はじめに
目的
本調査報告は、無料で利用できるWebサイト作成ツールやサービスをわかりやすくまとめることを目的としています。専門知識がなくても、個人や小規模事業者が見栄えのよいサイトを作れるように、各ツールの特徴や使いどころを丁寧に解説します。
対象読者
初心者の個人、個人事業主、小さな店舗のオーナー、これからホームページを作ろうと考えている方すべてを想定しています。技術的なバックグラウンドがなくても読み進められる内容です。
本書の構成と読み方
第2章以降で主要なツールを順に紹介します。各章では、使いやすさ、デザインの自由度、機能、料金プランのポイントを取り上げます。まずは目的に合わせてツールを絞り、該当章を詳しく確認してください。
読む際のポイント
- 目的(情報発信、ネット販売、予約受付など)を明確にする
- 無料プランの制限(広告表示や独自ドメインの可否)を確認する
- 将来的な拡張性も考える
次章から具体的なツール紹介を始めます。どのツールが自分に合うかを見つける手助けになりますので、気軽に読み進めてください。
ホームページ作成が無料でできるおすすめツール9選
ホームページを初めて作る方にも使いやすい、無料で始められる9つのツールを紹介します。操作性・デザイン・EC対応など、目的に合わせて選べるように短くまとめました。
1. Wix(ウィックス)
直感的なドラッグ&ドロップでレイアウトを自由に作れます。テンプレートが豊富でデザイン重視の方に向きます。無料プランあり(Wix広告・独自ドメイン不可)。有料では広告除去や独自ドメイン、ストレージ増量が可能です。
2. WordPress(ワードプレス)
柔軟性が高く、ブログや企業サイト、複雑な機能まで対応します。初心者はWordPress.comの無料プランから始めると安心です。自分でホスティングする場合は別途費用が発生します。
3. Google Sites(グーグルサイト)
Googleアカウントで手軽に作れ、共有や編集権限の管理が簡単です。シンプルな会社案内やチームのページに適しています。無料で使え、広告も入りません。
4. Jimdo(ジンドゥー)
AIやテンプレートで短時間に作成できます。無料プランは基本機能が使え、商用小規模サイトにも対応。有料プランは独自ドメインやショップ機能の拡張があります。
5. ペライチ
ランディングページや一枚の案内ページ作成に特化しています。操作は非常に簡単で制作時間を短縮できます。無料プランで基本的な公開が可能で、有料で決済連携や複数ページ対応が追加されます。
6. BASE(ベース)
無料でネットショップを開けるサービスです。商品登録や決済が簡単に行えます。販売手数料やオプション機能の利用で収益化しやすい仕組みです。
7. Webflow(ウェブフロー)
デザイン自由度が高く、コードを書かずに本格的なサイトを作れます。制作の自由度を重視するクリエイター向け。無料プランで公開可能ですが、より高度な機能は有料です。
8. Weebly(ウィーブリー)
直感的にページを組み立てられ、EC機能も備えています。無料プランで基本公開ができ、ビジネス向け機能は有料で追加します。
9. Ameba Ownd(アメーバオウンド)
ブログ感覚で手軽に始められるサイト作成サービスです。テンプレートが豊富でSNS連携も簡単。無料で始められ、独自ドメインや広告非表示は有料プランで可能です。
各ツールは特徴が異なります。まずは無料プランで試し、目的(デザイン重視・ブログ・ECなど)に合うものを選ぶと失敗が少ないです。
Wix(ウィックス)の特徴と価格プラン
概要
Wixは初心者でも使いやすいホームページ作成サービスです。ドラッグ&ドロップで直感的に編集でき、短時間で見栄えの良いサイトを作成できます。
主な特徴
- テンプレートは900種類以上。業種や目的に合わせて選べます。
- AIサイトビルダーで自動生成が可能。画像生成機能や高機能なSEOツールも搭載しています。
- 編集は視覚的で、コード知識がなくても高度なデザインに対応します。
無料プランの制限
無料プランは広告が表示されますが、100ページまで公開できます。まずは試すのに便利です。
