はじめに
サイトリニューアルを考えるとき、外部のコンサルに依頼するかどうかで成果や効率が大きく変わります。コンサルは設計や運用、集客施策まで幅広く支援できますが、依頼内容や予算、得意分野をはっきりさせないとミスマッチが起きやすいです。
目的と重要性
まず、何を改善したいのかを明確にしてください。集客を増やしたいのか、使いやすさ（UX）を改善したいのか、運用負荷を下げたいのかで必要なスキルが変わります。目的が定まると、候補を効率よく絞れます。
はじめに決めておくこと
依頼範囲（デザインのみ、技術面を含む、戦略設計まで含む）と予算感を決めます。小さな改善であれば個人のフリーランス、大規模な改修なら制作会社や専門コンサルが適します。期間や社内体制もあらかじめ整理してください。
本書の使い方
この連載では、次章で「依頼できる主な内容」、続いて「選定時のポイント」「探し方」「初回打ち合わせでの確認事項」を順に解説します。読み進めることで、自社に合ったコンサルの選び方が分かるようになります。
コンサルに依頼できる主な内容
現状サイトの課題分析
アクセス解析やヒアリング、競合調査で現状を把握します。例えば、直帰率が高い、導線が分かりにくいといった具体的な課題を洗い出し、優先順位を付けた課題一覧と改善案を提示します。改善案はCTAの追加や導線の再設計など、実行しやすい形で提示します。
リニューアル全体の戦略設計
ペルソナ設定やカスタマージャーニーを作り、サイト構造やKPIを設計します。具体例として、購入までの典型的な行動を想定し、必要なページや導線を決めます。KPIはCVRや滞在時間など計測可能な指標で設定します。
デザイン・制作会社選定と要件定義
要件定義書やRFPの作成を支援します。ページ構成、機能、納期、予算を明確にして比較表を作成し、候補の制作会社を評価します。評価項目は技術力だけでなく提案力や運用体制も含めます。
公開後の運用改善・マーケティング支援
公開後は月次で効果を測定し、コンテンツ企画やSEO、広告運用の改善案を出します。A/Bテストや記事改善で段階的に成果を上げる方法を一緒に進めます。
選定時に見るポイント
実績
- 自社と近い業種・規模での事例を確認します。例えばBtoB製造業で「問い合わせが月20%増加」や「CV率が3%→5%に改善」など、数値で示された成果があると安心です。
- 事例は画面のビフォー・アフターや解析データ（Googleアナリティクス等）を見せてもらい、再現性を判断してください。紹介できる顧客の連絡先を確認できれば信頼性が上がります。
提供範囲
- 「戦略のみ」「設計まで」「制作・運用まで」をはっきり区別します。分析・企画だけ欲しい場合は戦略特化型を選び、ワンストップを望むなら制作も行う会社が便利です。
- 受け渡し物（レポート、ワイヤーフレーム、デザイン、CMS組み込み）の内容を事前に確認しましょう。コミュニケーションの頻度や担当者の固定性も重要です。
料金帯
- 小規模な診断は数十万円、戦略立案や設計を含む本格的なリニューアルは数百万円規模が多いです。見積もりは項目ごとに内訳を出してもらい、何に費用が使われるかを確認してください。
得意分野
- BtoB、製造業、採用サイト、ブランドサイトなど、自社の目的と合う専門性があるかを見ます。たとえば採用重視なら求人導線や応募フォーム改善の経験があるかを確認します。
- 得意分野だけでなく、チームの構成（プランナー、デザイナー、エンジニア、分析担当）が自社のニーズに合うかもチェックしてください。
選定時のチェックリスト（短く）
- 類似事例の有無と成果の数値
- 提供範囲と納品物の明確さ
- 見積もりの内訳と想定期間
- 担当者の実務経験と体制
- 保守・運用の対応可否
この章を参考に、要件に合った会社を見極めてください。
おすすめの探し方
検索ワードを工夫する
業種や目的を必ず含めて検索します。例：「サイトリニューアル コンサル 小売」「Webサイト改善 コンサル BtoB」。成功事例や料金の目安が載っている会社から当たると比較が楽です。実績ページで似た業種や目的の事例を探してください。
比較記事・まとめサイトを活用する
「サイトリニューアルに強い制作会社まとめ」「Webコンサルティング会社一覧」などのまとめ記事を確認します。複数社に相談して、提案内容と費用感を比べると良いです。比較するときは、対応範囲（調査・設計・制作・運用）、納期、成果指標（CVRや流入増など）を項目ごとに見ます。
複数社に相談する具体的手順
- 簡単な要件（目的・予算・希望時期）をメールで共有します。社内の現状資料を添えると提案が具体的になります。
- まずは概算見積りと過去事例を依頼します。
- 提案内容を比較し、面談で担当者の対応や理解度を確認します。提案で不明点があれば遠慮なく質問してください。
その他の探し方
紹介（知人や他社の担当者）やSNS（LinkedIn）での検索、評価が付くプラットフォームも有効です。クラウドソーシングは小規模案件向けで、要件の明確化が重要です。
初回打ち合わせで確認すると良いこと
現状課題に対する仮説と最初の調査
初回で最も大切なのは「なぜ今課題と感じているか」を共有することです。相談側は現状の症状（売上低下、応募数減など）を伝え、コンサル側には仮説（ターゲットのずれ、導線不足、訴求力不足など）を出してもらいます。始めに行う調査例は、データ確認（アクセス・CV・応募の推移）、ユーザーインタビュー、競合調査の優先順位を提示してもらいましょう。
ゴール設定とKPI設計の考え方
ゴールは売上、リード数、採用応募数など具体的に決めます。例：3か月でリード数を20%増やす。そこから逆算してKPIを作ります。KPI例は、アクセス数、コンバージョン率（CVR）、1案件当たりの獲得コストなどです。KPIは測定方法と集計頻度も合わせて確認してください。
公開後の改善・運用範囲、契約期間・費用
公開後の改善頻度（週次・月次）やレポート内容、担当者の対応範囲（運用代行か指導か）を明確にします。契約期間は短期で成果検証→延長する形が望ましい場合が多いです。費用体系は固定費、成功報酬、または混合かを確認し、解約条件や追加作業の単価も確認しましょう。
打ち合わせでのチェックリスト（短）
- 現状データの共有可否と範囲
- 初期仮説と優先調査項目
- 目標数値とKPIの定義・測定方法
- 改善サイクルと報告頻度
- 契約期間・費用・解約条件
これらを押さえると、初回から実行に移しやすくなります。
