サーチコンソールのカバレッジがなくなった時の原因と対処法

目次

はじめに

本書の目的

本報告書は、Google Search Consoleの「カバレッジ」機能に関する調査結果を分かりやすくまとめたものです。カバレッジレポートの見方と役割、よくあるエラーとその対処法、インデックスのズレが起きる理由と修正の流れを丁寧に解説します。

なぜ重要か

検索結果への登録(インデックス)は、サイトの流入に直接影響します。問題を放置すると表示機会を失うため、早めの把握と対応が大切です。本書は具体的な確認手順と実践的な対処法を中心にしています。

対象読者

サイト運営者、Web担当者、SEO初心者から中級者までを想定しています。専門知識がなくても理解できるよう、専門用語は最小限にし具体例で補います。

本書の構成(簡単な案内)

第2章〜第9章で、カバレッジの仕組み、レポート確認、各種エラーの説明と対処、修正の検証方法、更新が遅れる場合の対応、定期的なモニタリングの重要性まで順に解説します。実務で使える手順を意識して記載しています。

Google Search Consoleのインデックスカバレッジとは

1. 概要

Google Search Console(以下GSC)のインデックスカバレッジは、あなたのサイトがGoogleの検索結果にどれだけ登録(インデックス)されているかを確認する機能です。ページ単位で「登録済みか」「登録されていないか」「エラーがあるか」を一覧で把握できます。これにより、検索で表示されないページの原因を見つけやすくなります。

2. 主な分類と分かりやすい例

  • エラー(Error): Googleがそのページを登録できていない状態です。例)サーバーで500エラーが出る、robots.txtでブロックされる。
  • 警告あり(Valid with warnings): 登録されているが注意点がある状態です。例)インデックスはされているが重複コンテンツやメタ情報の問題がある。
  • 登録済み(Valid): 正常にインデックスされています。検索に表示される可能性があります。
  • 除外(Excluded): 意図的に登録しない、またはGoogleが登録しないと判断したページです。例)noindexが付いている、正規化され別ページに統合されている。

3. なぜ重要か

インデックスされないと検索からの流入が見込めません。GSCのカバレッジは早く問題を検知できるため、検索流入の改善やユーザーのアクセス確保に役立ちます。また、どのページを優先的に修正すべきかの判断材料になります。

4. 使い方のヒント

  • エラーは優先的に確認し、URL検査やサーバーログで原因を突き止めましょう。
  • 除外の理由(noindexやcanonicalなど)を把握し、意図的かを確認します。
  • 小さな修正後は「検証の開始」でGoogleに再チェックを促せます。

これらを定期的に確認することで、検索で表示されるページを増やしやすくなります。

カバレッジレポートの確認方法

操作手順

  1. Google Search Consoleにログインし、対象サイト(プロパティ)を選択します。
  2. 左メニューの「インデックス」→「カバレッジ」をクリックします。
  3. 上部のグラフで総数の推移を確認し、下部のステータス別リストを見ます。
  4. ステータス(例:エラー、有効、除外、有効(警告))をクリックすると、該当ページの一覧が表示されます。
  5. 個別のURLは一覧から選び「URL検査」を行うと、詳細なインデックス状況や最終クロール日が分かります。
  6. 必要に応じてリストをエクスポートし、修正作業に使います。

画面の見方(主な項目)

  • グラフ:時間ごとのインデックス数の変化を示します。急な増減があれば原因を調べます。
  • ステータス別数値:何件がエラーか、何件が除外かを把握します。例えばrobots.txtやnoindexで除外されることがあります。
  • サンプルURL:問題のあるページを具体的に確認できます。問題の説明リンクから対処法のヒントも得られます。

よく使う機能と活用例

  • フィルタで問題の種類を絞ると優先度が付けやすくなります。
  • 日付範囲を比較して、修正前後の変化を確認します。
  • エラー修正後はURL検査で「インデックス登録をリクエスト」して更新を促します。

これらを定期的に確認すると、問題の早期発見と対応がしやすくなります。

ページのインデックス数とズレの理由

サーチコンソールの「インデックス数」は、サイトにあるすべてのページ数と必ずしも一致しません。ここでは、よくある原因と確認・対処の方法を具体例でわかりやすく説明します。

主な原因と具体例

  • noindex指定
  • ページにがあると検索に載りません。たとえば、誤って管理画面で公開ページにnoindexを付けるケースがあります。
  • canonicalタグで別ページが優先
  • 同じ内容のページが複数あると、canonicalで代表ページを示して検索は代表のみを記録します。例:商品AのPC版とスマホ版で片方を代表にしている場合です。
  • 重複ページ(パラメータやURL違い)
  • ?utm_sourceなどのキャンペーンパラメータや、/pageと/page/のような違いで別URL扱いになり、検索側は一部だけをインデックスすることがあります。
  • クロールエラーや404、サーバーエラー
  • ページが存在しない(404)やサーバーが不安定だとインデックスされません。
  • robots.txtや認証でブロック
  • ステージング環境を誤ってブロックしていると、そのページはカウントされません。
  • リダイレクト済みページ
  • 恒久的に別URLへリダイレクトしている場合、元のURLはインデックスされません。
  • 内容が薄い・ソフト404扱い
  • 実質的に中身が無いページは検索エンジンに無視されることがあります。

