はじめに
本記事の目的
本記事は、サイトマップで使われる記号やタグ、階層表現を分かりやすく解説します。HTMLサイトマップの基本的なリストやリンク、検索エンジン向けのXMLタグ、画像・動画専用のタグまで幅広く扱います。実務で役立つ具体例を交えて説明します。
対象読者
ウェブ制作担当者、ブロガー、サイト運営を始めた方、制作会社の初学者向けです。専門用語は最小限に抑え、図や例で補足します。
本記事で学べること
- HTMLとXMLの違いと使いどころ
- 代表的なタグや記号の意味
- 階層表現やツリー図での表記方法
- SEOに関する基本的な注意点
- 自動生成ツールの活用法
この記事の使い方
章ごとに短くまとめてありますので、必要な箇所だけ読むことができます。手元のサイト構成図と照らし合わせながら進めると理解が深まります。
サイトマップとは何か
サイトマップの基本
サイトマップは、Webサイト内のページや構成を一覧にした案内図です。閲覧者に目的のページを見つけやすく伝え、検索エンジンにもサイトの構造を分かりやすく示します。見た目はリンク一覧や図、表などさまざまです。
役割と利用シーン
- 閲覧者向け: 全体の構成を把握して目的のページへ移動しやすくします。
- 検索エンジン向け: クローラーに重要なページを知らせ、巡回を助けます。
小規模サイトと大規模サイトの違い
- 小規模(例: 企業のコーポレートサイト、約10〜50ページ): 全ページを階層リストで並べてリンクを貼ります。ユーザーが一目で全体を把握できます。
- 大規模(例: ECサイト、数千ページ): すべてを列挙せず、主要カテゴリやトップページのみを階層的に示します。ページ数が多い場合は、主要な入口だけを案内すると見やすくなります。
制作者向けの内部用表現
サイト設計時は、編集可能なツリー図やスプレッドシートで内部用のサイトマップを作ります。URL、ページタイトル、親子関係、更新頻度などを列に分けると、制作や管理が楽になります。
見やすくするためのポイント
- 階層を明確にする: 親子関係をインデントや線で示します。
- ラベルを分かりやすく: 専門用語は避け、誰でも分かる名前を付けます。
- 更新しやすく: サイトの変更に合わせて定期的に見直します。
具体例
- 店舗サイト(約20ページ): 全ページをリンクで一覧にする。
- ブログ(数百記事): カテゴリごとに代表ページを案内し、個別記事はアーカイブで管理する。
以上が「サイトマップとは何か」の説明です。
HTMLサイトマップの記号・タグ
概要
HTMLサイトマップは訪問者向けの案内ページです。構造はHTMLのリスト要素で組み立て、記号やアイコンで視覚的に分かりやすくします。
基本のタグ
- ul / ol:項目をグループ化します。階層表現は入れ子で作ります。
- li:各ページを1項目として表します。
- a:ページへのリンクを設定します。テキストは簡潔にします。
- nav、section:意味を明示するために使うと発見性が上がります。
簡単な例:
階層表現の記号例
見た目の工夫として次の記号が使われます。インデントと組み合わせると効果的です。
– 矢印(→): 親子関係を示す。
– 点線やダッシュ(・、-): 項目を整列して見せる。
– 数字: 手順や優先順位を示す。
見た目とアイコン
CSSでインデントや色を調整します。Font AwesomeやSVGで小さなアイコンを付けると視認性が上がります。画面リーダー向けにテキストの代替を用意します。
アクセシビリティとSEOの注意点
リスト構造を保つとスクリーンリーダーで読みやすくなります。リンクテキストは具体的にし、同じテキストが複数ページで重複しないようにします。ページ数が多い場合はセクション分けで見やすくしてください。
XMLサイトマップの記号・タグ
概要
XMLサイトマップは検索エンジン向けの機械可読ファイルです。必須の基本構造と、更新情報などを伝える任意タグで構成します。URLは必ず完全な形式(http://やhttps://を含む)で記述します。
必須タグ
- サイト全体を囲むルート要素。名前空間(xmlns)を指定します。
- 各ページごとのエントリを囲みます。
- ページの絶対URLを記載します。ASCIIのみが安全です。
任意タグ(よく使われるもの)
- 最終更新日。ISO 8601(例: 2025-10-31)で書きます。
- 更新頻度の目安(例: always, hourly, daily, weekly, monthly, yearly, never)。検索エンジンの指標であり確約ではありません。
