮（.gz）でアップロードすると転送が速くなります。
- changefreqやpriorityは参考値です。過度に細かく設定する必要はありません。
検証と送信
生成後はオンラインのXMLバリデータでチェックしてください。robots.txtにSitemap: https://example.com/sitemap.xmlを追記し、Googleサーチコンソールへ送信するとインデックスが早まります。定期的に更新して最新状態を保ちましょう。
