はじめに
Notionでコンテンツ管理を考える目的
この章では、本記事の目的と全体像を分かりやすく説明します。記事・動画・ランディングページ（LP）・SNS投稿など多様なコンテンツを、Notionのデータベースで一元管理するための設計と運用方法を提案します。具体的なテンプレートや構成例を使って、実務で使える形に落とし込みます。
なぜNotionで管理するのか
Notionは柔軟なデータベースとテンプレート機能を備えており、コンテンツの企画から公開までの流れを可視化できます。複数チャンネルにまたがる制作物を一つの場所で追跡でき、重複作業の削減や再利用が進みます。
本記事で扱うこと
- 管理すべき基本項目（タイトル・ステータス・公開日など）
- タイプ別テンプレート例（記事・動画・LP・SNS）
- ワークフローと権限の設計
- 公開・配信のためのビューやフィルター設定
読者への一言
Notionに慣れていない方でも始められるよう、具体例と手順を中心に説明します。次章では、まず整理しておきたいポイントを順に確認します。
まず整理したいポイント
管理するコンテンツの種類を明確にする
まず、扱うコンテンツの種類をはっきりさせます。ブログ、オウンドメディア、SNS投稿、マニュアル、資料など、それぞれ目的や更新頻度が違います。例：ブログは記事単位のストック管理、SNSは短期のスケジュール管理が中心です。
個人で使うかチームで使うかを決める
個人運用なら構成はシンプルでかまいません。チームなら担当者、承認フロー、権限が必要です。チーム運用ではテンプレートやコラボのルールを先に決めると混乱が減ります。
目的を具体化する
何を達成したいかを具体的に書き出します。進行管理（作業状況の可視化）、ストック管理（資産化して再利用）、SEOやCVの計測（KPI設定）など、目的ごとに必要な情報が変わります。目標と指標を1つか2つに絞ると運用が続きます。
優先順位と最初に作る項目
最初に用意する基本項目は次の通りです：
– タイトル
– 種類（ブログ／SNS／マニュアル）
– 状態（アイデア／制作中／公開／保守）
– 担当者
– 期限・公開日
– タグ（フォーマット・キャンペーン）
– KPI（目標閲覧数・CV）
– 関連リンク・資料
これらを元にテンプレートを1つ作り、運用を始めてから必要に応じて項目を増やすと無理なく整理できます。
典型的なNotion構成例
概要
コンテンツ制作でよく使うNotion構成を具体例で示します。基本は「コンテンツDB」「アイデアDB」「各種ビュー（カレンダー／ボード）」の組み合わせです。実務で使いやすい項目や運用のポイントを丁寧に説明します。
コンテンツDB（例）
主なプロパティと用途
– タイトル：記事や動画の名前
– 種別：ブログ、動画、SNSなど（選択プロパティ）
– ステータス：ネタ、作成中、レビュー、公開（ステータス）
– 担当者：制作担当（人物プロパティ）
– 公開日／公開先URL：公開スケジュールとリンク
– タグ：テーマやカテゴリー
実例：ステータスをボードで見ると制作状況が一目で分かります。
アイデアDB
ネタ出し専用のデータベースです。短文メモ、インスピレーション元、優先度などを持たせます。良い運用法は、アイデアを一定期間見直して選別し、選ばれたものをコンテンツDBへ紐付け（Relation）することです。
ビューの使い分け
- カレンダービュー：公開日ベースでスケジュールを可視化します。月単位で公開の偏りをチェックできます。
- ボードビュー：ステータスごとにカードを並べ、進捗を管理します。ドラッグでステータス移動が直感的です。
- テーブル／リスト：一覧で細かい属性を編集したいときに便利です。
関係性とテンプレート
アイデアDBとコンテンツDBはRelationでつなぎます。コンテンツDBに「テンプレート」ページを用意し、記事構成やチェックリストを保存しておくと、制作のムラを減らせます。
運用のコツ
フィルターで公開済みや担当者別に絞ると見落としが減ります。公開日が空欄の案は定期的に整理し、優先度の低いものはArchiveする習慣をつけると管理が楽になります。
Notionでコンテンツ管理するメリット
はじめに
Notionを使うと、記事を「ページ」ではなくデータベースの1レコードとして扱えます。これにより管理が格段に楽になります。
フィルターとソートで切り替えが簡単
