初心者でも安心!web・サーバー・ドメインの設定完全マニュアル

目次

はじめに

この章の目的

この記事は、独自ドメインを取得したあとに、Webサーバーと正しく結びつけてサイトを公開する方法をやさしく解説します。専門用語は最小限にし、具体例を交えて順を追って説明します。初心者の方でも設定できるように配慮しました。

この記事で扱うこと

  • DNSの基本イメージ(ドメインとサーバーの関係)
  • ネームサーバー(どこで管理するか)の役割
  • 代表的なDNSレコード(何を設定するか)
  • よくある設定パターン(rootとwwwの扱い)
  • サーバー側で必要な設定との関係

想定する読者と前提

  • これから独自ドメインでサイトを公開したい方
  • ドメインの管理画面へログインできる方
  • レンタルサーバーやクラウドの管理画面にアクセスできる方

読み方の目安

各章は順に読むと理解が深まります。設定作業は10〜30分で終わることが多いですが、DNSの反映には数時間から最大48時間ほどかかる場合があります。

最後に

初めての設定は不安だと思いますが、一つずつ確認しながら進めれば必ずできます。次章から具体的な仕組みと手順を丁寧に説明していきます。

Webサーバーとドメインの関係をまず理解する

まずはイメージ

ドメインは人に覚えやすい「住所名」、Webサーバーはサイトのデータを置く「家」、IPアドレスはサーバーの数字の住所です。DNSはドメイン名からIPアドレスを引く「電話帳」のような仕組みです。

用語の簡単な説明

  • ドメイン:example.com のような名前です。人が入力しやすい住所です。
  • Webサーバー:HTMLや画像などのファイルを保管し、要求に応じて返す機械(サービス)です。
  • IPアドレス:203.0.113.10 のような数字で表す場所です。
  • DNS:ドメイン→IP変換を行う仕組みです。

ブラウザからページが表示される流れ

  1. ユーザーがブラウザでドメインを入力します。
  2. ブラウザがDNSに問い合わせて、ドメインに対応するIPを受け取ります。
  3. 受け取ったIPのWebサーバーに接続し、ページのデータを要求します。
  4. サーバーがページを返し、ブラウザに表示されます。

DNS設定の意味

ドメインからIPやサーバーを結びつけるのがDNS設定です。例えばAレコードという設定でドメインを特定のIPに向けます。複数のドメインが同じサーバーを指すこともあり、逆に1つのドメインが複数のサーバーを切り替える仕組みもあります。これにより、どの家(サーバー)に行けば目的のページがあるか決まります。

Webサーバーとドメインを使うまでの全体フロー

ステップ1: 独自ドメインを取得する

まずドメインを使いたいサービスで取得します。例として「お名前.com」や「ムームードメイン」を使います。好みの名前が空いていれば購入し、管理画面にログインできる状態にします。

ステップ2: レンタルサーバーを契約する

次にWebサイトを置くサーバーを契約します。初心者向けには共有レンタルサーバー(例:さくら、ロリポップなど)が分かりやすいです。契約後、サーバー側の管理情報(IPアドレスやネームサーバー情報)を確認します。

ステップ3: DNS設定でドメインとサーバーを紐付ける

ドメイン管理画面でネームサーバー(NS)を指定する方法と、AレコードやCNAMEレコードを直接設定する方法があります。一般的には以下の流れです。
– レンタルサーバーのネームサーバーをドメイン側で指定する。サーバー側で自動的に必要なレコードが設定される場合が多いです。
– または、ドメイン側でAレコードにサーバーのIPを登録し、wwwをCNAMEでルートに向けるなど手動で設定します。

動作確認と反映の待ち時間

設定後、DNSの反映に数分〜最大で48時間程度かかることがあります。ブラウザでドメインにアクセスして表示されれば成功です。うまく表示されない場合は、ブラウザのキャッシュをクリアするか、コマンド(pingやnslookup)で名前解決を確認してください。

ネームサーバー(DNSサーバー)の設定とは何か

概要

ネームサーバーの設定は、ドメインのDNS情報をどのDNSサーバーで管理するかを指定する作業です。ドメインを取得した直後は取得先(レジストラ)のネームサーバーが割り当てられます。レンタルサーバーを使う場合は、サーバー会社指定のネームサーバーに切り替えてから、そちらの管理画面でAレコードなどを設定します。

どこで設定するか

ドメインの管理画面(レジストラのコントロールパネル)で変更します。操作画面は業者ごとに違いますが、「ネームサーバー設定」「DNS管理」といった項目を探せば見つかります。

具体的な手順(簡単な流れ)

  1. レンタルサーバーから指定のネームサーバー(例:ns1.example.com、ns2.example.com)を確認する
  2. レジストラの管理画面でネームサーバー情報を上書きする
  3. ネームサーバー変更後は、変更先の管理画面でAレコードやCNAMEを設定する

