はじめに
概要
本資料は、サイトリニューアルに伴う事前告知のポイントをまとめたガイドです。告知の目的、伝えるべき内容、適切なタイミングや手段、そしてシンプルな文面の型を順に解説します。明確で誤解のない告知を行い、利用者の不安や問い合わせを減らすことを目指しています。
なぜ重要か
サイトを変えると見た目や導線が変わり、利用者が戸惑います。事前告知で変更点を伝えると、利用者が準備しやすくなり、サポート負荷を下げられます。ブランド信頼の維持にもつながります。
想定読者
- マーケティングや広報担当者
- サイト運営や企画担当者
- サポート・カスタマーサービス担当者
この資料の使い方
各章で実務に役立つポイントと具体例を示します。章ごとに読み進め、自社のスケジュールや利用者層に合わせて調整してください。テンプレートは第6章で扱います。
事前告知の目的
目的の要点
事前告知は、ユーザーが変更に戸惑わないよう安心感を与えることが第一の目的です。その他に、短期的な閲覧不可や機能変更で生じるクレームや離脱を減らし、運営への信頼や今後への期待を高める狙いがあります。
ユーザー視点での安心感
変更を知らされていれば、ユーザーは驚かずに対応できます。例えば、サイトのデザインや導線を変える際に「●月●日●時〜●時は一部機能が利用できません」と伝えると、必要な作業を事前に済ませてもらえます。事前説明は「何が変わるか」「いつ変わるか」「利用にどう影響するか」を簡潔に示すと効果的です。
クレーム・離脱の予防
通知があると「突然使えなくなった」という誤解が減ります。短期間のメンテナンスや機能仕様の変更は、代替手順や影響範囲を示すことで不満を抑えられます。具体例として、ログイン方法が変わる場合はスクリーンショットやFAQを用意すると問い合わせが減ります。
信頼と期待の醸成
透明性のある告知は運営への信頼につながります。事前にロードマップや改善点を伝えると、ユーザーは「改善を続けるサービス」と受け止め期待が高まります。
運用上のポイント(実践例)
- 告知は早めに、かつ影響の大きい順に案内する
- 具体的な日時・影響範囲を明記する
- 問い合わせ窓口や代替手順を提示する
- 変更後のフォロー(使い方案内)を用意する
以上の目的を意識して告知を作ると、ユーザーの安心感とサービスへの信頼を守れます。
告知に盛り込む内容
リニューアル実施日・時間
リニューアルの実施日と開始・終了時刻を明確に記載します。メンテナンスでサービスが止まる場合は、停止開始/終了の予定時刻を必ず書き、予備時間(例:前後30分)も示すと安心です。例:2025年6月1日 22:00〜翌2:00(予備30分)。
主な変更点
デザインやナビゲーション、機能追加、URL変更の有無を箇条書きでまとめます。具体例を添えると利用者がイメージしやすくなります。例:
– デザイン:トップページの構成を見直し、検索欄を上部に移動
– ナビゲーション:カテゴリ表示をドロップダウン形式に変更
– 新機能:お気に入り登録機能を追加
– URL:一部ページのURLを変更(旧URL→新URLの例を記載)
利用に関する注意事項
アクセス不可時間やログイン方法の違い、ブックマーク変更のお願いなどを具体的に伝えます。手順が必要なら短いステップで示します。例:
1. リニューアル後は初回ログイン時にパスワード再設定が必要
2. 古いブックマークは新URLへ変更してください(移行マップを提供)
問い合わせ先
メール、電話、問い合わせフォームなど利用可能な連絡手段と受付時間を明記します。緊急対応の窓口がある場合は優先して示してください。例:support@example.com(24時間)、012-345-6789(平日9:00〜18:00)。
告知タイミング
基本方針
リニューアル日が確定したら、早めに情報を出します。ユーザーに準備時間を与えるため、最初の告知は1か月前〜2週間前が目安です。直前に改めて知らせることで見落としを防げます。
具体的なタイミング(目安)
- 1か月前:大まかな変更内容と影響範囲を告知。利用停止や機能移行がある場合はこの段階で周知します。
