はじめに
概要
この資料は、ホームページをインターネット上に掲載する手順と、検索エンジンに掲載(インデックス)させるための基本的な対策をやさしく解説します。ドメイン取得やサーバー準備、Googleへの登録、検索順位を上げるための基本施策、公開後の運用やトラブル対策まで、一連の流れを順序立ててまとめています。
本資料の目的
初めてホームページを公開する方が、迷わず進められるようにすることが目的です。専門用語は最小限に抑え、具体例や手順を示して実践しやすくしています。
対象読者
- 個人で情報発信を始めたい方
- 小規模ビジネスや店舗の担当者
- 自社サイトの基本を学びたい初心者
本書の構成と読み方
全6章で構成しています。まず第2章で公開の基本手順、第3章で検索エンジンへの登録方法、第4章で順位向上のための基本的なSEO、第5章で運用ポイント、第6章でよくあるトラブルと対策を説明します。段階を追って読めば実務にそのまま役立てられます。
前提と注意点
技術の詳細や最新の検索アルゴリズムには触れません。実際の作業は使用するサービスによって手順が異なることがあります。まずは本資料の流れを理解してから、必要に応じて個別の手順を確認してください。
ホームページをネットに掲載(公開)する基本手順
ドメインの取得
インターネット上の住所にあたるドメインを決めます(例:example.com)。ドメイン取得サービスで希望の文字列を検索し、空いていれば購入します。短く覚えやすい名前が訪問者に優しいです。
サーバーの準備
ホームページのデータを置く場所としてレンタルサーバーを選びます。用途や予算に応じて、共用・専用・クラウドなどから選べます。初心者は管理画面が分かりやすいプランを選ぶと安心です。
ドメインとサーバーの紐付け
取得したドメインをサーバーに登録します。具体的にはサーバー側でドメインを追加し、ドメイン側でネームサーバーを設定します。設定後、反映に数時間から数日かかることがあります。
ホームページデータのアップロード
作成したHTMLや画像をサーバーへアップロードします。FTPソフトやサーバーのファイルマネージャーを使います。ファイルの置き場所(公開フォルダ)を確認して正しく配置してください。
WordPressや作成ツールの活用
WordPress、Wix、JimdoなどのCMSや作成サービスを使うと、専門知識が少なくても公開できます。テンプレートやワンクリックで公開できる機能が便利です。プラグインや設定で機能を追加できますが、更新管理は忘れずに行ってください。
ホームページを検索エンジンに掲載(インデックス)させる方法
はじめに
公開しただけでは検索結果にすぐ表示されないことがあります。検索エンジンに認識(インデックス)されると、検索結果に出やすくなります。下は簡単な手順と注意点です。
準備するもの
- 公開済みのページURL(例: https://example.com)
- XMLサイトマップ(例: https://example.com/sitemap.xml)
- robots.txt(クローラーへの指示)
Googleサーチコンソールでの手順
- サーチコンソールにサイトを登録し、所有権を確認します(HTMLファイルやメタタグ、DNSなどで確認可能です)。
- サイトマップを「サイトマップ」画面から送信します。これでクロール候補として認識されます。
- 新しいページは「URL検査」でページのURLを入力し、「インデックス登録をリクエスト」します。これで登録が早まります。
- 「カバレッジ」レポートでエラーや除外理由を確認します。
インデックスを早めるポイント
- 内部リンクを増やし、重要ページへつなげます。
- SNSやニュースレターで公開を告知し、外部からのリンクを得ます。
- ページの表示速度を改善します。読み込みが遅いとクロール頻度が下がります。
- ページに”noindex”タグやrobotsでブロックしていないか確認します。
インデックス状況の確認方法
- Googleで「site:あなたのドメイン」で検索し、登録状況を確認します。
- サーチコンソールのURL検査やカバレッジで詳細を確認します。
よくあるトラブルと対処
- インデックスされない:robots.txtやnoindexを外す、URL検査で再リクエストします。
- エラー表示:カバレッジの詳細を確認し、公開サーバーの応答を改善します。
- 重複コンテンツ:canonical指定で正しいURLを伝えます。
検索結果で上位表示させるためのSEO対策
1. キーワード選定
検索ユーザーが実際に使う語句を想像します。たとえば「パン教室 東京 初心者」など具体的な複合キーワードを考え、Googleキーワードプランナーや関連検索を参考に需要を確認します。狙う語の難易度に応じて、競合が少ない複合語(ロングテール)を取り入れると効果的です。