注意点

  • 変更の反映には通常数分〜48時間かかります。多くは数時間で反映します。
  • ネームサーバーを変えると、DNS管理の場が移るため古い設定は反映されなくなります。切り替え前に必要なレコードを控えておくと安全です。
  • 上級者向けに、ドメインと同じ名前のネームサーバーを使う場合は「グルー登録(Glue)」が必要になることがあります。

以上がネームサーバー設定の基本です。設定後は新しいネームサーバー側でDNSレコードを正しく入力してください。

ドメインとサーバーを紐付けるDNSレコードの種類

概要

Web公開でよく使うDNSレコードは主に4種類です。A、CNAME、MX、TXTです。役割を知れば設定が楽になります。

Aレコード(IPv4への紐付け)

Aレコードはドメイン名をIPv4アドレスに結び付けます。例:example.com → 203.0.113.10。Webサイトを直接表示する際に必須です。

CNAMEレコード(別名)

CNAMEは別名を本体ドメインに向けます。例:www.example.com → example.com。wwwだけ別途管理したくないときに使います。CNAMEはルートドメインには使えない場合が多い点に注意してください。

MXレコード(メール受信先)

MXはメールの配送先サーバーを指します。例:mail.example.com(優先度10)。メールサービスを使うときは必ず設定します。

TXTレコード(認証やメモ)

TXTは任意のテキストを置けます。SPFやDKIM、ドメイン所有確認でよく使います。例:”v=spf1 include:_spf.example.com ~all”。

簡単な実例

Web公開だけなら、ルートにAレコード、wwwにCNAME(またはA)を設定すれば十分です。メールを使うならMXと必要なTXT(SPFなど)を追加します。

補足(TTLと反映)

レコードにはTTLがあり、変更は反映までに時間がかかることがあります。設定後は少し待ってから動作確認してください。

基本の設定パターン:ルートドメインと「www」あり・なし

1) まずはルートドメインをAレコードで設定

ルートドメイン(例:example.com)はAレコードを使ってサーバーのグローバルIPアドレス(例:203.0.113.10)に向けます。これでブラウザから直接「example.com」でアクセスできるようになります。設定後はDNSの伝播時間(数分〜数時間)を待ちます。

2) 「www」を使いたいときはCNAMEで向ける

www.example.comを使いたい場合、CNAMEレコードでwwwをルートドメイン(example.com)に向けます。設定例:www → example.com。こうするとwwwあり・なし両方で同じサイトに到達します。操作はネームサーバーの管理画面から行います。

3) 実務上の注意点

  • ルートドメインには原則CNAMEが使えません。DNS仕様のため、多くの管理画面でCNAMEは拒否されます。代替としてAレコードや、提供があればALIAS/ANAME機能を使います。
  • SSL証明書はwwwと裸ドメイン両方をカバーするか、サーバー側でリダイレクト設定を入れておきます。
  • どちらを正式なURLにするか(wwwあり/なし)は決めておき、片方へ301リダイレクトするとSEOやユーザー体験が安定します。
  • TTLを短めにすれば設定変更時の反映が早くなりますが、普段は標準値で問題ありません。

4) 簡単な手順例(実際の流れ)

  1. ネームサーバー管理画面を開く
  2. Aレコードでexample.comをサーバーIPに設定
  3. CNAMEでwwwをexample.comに設定
  4. ブラウザで両方のURLを確認し、必要ならサーバー側でリダイレクトやSSLを設定する

このパターンは最も基本で一般的です。次章ではサーバー側の設定との連携について説明します。

サーバー側(レンタルサーバー)の設定との関係

なぜサーバー側の設定が必要か

DNSでドメインをIPに向けても、サーバー側がそのドメインを受け取る設定をしていなければ正しいサイトに届きません。1つのIPで複数サイトを運営する場合、サーバーがドメイン名で表示先を判断します。

レンタルサーバーでの具体的手順

1) 管理画面にログインし「ドメイン追加」または「サイト追加」を行います。ドキュメントルート(公開フォルダ)を指定します。SSLがあれば有効化します。
2) サーバーの割当IP(またはホスト名)を確認します。
3) 登録業者のDNS管理でA/AAAAレコードをサーバーのIPに向けます(wwwは別にCNAMEを使うことが多いです)。
4) 反映後、ブラウザやping、hostsファイルで動作確認します。

よくあるトラブルと対処

  • 別サイトや404が出る:サーバーでドメイン未追加、ドキュメントルート誤りが原因。管理画面を確認してください。
  • SSLエラー:証明書が発行・設定されていないと起きます。レンタルサーバーの自動発行を使うと簡単です。
  • 同一IPで複数サイト:バーチャルホスト(ドメインごとの設定)が必要です。
  • 反映遅延:DNSのTTLやブラウザキャッシュを確認してください。

DNS側とサーバー側、両方の設定が揃って初めて正しいサイトに繋がります。問題があれば、順番に設定を確認してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次