- 相対的な優先度を0.0〜1.0で指定します(例: 0.8)。デフォルトは0.5です。
エンコードと注意点
- XML宣言でUTF-8等を指定します。URLや日本語はエンコード(PunycodeやURLエンコード)が必要です。
- 日付は必ず正しい形式で記述し、URLは重複しないように管理します。
記述例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>http://www.example.com/</loc>
<lastmod>2025-10-31</lastmod>
<changefreq>monthly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
</urlset>
画像・動画サイトマップの記号・タグ
概要
画像や動画のサイトマップでは、検索エンジンにメディアの場所や詳細を正確に伝える専用タグを使います。ページ単位の<url>内に<image:image>や<video:video>を入れて記述します。
画像サイトマップの主なタグ
<image:loc>:画像の絶対URLを指定します。例: https://example.com/img.jpg<image:title>:タイトル。短く分かりやすく書きます。<image:caption>:説明文。画像の内容を補足します。<image:geo_location>:撮影場所や地名を記載します。<image:license>:画像のライセンスURLを指定します。
簡単な例:
<url>
<loc>https://example.com/page.html</loc>
<image:image>
<image:loc>https://example.com/img.jpg</image:loc>
<image:title>商品写真</image:title>
<image:caption>正面から見た写真</image:caption>
</image:image>
</url>
動画サイトマップの主なタグ
<video:thumbnail_loc>:サムネイル画像URL<video:title>:動画タイトル<video:description>:説明文<video:content_loc>:動画ファイルのURL(あるいは<video:player_loc>で埋め込みプレーヤー)<video:duration>:秒数(例: 120)<video:publication_date>:公開日(ISO形式)
簡単な例:
<url>
<loc>https://example.com/video-page.html</loc>
<video:video>
<video:thumbnail_loc>https://example.com/thumb.jpg</video:thumbnail_loc>
<video:title>使い方の説明</video:title>
<video:description>30秒でわかる使い方</video:description>
<video:content_loc>https://cdn.example.com/video.mp4</video:content_loc>
<video:duration>30</video:duration>
</video:video>
</url>
注意点
- URLは必ず絶対パスにします。UTF-8でエンコードしてください。
- 画像や動画ごとにタグを繰り返して記述します。検索エンジンがメディアを正しく認識しやすくなります。
サイトマップの階層表現・記号
概要
サイトマップやディレクトリマップは階層構造を伝えることが大切です。見やすい記号表現は構造の理解を助けます。
主な表現方法
- インデント(字下げ)
レベルごとに左へ字下げし親子関係を示します。テキストだけで簡単に使えます。 - 矢印(→/⇒)
流れや遷移を示すのに向きます。 - 線(│ ├ └)
ツリー図で直感的に親子を結びます。 - 記号(・、-、+、*)
種類や状態の区別に使います(例:公開/下書き)。 - 色分け・アイコン
役割や重要度を視覚的に示せます。
具体例(テキスト)
- ホーム
- サービス
- プラン
- 料金
- 会社情報
- お問い合わせ
また記号例:
ホーム
├ サービス
│ ├ プラン
│ └ 料金
└ 会社情報
見やすくするコツ
- 同じ記号は全体で統一してください。
- レベル数を3〜4階層に抑えると理解しやすいです。
