はじめに
この章では、本記事の目的と読み進め方をやさしくご案内します。サイトマップの抽出は、サイト運営やSEO対策で役に立つ基本作業です。本記事は初心者の方にも分かりやすく、実務で使える知識を丁寧にまとめています。
この記事の目的
- サイトマップとは何かを理解する
- 抽出の目的とメリットを知る
- 実際の抽出方法やツール、運用のコツを学ぶ
対象読者
- 自分でサイトを運営している方
- SEOやコンテンツ改善に関心がある方
- サイト構造の把握を効率化したい担当者
本記事の構成(全8章)
- はじめに(本章)
- サイトマップとは何か?基礎知識
- 抽出の目的とメリット
- 抽出方法
- 抽出後の活用・送信方法
- おすすめツール
- 抽出時の注意点・ベストプラクティス
- 関連ワードとの違い
読み方のコツ
まずは第2章で基礎を押さし、目的に合う章を順に読むと実践しやすいです。具体的な手順は第4章以降で丁寧に説明しますので、実際に手を動かしながら進めてください。
サイトマップとは何か?基礎知識
概要
サイトマップは、Webサイト内のページやリンクの一覧です。訪問者向けのHTMLサイトマップと、検索エンジン向けのXMLサイトマップに大きく分かれます。両者は目的が違いますが、どちらもサイトの構造を明確にします。
HTMLサイトマップ(ユーザー向け)
HTMLサイトマップは人が見るための一覧ページです。全ページへのリンクやカテゴリ分けを載せ、訪問者のナビゲーションを助けます。特に大規模サイトや古いコンテンツが多い場合に有効です。
XMLサイトマップ(検索エンジン向け)
XMLサイトマップはクローラーに読みやすい形式でURLや最終更新日、優先度などを記述します。これによりクローラーが重要なページを見つけやすくなり、インデックス登録を効率化します。
サイトマップに含める主な情報
- URL(必須)
- 最終更新日(lastmod)
- 更新頻度(changefreq)
- 優先度(priority)
役割と使い分け
ユーザーにはHTML、検索エンジンにはXMLを用意します。サイト内の新規ページや構造変更があるときはXMLを更新すると良いです。サイトの可視性と利便性を同時に高められます。
サイトマップを抽出する目的とメリット
1. 抽出の主な目的
サイトマップを抽出する最大の目的は、検索エンジンにサイト内のページを正しく伝え、インデックス漏れを防ぐことです。例えば、新しく追加したページや深い階層にあるページが検索結果に現れない場合、サイトマップを整備・送信することで発見されやすくなります。
2. サイト構造の可視化による改修支援
抽出で得た一覧を図や表にすると、全体の構造が見えます。リニューアル時に優先して手を入れるべきページや重複しているコンテンツが分かり、効率的に改修計画を立てられます。実作業では、トップページからの経路や重要ページの深さを確認します。
3. 運用の効率化と管理の容易化
サイトマップを定期的に抽出・保存すると、追加・削除したページの追跡が簡単になります。担当者間で一覧を共有すれば、誤って公開・非公開にするミスを減らせます。CMS移行時や外部委託時の引き継ぎ資料にもなります。
4. その他のメリット(具体例)
- 内部リンクの見直しがしやすくなる
- コンテンツの抜けや重複を発見できる
- クローラビリティ(巡回のしやすさ)を評価できる
これらの利点により、サイト運営の精度と効率が上がり、SEO効果の底上げにもつながります。
サイトマップの抽出方法
概要
サイトマップの抽出方法は大きく3つに分かれます。①自動生成ツール、②CMSプラグイン、③データベースやプログラムでの抽出。それぞれ手順・利点・注意点を分かりやすく説明します。
1. 自動生成ツールを使う
- 代表例:Sitemap.xml Editor、XML Sitemaps Generatorなど。URLを入力するだけでクロールしてXMLを作成します。
- 手順:サイトURLを入力 → クロール設定(深さ・除外パターン) → 出力(sitemap.xml)をダウンロード。
- 利点:手軽で短時間。非技術者向けです。欠点は大規模サイトだと時間がかかる点です。
2. CMS(WordPress等)のプラグインを使う
- 代表例:All in One SEO、Yoast SEO。インストール後、自動でサイトマップを生成します。
