はじめに
本ドキュメントは「webサイト 限定公開」に関する情報をわかりやすくまとめたガイドです。限定公開とは、誰でも見られる公開サイトとは異なり、閲覧者を制限して情報を共有する方法です。例えば、クライアントへのデザイン確認用、社内資料の共有、クローズドなイベント用の案内ページなどで役立ちます。
このガイドの目的:
– 限定公開の基本的な考え方を丁寧に説明します。具体例を交えて用途がイメージしやすいようにします。
– HTML、WordPress、Googleサイトなど、よく使われる手段別に設定方法を詳しく解説します。設定時の注意点も取り上げます。
対象読者:
– 個人や小規模事業のウェブ担当者
– クライアントに見せるテスト用ページを作りたいデザイナー
– 社内限定の情報共有を検討している方
本シリーズの構成:
第1章(本章):はじめに
第2章:限定公開Webサイトの定義と利用シーン
第3章:HTMLサイトを限定公開にする方法
第4章:WordPressでの限定公開設定
第5章:Googleサイトで限定公開サイトを作る方法
以降の章で、実際の手順や設定例、よくある失敗と対策を丁寧に説明します。初めての方でも順を追って設定できるように配慮していますので、安心して読み進めてください。
第1章:そもそも「限定公開Webサイト」とは?
限定公開Webサイトとは
限定公開Webサイトとは、検索エンジンや不特定多数の閲覧者から隠し、特定の人だけが見ることができるようにしたページやサイトを指します。普通の公開サイトと異なり、アクセスに条件を付けて情報の流出を防ぎます。
主な制限方法(具体例で説明)
- パスワード保護:ページを開くときにパスワード入力を求めます。社内資料やクライアント用の確認ページでよく使われます。
- 会員ログイン:ユーザー登録とログインを経て閲覧します。会員限定コンテンツやサブスクリプションに向きます。
- URL非公開(シークレットリンク):長くて推測しにくいURLを配布する方法です。招待制のイベント案内などで手軽に使えます。
よくある利用シーン
- 社内共有サイト:社員だけがアクセスするマニュアルや報告書
- 会員限定コンテンツ:有料記事や動画
- オンライン講座:受講者だけが見られる教材
- クライアント確認用:デザインや機能の仮公開
メリット
- 情報漏えいのリスクを下げられます。必要な相手だけに情報を届けられます。検索結果に出ないため、一般公開による誤閲覧を避けられます。
- ビジネスとしては有料化や限定配布と相性が良いです。
注意点
- アクセス制限が甘いと意図しない人に見られる可能性があります。パスワードの共有やURLの拡散に気をつけましょう。
- 運用面ではアクセス管理やアカウント削除などの手間が発生します。誰がいつ見たかを記録する仕組みがあると安心です。
第2章:HTMLで作ったWebサイトを限定公開にする方法
概要
自分で作ったHTMLサイトは公開直後に誰でも見られる状態になります。ここでは検索エンジンに登録させない方法と、実際にアクセスを制限する方法を分かりやすく説明します。
方法1:検索エンジンから除外(noindex)
内にを入れると検索結果に出にくくなります。例:
<meta name="robots" content="noindex">
これは簡単ですが、URLを知っている人は閲覧できます。
方法2:レンタルサーバーのベーシック認証
レンタルサーバーの管理画面でID・パスワードを設定します。ログインが必要になるため、公開範囲を限定できます。設定は多くのサービスで数クリックで完了します。
方法3:.htaccessで細かく制御(Apache)
ディレクトリ単位で制限できます。Basic認証やIP制限を組み合わせられます。例(Basic認証の設定の一例):
AuthType Basic
AuthName "Restricted"
AuthUserFile /path/to/.htpasswd
Require valid-user
IP制限は特定のIPのみ許可する場合に便利です。
注意点
- noindexだけでは不十分です。セキュリティが必要なら認証やIP制限を併用してください。
- .htaccess編集や認証設定はミスで閲覧不能になることがあるので、設定前にバックアップを取ってください。
用途に応じて、簡単さ(noindex)と安全性(認証/IP制限)を使い分けてください。
第3章:WordPressでWebサイトを限定公開にする方法
はじめに
WordPressは標準機能だけで簡単な限定公開ができます。必要に応じてプラグインを追加すれば、会員制や部分的な保護も実現できます。
1. 投稿・固定ページの公開設定で簡単に限定公開
- 投稿編集画面の「公開」設定から「公開」「パスワード保護」「非公開」を選べます。
- パスワード保護:ページを開くとパスワード入力を求めます。URLはそのまま共有でき、閲覧にはパスワードが必要です。例:社内資料の共有など。
- 非公開:管理者・編集者のみ閲覧できます。サイトの一般公開リストには表示されません。
2. プラグインで会員制や細かな権限管理
- Members(例):ユーザーロールを細かく作成し、ページ単位で閲覧権限を設定できます。手順は「インストール→有効化→ロール作成→ページに権限を設定」です。
- PrivateContent(例):簡単に会員制サイトを作れます。ログイン・会員専用ページの作成が容易です。
- Passster(例):記事の一部分だけパスワード保護します。無料部分と有料部分を混在させるハイブリッド構成に便利です。ショートコードで保護箇所を指定します。
3. 運用時の注意点
- パスワード管理を徹底してください。共有時は配布方法を記録すると安全です。
- 新しい設定は必ず別アカウントで表示確認してください。
- プラグイン導入時は互換性と更新頻度を確認してください。
第4章:Googleサイトで限定公開サイトを作る方法
はじめに
Googleサイトは手軽に作れるため、社内用マニュアルやプロジェクトページの限定公開に向いています。ここでは、特定の人だけが見られるように設定する手順と注意点をやさしく説明します。
手順(基本)
- Googleサイトを開き、対象のサイトを作成または編集します。
- 右上の「共有」または「共有と公開設定」をクリックします。
- 公開範囲を選びます。具体的には「制限付き(特定のユーザーのみ)」「組織内のみ」「リンクを知っている全員」などがあります。
- 「制限付き」を選んだら、閲覧を許可したい人のメールアドレスを入力し、役割(閲覧者/編集者)を設定して招待します。
管理のコツ
- 多人数に配る場合はGoogleグループを使うと管理が楽になります。
- 公開後でも同じ画面から招待の追加・削除ができます。不要になったらすぐに削除してください。
注意点
- 招待された人はGoogleアカウントでのサインインが必要になることがあります。
- 独自ドメインを使っていても、アクセス制御はGoogleサイト側の設定が優先されます。
- 外部にリンクを教えると意図せず広がるため、共有は慎重に行ってください。