- 凡例(Legend)を必ず添えてください。
- 色を使う場合は色覚多様性にも配慮してください。
上記の方法を組み合わせて、目的に合った見せ方を選んでください。
SEO的な観点から見たサイトマップの記号・タグ
概要
検索エンジンへ正しく情報を伝えるには、XMLサイトマップのタグを正確に使うことが大切です。特にURLの指定や最終更新日時などは、クロールの効率に直結します。
重要なタグと意味
- :ページの正規URLを入れます。プロトコル(http/https)や末尾スラッシュの一貫性を保ってください。
- :更新日を示します。正しいISO 8601形式を使うとクロールの目安になります。
- :目安として更新頻度を伝えますが、検索エンジンの保証ではありません。
- :0.0〜1.0で優先度を示します。すべて高く設定すると意味が薄れます。
関連するHTMLタグ
- rel=”canonical”:重複ページの正規版を示します。サイトマップと整合させることが重要です。
実践ポイント
- URLは必ず正規化して記載してください。重複やパラメータ付きURLを避けます。
- 画像や動画が重要な場合は、それぞれの専用タグを追加すると発見されやすくなります。
- robots.txtでサイトマップを宣言すると検索エンジンが見つけやすくなります。
よくあるミス
- priorityを全ページ1.0にすること。意味が無くなります。
- lastmodを更新しないままにすること。古い情報でクロールが減ります。
正しくタグを使うと、検索エンジンにとって分かりやすいサイトになります。したがって、定期的に見直してください。
サイトマップ作成ツール・プラグインで自動化
概要
WordPressなどのCMSでは、プラグインでサイトマップを自動生成・管理できます。変更があるたびに自動更新されるため、手動で書き換える手間が減ります。代表的なプラグインは設定が簡単で、XMLや画像・動画のサイトマップも作成します。
主なツール・プラグイン(例)
- Google XML Sitemaps:シンプルにXMLを生成。小規模サイト向け。
- Yoast SEO / Rank Math / All in One SEO:SEO機能に統合され、細かな公開設定が可能。
- オンラインジェネレーター(例:xml-sitemaps.com):CMSを使わない静的サイト向け。
WordPressでの基本手順(具体例)
- プラグインをインストールして有効化します。
- サイトマップ設定で投稿タイプや公開状態を選びます。
- 自動更新と検索エンジンへの通知(ping)を有効にします。
- 生成されたURLをGoogle Search Consoleに登録します。
カスタマイズと注意点
- 重要なページだけを含めるため、投稿タイプやタグで除外設定を行います。
- 大規模サイトはサイトマップインデックス(分割)を使います。
- キャッシュやCDNを使う場合、サイトマップの最新化が反映されるか確認してください。
- 複数のプラグインで同じサイトマップが生成されると混乱するため、一つに統一します。
運用のコツ
- 変更後にSearch Consoleで再送信してインデックスを促します。
- 定期的にサイトマップの中身を確認し、404や重複がないかチェックします。
ホームページの構成図・ツリー図に使われる記号
はじめに
ホームページの構成図(ツリー図)では、視覚的に階層や関係を示すために簡潔な記号を使います。設計や説明資料、プレゼンで役立ちます。
基本の記号
- ノード(ページやコンテンツ):丸(●)、四角(□)、楕円(○)など。例:トップページは大きな□、下層は小さな●。
- 線:縦線(|)や横線(─)で親子関係を結びます。
矢印と向き
- 矢印(→、↓):流れや遷移を示します。ユーザーの移動やデータの流れに使います。
- 両方向(↔):相互リンクや同期を表現します。
番号・ラベル
- 数字や英字(1, 1.1, A)で階層や順序を識別します。URLやファイル名を短く添えると親切です。
色・線種の活用
- 実線=通常の階層、点線=任意・将来の追加、太線=重要ページ。色は役割(青=情報、赤=重要)で分けます。
アイコンと注記
- 検索、ログイン、フォームなどは小さなアイコンで示すと一目で分かります。注記で権限や更新頻度を追記します。
作成のコツ
- まずトップから順に描き、階層ごとにラベルをつけます。複雑なら折りたたみやサブ図を作り視認性を保ちます。関係が多い場合は色と線種を統一すると分かりやすくなります。












