はじめに
この資料の目的
本資料は、ハンドメイド作品に付ける値札(商品タグ)の作り方と書き方をわかりやすくまとめたガイドです。委託販売やイベント出店で使える実践的なアイデア、必要な記載項目、手作りと低コストの方法、デザインのコツを丁寧に紹介します。
誰に向けた内容か
- 初めて値札を作る方
- 委託販売やイベント出店を始めた方
- 値札を見直して売り上げや印象を良くしたい方
本章で伝えたいこと
本章では資料全体の目的と読み方を説明します。以降の章で具体的な「値札に書くべき項目」「委託販売向けの注意点」「100均でできる作り方」などを順に解説します。各章は実例やテンプレートを交えて進めますので、すぐに実践できます。
読み方・使い方のコツ
まず目次で必要な章を確認し、作品や販売形態に合わせて該当章を読んでください。テンプレートはコピーして使いやすく調整すると効率的です。疑問が出たら、メモを取りながら進めると作業がスムーズになります。
ハンドメイドにおける値札の役割と基本の考え方
はじめに
ハンドメイドの値札は単なる価格表示以上の役割を持ちます。作品の魅力を伝える広告であり、在庫や売上管理の道具でもあり、作家としての印象を左右する名刺のような存在です。
値札が果たす主な役割
- 価格表示:購入判断の第一歩です。見やすく正確に。
- 魅力の伝達:素材や使い方、こだわりを短く書くと購買意欲が高まります(例:『天然石のイヤリング/アレルギー対応』)。
- 管理ツール:品番や納品日を入れておくと在庫管理や委託先でのトラブル防止になります。
- ブランド表現:ロゴや統一したデザインで作家の世界観を伝えます。
基本の考え方と実務ポイント
- 見やすさを最優先に:文字は読みやすい大きさと色で。小さすぎると伝わりません。
- 必要情報を簡潔に:商品名、素材、価格、問い合わせ先は最低限入れます。
- 誠実さを示す:素材の表記や注意書きを正確に書くと信頼につながります。
- 取り付け方に配慮:作品を傷めない留め方にすること。安全ピンやタグ止めの位置を工夫してください。
委託販売で意識したいこと
委託先のルールを確認して、品番や納品者名、連絡先を明記します。商品説明にコンセプトを短く入れると店頭での説明が不要になり、購入につながりやすくなります。
最後に(実践のヒント)
手書きなら温かみが出ますが、読みやすさと耐久性を考えて印刷も検討してください。予備の値札を多めに用意し、統一感を持たせることでブランド力が高まります。
値札に書きたい基本項目
ハンドメイド作品の値札には、購入者の判断を助ける情報をわかりやすく載せることが大切です。ここでは優先的に書きたい項目と、書き方の例を丁寧に紹介します。
価格(税抜/税込)
・税込価格と税抜価格のどちらか、または両方を明記します。
・例:¥3,000(税抜)/ ¥3,300(税込) あるいは ¥3,300(税込)とだけ表示。
商品名
・短く具体的に書きます。素材や用途を含めると親切です。
・例:リネンのポーチ(A6サイズ)
商品番号・商品コード
・管理や再発注に役立ちます。シンプルな番号で十分です。
・例:No.123 / SKU: ABC-001
素材
・主要素材と割合を記載します。アレルギー対応や洗濯の目安になります。
・例:綿100%、真鍮パーツ使用
ブランド名・作家名・ショップ名
・誰が作ったかを明確にします。信頼感やリピートにつながります。
作品の特徴・コンセプト
・手作りのポイントや使い方、サイズ感を一言で伝えます。
・例:手縫いのステッチがアクセント。普段使いにおすすめ。
注意事項・取り扱い方法
・洗濯方法、直射日光の注意、強い力での取り扱いなどを明記します。
・例:手洗い推奨/色落ち注意/金属部分は水濡れ禁止
これらを端的にまとめることで、購入者が安心して選べます。委託販売などでは店舗側の管理にも役立つため、できるだけ揃えておくとよいです。
委託販売で求められやすい値札の書き方
概要
委託販売では、店側が価格を変えたり管理しやすいように「タグ本体」と「剥がせる価格シール」の二重構造を求められることが多いです。タグ本体には商品名・商品番号・ブランド名など固定情報を、シールには価格だけを書くと扱いやすくなります。
推奨フォーマット(例)
- タグ本体:ブランド名/商品名/商品番号(例:A-001)/素材やサイズ
- 剥がせるシール:税込価格(+必要なら税抜きも)
- 両者の配置:シールはタグの裏か端に貼り、ブランドロゴや説明を隠さないようにします。
作り方の手順
- 商品ごとに番号を振る(A-001のようにカテゴリ別に)
- タグ本体を印刷(手書きでも可)
- 剥がせるラベルに価格を印刷
- シールを貼る前に店の規定(表示位置・税表示)を確認
- 商品台帳に登録して管理
商品台帳との連動(簡単なスプレッドシート例)
列:商品番号/商品名/サイズ/価格/委託店名/在庫数/状態(展示・販売済)/備考
商品番号で値札と必ず照合すると誤配送や価格ミスを減らせます。
実務上の注意点
- シールの糊は弱めを選び、剥がす際にタグが傷まないようにする
- 店舗の指定があればその仕様に従う
- 価格変更が頻繁ならシールの予備を多めに用意する
この方法で値札を整えると、店側も作家側も管理が楽になりトラブルを減らせます。
100均アイテムでできる簡単・安い値札の作り方
準備するもの
- ラベルシール(A4や丸型)、ペーパータグ、名刺サイズのカード
- 紐(麻ひもや紙紐)、穴あけパンチ、油性ペン(細字と太字)、マスキングテープ
- 透明テープやラミネート代わりのクリア保護シート
作り方(ラベルシールで簡単)
- ラベルに商品名、番号、価格を書く。細字で裏面に材料などを控えても良いです。
- ラベルをカットして商品に貼る。布や革など貼りにくい素材は紐でタグを付けます。
作り方(ペーパータグ)
- タグに穴を開け、紐を通す。
- 表に商品名と価格、裏にケア情報や連絡先を短く記入します。
- 透明テープで端を補強すると長持ちします。
アクセサリー向け名刺サイズカードの使い方
- 名刺サイズに商品名・価格・番号を記入。リングや小袋に差し込めます。
- 台紙代わりに使うと見栄えが良く、持ち帰り時に便利です。
仕上げとコツ
- 色分けで種類やサイズを判別しやすくする。
- 複数作るときはテンプレートを作り、時間を短縮する。
- 耐久性を高めたいときは透明シートで覆うかシールを重ねます。
コストの目安
100均でそろえると1セットあたり約220円前後。材料を工夫すればさらに安くできます。