- 2週間前:詳細スケジュールやユーザーが取るべき対応を提示。FAQやサポート窓口も案内します。
- 1週間前〜数日前:リマインド。短い要点(日時・影響・連絡先)を繰り返して伝えます。
リマインドの頻度と方法
頻度は過剰にならないよう配慮します。重要度が高い場合は複数回通知しますが、内容は簡潔にまとめます。メール・アプリ内通知・サイトバナーなど、利用するチャネルに合わせて同じ要点を伝えてください。
社内調整と確認
告知前に関係部署とスケジュールをすり合わせ、想定問答を準備します。告知文は複数人でチェックし、誤解を招かない表現に整えてください。
注意点
時間帯やユーザー属性を考慮して配信タイミングを選びます。海外利用者が多い場合は時差にも配慮してください。
告知の手段
サイト内で必ず目に入る場所
- お知らせ欄:トップページと関連ページに設置し、重要度に応じて色分けします。例:メンテナンスは赤、キャンペーンは青。更新履歴を残すと信頼感が高まります。
- トップページバナー:ファーストビューに横長バナーを置き、短いキャッチと明確なCTA(例:「詳細を見る」)を配置します。画像は軽量化し読み込みを遅くしないようにします。
- ポップアップ:表示条件を絞ります(滞在30秒以上・スクロール50%以上など)。初回だけ表示する設定にしてユーザーの邪魔にならないようにします。
既存顧客・フォロワー向けの外部チャネル
- メールマガジン:件名で要点を伝え、1つの明確な行動を促します。開封率・クリック率を計測し、ABテストで最適化します。
- SNS(X・Instagram・LINEなど):プラットフォームごとに表現を変えます。Xは短文+リンク、Instagramは画像・ストーリーで視覚訴求、LINEはクーポンやリマインドに向きます。投稿時間と頻度を分析して効果的に配信します。
- プレスリリース:メディア向けに事実を簡潔にまとめ、問い合わせ先を明記します。リリース後はSNSやメールで補足説明を流すと認知が広がります。
効果測定と運用のコツ
- 各手段でKPI(表示数・開封率・CTR・コンバージョン)を設定し定期的に確認します。
- 同じ内容でも表現を変えてA/Bテストを行い、反応の良いパターンを採用します。
- ユーザーの利便性を優先し、過剰な告知は避けます。
シンプルな文面構成の型
冒頭挨拶とリニューアルのお知らせ
いつもご利用いただき、ありがとうございます。弊社ではサービス向上のため、下記の通りサイト(またはシステム)のリニューアルを行います。ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
実施日時・メンテナンス時間
- 実施日:2025年○月○日(○)
- 時間:午後○時〜午後○時(所要時間:○時間程度)
※上記時間帯は作業の都合により前後する場合があります。進行状況は随時お知らせします。
主な変更点・影響範囲
- 主な変更点:デザイン更新、操作フローの改善、一部機能の追加や廃止
- 影響範囲:作業中はサイトへアクセスできない時間帯があります。URLやログイン画面が変更になる場合は事前に明記します。例:旧URL→https://old.example.com 新URL→https://www.example.com
利用者へのお願い
- 保持しているブックマークやショートカットはリニューアル後に確認し、必要なら新しいURLへ変更してください。
- 作業直前には重要なデータを保存してください。ログインできない時間帯が発生しますので、事前のご対応をお願いします。
- 不具合を見つけた場合は、スクリーンショットを添えてお問い合わせください。
問い合わせ先
- 問い合わせ窓口:カスタマーサポート
- メール:support@example.com
- 電話:012-345-6789(営業時間:平日9:00〜18:00)
ご連絡いただければ、作業前後の状態について迅速にご案内します。
カスタマイズのポイント
この型をベースに、社名・サービス名や具体的な日時・URLを入れてください。社内のトーンが堅めなら語調を整え、親しみやすくしたければ挨拶文を短く柔らかくしてください。