2. タイトルとメタディスクリプション
ページごとに異なるわかりやすいタイトルを付けます。重要なキーワードはタイトルの前半に入れると伝わりやすくなります。説明文(メタディスクリプション)は120〜160文字を目安に、訪問者が得られるメリットを簡潔に書きます。
3. サイト構造の最適化
見出し(h1,h2)を整理して内容の流れを明確にします。内部リンクは関連ページへ自然につなぎ、サイト全体の回遊を促します。URLやパンくずリストも整えてユーザーと検索エンジンに優しい構造にします。
4. モバイル対応と表示速度
スマートフォンでの表示を確認し、レスポンシブデザインを採用します。画像は圧縮し、ブラウザキャッシュや遅延読み込み(lazy loading)を使うと表示が速くなります。速度改善は離脱率低下にも直結します。
5. noindexタグ・robots.txtの確認
ページごとに意図せずnoindexが付いていないか確認します。robots.txtで重要ページがブロックされていないかもチェックしてください。これらの設定ミスは検索に表示されない原因になります。
ホームページ公開後にやるべき運用ポイント
1. 定期的なコンテンツ更新
ホームページは公開して終わりではありません。新しいページを追加したり、既存の情報を最新に保ったりすることで、訪問者の利便性と検索での評価を維持できます。具体例:商品情報の追加、価格や営業時間の変更、よくある質問の更新。頻度は週1回〜月1回を目安にし、重要な変更はすぐ反映してください。
2. アクセス解析とキーワードの確認
Googleアナリティクスやサーチコンソールなどで、訪問者数、滞在時間、流入キーワードをチェックします。どのページが人気か、どのキーワードで来ているかを見て、改善点を見つけます。例えば検索でよく使われる語をページ内に自然に増やす、人気ページを目立つ場所に置く、といった対応が有効です。
3. SNSや他サイトでの告知・拡散
公開直後はSNSで紹介して認知を広げます。短い紹介文と画像、リンクを付けて投稿してください。メルマガや業界フォーラム、関連ブログへの紹介依頼も効果的です。投稿のタイミングは利用者の多い時間帯を狙い、反応があればコメントに丁寧に答えます。
4. セキュリティとバックアップ
定期的にソフトウェアを更新し、パスワード管理を徹底します。万一に備えて定期バックアップを自動化しておくと安心です。
5. 運用チェックリスト(例)
- 月1回:全ページの内容確認
- 週1回:アクセス解析の簡易チェック
- 公開直後:SNSでの告知(1〜3回)
- 隔週:バックアップの確認
これらを習慣化すると、訪問者にとって信頼できるサイトになります。
よくあるトラブルとその対策
イントロ
公開したのに検索に出ない、表示が乱れるなどはよくある問題です。ここでは原因ごとに点検手順と対策をわかりやすく示します。必要ならホスティング会社や制作担当に相談してください。
1) 検索に表示されない(インデックスされていない)
- まずGoogleサーチコンソール(GSC)で対象ページのURLを「インデックス登録をリクエスト」します。反映まで数日かかることがあります。
- robots.txtでブロックされていないか確認します。例:
User-agent: *
Disallow: /
があると全ページがブロックされます。該当行を削除してください。
– ページのメタタグに「noindex」がないか確認します。CMSやプラグインで誤設定されることがあります。
– サイトマップをGSCに送信し、インデックスカバレッジにエラーがないか確認します。
2) HTTPS化とURLの正規化
- SSL(HTTPS)未導入や証明書の期限切れは検索と信頼性に影響します。ホスティングでSSLを有効化してください。
- HTTP→HTTPS、非www→wwwなどは301リダイレクトで統一します。サーバー側で設定できない場合は担当者に依頼してください。
- ページ間で重複がある場合はcanonicalタグで代表URLを指定します。例:
<link rel="canonical" href="https://example.com/page" />
3) その他のトラブルと簡単な対策
- 404(ページが見つからない):不要なら削除、移動したら301リダイレクト設定。
- ページが遅い:画像圧縮やキャッシュ設定で改善。
- モバイル非対応:レスポンシブ化を優先。
- 混在コンテンツ(HTTPSページ内でHTTPリソース):URLをHTTPSに直す。
優先順位と確認方法
優先は①robots/メタの確認、②GSCでのリクエストとサイトマップ、③HTTPSとリダイレクト設定です。変更後はGSCでカバレッジやモバイル使用感、速度レポートを定期確認してください。問題が深刻な場合はログやサーバー設定を開発者に見てもらいましょう。












