はじめに
この文書の目的
この文書は、XMLサイトマップ(sitemap.xml)の作成方法をわかりやすくまとめたガイドです。基本的な説明から具体的な作成手順、利用できるツール、配置場所、そしてGoogle Search Consoleへの登録まで順を追って解説します。初心者の方でも実践できる内容を目指しています。
対象読者
- 個人でサイトを運営している方
- 初めてサイトマップを作る方
- SEOの基本を学びたい方
本書の構成と読み方
全9章で構成します。第2章で基礎を説明し、第3章以降で実際の作り方やツールの使い方、最後にSearch Consoleへの登録方法まで扱います。まずは第2章へ進み、XMLサイトマップの役割を確認することをおすすめします。
期待できる効果
正しくサイトマップを作成して配置すると、検索エンジンがサイトのページを見つけやすくなり、インデックスの速度や精度が向上します。本ガイドを順に進めれば、実用的なサイトマップを作れるようになります。
XMLサイトマップとは
概要
XMLサイトマップ(sitemap.xml)は、サイト内のページ情報を機械向けに整理したXML形式のファイルです。検索エンジンにページの存在や更新日時、重要度を伝える手段として使います。読みやすい地図のように、新規ページや深い階層のページも見つけやすくなります。
何のためにあるか
主な目的は検索エンジンによる発見とクロールの効率化です。例えば、ブログで新しい記事を公開すると、サイトマップを通じて検索エンジンに早く通知できます。大規模サイトや動的ページが多いサイトほど効果が出やすいです。
主な構成要素(簡単に)
- URL(ページのアドレス)
- 最終更新日時(例:2025-01-02)
- 優先度(0.0〜1.0の指標)
これらをXMLタグで並べるだけで機械が扱いやすくなります。
SEO上の利点と注意点
サイトマップがあると新ページの発見が早くなり、クロール頻度の改善につながります。ただし、サイトマップがあっても良質なコンテンツや適切な内部リンクが必要です。無関係なURLや重複ページを大量に載せると逆効果になることがあります。
XMLサイトマップの作成方法
概要
XMLサイトマップは複数の方法で作れます。ここでは代表的な4つの方法と、それぞれの特徴と手順を分かりやすく説明します。
1) 自動生成ツール「sitemap.xml Editor」を使う
手軽に作成できます。使い方は簡単で、サイトのURLを入力してクロールを開始し、優先度や更新頻度を設定して生成します。生成後はsitemap.xmlをダウンロードしてサイトのルートにアップロードします。小〜中規模サイトに向きます。
2) WordPressプラグイン「Google XML Sitemaps」を使う
WordPress管理画面からプラグインをインストールして有効化します。設定画面で対象の投稿タイプや優先度を決めると、投稿更新時に自動でサイトマップが再生成されます。初心者でも運用が楽です。
3) 手動でコードを記述する
軽量で自由度が高い方法です。基本構成はの中に各ページをで並べます。簡単な例:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-01</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
</urlset>
ファイル名をsitemap.xmlで保存し、ルートに配置します。小規模サイトや特殊な構成に便利です。
4) Node.js環境で「gulp-sitemap」を使う
複数ページを自動で生成したい場合に有効です。npmでgulpとgulp-sitemapを入れ、gulpタスクでHTMLやURL一覧からサイトマップを作成します。ビルド時に自動生成できるので、開発ワークフローに組み込みやすいです。
各方法に利点があります。サイト規模や運用のしやすさを基準に選んでください。
自動生成ツール「sitemap.xml Editor」を使う方法
“sitemap.xml Editor”は、初心者でも簡単にXMLサイトマップを作れる自動生成ツールです。ここでは手順と注意点をわかりやすく説明します。
手順
- サイトURLを入力
-
ドメインのルート(例: https://www.example.com)を正しく入力します。http/httpsの違いに注意してください。
-
オプション設定
-
更新頻度(changefreq)、優先度(priority)、最終更新日(lastmod)などを設定します。必要がなければデフォルトのままで問題ありません。ページ上限は1,000ページです。
-
サイトマップ作成ボタンをクリック
-
自動でクローリングしてXMLを生成します。処理時間はページ数によります。
-
生成ファイルのダウンロード
-
通常はsitemap.xmlとして保存されます。ZIPで提供される場合もあります。
-
FTPでのアップロード
