はじめに
本書の目的
このドキュメントは、Googleに自分のWebサイトのサイトマップ(sitemap.xml)を登録する方法を、やさしく丁寧に解説します。サイトマップの役割や種類、作り方、Googleサーチコンソールへの送信手順、送信後の管理、SEO効果、注意点、トラブル対処法まで順を追って説明します。
なぜサイトマップが大切か
サイトマップは検索エンジンに対する「地図」です。新しいページや内部リンクが少ないページを見つけてもらいやすくします。特にページ数が多いサイトや、更新頻度が高いサイトで効果を発揮します。
対象読者
サイト運営者、ブロガー、EC担当者、SEO初心者など、サイトの検索での見つかりやすさを改善したい方に向けています。専門知識がなくても順序立てて進められる内容です。
本書の構成と進め方
全9章で、概念の説明から実際の作成・送信手順、管理やトラブル対処までカバーします。各章で具体例や手順を示しますので、実際に手を動かしながら進めてください。
サイトマップとは何か?Googleにとっての役割
サイトマップとは
サイトマップ(通常は sitemap.xml)は、Webサイト内の重要なページの一覧をまとめたファイルです。人が見るためのサイト構成図とは別に、検索エンジン向けに作られます。URLごとに最終更新日などの情報を付けられます。
Googleにとっての役割
Googleはサイトマップを読み取り、サイト内のページを効率よく見つけてクロール(巡回)します。サイトマップがあると、新しいページや内部リンクからたどりにくいページを優先的に検出できます。ただし、サイトマップに載せたから必ずインデックスされるわけではありません。最終的な評価はGoogleが自動で行います。
どんな場合に特に有効か(具体例)
- 新しく公開した記事や頻繁に更新するコンテンツ
- ページが内部リンクでつながりにくい大規模サイト
- PDFなどの非HTMLファイルや多言語ページ
- パラメータ付きの動的ページ
短いポイント
- サイトマップは“知らせる”役割を果たします。
- インデックスを保証しませんが、発見性を高めます。
- 作成と送信は簡単なので、基本的に用意しておくと安心です。
サイトマップの種類と書き方
主流はXMLサイトマップ
Googleが推奨する形式で、多くのSEOツールやCMSが自動生成に対応しています。機械向けにページのURLや更新情報を伝える目的です。
例(基本のXML記述):
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2024-01-10</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
</urlset>
必須タグ:
– : 全体を囲むルート要素
– : 各ページのまとまり
– : ページの絶対URL(必ず記載)
任意タグ(使うと伝わりやすい):
– : 最終更新日(YYYY-MM-DD等のISO 8601)
– : 更新頻度の目安(例:daily, weekly)
– : 相対的な優先度(0.0〜1.0)
他の種類
- HTMLサイトマップ:人が見る一覧ページに使います。訪問者向けです。
- テキストサイトマップ:1行に1URLを書く簡易版
- RSS/Atom:新着中心のサイトに有効
- 画像・動画拡張:メディア専用タグで詳細を付けられます
- サイトマップインデックス:複数のサイトマップをまとめるファイル(大規模サイト向け)
作成時の注意点
- 1ファイル当たりの上限は50,000 URL、非圧縮で50MB。超える場合は分割してサイトマップインデックスを使います。
- UTF-8で保存し、URLは常に絶対パスを指定してください。
- 圧縮(.gz)でアップロードして問題ありません。
- robots.txtに位置を記載すると検索エンジンが見つけやすくなります。
サイトマップの作成方法
自動生成ツールで作る
- ツール(例:sitemap.xml Editor)にサイトのURLを入力します。
- ツールがサイトを巡回してXMLを生成します。
- 生成されたsitemap.xmlをダウンロードしてサーバーのルート(例:public_html)にアップロードします。
長所:手軽で初心者向け。無料のものが多いです。
短所:無料版はクロール可能なURL数に制限があることがあります。
WordPressプラグインを使う
