はじめに
この章では、本ドキュメントの目的と読み方をわかりやすく説明します。WordPressでサイトを運営している方が、Yoast SEOとGoogle Search Console(サーチコンソール)を連携して検索流入を増やすための実践的な手順を学べるように作成しました。
本書の目的
本書は、初心者でも実行できるように、設定手順や重要なポイントを図や具体例を交えて丁寧に解説します。専門用語は必要最小限にとどめ、分かりやすさを重視しています。
想定する読者
・WordPressでサイトを運営している方
・SEO対策を始めたい個人や小規模事業者
・Yoast SEOやサーチコンソールの基本を知りたい方
本書で学べること
・Yoast SEOの基本機能と使い方
・サーチコンソールと連携するメリット
・具体的な連携手順とXMLサイトマップの登録方法
・メタボックスの解析や有料版の追加機能の活用法
読み方のポイント
まず第2章でYoast SEOの概要を確認し、続けて連携手順を順に実行してください。設定前にバックアップを取ることをお勧めします。
Yoast SEOとは
概要
Yoast SEOは、WordPressサイト向けの人気プラグインで、検索エンジンで見つけてもらいやすくする手助けをします。操作が直感的で、初心者でも設定しやすい点が特徴です。例えば、記事ごとのタイトルやメタ説明を編集して、検索結果での見え方を改善できます。
主な機能の紹介(簡単に)
- メタ情報編集:検索結果に表示されるタイトルと説明文をカスタマイズします。短く分かりやすい例を示すと、クリック率が上がりやすくなります。
- 読みやすさチェック:文章の長さや段落構成を評価して、改善点を提案します。
- フォーカスキーワード分析:設定したキーワードに対して、本文の使い方や見出しを点検します。
- XMLサイトマップ自動生成:検索エンジンがサイト構造を把握しやすくなります。
無料版と有料版の違い
無料版で多くの基本機能を利用できます。プレミアム版は複数のキーワード設定やリダイレクト機能、優先サポートなどを追加します。初めは無料版で基本を押さえ、必要に応じて有料版に移行する使い方が一般的です。
こんな人に向くか
- 初めてSEO対策を行う方
- 記事の見え方を簡単に改善したい方
- 高度な設定は専門家に任せるが基本を自分で管理したい方
注意点
プラグインは手助けツールです。良いコンテンツ作りと組み合わせて使うと効果が出やすくなります。
Yoast SEOの主要機能
コンテンツ最適化機能
Yoastは文章の可読性とキーワード最適化を自動で解析します。例:見出しの使い方、短い段落、接続語の過度使用を指摘します。フォーカスキーフレーズを設定すると、どの箇所を改善すべきか信号機スタイル(赤・黄・緑)で表示します。初めてでも指示に従えば改善点がわかりやすいです。
サイトマップ機能
XMLサイトマップを自動生成して検索エンジンに送る準備を整えます。ニュースサイトマップも対応し、頻繁に更新するサイトの発見を助けます。特定の投稿や固定ページを除外する設定も簡単です。
メタデータ管理
ページタイトルやメタディスクリプションをテンプレート化できます。変数(サイト名、タイトル、区切り記号など)を使えば大量ページでも一貫性を保てます。表示例を見ながら調整できるので安心です。
パンくずリストとSchemaサポート
パンくずの出力を設定するとユーザーと検索エンジン双方のナビゲーションが改善します。Schema.orgの基本的なマークアップも自動で追加し、リッチスニペットの可能性を高めます。
リダイレクトマネージャーとカスタム投稿の分析
URL変更時のリダイレクトを簡単に作成できます。カスタム投稿タイプやタクソノミーごとにSEO分析を行い、サイト全体の最適化を支援します。
Google Search Consoleとの連携の重要性
Google Search Console(GSC)とYoast SEOを連携すると、SEO改善に必要な事実を手に入れられます。単なる設定ではなく、日々の判断材料を得るための重要な接続です。
なぜ重要か
- GSCは実際の検索での表示状況やクリック数を教えてくれます。これにより、実際に訪問をもたらすキーワードがわかります。
具体的な利点
- キーワードの分析:表示回数やクリック率を見て、タイトルや説明文を変える判断ができます(例:表示は多いがクリックが少ない場合、タイトルを見直す)。
- クロールとエラーの把握:404やサーバーエラーなどを素早く見つけ、修正できます。
- パフォーマンス計測:ページごとの検索パフォーマンスを測り、改善効果を検証できます。
- インデックス管理:どのページが検索に載っているかを確認し、不要なページの除外や再送信の判断ができます。
活用の流れ(簡単な手順)
- YoastでGSCと連携する。2. 定期的にパフォーマンスとカバレッジを確認する。3. データに基づいて優先順位を付けて修正する。
これにより、感覚に頼らずデータでSEOを改善できます。ぜひ最初に連携して、日々の運用に役立ててください。
Google Search Consoleとの連携設定方法
はじめに
ここではGoogle Search Console(以下GSC)とYoast SEOを連携する具体的な手順を、わかりやすく説明します。連携すると検索パフォーマンスの確認や問題把握が楽になります。
事前準備
- Googleアカウントを用意します。
- サイトがWordPressで動作していることを確認します。
手順(簡潔な流れ)
