はじめに
本資料の目的
本資料は「webサイト作成 依頼」に関する調査結果を整理したものです。外部にWebサイト制作を依頼する際に必要な知識を分かりやすく伝え、失敗を減らすことを目的としています。
対象読者
個人事業主や中小企業の担当者、初めて外注する方を主な想定としています。専門用語は最小限に抑え、具体例（店舗紹介サイト、ネットショップ、採用ページなど）で補足します。
本資料で扱う内容
- 第2章：依頼先の種類（制作会社、フリーランス、クラウドサービスなど）
- 第3章：依頼前に明確にすべきこと（目的、ターゲット、予算、納期）
- 第4章：依頼から納品までの一般的な流れ（見積もり、制作、検収、保守）
読み方のポイント
各章で具体的なチェックリストや質問例を提示します。必要に応じて、自社の状況に合わせて取捨選択してください。簡潔で実務に役立つ内容に絞って解説します。
この後は第2章で依頼先の違いと選び方を詳しく見ていきます。
Webサイト作成の依頼先の種類
外部にWebサイト制作を依頼する主な選択肢は、制作会社、個人のWebデザイナー・フリーランス、クラウドソーシング、ホームページ作成ツールの制作代行サービスの四つです。それぞれの特徴と向き不向きを分かりやすく説明します。
制作会社に依頼する
強み：デザイン性や機能の独自性、拡張性、保守体制を期待できます。複数の担当者が分業するため、要件定義から公開後の運用まで安定して進みます。費用は規模や機能で変わりますが、数十万〜数百万円が目安です。実績や担当者の相性を確認してください。
個人のWebデザイナー・フリーランスに依頼する
強み：費用が比較的安く、10〜30万円程度で小〜中規模サイトが作れます。柔軟な対応や短納期が期待できますが、個人によるため納期遅延や対応範囲の限界が生じることがあります。過去の制作実績、連絡の取りやすさ、保守の契約条件を確認しましょう。
クラウドソーシングで発注する
複数の提案から選べるためコストを抑えやすいです。コンペ形式や個別発注が選べ、短期間で多数の案を得られます。反面、品質にばらつきがあり、コミュニケーションや契約管理に注意が必要です。支払いは分割や成果物確認を条件にしましょう。
ホームページ作成ツールの制作代行サービス
既成の作成ツールを使う代行サービスは、小規模サイトなら5万円から利用できます。費用が安く納期も短い一方で、将来の機能追加やデザインの自由度は制限されます。更新方法や引き継ぎの可否を事前に確認してください。
依頼前に明確にしておくべきこと
はじめに
Webサイト作成の成果は、事前の準備で大きく変わります。ここでは依頼前に整理すべき項目を分かりやすく解説します。
ホームページの目的をはっきりさせる
何のために作るかを具体化してください。例：
– 問い合わせを月20件に増やす
– 月間売上を5万円増やす（EC）
– 会社の信頼度を高める（採用や取引先向け）
具体的な数値や期日があると制作側と目標を共有しやすいです。
ターゲットとペルソナを設定する
年齢・性別・職業・関心事を想定してください。例：30代女性、育児中、週末に買い物をする――こうした人物像があると導線や文言が定まります。
予算と維持費を決める
制作費の上限と毎月の維持費を決めましょう。目安：テンプレートで数万円〜、オリジナルデザインで数十万〜。維持費はサーバー・ドメイン・保守で月数百円〜数万円かかります。
デザインイメージと必要機能を整理する
好みのサイト例を3件ほど用意してください。必要な機能（問い合わせフォーム、決済、会員機能、ブログ、SNS連携など）をリスト化しましょう。
作業範囲を明確にする
デザインのみ、デザイン＋コーディング、CMS導入、SEO対策まで含めるかを決めてください。納品物（デザインデータ、HTML、WordPress構築、取扱説明書）も明記します。
納期とスケジュールを具体化する
公開希望日やキャンペーン開始日を伝えてください。余裕をもったスケジュールとレビュー回数を設定すると安心です。
すれ違いを防ぐためのチェックリスト
- 成果目標、ターゲット、予算、納期
- 含まれる作業と追加費用の扱い
- レビュー回数と修正範囲
- 連絡方法と支払い条件
これらを文書化しておくとトラブルを避けられます。
Webサイト作成の依頼から納品までの流れ
発注フェーズ（約2〜3週間）
- 目的・納期・予算の最終確認。例：新規集客のためのLPを1ヶ月で作る、予算50万円。
- 制作会社と面談・ヒアリング。現状の課題や参考サイトを具体的に伝えます。
- 見積もりと提案を受け取る。複数社比較で費用・スコープ・納期を判断します。
- 発注先決定と契約。納品物、修正回数、支払条件を明記してください。
企画フェーズ（約1〜2ヶ月）
- 要件整理：必要なページ、機能、ターゲット、成果指標（例：月間問い合わせ数）を固めます。
- サイト設計：サイトマップ、ワイヤーフレームで構成を共有します。紙や簡単な図でも可です。
- コンテンツ準備：文章、画像、ロゴなどを用意します。既存記事の移行もここで計画します。
- スケジュール確認：各工程の納期と確認ポイントをカレンダー化します。
制作〜納品フェーズ（約2〜6週間）
- デザイン制作：トップ・主要内ページのデザイン確認を行います。修正は契約範囲内で対応。
- コーディング・実装：レスポンシブ対応、フォームやCMS設定を実施します。
- テスト：表示確認、リンク・フォームの動作確認、ブラウザチェック、スマホ確認をします。例：お問い合わせフォームの送受信確認。
- 検収と修正：発注者が検収し、契約で定めた回数の修正を実施します。追加は別途見積り。
- 納品：納品物（サイトファイル、管理画面情報、マニュアル、画像原本、ドメイン/サーバー情報）を受け取ります。
- 公開と引き継ぎ：DNS設定、SSL設定を行い公開します。運用ルールや保守契約の確認も忘れずに。
注意点
- 納期短縮や大幅な仕様変更は追加費用と遅延の原因になります。具体例を示して早めに相談してください。
- 納品後も定期的な更新やバックアップを計画すると安全です。