料金プラン(例)
- 無料プラン:広告あり、基本機能でお試し
- パーソナル:月1,300円(個人向け、独自ドメイン利用など)
- スモールビジネス:月2,300円(販売機能やビジネス向け機能が充実)
向いている人
個人事業主やスモールビジネスオーナー、デザインにこだわりたい初心者におすすめです。
使うときのポイント
テンプレート選びを丁寧に行い、AI機能で素早く下地を作ってから細部を調整すると効率的です。将来的に販売や予約などを考える場合は、早めに対応プランへの移行を検討してください。
WordPress(ワードプレス)の特徴
概要
WordPressは世界で広く使われる無料のCMS(コンテンツ管理システム)です。柔軟にカスタマイズでき、ブログから企業サイト、ECサイトまで対応できます。豊富なテーマとプラグインで機能を後から追加できます。
主な特徴
- カスタマイズ性:デザインや機能を細かく変更できます。コードを書けば独自仕様にも対応可能です。
- プラグイン:SEO、セキュリティ、バックアップ、フォーム、ECなど用途別の拡張が豊富です。
- テーマ:無料・有料を含め多様なデザインが選べます。
- オープンソース:コミュニティで改善が進み、情報が豊富です。
メリット
- 自由度が高く、成長に合わせて機能を追加できます。例えば、最初はブログ、後でショップ機能を入れるといった運用が可能です。
- SEO対策用のプラグインや細かな設定で検索に有利にできます。
デメリットと注意点
- 初期設定や保守(更新・セキュリティ)が必要です。初心者には学習コストがあります。
- 自分でサーバーやドメインを用意する場合、運用管理の手間が増えます。
始め方の簡単な流れ
- レンタルサーバーとドメインを用意する(国内レンタルサーバーは自動インストールが便利です)。
- WordPressをインストールする。ホスティングのワンクリック機能を使うと簡単です。
- テーマを選び、必要なプラグイン(例:SEO、バックアップ、セキュリティ、フォーム)を入れる。
- 記事や固定ページを作成して公開する。
おすすめプラグイン(例)
- SEO:Yoast SEO、Rank Math
- バックアップ:UpdraftPlus
- セキュリティ:Wordfence
- EC:WooCommerce
- フォーム:Contact Form 7
WordPressは自由度の高さが魅力です。運用に慣れれば、プロフェッショナルなサイト作りが可能になります。
Google Sites(グーグルサイト)の特徴
概要
Google SitesはGoogleが提供するノーコードのホームページ作成ツールです。HTMLやCSS、Javascriptの知識が不要で、直感的な操作でページを組み立てられます。Googleアカウントがあれば無料で使い始められ、Google DriveやDocs、Formsとシームレスに連携できます。
向いている人
- 小規模な店舗や個人の紹介ページを作りたい方
- 学校や団体の連絡用ページを作る教員・事務局
- イベントの案内や簡単なポートフォリオを作りたい個人
主な特徴
- ドラッグ&ドロップで編集でき、レスポンシブ対応
- Googleのファイルをそのまま埋め込める(Drive、Maps、YouTubeなど)
- 共同編集や権限設定が簡単
- 独自ドメインにも対応(設定は必要)
始め方(基本手順)
- Googleアカウントでログイン
- テンプレートを選ぶか白紙で開始
- ページを追加し、テキストや画像、Driveのファイルを挿入
- 公開範囲と権限を設定して「公開」ボタンを押す
注意点と制限
- デザインの自由度は低めで細かいカスタマイズは難しいです
- プラグインや豊富な拡張機能はないため、ECや高度な機能には不向きです
活用のコツ
- 目的を絞ってシンプルに作ると見やすくなります
- Driveで素材を整理し、埋め込みで効率化すると便利です
- 公開前にスマホ表示を必ず確認してください。
Jimdo(ジンドゥー)の特徴と価格プラン
概要