- GSCにログインし、プロパティを追加します。プロパティタイプはURLプレフィックスを選び、自サイトのURL(例:https://example.com)を入力します。
- 所有権確認で「HTMLタグ」を選ぶと、metaタグ(例:)が表示されます。これをコピーします。
- WordPress管理画面→Yoast SEO→一般→ツール(またはウェブマスターツール)へ移動します。Googleの欄にコピーしたmetaタグのcontent部分を貼り付けます。
- Yoastの設定を保存し、GSC側で「確認」をクリックします。所有権が確認されれば連携完了です。
補足と代替方法
- HTMLタグでうまくいかない場合は、DNSのTXTレコードやHTMLファイルのアップロードでも確認できます。DNSはレンタルサーバの管理画面でTXTの追加を行います。
トラブルシューティング
- 保存後に確認できない場合は、キャッシュプラグインを一時停止し、サイトのソース(ブラウザで右クリック→ページのソースを表示)にmetaタグがあるか確認してください。
- サイトのURLが「wwwあり/なし」やhttp/httpsで異なると別プロパティになるので、入力に注意してください。
注意点
- 所有権確認は一度行えば継続しますが、サイト構成を変えたときは再確認が必要な場合があります。
XMLサイトマップの登録と送信
XMLサイトマップを有効にする
まず、WordPressの管理画面でYoast SEOを開き、「一般」→「サイトの機能」を選びます。そこで「XMLサイトマップ」のスイッチをオンにします。オンにすると自動でサイトマップが生成されます。
サイトマップURLの確認方法
サイトマップはYoastの設定画面の「XMLサイトマップ」の「?」マークから確認できます。通常の形式は https://example.com/sitemap_index.xml のようになります。ブラウザでそのURLを開くと構成を確認できます。
Googleサーチコンソールへの送信手順
- Googleサーチコンソールにログインします。
- 対象サイトのプロパティを選びます。
- 左メニューの「サイトマップ」を開きます。
- 新しいサイトマップに sitemap_index.xml を入力して「送信」をクリックします。
送信後は「成功」や「エラー」が表示されます。エラーが出た場合はURLやrobots.txtの設定、noindex指定を確認してください。
送信後の確認と注意点
送信してから短期間でクロールされインデックスされることが多いですが、必ず3日以内と保証するものではありません。サイト構成を大きく変えたときや大量の新規ページを追加したときは、再送信すると検出が早まることがあります。また、サイトマップに含める内容(投稿・固定ページなど)をYoastで調整できます。
メタボックスの詳細解析機能
概要
編集画面下部に表示されるYoast SEOのメタボックスでは、記事ごとのSEO評価と改善点を一目で確認できます。初心者でも分かりやすい色分け(赤・黄・緑)で優先度を示します。
SEOスコアと信号機表示
- 緑:よくできている項目。維持を目標にします。
- 黄:改善余地あり。具体的な修正案が表示されます。
- 赤:要改善。検索での見え方に影響します。
実際にはタイトル長、メタ説明、見出しの使用、内部リンクの有無などが点検されます。
フォーカスキーフレーズ設定
狙う検索キーワード(フォーカスキーフレーズ)を入力すると、そのキーワードが本文・見出し・メタ情報にどの程度使われているかを解析します。関連キーフレーズの候補も提示され、語句の幅を広げられます。
具体的な改善提案(実例付き)
- キーワードが本文に少ない:導入部と見出しに1回ずつ挿入します(自然な文にする)。
- メタ説明が長すぎる:120〜160文字に収め、要点を最初に書きます。
- 画像に代替テキストがない:画像の説明(例:「赤い自転車」)を追加します。
- 内部リンクがない:関連する過去記事へリンクを貼ります。
実際の使い方の流れ
- フォーカスキーフレーズを入力する。2. 赤や黄の指摘を順に確認する。3. 指摘に沿って本文やメタ情報を編集する。4. 緑が増えたら公開準備完了です。
必要に応じて、読みやすさや構造(見出しの階層)もチェックしてください。これらは検索だけでなく読者の利便性向上にも役立ちます。
有料版の追加機能
Yoast SEOの有料版は、より高度なSEO改善を手助けする機能がそろっています。ここでは主要な追加機能をわかりやすく説明します。
関連キーフレーズの追加
複数のキーフレーズを登録できます。例:メインの「猫の飼い方」に加え「子猫のしつけ」を設定すると、記事が幅広い検索に対応します。キーワードごとに最適化のアドバイスが表示されます。
内部リンクの提案
記事作成中に、サイト内の関連ページを自動で提案します。読者の回遊を促し、ページ同士のつながりを強めます。手動でリンクを貼る手間が減ります。
PremiumのSEO分析
より詳細な読みやすさチェックや意図に沿った評価を行います。見落としやすい改善点を具体的に示し、上位表示の可能性を高めます。
Wincher連携によるパフォーマンストラッキング
検索順位を自動で追跡できます。どのキーワードが伸びているかを確認し、改善施策の効果を測れます。
IndexNow機能
BingやYandexに更新を即時通知でき、重要なページを早くインデックスしてもらいやすくなります。
各機能は導入も使い方も簡単です。まずはトライアルやドキュメントを確認し、必要な機能から有効にしてみてください。