- サイトのルートディレクトリ(/)にアップロードします。パスやファイル名を変えないでください。
注意とトラブルシューティング
- 1,000ページ以上ある場合は分割や他ツールの検討をおすすめします。
- 文字化け対策としてUTF-8で保存してください。
- アップロード後にGoogle Search ConsoleでURLを送信すると検出が早まります。
以上が基本的な使い方です。操作は直感的で、何度でも再生成できる点が便利です。
WordPressプラグイン「Google XML Sitemaps」を使う方法
概要
WordPressでは「Google XML Sitemaps」プラグインで簡単にサイトマップを作れます。インストール後は自動生成と自動送信が有効になり、手間を減らせます。
インストールと有効化
- 管理画面の「プラグイン>新規追加」を開きます。
- 検索欄に「Google XML Sitemaps」と入力して検索します。
- 「今すぐインストール」を押し、有効化します。完了すると設定メニューに「XML-Sitemap」が追加されます。
基本設定ポイント
- サイトマップのURL: 通常は https://あなたのサイト/sitemap.xml です。ブラウザで確認できます。
- 自動更新: 投稿を公開すると自動でサイトマップを更新します。特別な操作は不要です。
- 検索エンジンへの通知: プラグインは新しい記事をGoogleやBingに自動で通知(ping)します。手動で送る必要はほとんどありません。
- 含める項目: 投稿・固定ページ・カテゴリーなど、含めたくないものは除外できます。例:内部テスト用の下書きページは除外します。
- 更新頻度と優先度: たとえばニュースは「毎日」、ブログ記事は「週1」などと設定します。これは目安で、過度に細かく設定する必要はありません。
動作確認と注意点
- ブラウザで sitemap.xml を開いてリンクが正しく並んでいるか確認します。
- キャッシュプラグインを使う場合はキャッシュをクリアすると反映が早くなります。
- 大規模サイトでは生成に時間がかかる場合があります。その際は分割や別の方法を検討してください。
手動でコードを記述する方法
はじめに
細かい制御が必要なときは、手動でXMLを作成します。Googleが推奨する基本要素は、loc(URL)、lastmod(最終更新日)、changefreq(更新頻度)、priority(優先度)です。自由度が高い反面、手作業が必要になります。
基本の雛形
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-15</lastmod>
<changefreq>daily</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
</urlset>
各要素の説明
- loc: 絶対URLを記載します(http/httpsを含む)。
- lastmod: ISO 8601形式(例: 2025-01-15)で最終更新日を記載します。更新日時まで正確に出せる場合は日時も可。
- changefreq: 値は常用語(always, hourly, daily, weekly, monthly, yearly, never)。ページの想定更新頻度を示す補助情報です。
- priority: 0.0〜1.0の範囲で優先度を示します。相対的な指標なので高すぎないように設定します。
実例(複数ページ)
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-15</lastmod>
<changefreq>daily</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
<url>
<loc>https://example.com/blog/post1</loc>
<lastmod>2024-12-20</lastmod>
<changefreq>monthly</changefreq>
<priority>0.6</priority>
</url>
</urlset>
作成時の注意点
- ファイルはUTF-8で保存してください。XML宣言を忘れないでください。
- URLは必ず絶対パスで記載します。末尾スラッシュの有無をサイト内で統一してください。
- changefreqやpriorityは目安です。頻繁に更新するページだけlastmodをこまめに更新すると効果的です。
- サイトマップは最大50,000 URL・圧縮前50MBまでです。超える場合は複数ファイルに分けてsitemap indexを作成します。
- 作成後はXMLの構文チェックとSearch Consoleでの登録・検証を行ってください。
以上を守れば、細かな要件にも対応できるカスタムなサイトマップを手作業で作成できます。