Jimdoは初心者向けに作られたホームページ作成サービスです。AI(ジンドゥーAI)がテンプレート選びから文章生成まで手伝い、短時間で見栄えの良いサイトを作れます。GDPR対応の設定があり、欧州向けも安心です。無料は5ページまで利用可能です。
主な特徴
- AIによるサイト自動生成で初心者でも迷わない
- テンプレートはシンプルで操作が軽い
- 基本的なSEOやモバイル表示に対応
- ドメイン接続やEC機能は上位プランで利用可能
料金プラン(目安)
- 無料:基本機能、5ページまで
- Start:月額990円(個人や小規模サイト向け、独自ドメイン可能)
- Grow:月額1,590円(ビジネス向け、ストレージやサポート強化)
向いている人
個人事業主、小さなショップ、初めてサイトを作る人に向きます。複雑なデザインや高度なカスタマイズが不要な場合に特に便利です。
利用の流れとコツ
- アカウント作成→AIに簡単な質問に答える
- テンプレート選択→画像とテキストを差し替える
- 必要に応じてプランをアップグレード
コツは最初に目的(店舗紹介、問い合わせ、商品販売)を決めることです。
注意点
無料はページ数が限られ、ECや高度な機能は有料プランが必要です。将来の拡張を見越してプラン選びをしてください。
ペライチの特徴
概要
ペライチは、スモールビジネスや個人事業主に人気のある、簡単に1ページのホームページを作れるサービスです。操作がシンプルで、初めてでも短時間で公開できます。
主な特徴
- ブロック単位でページを組み立てる直感的な編集画面
- テンプレートが豊富でデザインを選んで編集可能
- スマートフォン表示に自動対応(レスポンシブ)
- 問い合わせフォームや予約、決済などの機能を必要に応じて追加可能
無料でできることと有料の違い
無料プランでも基本的な公開やテンプレート利用ができます。独自ドメインや高度な機能、広告非表示は有料プランで対応することが多いです。
向いている用途
ランディングページ、商品やサービスの紹介、イベント告知、簡単な店舗ページなどに向きます。短期間で効果的に情報を伝えたい場合に便利です。
はじめ方(簡単ステップ)
- 会員登録
- テンプレート選択
- ブロックを編集して内容を作成
- プレビューで確認し公開
作成時のコツと注意点
見出しと行動を促すボタン(CTA)を上部に配置し、画像は軽めにして表示速度に配慮してください。SEOの細かい調整は限定的なので、検索経由の集客を重視する場合は別サービスと併用を検討してください。
BASE(ベース)の特徴
概要
BASEは無料でネットショップを始められるサービスです。専門知識がなくても商品登録から決済・配送設定まで一通りそろっているため、個人や小規模事業者に向いています。
主な特徴
- 無料で開設できる:月額料金が不要で、初期費用を抑えて始められます。販売の際に手数料がかかります。
- 簡単な操作性:直感的な管理画面で商品登録や在庫管理、注文処理がしやすいです。
- 決済・配送機能が標準搭載:クレジットカードやコンビニ決済など主要な決済手段に対応し、配送方法の設定も可能です。
- テンプレートとカスタマイズ:用意されたテンプレートで見た目を整えられ、必要に応じて一部カスタムもできます。
マーケティングと拡張性
クーポン発行やSNS連携、メルマガ配信など販売促進機能があり、アプリや外部サービスで機能拡張できます。成長に合わせて設定を追加していけます。
注意点
無料で始めやすい反面、販売ごとに手数料が発生する点や、非常に高度なカスタマイズが難しい点は留意してください。大規模なECや独自仕様が多い場合は別プラットフォームを検討するのが良いでしょう。
向いている人
初めてネットショップを持つクリエイターや、小規模で手軽に販売を始めたい方に特におすすめです。
Webflow(ウェブフロー)の特徴
概要
Webflowはデザインの自由度が高いホームページ作成ツールです。無料プランで試せますが、本格的な公開や独自ドメイン利用は有料プランが必要です。コードを書かずに細かな見た目調整ができ、デザイナー向けの機能が揃っています。
主な特徴
- ビジュアルエディタで直感的にレイアウトを作成できます。ドラッグ&ドロップで細かい位置やスタイルを設定します。
