はじめに
本資料は、Google Search Console（以下、サーチコンソール）の「拡張」機能に関する調査結果をやさしくまとめたものです。拡張の定義、リッチリザルトの種類と状態判定、エラーの修正方法、サーチコンソールの主な機能、拡張を使った効率化、データの可視化と分析までを取り扱います。
目的
サーチコンソールの拡張機能を正しく理解し、検索結果での表示改善や運用負荷の軽減につなげることを目的としています。具体的には、表示できるリッチリザルトの種類を知り、エラーを見つけて直す流れを身につけます。
誰に向けているか
- サイト運営者やコンテンツ担当者
- マーケティング担当者
- 開発者（非専門家でも分かる内容です）
本資料の構成
第2章では拡張とは何かと確認方法、第3章はサーチコンソールの主要機能、第4章で拡張を使った効率化、第5章でデータの可視化と分析を解説します。章ごとに手順や具体例を示します。
読み方のポイント
まず第2章で自サイトの状態を確認し、問題が見つかったら第3章・第4章で対処と改善策を試してください。用語は最小限にし、実例を交えて説明します。
サーチコンソールの「拡張」とは？確認方法と問題の修正方法
概要
サーチコンソールの「拡張」レポートは、Googleが検出したリッチリザルト（構造化データに基づく特別表示）の状態を確認するための機能です。サイトごとに「無効」「有効（警告あり）」「有効」が集計され、時系列での変化も見られます。これにより意図した表示が実際に機能しているか判断できます。
レポートの見方
- 概要タブ：全体の件数と増減、最近の問題を把握します。
- 詳細タブ：種類別（パンくず、FAQ、レシピなど）にエラーや警告のURL一覧を確認できます。
- グラフ：時系列で有効/無効の推移をチェックできます。
代表的なリッチリザルト例
- パンくずリスト
- FAQ（よくある質問）
- レシピ
- 商品（価格や在庫情報）
- サイトリンク検索ボックス
これらは合計で多数あり、使っている機能を優先して点検します。
状態判定の意味と対応優先度
- 無効：表示されていない。最優先で修正します。
- 有効（警告あり）：表示されるが一部情報が欠ける。優先度は中程度です。
- 有効：正しく表示。定期チェックで問題がないか確認します。
修正の進め方（実践手順）
1) 原因特定：詳細ページで該当URLとエラー内容を確認します。具体例は必須プロパティの欠如や型の誤りです。
2) 修正実装：JSON-LDなどで構造化データを正しく記述します。例としてパンくずやWebSiteの設定を見直します。
3) テスト：GoogleのリッチリザルトテストやURL検査ツールで問題が解消したか確認します。
4) 検証依頼：サーチコンソールから「問題を修正しました」を送信すると、Googleが再クロールし進捗をメールで通知します。
サイトリンク検索ボックスの注意点
検索ボックスはWebSiteスキーマのpotentialActionで設定します。内部検索のURL構造を明確にし、構造化データを正しく付与することでGoogleに認識されやすくなります。
Google Search Consoleの主な機能
サマリー
サマリーでは検索パフォーマンス、インデックス作成、エクスペリエンス、拡張など複数のレポートを時系列で確認できます。全体の傾向を把握し、改善が必要な箇所を素早く見つけられます。
検索パフォーマンス
ここでは「クエリ」「ページ」「掲載順位」「クリック数」「表示回数」などを確認できます。例：あるキーワードの掲載順位が下がったとき、どのページが影響を受けているか特定できます。
インデックスカバレッジ
どのページがGoogleに登録されているか、エラーや警告の有無を表示します。たとえばnoindexやサーバーエラーでインデックスされていないページを見つけて修正できます。
エクスペリエンスと拡張
SSL（HTTPS）の有効性やパンくずリストなどの構造化マークアップの不備をチェックできます。拡張機能の問題がある場合、該当ページと具体的な修正案が示されます。
URL検査・サイトマップ
個別URLのインデックス状況を確認したり、サイトマップを送信して効率的にクロールを促せます。URL検査で最新のインデックス状況を即座に確認できます。
セキュリティ・手動対策、リンク
不正な操作や手動ペナルティ、外部リンクの状況も確認できます。不正な被リンクやマルウェア検出時の対応がスムーズになります。
拡張機能を活用した効率化
概要
Search Analytics for Sheets（SAS）とブラウザ拡張を組み合わせると、サーチコンソールの大量データを手早く取得・分析できます。手作業を減らし、定期レポートやキーワード検出を効率化できます。
Search Analytics for Sheetsの基本操作
- アドオンをインストールし、Googleアカウントで認証します。
- シート上で期間・プロパティ・クエリやページを設定してデータを取得します。
- 取得した表をフィルタやピボットで整形し、重要な指標だけ抽出します。
具体例: サイト内の上位100クエリを週次で取得し、CTRや掲載順位の変化を追います。
自動化のコツ
- スクリプトやアドオンのスケジュール機能で定期実行します。毎朝や毎週の定期取得に便利です。
- 取得後に自動でフィルタや条件付き書式を適用すると確認が早くなります。
Chrome拡張の使い方（代表例）
- キーワード候補作成：関連ワードや検索意図を広げます。
- 検索ボリューム確認：大まかな需要を判断できます。
- ページ／ドメイン評価：PAやDAで外部比較ができます。
- SERP表示とリンク比較：競合の上位ページと指標を並べて確認します。
実務でのワークフロー例
1) キーワード候補を拡張で作成→2) SASで対象クエリの実績を取得→3) シートで優先順位付け→4) 改善施策へ反映。
注意点
- APIの取得上限やデータの遅延に注意してください。個人情報や機密データの扱いにも配慮してください。
データの可視化と分析
はじめに
Looker Studioを使うと、Search ConsoleとGoogle アナリティクスの指標を一つの画面で見られます。複数ツールを行き来する手間が減り、サイト改善の判断が早くなります。
なぜ可視化が重要か
具体例：あるページの検索からのクリック数は増えているが、セッションやコンバージョンが伸びない──この差を一目で把握できます。優先度を決めやすくなり、改善の効果も確認しやすくなります。
簡単な設定手順（3ステップ）
- Looker Studioで新しいレポートを作成し、Search Consoleとアナリティクスをデータソースとして追加します。
- ページやクエリごとの指標をテーブルやグラフで並べます（例：クリック数とセッションを並列表示）。
- 日付フィルタやページフィルタを設定して、必要な範囲だけを絞り込みます。
見るべき指標と活用例
- クリック数／CTR：タイトルやスニペットの改善箇所が分かります。
- 平均掲載順位：検索での見え方を確認します。
- セッション／直帰率：流入後のサイト内行動を把握します。
- コンバージョン率：集客施策の効果を評価します。
例：CTRは高いがコンバージョンが低ければ、ランディングページの内容を見直します。
分析のコツ
- 日付比較で季節変動や施策の効果を確認します。
- セグメント（新規/リピート、モバイル/デスクトップ）で傾向を分けて見ます。
- 可視化は目的に応じて使い分けます（トレンドなら線グラフ、内訳は円や棒）。
注意点
データは遅延やサンプリングが発生する場合があります。プロパティやビューの紐付けを確認してから分析してください。