- 管理画面からプラグインを検索し、例として「Google XML Sitemaps」をインストール・有効化します。
- プラグインの設定画面でサイトマップの公開設定を確認します。
- 投稿や固定ページを更新すると自動でサイトマップが更新されます。
長所:動的なサイトで便利です。自動更新により手間が減ります。
短所:プラグイン同士の競合や設定ミスに注意してください。
手動でXMLを作成してアップロードする
- テキストエディタでXMLテンプレートを作成します。基本は と (ページURL)を繰り返す構造です。
- 各ページのURLを正確に記入し、sitemap.xmlとして保存します。
- サーバーのルートにアップロードし、ブラウザでURL(例:https://example.com/sitemap.xml)を開いて表示を確認します。
長所:細かい制御が可能です。不要なページを含めません。
短所:手作業が多く、ミスで検索エンジンの巡回に影響する可能性があります。
大きなサイトやURLが多い場合の対処
1つのサイトマップに収まらない場合は、サイトマップインデックスを作成して複数のsitemapファイルをまとめます。これにより管理が楽になります。
次章では、作成したサイトマップをGoogleサーチコンソールへ送信する具体手順を説明します。
Googleサーチコンソールへのサイトマップ送信手順
前提
- サイトがSearch Consoleに登録・所有権確認済みであることを確認します。ドメインプロパティとURLプレフィックスで操作方法が多少異なります。
手順(簡潔)
- Search Consoleにログインします。
- 左上のプロパティ一覧から対象サイトを選びます。
- 左メニューの「サイトマップ」をクリックします。
- 「新しいサイトマップの追加」にサイトマップのパスを入力します(例: sitemap.xml や sitemap_index.xml)。フルURLは不要です。URLプレフィックスプロパティではフルパスが必要な場合があるので確認してください。
- 送信ボタンを押します。送信成功のメッセージが表示されれば、Googleに認識されています。
送信後の確認ポイント
- 「送信済みサイトマップ」に表示され、最後の読み込み日時と検出されたURL数を確認します。エラーや警告があれば詳細リンクを開き、個別に対応します。
よくある注意点
- サイトマップは公開できる場所に置いてください(公開アクセス)。
- robots.txtでブロックしているとGoogleは取得できません。
- URLは正規化したものを送信してください(wwwあり/なし、https)。
作業は数分〜数時間で反映します。問題があれば詳細エラーを確認して対処してください。
サイトマップ送信後の確認と管理
まず確認するポイント
サイトマップを送信したら、まずサーチコンソールの「サイトマップ」画面で送信状況を確認します。ここで「最後に読み込まれた日時」「検出された URL 数」「エラー/警告」を確認できます。問題があれば詳細を開いて原因を特定します。
個別ページのチェック(URL検査)
サイトマップに含まれる個々のページは、サーチコンソールの「URL検査」で確認します。対象のページURLを入力し、「公開URLをテスト」→「ページの取得」が成功ならGoogleがアクセスできています。失敗ならエラー内容(404、403、タイムアウト、robotsによるブロックなど)を見て対応します。
よくある原因と対処法
- 404/403: URLが誤っているかサーバ設定を確認します。
- タイムアウト: サーバの応答速度や帯域を改善します。
- robots.txtやメタタグでブロック: disallowやnoindexを外す、または正しいcanonicalを設定します。
- サイトマップの書式エラー: XMLの構文やエンコーディング(UTF-8)、MIMEタイプを確認します。
管理と運用のコツ
- 大幅な更新後やページ追加時はサイトマップを更新して再送信します。重要なページはURL検査から「インデックス登録をリクエスト」できます。
- サイトマップの「最後に読み込まれた日時」を定期的に確認し、異常があれば調査します。
- カバレッジレポートでインデックス状況を定期チェックし、メール通知を有効にして問題を早めに検知します。
以上を習慣化すると、Googleに正しくページを伝え、インデックスの精度を高められます。