- レスポンシブ対応が簡単で、画面幅ごとに表示を調整できます。
- CMS機能でブログや商品リストを管理できます。テンプレートだけでなく独自の構造を作れます。
- コードのエクスポートが可能で、制作後に外部で公開することもできます。
メリット
- デザインの自由度が高く、プロ並みの見た目を目指せます。
- テンプレートに頼らずオリジナルのレイアウトを作成できます。
- 実務で使える機能が多く、成長に合わせて拡張できます。
注意点
- 学習曲線がやや急で、初めての方は操作に時間がかかる場合があります。具体例として、細かいスタイル調整は慣れが必要です。
- 無料プランは機能や公開数に制限があります。独自ドメインやフォームの増加は有料プランが必要です。
価格とプラン(概要)
無料プランで試せます。サイト公開やビジネス利用では、独自ドメイン対応のサイトプランや、チーム向けのワークスペースプランを検討してください。
使い方の流れ(簡単な例)
- アカウント作成
- テンプレート選択または白紙から作成
- エディタでデザイン調整(スマホ表示も確認)
- CMSやフォームを設定
- プレビュー後に公開(独自ドメインは有料)
こんな人におすすめ
- デザインの自由度を重視する方
- 将来コード出力やカスタム構造を使いたい方
- プロ向けの見た目を目指す個人や小規模事業者
Weebly(ウィーブリー)の特徴と価格プラン
特徴
Weeblyは直感的なドラッグ&ドロップのサイト作成ツールです。操作が簡単で、パソコンに不慣れな方でも短時間でページを作れます。テンプレートは多数あり、スマホ表示にも最適化されます。ホスティングやSSLが標準で付くため、別途サーバーを用意する必要がありません。
主な機能
- ブロックを配置して作るビジュアルエディタ
- ブログ機能やお問い合わせフォーム
- SEO設定(タイトルやメタ説明の入力)
- アプリセンターで機能追加(予約やチャットなど)
EC・決済連携
WeeblyはSquareと連携してオンライン決済を行えます。小さなネットショップを開くのに向いており、商品管理や在庫管理も可能です。例として、個人のハンドメイド作家や小さなカフェのテイクアウト販売に適しています。
価格プランの目安
- 無料プラン:ページ公開は無制限。基本機能を試せますがWeeblyの広告が表示されます。
- 有料プラン:広告を非表示にするには月12ドル以上のプランが必要です。有料では独自ドメイン接続、より高度なEC機能、メールサポートなどが利用できます。
向いている人・注意点
- 向いている人:短期間で見栄えの良いサイトを作りたい個人や小規模事業者
- 注意点:高度なカスタマイズや細かなプログラム変更は制限があります。独自機能を多数入れたい場合は他のサービスも検討してください。
Ameba Ownd(アメーバオウンド)の特徴
概要
Ameba Owndは無料で始められるホームページ作成サービスです。個人のブログやポートフォリオ、イベントや小さな店舗の紹介ページ作成に向いています。テンプレートが豊富でスマホ表示に最適化されている点が魅力です。
長所
- 無料で始められるため敷居が低い
- デザインテンプレートが多く、初心者でも見栄えのよいサイトが作れる
- スマホ表示に最適化されている
- SNS連携やブログ機能が使いやすい
短所
- カスタマイズや拡張性は限られる場合がある
- 大規模なサイトや高度なEC機能には向かない
- 独自ドメインや広告非表示などの一部機能は有料になることが多い
料金・独自ドメイン
基本は無料で利用できます。独自ドメイン設定や広告非表示、追加機能は有料プランで提供されることが多いので、詳しい料金は公式サイトで確認してください。
使い方の簡単な流れ
- アカウント登録
- テンプレートを選択
- テキストや画像を追加して編集
- 公開してSNSでシェア
向いている人
- 個人の作品や実績をまとめたい人
- 簡単に情報発信を始めたい人
- 小規模の店舗やイベント告知をしたい人
運用のポイント
スマホ表示を必ず確認し、画像は軽くして読み込みを早くしましょう。SNSと連携して集客し、定期的にコンテンツを更新すると効果的です。












