はじめに
このドキュメントの目的
「ホームページ DIY」というキーワードで検索する人は、自分でできるだけ安く・早く・分かりやすくホームページを作りたいと考えています。本書はそうした検索意図を出発点に、初心者から中級者が自力で制作できるように必要な知識と手順を整理しました。
誰に向けた内容か
制作の費用を抑えたい個人事業主、趣味でサイトを作りたい方、業者に頼む前に基礎を知りたい方に適しています。プログラミング未経験でも読み進められるよう、専門用語は最小限にして具体例で補います。
本書で学べること
- 自分で作るための方法の比較(手作りHTML・WordPress・サイトビルダーなど)
- 制作前に決めておくべき項目(目的・予算・デザイン方針など)
- HTML・CSSでの作り方を段階的に学ぶ手順
- WordPressを使った実務的な構築手順
読み方のポイント
章ごとに実践できる手順を提示します。まず第2章で各方法の特徴を比べ、第3章で準備を整えてください。その後、第4章と第5章で実際の作業手順を丁寧に解説します。初めての方は途中で手を動かしながら進めると理解が深まります。ご不明点があれば気軽に戻って確認してください。
ホームページを自分で作成する方法の詳細解説
ホームページを自分で作る方法は主に4つあります。以下でそれぞれを分かりやすく説明します。実例や注意点も付け加えますので、自分の目的に合う方法を見つけてください。
1. HTML・CSSでコーディング
- 概要:HTMLで構造を作り、CSSで見た目を整える基本的な手法です。自由度が高く、細かい表現が可能です。
- 長所:デザインや動きの自由度が最大。学んでおくと後の応用が効きます。
- 短所:習得に時間がかかります。更新や機能追加は手作業が多くなります。
- 向く人:デザインにこだわりたい人、学習して将来自作を続けたい人。
- ワンポイント:まずはテンプレートを使って構造を学ぶと早く身につきます。
2. WordPressを使う
- 概要:既存の仕組み(CMS)を使ってページを作る方法です。テーマやプラグインで機能を追加します。
- 長所:専門知識が少なくても運用しやすい。ブログや情報発信に向きます。
- 短所:プラグイン管理や更新に注意が必要です。設定によっては速度が落ちます。
- 向く人:商品紹介やブログ、定期的に更新したい人。
- ワンポイント:公式テーマか信頼できる開発者のテーマを選ぶと安全です。
3. Wix・STUDIOなどのノーコードツール
- 概要:ドラッグ&ドロップで直感的に作れるサービスです。初心者向けの操作画面が用意されています。
- 長所:短時間で見た目の良いサイトが作れます。サーバー管理不要のものが多いです。
- 短所:カスタマイズの自由度は限定的。将来的に他へ移行しにくい場合があります。
- 向く人:時間をかけたくない個人事業主や小規模店舗。
- ワンポイント:無料プランは広告表示や機能制限があるので注意してください。
4. プロに依頼して、その後自分で運用するハイブリッド
- 概要:初期構築を業者に任せ、更新や日常運用を自分で行う方法です。
- 長所:見た目や機能をプロに整えてもらえるので立ち上げが早い。運用コストを抑えられます。
- 短所:初期費用がかかります。引き継ぎが不十分だと運用で困ることがあります。
- 向く人:時間がないが自分で更新したい事業者。
- ワンポイント:引き継ぎマニュアルや権限の確認を必ず行ってください。
ホームページ制作前に決めておくべき重要事項
1. 目的と成果を明確にする
まずホームページで何を達成したいかを具体化します。例:問い合わせを増やす、商品を販売する、会社の紹介をする。目標は数値で表すと分かりやすいです(例:月間問い合わせ30件、売上10万円)。目的で必要な機能や導線が変わります。
2. ターゲットユーザーを定義する
年齢層、性別、職業、使う端末(スマホ・PC)などを想定します。顧客像を1〜2パターンに絞ると内容がブレません。たとえば『30代女性、子育て中、スマホ中心』と決めるとデザインや文章が決めやすくなります。
3. 必要な機能とコンテンツの範囲決め
掲載するページ(TOP、サービス、料金、会社情報、ブログ、問い合わせ)と機能(決済、予約、会員制)を洗い出します。最初は優先度を付け、後で追加できる設計にすると費用を抑えられます。
