はじめに
ご挨拶
ホームページを初めて作る方へ向けたガイドです。目的を明確にしてから、簡単なツールでまず1サイトを完成させることが最短の方法です。本書では初心者が迷わないように、決めるべきポイントやおすすめの作り方、作り方ごとの比較、具体的な進め方、予算と時間の考え方まで順を追って解説します。
なぜまず1サイトなのか
最初に多く作ろうとすると迷いや挫折が増えます。まずは一番伝えたいことを絞り、必要最低限のページだけで1サイトを作って公開しましょう。実践しながら学ぶことで理解が深まり、改善もスムーズに進みます。
この章で伝えたいこと
- 目的（誰に何を伝えたいか）をはっきりさせる
- 必要なページを絞って最短で公開する
- 難しい技術は後回しにして、まずは形にする
読み進め方
次章では「まず決めること」を具体的に説明します。順番に進めれば、無理なくホームページが作れます。焦らず一歩ずつ進めましょう。
まず決めること
ホームページを作る前に「何のために作るか」をはっきり決めると、その後の作業がぐっと楽になります。ここでは具体的に決めるべき項目と、決め方の例をやさしく説明します。
1) 目的を明確にする
- 自己紹介：仕事の経歴やスキルを伝える。例：フリーランスのポートフォリオ。
- ブログ：情報や考えを定期的に発信する。例：料理レシピや育児記録。
- お店紹介：メニューや営業時間、予約方法を伝える。例：カフェや美容室。
- 会社サイト：事業内容や採用情報を伝える。
- 作品集：写真やイラストを見せる。
目的ごとに必要な機能やページが変わります。例えば問い合わせを受けたいならフォームが必須です。
2) ターゲットを想定する
- 想定するお客さん・読者の年齢層、興味、悩みを考えます。例：20代の料理好き、近隣の家族連れなど。
- ターゲットが分かれば、文章の言葉遣いや写真の雰囲気を合わせられます。
3) 必要な情報をリスト化する
- プロフィール（自己紹介、経歴、写真）
- サービス内容や商品説明
- 料金やメニュー表
- アクセス情報（地図、住所、駐車場情報）
- 問い合わせ先（メール、電話、フォーム）
優先順位をつけて、まずは最低限必要なページから作ると負担が少なくなります。チェックリストを作って一つずつ埋めていきましょう。
初心者におすすめの作り方
概要
Webサイトの作り方は大きく3パターンあります。手軽さを優先するならノーコードツール、自由度と拡張性を重視するならWordPress、仕組みを学びたい方や細かく制御したい方はHTML/CSSで自作がおすすめです。
1）ノーコードのホームページ作成ツール（Wix、Canvaなど）
- 特徴：ドラッグ＆ドロップで直感的に作れます。テンプレートが豊富でデザインが簡単です。
- メリット：初期設定や更新が簡単で時間がかかりません。コード不要なので初心者に向きます。
- デメリット：細かいカスタマイズは制限される場合があります。有料プランで独自ドメインや高度な機能が必要です。
- 向いている人：短期間で見栄えの良いサイトを作りたい方、手軽に始めたい方。
2）WordPress（サーバー・ドメインが必要）
- 特徴：プラグインやテーマで機能を拡張できます。独自の構成にしやすいです。
- メリット：ブログ、ショップ、会員サイトなど幅広く対応できます。将来的な拡張が楽です。
- デメリット：初期設定やセキュリティ対策が必要です。運用の手間が若干増えます。
- 向いている人：将来機能追加を考えている方、自由にデザインや機能を変えたい方。
3）HTML/CSSで自作
- 特徴：コードで一から作ります。仕組みを深く理解できます。
- メリット：細部まで自由に制御でき、学習が将来のスキルになります。
- デメリット：学習コストと作業時間が高くなります。初めてだと時間がかかります。
- 向いている人：Web制作を仕事にしたい方、仕組みを学びたい方。
初心者向けのすすめ方（短いアドバイス）
まずはノーコードで試して方向性を決め、必要ならWordPressへ移行する方法が効率的です。将来技術を身につけたいなら並行してHTML/CSSを学ぶと良いでしょう。テンプレートを活用すると挫折しにくくなります。
作り方ごとのざっくり比較
ノーコードツール（例：Wix、Squarespace、STUDIO）
難易度：低いです。ドラッグ＆ドロップで作れます。
