はじめに
目的
本調査報告は、検索キーワード「web 81」に関連する情報を分かりやすくまとめることを目的としています。特に「+81」で始まる電話番号が示す意味、正当な利用例、悪用される詐欺の種類、被害状況、そして具体的な対処法を扱います。
背景と必要性
スマートフォンや固定電話に国際番号のような表示で着信があると、不安を感じる方が増えています。本稿は日常的な疑問に答え、安全に対応するための手引きとして作成しました。
対象読者
一般の利用者や家族、電話でのやり取りが不慣れな方を想定しています。専門的な法的助言ではなく、実務的ですぐに使える情報を提供します。
本稿の構成
第2章から第6章で順を追って解説します。各章は具体例を交えて丁寧に説明します。ご自身で確認・対応する際の参考にしてください。
「+81」から始まる電話番号とは
基本的な意味
「+81」は日本の国番号です。先頭の「+」は国際電話であることを示します。国内での電話番号は先頭に「0」が付きますが、国際通話ではこの「0」を外して国番号を付けます。例えば国内の携帯番号「090-1234-5678」は海外からは「+81 90-1234-5678」と表記します。
国際電話のかけ方(簡単な手順)
- 国際プレフィックス(国際発信識別番号)を入力します。多くの国では「00」や携帯の「+」長押しが使えます。
- 続けて国番号「81」を入れます。
- 国内での最初の「0」を省いた番号を入力します。
実例:日本の固定電話「03-1234-5678」→「+81 3-1234-5678」。
表示のされ方と注意点
電話機や着信履歴では「+819012345678」「+81 90-1234-5678」「+81-90-1234-5678」など、表示形式が異なります。国内からの着信で表示に「+81」が付く場合は、回線が国際経路を経由しているか、番号が転送・偽装されている可能性があります。表示だけで判断せず、相手の内容や着信のタイミングで確認してください。
誰が使うか(簡潔に)
海外から日本へかける人や海外在住の日本人、国際企業のコールセンターなどが「+81」表記を使います。国内のサービスでも海外回線やIP電話を使うと着信表示が「+81」になることがあります。
「+81」から着信がある正当な理由
概要
「+81」は日本の国番号です。海外から日本へ発信するときや、日本の電話番号を国際表記で表示するときに先頭につきます。したがって、+81からの着信が必ずしも不審ではありません。
主な正当な理由
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海外からの発信・ローミング
海外にいる家族や出張中の同僚が日本の番号からかけると、受信側に+81で表示されます。携帯端末をそのまま使うローミング時も同様です。 -
WebサービスやSNSの認証コード
各種サービスがSMSで認証コードを送る際、送信元番号が+81で表示されることがあります。クラウドSMSや海外の送信業者を経由するためです。 -
企業やコールセンターの国際発信
海外拠点やクラウド電話を使う企業・銀行・旅行会社などが日本向けに発信すると+81になることがあります。国際IP電話や番号マスキングの影響です。
見分けのヒント
正当な着信は内容やタイミングに自然さがあります。心配な場合は公式サイトの問い合わせ番号へ折り返す、SMSなら公式アプリやウェブで認証が来ているか確認すると安心です。
「+81」を悪用した詐欺の種類
架空料金請求詐欺
電話やSMSで「料金の未払い」や「サービスの停止」を告げ、支払いを求めます。例:「○○サービスの未納があります。至急お支払いください。」支払い方法としてコンビニ払いや電子マネー、銀行振込を指定し、振込先や番号を教えて金銭をだまし取ります。電話番号が+81で始まると国内の公的機関や事業者に見えやすいため、信じてしまう人が多いです。
国際ワン切り詐欺
短時間の着信(ワン切り)を残し、折り返すよう誘導します。折り返すと高額な通話料が発生する国際プレミアム番号につながる手口です。+81の表記を悪用して国内着信に見せかけ、注意をそらします。留守番電話や不在着信だけのケースに注意してください。
スミッシング(SMS詐欺)
偽のメッセージでURLを送って本人確認や決済情報を入力させます。例:「配達が保留されています。こちらを確認→(URL)」といった文面で誘導し、偽サイトでカード情報やパスワードを盗みます。+81番号から送られてくると、国内の業者からと思いやすい点が狙われます。
サポート詐欺(技術サポートを装う手口)
「ウイルスに感染しています」「パソコンの保証更新が必要です」と電話し、遠隔操作ソフトのインストールやクレジット情報の入力を求めます。+81の番号でかかってくると、正規のサポートを名乗ることに説得力が出ます。結果として個人情報や金銭、端末の制御を奪われる危険があります。
各詐欺は共通して「急がせる」「個人情報や金銭を直接求める」手口を使います。電話番号が+81だからといって安心せず、本人確認を慎重に行うことが重要です。
詐欺被害の統計
統計の概要
特殊詐欺に利用された電話番号のうち、約73.5%が国際電話番号でした。このため「+81」以外の国番号からの着信にも十分注意が必要です。国番号だけで安全かどうか判断できません。
悪用される国番号の具体例
- +1(米国・カナダ):留守番電話や金融機関を装う例があります。
- +44(英国):海外の機関や会社を名乗るケースが報告されています。
- +800・+844(国際フリーフォン):無料番号を装って安心させ、個人情報を引き出す手口があります。
- +81(日本):国内番号でも偽装されるため安心できません。
傾向と注意点
- 発信国コードは偽装されやすく、実際の発信元が別の国やボットサーバーの場合があります。
- 高齢者が狙われやすく、急いで決断させる手口が多いです。
- 心当たりのない要求(暗証番号や現金振込など)があれば、すぐに応じないでください。
被害イメージ(例)
電話で「銀行からの重要連絡です」と伝え、即時の手続きや別番号への折り返しを促して金銭をだまし取るケースがあります。番号の国コードだけで安心せず、慎重に対応してください。
対処法と安全対策
見覚えのない海外番号への基本対応
見覚えのない「+81」や海外番号からの着信には、まず出ないことが基本です。電話に出て個人情報を話すと悪用される恐れがあります。留守番電話にメッセージが残っている場合は、内容を慎重に確認してください。該当する正当な連絡なら、こちらから公式に登録されている問い合わせ先へ折り返すのが安全です。
請求や不審なメッセージへの対応
身に覚えのない請求や不審なURLは無視してください。請求の正当性を確認する場合は、通知に記載の連絡先ではなく、公式サイトや契約書にある電話番号に自分から連絡します。リンクはクリックせず、添付ファイルも開かないでください。
電話・URL・SMSへの具体的対処手順
- 着信履歴やメッセージを保存する(スクリーンショットや通話履歴)。
- 発信番号を検索して他の被害報告を確認する。口コミや公的機関の情報が参考になります。
- 疑わしい場合はブロックし、迷惑電話として通話会社やスマホアプリに報告します。
相談先と通報の方法
金銭請求や個人情報漏えいの恐れがある場合は、消費生活センターや最寄りの警察に相談してください。銀行口座やクレジットカードが関わる場合は、利用先にも速やかに連絡してカード停止などの措置を取りましょう。
予防策(設定と習慣)
・スマホの不明な発信者を自動で消音・拒否する設定を有効にする。
・キャリアやセキュリティアプリの迷惑電話対策を利用する。
・個人情報は電話で伝えない習慣をつける。
・定期的にパスワードや二段階認証を見直す。
どんなに小さな不安でも、早めに相談・通報することが大切です。証拠を残し冷静に対応すれば被害を防げます。












