はじめに
この資料は、Webサイトの「サイトマップ」に関する調査結果と実務的な解説をまとめたものです。サイト運営者、制作担当者、SEOを学ぶ方を主な対象とし、サイトマップの定義や種類、実際の作成手順、関連ツールの使い方、Google Search Consoleへの送信方法、そしてサイトツリー設計の重要性までを丁寧に説明します。
なぜサイトマップが重要か
サイトマップはユーザーと検索エンジンの両方にとって道しるべになります。ユーザー向けのHTMLサイトマップはページの見つけやすさを高め、XMLサイトマップ(検索エンジン向け)はインデックス効率を改善します。これにより、サイトの可視性が向上し、問題の早期発見にもつながります。
本資料で扱う内容(章構成)
- サイトマップとは何か:基本の定義と役割
- HTMLサイトマップの作り方:ユーザー視点での設計手順
- XMLサイトマップの作り方:検索エンジン向けの実装方法
- Google Search Consoleへの送信:手順と注意点
- サイトツリー設計の重要性:構造設計がもたらす効果
以降の章で具体的な手順やツールの使い方を、実例を交えてわかりやすく解説していきます。
サイトマップとは何か
概要
サイトマップは、Webサイト内のページを一覧にしたものです。訪問者が目的のページを見つけやすくするほか、検索エンジンにページ構成を伝える役割もあります。主に「構成図(サイトツリー)」「XMLサイトマップ」「HTMLサイトマップ」の3種類に分かれます。
主な3種類
- 構成図(サイトツリー): サイトの階層構造を視覚化します。トップページ→カテゴリ→詳細ページといった関係を図で示し、ページ間のつながりがわかりやすくなります。設計段階で使うと便利です。
- XMLサイトマップ: 検索エンジン向けの機械的な一覧です。各URLと更新日時、優先度などを記述し、検索エンジンのクローラーに効率よく巡回してもらえます。
- HTMLサイトマップ: 人間の訪問者向けの一覧ページです。サイト内の主要ページをリンク付きで並べ、目的の情報へ素早くたどり着けます。
具体例
- オンラインショップ: 「トップ→カテゴリ(家電)→商品ページ」
- ブログ: 「トップ→カテゴリー→記事」
サイトツリーは全体の把握に役立ちます。設計や運用を楽にするために、早めに作ることをお勧めします。
HTMLサイトマップの作成方法
目的と基本
HTMLサイトマップは訪問者がサイト内を見つけやすくする一覧ページです。全ページのリンクを階層に沿って並べ、ユーザーとクローラーの両方に分かりやすくします。
手動で作る手順
- まずサイトの全URLを洗い出します。カテゴリや重要ページを優先します。
- 階層(トップ→カテゴリ→記事)の構造でHTMLリストを作成します。
- と
- でネストするイメージです。
- 各リンクに分かりやすいアンカーテキストを付けます(例:カテゴリ名や記事タイトル)。
- 更新日時を入れると訪問者に親切です。
WordPressで自動作成する方法(PS Auto Sitemap)
- プラグインをインストールして有効化します。
- 設定で表示する投稿タイプや除外ページを選びます。
- 固定ページにショートコードを貼ると自動で一覧が生成されます。手動更新の手間が減ります。
注意点と運用のコツ
- 非公開ページや重複ページは除外します。
- ページ数が多い場合はカテゴリごとに折りたたみ表示にすると見やすくなります。
- 定期的にサイト変更に合わせて見直してください。
XMLサイトマップの作成方法
概要
XMLサイトマップは検索エンジン向けの設計図です。ページURLや最終更新日などを記述し、クロールを助けます。
基本の書式(例)
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-01</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
</urlset>
各タグは任意ですが、loc(URL)は必須です。
作成手順(手動)
- サイト内の公開URL一覧を作る。优先度の高いページを上位にする。
- 上の形式でXMLを作成。エンコーディングはUTF-8にする。
- ファイル名を sitemap.xml として保存。圧縮して sitemap.xml.gz にしても構いません。
自動生成ツール
- sitemap.xml Editor:多数ページを一括で書き出せます。CSVから読み込める機能が便利です。
- WordPressなら「Google XML Sitemaps」等のプラグインで自動生成・更新が楽になります。
サーバーへの配置と注意点
- ウェブサイトのルート(例:https://example.com/sitemap.xml)にアップロードします。
- robots.txt に位置を記載すると見つけやすくなります。
- 重複URLやnoindexにしたページは除外してください。
次章でGoogle Search Consoleへの送信方法を詳しく説明します。
Google Search Consoleへの送信
はじめに
作成したXMLサイトマップはGoogle Search Console(以下GSC)で登録します。GSCに登録するとクロール状況や問題点を確認できます。
準備
- サイトをGSCに所有権確認します(ドメインかURL プレフィックス)。
- サイトマップの公開URL(例: https://example.com/sitemap.xml)を用意します。
サイトマップの登録手順
- GSCで該当のプロパティを開きます。
- 「サイトマップ」メニューを選びます。
- サイトマップURLを入力し「送信」を押します。テスト機能でエラーがないか確認できます。
robots.txtへの記述
サイトのルートにあるrobots.txtに次のように追記します:
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml
これで検索エンジンに位置を明示できます。
テストと運用
送信後は「インデックスカバレッジ」や「送信履歴」で状態を確認します。URLが多すぎる場合はサイトマップを分割し、更新時は再送信してください。
よくある問題と対処
- サイトマップ内に404がある → URLを修正または除外します。
- robots.txtでブロックされている → ブロック設定を見直します。
- サイズ上限を超える → サイトマップを分割します。
これらを守ればGSCで効率よくサイト状況を管理できます。
サイトツリー設計の重要性
概要
サイトツリーはサイト内のページ構成と移動経路を決めます。訪問者が迷わず目的の情報にたどり着けるように設計する点が最も重要です。
設計がもたらす主な効果
- ユーザビリティ向上:目的のページへ短い導線で到達できます(例:トップ→カテゴリ→商品)。
- コンテンツの整理:重要な情報を上位に置き、優先順位を明確にします。
- 検索エンジン対策:クローラーがページを辿りやすくなりインデックス化を助けます。
- 運用の効率化:更新・追加時にルールがあると担当者の負担が減ります。
設計手順(実践)
- 目的を明確にする(購入、問い合わせ、情報提供など)。
- ペルソナを想定し導線を描く(新規・再訪ごとの動線を分ける)。
- 階層はできるだけ浅く、主要ページは3クリック以内を目安にします。
- ナビゲーションとURLは一貫性を持たせ、分かりやすい名前にします。
- 内部リンクで関連ページへ自然に誘導する設計にします。
- サイトマップに落とし込み、HTML・XML両面で反映します。
チェックと改善
- カードソーティングやユーザーテストで仮説を検証します。
- アクセス解析で離脱箇所を把握し設計を修正します。
- 更新ルールとドキュメントを用意し変更履歴を残します。
具体例
- ECサイト例:トップ > カテゴリ > サブカテゴリ > 商品
- ブログ例:トップ > カテゴリ > 記事
しかし、設計したら終わりにせず、実際の行動を見て継続的に改善してください。良いサイトツリーは訪問者の利便性と運営の手間を同時に下げます。