担当者別、媒体別、キャンペーン別などで表示を切り替えられます。例えば「担当：田中」「媒体：公式ブログ」「キャンペーン：夏セール」で絞り込めば、該当記事だけを一覧できます。
テンプレートで品質を統一
記事構成、チェック項目、SEO項目をテンプレート化できます。テンプレートを使えば書き手ごとの差が減り、レビュー工程も短縮します。
ページ内に情報を集約
原稿、参考リンク、画像、タスク、議事録を同じページに置けます。編集履歴やコメントも残るため、情報の抜けや重複を防げます。
コラボレーションと公開フロー
担当者の割当やステータス管理でワークフローを可視化できます。外部公開用にエクスポートしたり、公開前の最終チェックをテンプレートで統一できます。
実務での活用例
・月次のコンテンツカレンダーで優先順位を管理
・キャンペーンごとに素材と進捗を一元管理
・SEOチェックリストをテンプレート化して品質を担保
以上の理由から、Notionは小規模チームから大規模運用まで柔軟に使えます。
もしCMS的に使いたい場合
概要
Notionを簡易CMSとして使う場合、企画から承認まではNotion内で完結させ、公開や分析は外部ツールと連携して自動化する運用が多いです。手作業を減らし、更新のスピードを上げられます。
基本の考え方
- 記事のワークフローをページやデータベースで明確にします（企画→執筆→レビュー→公開）。
- 権限を役割ごとに分け、誰が承認するかを決めます。
- 外部公開はNotionデータを取り出して行います。API連携や自動化サービスを使うと効率的です。
具体的なワークフロー（例）
- 企画作成：Notionに企画テンプレートを置く。
- 執筆：担当者が下書きを作成し、レビュー依頼を付ける。
- 承認：編集者がコメントとステータス変更で承認する。
- 公開：承認済みのアイテムを外部サービスに渡してサイトに反映、SNSへ自動投稿します。
外部連携のポイント
- 自動化サービス（例：Zapier、Make）でNotionと公開先をつなぎます。
- 公開フォーマットの整形は中間ツールで行うと安全です。
- 画像やメディアはCDNや専用ストレージに置くと表示が安定します。
運用上の注意点
- 公開前の最終チェック項目をルール化してください。
- 権限管理を甘くすると誤公開や情報漏えいの原因になります。簡単に公開できますが、運用ルールは必ず設けてください。
- 定期的にバックアップを取り、データ構造の変更は段階的に行ってください。
次にできる提案
1. オウンドメディア／ブログ記事管理
- プロパティ例：タイトル、ステータス（下書き／レビュー／公開）、公開日、カテゴリ、タグ、担当者、想定読者、所要時間、参照URL
- ビュー構成：カレンダービュー（公開予定）、ボードビュー（ステータス別）、テーブル（一覧とフィルター）
- テンプレ例：記事テンプレート（リード／目次／本文／CTA／参考リンク）。公開前チェックリストを含めると運用がスムーズです。
2. SNS投稿カレンダー作成
- プロパティ例：内容（要約）、媒体（Twitter/Instagram等）、投稿日時、画像／動画、ハッシュタグ、承認者、キャンペーン名
- ビュー構成：カレンダー（投稿予定）、タイムライン（媒体別）、未承認フィルター
- テンプレ例：投稿テンプレ（本文／画像指示／CTA／計測用UTM）。承認フロー用のチェックボックスを入れてください。
3. 社内マニュアル整理
- プロパティ例：マニュアル名、対象部署、重要度、最終更新日、作成者、関連手順リンク、アクセス権
- ビュー構成：階層ビュー（部署別）、最近更新（ソート）、FAQビュー
- テンプレ例：マニュアルテンプレ（目的／対象者／前提条件／手順／チェックポイント／更新履歴）。変更履歴を残す運用を推奨します。
4. クライアント案件管理
- プロパティ例：案件名、クライアント、フェーズ、納期、担当チーム、見積額、優先度、関連資料
- ビュー構成：ガント（納期管理）、カンバン（フェーズ別）、テーブル（請求・ステータス管理）
- テンプレ例：案件ページ（概要／目的／スコープ／マイルストーン／連絡先／リスク）。定期ミーティングの議事録テンプレも用意すると便利です。
上記から用途を選んでいただければ、さらに具体的なプロパティ名やビュー設定、テンプレートの文言例まで作成します。