- 手順:プラグインを有効化 → 設定で含める投稿タイプやページを指定 → sitemap URLを確認(例:/sitemap.xml)。
- 利点:更新に合わせ自動で反映。CMS管理下のサイトに最適です。
3. データベースやプログラムで抽出する
- 手順例(MySQL+スクリプト):
- DBからURL・最終更新日時・優先度などをSELECTで取得
- スクリプト(Python等)でXML形式に整形して保存
- 簡単なSQL例:SELECT concat(‘https://example.com’, path) AS loc, updated_at AS lastmod FROM pages;
- 利点:大量サイトや動的ページの正確な制御に向きます。柔軟にフィルタやメタ情報を付与できます。
- 注意点:XMLのサイズ制限(1ファイル50,000 URLや50MB)に留意し、必要なら分割してsitemap indexを作成してください。
追加のポイント
- 除外するURL(管理画面や重複ページ)は事前に設定してください。
- 生成後はrobots.txtやSearch Consoleに登録して検索エンジンへ知らせます。
各方法の利点を比べ、サイト規模や運用体制に合った方法を選んでください。
抽出したサイトマップの活用・送信方法
1) サイトマップを置く場所
抽出したXMLファイルはサイトのルートディレクトリ(例: https://example.com/sitemap.xml)にアップロードします。検索エンジンはルート直下を優先して確認しますので、確実に認識されます。
2) Google Search Consoleへ送信
- サイトをプロパティとして登録します。
- 左メニューの「サイトマップ」を開き、サイトマップのURL(sitemap.xml)を入力して送信します。
送信後、エラーや警告が出たら内容を確認し修正します。
3) robots.txtに記載する
robots.txtの末尾に次の1行を追加します。
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml
これでクローラがサイトマップを見つけやすくなります。
4) 検索エンジンへの通知(任意)
新規公開後に早くクロールしてほしい場合、以下のように通知できます。
– Google: https://www.google.com/ping?sitemap=(サイトマップのURL)
– Bing: https://www.bing.com/ping?sitemap=(サイトマップのURL)
5) 更新の運用ルール
サイト構造を変えたときやページを追加したときはサイトマップを再生成して差し替えます。頻繁に更新する場合は自動生成と定期アップロードの仕組みを用意すると便利です。
6) 大規模サイトの注意点
URLが多い場合はサイトマップを分割し、サイトマップインデックスを作成してください。分割は50,000 URLや50MBの制限を目安にします。
これらを実行すれば、検索エンジンにサイト構造を正しく伝え、インデックス登録の効率を高められます。
おすすめのサイトマップ抽出・作成ツール
はじめに
よく使われるツールを用途別に紹介します。初心者から上級者まで使えるものを選びました。使い方や利点・注意点も簡潔に説明します。
Sitemap.xml Editor(URL入力で生成)
特徴:調査したいサイトのURLを入れるだけでXMLサイトマップを生成します。小規模サイトの一括抽出に便利です。
長所:手間が少ない。すぐにダウンロードできる。
短所:細かい設定が不得意。動的コンテンツで漏れが出る場合があります。
XML Sitemaps Generator(ブラウザで詳細設定)
特徴:クロール深度や更新頻度など細かく設定できます。設定を変えて何度も試せます。
長所:柔軟な設定。大規模サイトにも対応。
短所:設定項目が多く初心者は戸惑うことがあります。
All in One SEO(WordPressプラグイン)
特徴:WordPressサイト向け。自動でXMLとHTMLサイトマップを生成します。
長所:設定が簡単で他のSEO機能も統合。プラグインだけで済む。
短所:WordPress専用です。
構造図作成ツール(図とHTMLサイトマップ自動生成)