サイトマップ送信のメリットとSEO効果
クロール促進とインデックス速度向上
サイトマップを送信すると、Googleにページ一覧を直接伝えます。これによりクローラーがページを見つけやすくなり、公開や更新からインデックスまでの時間が短くなります。例えば新しいブログ記事や商品ページが早く検索に反映されやすくなります。
新規・更新ページの把握
サイト外からリンクが少ない新規ページや、頻繁に更新するページを確実に知らせられます。サイトマップに更新日時を入れると、どのページが新しいかGoogleに伝えられます。
孤立ページの発見
ナビゲーションから辿りにくい孤立ページもサイトマップで通知できます。これにより重要だが見落とされがちなページもクロール対象になります。
大規模サイトや複雑構造での効果
ページ数が多いECサイトや多階層のサイトでは、サイトマップが特に有効です。クローラーの巡回効率が上がり、インデックス漏れを減らせます。
構造化データや優先度のヒント
サイトマップは構造化データの有無や更新頻度、優先度のヒントを伝えられます。ただし、必ずしも優先度通りに扱われるわけではありませんが、クロールの指針になります。
実務上の利点と注意点
サイトマップはSEOを直接“保証”するものではありませんが、クロールとインデックスの効率を高めます。したがって、作成と送信は基本作業としておすすめします。
作成・送信時の注意点
基本ルール
- サイトマップファイルは未圧縮で最大50MB、圧縮(gzip)の場合は最大10MBまでです。URL数は1ファイルあたり50,000件が上限です。上限を超える場合はサイトマップインデックス(複数ファイルをまとめるファイル)を使って分割してください。
含めてはいけないページ
- noindex 指定のページ、重複ページ、404やエラーページ、開発中のページは含めないでください。検索してほしくないページを送ると誤ったシグナルになります。
URLの形式とドメインごと管理
- 絶対URL(https://〜)を使い、プロトコルやwwwの有無、末尾のスラッシュはサイト内で統一してください。各ドメイン(サブドメイン含む)ごとに別のサイトマップを作成します。
技術的注意点
- ファイルはUTF-8で保存してください。gzipで圧縮する場合は拡張子 .xml.gz にします。robots.txtでサイトマップの場所を告知すると見つけやすくなります。
運用面の注意
- サイト構成が変わったらサイトマップを更新し、サーチコンソールで再送信または更新を促してください。頻繁に変わるページは優先度や更新頻度で調整しても、最終的には最新のURLだけを残すことが重要です。
よくある失敗例と対処法
- 同じURLを複数登録する、相対パスを混在させる、圧縮サイズを超える:これらはエラーの原因になります。送信後はサーチコンソールのステータスを確認し、エラーが出たら修正して再送信してください。
トラブル・エラー時の対処法
はじめに
サイトマップ送信でエラーが出たら、慌てず順を追って確認します。サーチコンソールのエラーメッセージを手がかりに修正し、再送信します。
準備確認(まず見る所)
- サーチコンソールの具体的なエラー内容を確認します(例:読み込み失敗、404、XML解析エラー)。
- サイトマップのURLをブラウザで開き、表示されるか確認します。
よくあるエラーと対処法
- XMLの記述ミス:タグの閉じ忘れやエンコーディング不備は、XMLバリデータで検証して修正します。
- URLの誤り:ドメインやプロトコル(http/https)、末尾のスラッシュが一致しているか確認します。
- サーバーエラー(403/404/500):パーミッション、.htaccess、SSL設定、ホスティング状況を確認します。
- ファイルサイズ/URL数超過:分割してサイトマップインデックスを作成します。
- robots.txtやnoindex:robots.txtでサイトマップがブロックされていないか、ページ側のnoindexを確認します。
実際の手順(簡潔)
- エラーを読む→問題箇所を特定します。
- XML/URL/サーバー設定を修正します。
- ブラウザやオンラインバリデータで確認します。
- サーチコンソールに再送信し、数日間のステータスを監視します。
補足のコツ
- 変更後はURL検査ツールで重要ページを個別に検査します。
- ログやアクセスエラーを残すと原因追跡が早くなります。