4. デザインとブランドの方向性
色、ロゴ、写真のイメージ、文章のトーンを決めます。既存の名刺やパンフがあれば統一すると信頼感が高まります。参考サイトを3〜5点集め、何が良いかを明確にしましょう。
5. 予算とスケジュールを決める
初期制作費、月額のホスティング費、更新や運用の外注費を見積もります。簡単なサイトは費用を抑えられますが、機能を増やすと工数が増えます。公開日を逆算してスケジュールを組んでください。
6. 継続運用体制を決める
更新は社内で行うか外注かを決めます。写真や記事の追加頻度、担当者、バックアップの方法を決めると運用が滞りません。
7. ドメインとホスティングの基本
覚えやすいドメインを選び、信頼できるホスティングを選定します。無料サービスは手軽ですが、機能や制約を確認してください。
8. 法的・セキュリティ面の確認
プライバシーポリシー、利用規約、常時SSLの導入、定期的なバックアップを必ず計画してください。不安があれば専門家に相談します。
HTML・CSSでホームページを自作する8ステップ
1. 目的・サイト構成の決定
まず目的を明確にします。紹介、販売、連絡用など目的に応じて必要なページ(トップ、会社概要、サービス、問い合わせ)を洗い出します。紙にフローを書くだけで見通しが良くなります。
2. 開発環境の整備
テキストエディタ(例: VSCode)、ブラウザ、簡単なローカルサーバーを用意します。拡張機能でHTML/CSSの補完を入れると作業が早くなります。
3. HTMLの骨組みとメタ項目設定
doctypeやhead内のmeta(文字コード、表示幅)を設定し、見出しや段落、リンク、画像タグで骨組みを作ります。意味のあるタグ(header、main、footer)を使うと構造が分かりやすくなります。
4. CSSでデザイン・レイアウト調整
外部CSSで色、余白、フォントを指定します。FlexboxやGridでレイアウトを組むとレスポンシブが作りやすいです。クラス名は用途に合わせて付けます。
5. 画像・アセットの最適化
画像はサイズを縮小し、適切なフォーマット(PNG/JPEG/WebP)を選びます。アイコンはSVGを使うと拡大しても綺麗です。
6. 動作確認と品質テスト
主要ブラウザやスマホで表示を確認します。リンク切れ、表示崩れ、読み込み速度をチェックして修正します。
7. ホスティングと公開
レンタルサーバーや静的ホスティング(例: GitHub Pages)を選び、FTPやGitでアップロードします。独自ドメインを取得すると信頼感が高まります。
8. 計測・インデックス登録
Google AnalyticsやSearch Consoleを設定してアクセスを計測し、XMLサイトマップを送信して検索エンジンに登録します。改善点を見つけて更新を続けます。
WordPress制作の7ステップ
ステップ1:目的とサイト構成を決める
まず目的(集客・商品紹介・ブログ等)を明確にします。主要ページ(トップ、サービス、問い合わせ、ブログ)を紙に書いて、必要な機能を洗い出してください。
ステップ2:環境準備(ドメイン・サーバー・SSL)
使いやすいレンタルサーバーを契約し、独自ドメインを取得します。SSLは必ず有効化して安全に運用します。
ステップ3:WordPressのインストールと初期設定
サーバーの自動インストール機能を使うと簡単です。パーマリンク、一般設定、管理者メール、表示設定などを整えます。
ステップ4:テーマ選定とカスタマイズ
目的に合うテーマを選び、必要なら子テーマでカスタマイズします。レイアウトと色、ロゴを整えてブランド感を出します。
ステップ5:プラグイン導入と設定
不要なプラグインは避け、必要最低限を入れます。例:セキュリティ、バックアップ、SEO、問い合わせフォーム。設定はわかりやすいマニュアルを参照しながら行ってください。
ステップ6:コンテンツ作成と基本のSEO
ページごとに見出しと本文を整えて、読みやすさを優先します。タイトルとメタ説明を設定し、画像は最適化して読み込みを速くします。
ステップ7:公開前チェックと運用準備
リンク切れ、表示崩れ、スマホ表示を確認します。バックアップ、更新方法、アクセス解析の設定をして公開後も定期的に保守してください。