特徴:ページ構造を図で可視化し、HTMLサイトマップも作れます。サイト設計や改善に便利です。
長所:視覚的に確認できる。内部リンクの把握に役立つ。
短所:大規模サイトでは図が複雑になります。
使い分けの目安
- 小規模で手早く:Sitemap.xml Editor
- 細かく設定したい:XML Sitemaps Generator
- WordPressなら:All in One SEO
- 構造を可視化したい:構造図作成ツール
使う前に対象サイトの規模や目的を確認してから選ぶと、作業がスムーズになります。
サイトマップ抽出時の注意点・ベストプラクティス
サイトマップを抽出するときは、正確さと効率を両立させることが大切です。以下の点に注意して作業してください。
まず除外すべきページ
- 重複ページ(http/https、www/非wwwの混在)は正規URLのみを含めます。例:https://example.com に統一。
- noindex 指定のページ、ログインやカート、ステージング環境、テストページは含めないでください。
- セッションIDやUTMなどのトラッキングパラメータを含むURLは除外します。
- 404・5xx や恒久的リダイレクト(301)先のURLは含めないでください。ステータスが200であることを確認します。
大規模サイトの管理
- 1つのサイトマップは最大50,000 URL・非圧縮で50MBの制限があります。超える場合は複数に分割し、サイトマップインデックスで統合管理してください。
- 分割方法の例:種類別(商品/カテゴリ/記事)、日付別(月単位)、サーバーごと。
robots.txt と正規化の連携
- robots.txt にサイトマップの場所を明記して、クローラーに知らせます。
- サイトマップ内の URL はページの rel=”canonical” と一致させてください。異なると混乱を招きます。
メタデータの使い方
- lastmod は実際に変更した時のみ更新します。更新頻度(changefreq)は目安に留め、過度に信頼しないでください。
- priority は必要なら使いますが、過度な数値操作は避けます。
定期チェックと公開後の確認
- 抽出後は XML のバリデーション、Search Console 等での送信とエラー確認を行ってください。
- 定期的(例:週次や更新時)にサイトマップを再生成し、古いURLや削除済みページが残らないよう管理します。
最後に、機密ページやテスト環境の公開を避ける点は特に注意してください。正しく運用するとクローラーの効率が上がり、検索エンジンへの正確な情報提供が可能になります。
関連ワード「キーワードマップ」「キーワード抽出」との違い
キーワードマップとは
キーワードマップは、サイトのコンテンツとユーザーの検索意図を結び付けるための図や表です。具体例:通販サイトなら「メンズコート」はカテゴリページ、「サイズ感」は商品詳細、「コーデ例」はブログ記事、という風にキーワードをページごとに配置します。これにより、どのページでどの意図を満たすかが一目で分かります。
キーワード抽出とは
キーワード抽出は、検索クエリやサイト内テキスト、アクセス解析から重要な語句を取り出す作業です。ツールで上位の検索語や頻出語を抽出し、優先度を付けます。例:検索ボリュームが高い語、購入意図が強い語、比較用語などを洗い出します。
サイトマップとの違い(具体例)
サイトマップはURLやページ構造の一覧化に特化します。例えばトップ/カテゴリ/商品/お問い合わせといった階層を見せます。一方、キーワードマップは「どのページでどの検索意図を満たすか」を示します。サイトマップが設計図だとすると、キーワードマップは設計図に貼る“ユーザー要望のメモ”です。
使い分けと組み合わせ方
サイトの全体像把握はサイトマップ、SEOやコンテンツ設計はキーワードマップと抽出を使います。まずサイトマップを抽出してページを把握し、各ページに対してキーワード抽出を行い、キーワードマップで配置すると効率的です。したがって、両方を併用すると効果が高まります。
注意点
同じキーワードを複数ページで無計画に狙うと、逆に評価が分散します。しかし、重複する意図がある場合はページの役割を明確に分けて対処してください。