自動生成ツール「gulp-sitemap」を使う方法
概要
Node.js環境があれば、ローカルのHTMLファイルから簡単にsitemap.xmlを作れます。ここではgulpとgulp-sitemapを使う手順を分かりやすく説明します。
前提
- Node.jsとnpmがインストール済み(バージョンは最新安定版を推奨)
インストール(例)
npm install --save-dev gulp gulp-sitemap
gulpfile.jsの例
const gulp = require('gulp');
const sitemap = require('gulp-sitemap');
gulp.task('sitemap', function () {
return gulp.src('dist/**/*.html', {read: false})
.pipe(sitemap({siteUrl: 'https://example.com'}))
.pipe(gulp.dest('./dist'));
});
- 上記はdistフォルダ内のHTMLを対象にsitemap.xmlを生成します。siteUrlは自分のサイトのURLに置き換えてください。
実行方法
npx gulp sitemap
これでdist/sitemap.xmlが生成されます。
主なオプションの説明
- siteUrl: サイトのルートURL。必須です。
- changefreq: ページの更新頻度(例: daily, weekly)。省略可。
- priority: ページの優先度(0.0〜1.0)。省略可。
- lastmod: ファイルの最終更新日を使う設定も可能です。
注意点と確認方法
- 相対パスではなくsiteUrlで絶対URLを指定してください。
- HTML以外は除外するかパターンで指定します(例: ‘dist/*/.html’)。
- 生成後はブラウザやテキストエディタでsitemap.xmlを開き、URLの先頭が正しいか確認してください。
この手順で自動化すれば、ビルド時に常に最新のサイトマップを作成できます。
サイトマップの配置場所
配置の基本ルール
サイトマップは基本的にドメイン直下(例:https://example.com/sitemap.xml)に置きます。検索エンジンはそこを優先して確認するため、見つかりやすくなります。ファイル名は一般的に sitemap.xml とします。
サブディレクトリに置く場合の注意
サブディレクトリ(例:https://example.com/blog/sitemap.xml)に置いても構いませんが、配置場所による制限があります。サイトマップは同じドメイン内のURLを記述できますが、別ドメインや異なるサブドメインのURLは含められません。複数ディレクトリで分割する場合は、各サイトマップが示すURLの範囲を確認してください。
複数サイトマップを使うとき
ページ数が多い場合は複数のサイトマップに分割します。分割したサイトマップはドメイン直下に置くか、サイトマップインデックスファイル(index)でまとめて指定します。robots.txtにサイトマップの場所を記載すれば検索エンジンが見つけやすくなります。
実用的な例
- 単一サイトマップ: https://example.com/sitemap.xml
- ディレクトリ別: https://example.com/blog/sitemap.xml(blog内のURLのみ)
配置場所と記載URLの範囲を合わせて管理してください。
Google Search Consoleへの登録方法
1. Search Consoleにログイン
Googleアカウントでhttps://search.google.com/search-console/にアクセスし、ログインします。
2. プロパティを追加
「プロパティを追加」を選び、サイトの種類を選びます。ドメイン(例:example.com)を使うとサブドメインやhttp/httpsもまとめて管理できます。簡単に済ませたい場合はURLプレフィックス(例:https://www.example.com)を選びます。
3. 所有権の確認
DNSレコード追加、HTMLファイルのアップロード、HTMLタグの設置、または既存のGoogle Analytics/Tag Managerを使って確認します。DNSが最も広範囲に有効です。
4. サイトマップの送信
左メニューの「サイトマップ」を開き、「新しいサイトマップの追加」にサイトマップのパス(例:sitemap.xml)を入力して送信します。
5. 送信後の確認と運用
送信後はステータス、インデックスされたページ数、エラーを確認します。サイトを更新したら再送信するか、Googleが再クロールするのを待ちます。robots.txtにサイトマップのパスを記載すると発見が早まります。URL検査ツールで個別ページの状況を確認できます。