費用：基本は0円から始められますが、独自ドメインや高機能は有料プランです。
向いている人：初めてサイトを作る方や、短時間で見栄えの良いサイトが欲しい方。
特徴：デザインテンプレートが豊富で、公開までの手順が少ないです。カスタマイズは制限があります。
WordPress（例：WordPress.org）
難易度：中程度です。サーバーとドメインの手配が必要です。
費用：サーバー代とドメイン代がかかります（年数千〜数万円が目安）。テーマやプラグインで機能を拡張できます。
向いている人：将来本格運用や拡張を考える方。
特徴：柔軟性が高く、ブログ・EC・会員サイトまで幅広く対応します。メンテナンス（更新やセキュリティ）を行う必要があります。
HTML/CSS（＋JavaScript）
難易度：高いです。学習時間が必要です。
費用：外部サービスはほぼ不要で、学習と制作の時間がコストになります。
向いている人：Webの仕組みを深く学びたい方や、完全な自由度で作りたい方。
特徴：自由度は最大ですが、全て自分で設計・実装・運用します。
選び方の目安
時間がない・手軽に始めたい：ノーコード
将来拡張や独自機能を重視：WordPress
学習して自作したい・自由度重視：HTML/CSS
具体的な進め方（初心者向けおすすめ）
準備：短く分かりやすい目標を決める
まずは「何のためのサイトか」を一行で書きます（例：地域のパン屋の紹介、フリーランスの実績紹介）。写真・自己紹介文・サービス説明を用意しておくと作業が早くなります。
ステップ1：ツールを選ぶ（ノーコードかWordPressテンプレ）
初心者はノーコード（例：Wix、STUDIOなど）かWordPressのテンプレートを選んでください。操作が直感的で、公開までのハードルが低いです。
ステップ2：まずは1ページを作る（必須の4項目）
トップページに次の4つを載せます。
– このサイトは何か（タイトルと一文）
– 自分（自社）の紹介（写真と短いプロフィール）
– できること・サービス（箇条書きで分かりやすく）
– お問い合わせ（メール・フォーム・電話）
例：見出し→紹介→サービス→問い合わせボタンの順で配置します。
ステップ3：公開前のチェックと公開
スマホ表示を必ず確認し、リンクと連絡先が正しいかテストします。公開したら家族や友人に見てもらい感想をもらいましょう。
ステップ4：形ができたら次の改善へ
ページ追加やデザイン調整、HTML/CSSの学習は後回しで構いません。まず形にしてから少しずつ学ぶと挫折しにくいです。
よくあるつまずきと対処
文章が長くなりがちなら、見出しと箇条書きで簡潔に。写真が足りないと感じたらフリー素材を活用してください。
予算と時間の考え方
全体の方針
まずは費用を抑えて始め、必要に応じて段階的にアップグレードします。個人や趣味で始めるなら無料ツールで十分です。ビジネス用途で信頼を重視するなら、最初からレンタルサーバーと独自ドメインを検討してください。
予算の目安（個人・趣味）
- 無料ノーコード＋独自ドメインなし：0円〜
- 有料プラン導入：月額500〜1,500円程度（機能や広告除去のため）
- 独自ドメイン取得：年間1,000〜3,000円程度
- 簡単な有料テーマや画像購入：数千円程度（任意）
予算の目安（ビジネス）
- レンタルサーバー＋独自ドメイン：初期数千〜数万円、月額500〜3,000円
- WordPress導入（テーマ・設定）：数千〜数万円
- 制作会社へ依頼：10万〜数十万円（要件で変動）
時間の目安
- 無料ノーコードで公開：1日〜1週間
- 有料プラン＋独自ドメイン設定：1日〜数日
- WordPress（テンプレ利用）：数日〜2週間
- 制作会社（要件定義〜公開）：2〜8週間
段階的な進め方（おすすめ）
- まず無料で試す（コンテンツと方向性を確認）
- 必要なら独自ドメインを取得して信頼感を向上
- 機能不足や拡張性が必要になれば有料プランやレンタルサーバーへ移行
- デザインやSEOで差をつけたい場合は制作会社や専門家に相談
注意点
- 見えにくい費用（有料プラグイン、画像、保守）を見積もる
- 時間は慣れや要件で変わるので余裕を持って計画する
- トラフィックや機能追加のタイミングで費用が急に上がることがある
以上を踏まえ、自分の目的と優先順位に合わせて段階的に予算と時間を配分してください。