確認と簡単な対処の流れ

  1. カバレッジレポートで該当URLのステータスを確認します。
  2. 問題が見つかれば、URL検査で詳細(HTTPステータス、metaタグ、canonicalなど)をチェックします。
  3. 誤設定(noindexやrobotsの記述、誤ったcanonical、不要なパラメータ)を修正します。
  4. 修正後は該当ページを再クロール依頼し、反映を待ちます。

上記を順に確認すれば、インデックス数と実際のページ数のズレをほとんど解消できます。必要なら具体的なURLを教えていただければ、より詳しい確認手順をお伝えします。

代表的なエラーの種類と対処法

404エラー(ページが見つからない)

原因: 存在しないURLへのアクセス、URLの誤記、ページ削除、リダイレクト未設定など。
確認: Search ConsoleのURL検査や実際にブラウザでアクセスしてステータスを確認します。
対処法: 正しいURLにリダイレクト(301)する、誤記を修正する、削除が意図的ならカスタム404ページを用意します。
具体例: 古い記事を別のURLに移した場合、旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定します。

400エラー(不正なリクエスト)

原因: リクエストヘッダやパラメータの欠落、URLの不正文字など。
確認: ブラウザの開発者ツールやサーバーログでリクエスト内容を確認します。
対処法: 不正なリンクを見つけて修正する、アプリやフォーム送信の検証を強化します。
具体例: クエリ文字列に全角文字が混じるとエラーになる場合があります。

410エラー(恒久的に削除されたページ)

原因: サイト管理者が意図的に完全削除したときに返すステータスです。
確認: サーバー設定やレスポンスヘッダで410が返っているか確認します。
対処法: 削除が正当なら放置してインデックスから自然に外す、復活させるなら302/301でリダイレクトか再作成します。

ページ削除ツールによるブロック

原因: Search Consoleの「削除」ツールで一時削除をリクエストした場合や、robots.txtやメタタグでブロックした場合。
確認: Search Consoleの削除リクエスト履歴、robots.txt、meta noindexタグを確認します。
対処法: 誤って削除しているなら削除リクエストを取り消す、robots.txtやnoindexを外して再クロールを依頼します。

補足(サーバーエラーなど)

500番台のエラーは一時的な問題で発生します。サーバーの稼働状況を確認し、必要ならホスティング業者に連絡してください。

各エラーはまず原因を正確に確認し、その上で最小限の修正を行い再クロールを依頼する流れが基本です。

インデックス未登録エラーについて

概要

「インデックス未登録」は、Googlebotがページをクロールしたがインデックスには登録しなかった状態を指します。カバレッジレポートで「インデックス未登録」やURL検査の詳細に表示されます。SEO上見落とせない警告です。

主な原因(具体例を含む)

  • コンテンツが薄い・重複している:短い説明文だけのページや、他ページとほぼ同じ内容だと登録されにくいです。例:商品説明がメーカー原文そのまま。
  • 正規化(canonical)が別URLを指している:canonicalで他ページを優先するとこちらは外されます。
  • 一時的なクロール障害:サーバーの応答が遅かったりエラーが出た場合、クロールはしても登録しないことがあります。
  • 新規ページで優先度が低い:まだ評価が付かない新しいページは後回しになります。

確認手順(すぐにできること)

  1. Google Search ConsoleのURL検査で該当URLを調べる。最終クロール日時や理由が出ます。
  2. ページのHTMLを確認し、meta robotsのnoindexやrel=”canonical”を確認する。
  3. サーバーのステータス(200, 3xx, 4xx, 5xx)やレスポンス時間を確認する。

対処方法(優先順)

  1. URL検査で理由を確認し、明確な問題があれば修正する。
  2. コンテンツを充実させ、内部リンクを増やす(例:関連記事からリンクする)。
  3. 不要なnoindexや誤ったcanonicalを削除する。
  4. サーバー応答を改善し、安定化させる。
  5. 修正後、URL検査の「インデックス登録をリクエスト」で再送信する。

注意点

  • 数日から数週間で解決する場合があります。即時反映は保証されません。
  • スパム的な手法や低品質な文章でインデックスを強制することは避けてください。

修正の検証方法

概要

修正対応後は、Search Console のカバレッジ画面にある「修正を検証」ボタンで反映を確認します。ボタンを押すと Google が問題箇所を再チェックし、結果を返します。

準備と基本手順

  1. 修正をサイトに反映し、公開されていることを確認します(例:404 を 200 に戻す、noindex を削除する)。
  2. サイトマップを更新している場合は再送信すると早く伝わります。
  3. Search Console の「カバレッジ」を開き、該当する問題の行をクリックします。
  4. 画面右上の「修正を検証」を押します。テストが始まり、検証中のステータスが表示されます。

結果の見方と目安

  • 検証中: Google が再クロールしている最中です。数時間から数日かかることがあります。
  • 合格: 問題が解消されており、数日でカバレッジが更新される見込みです。インデックス状況も徐々に反映します。
  • 失敗: 同じ問題が残っているか、新たな問題が見つかりました。エラーメッセージを読み、該当箇所を修正して再度検証してください。

注意点とトラブルシュート

  • キャッシュや古いページが残ると検証に影響します。公開状態をブラウザや curl で確認してください。
  • robots.txt や noindex タグでブロックしていないかを必ず確かめます。
  • 合格になってもすぐにインデックスされない場合があります。1〜2 週間程度待ってから追加対応を検討してください。

検証失敗時の次の一手

失敗したら具体的なエラー説明を元に再修正します。必要なら該当 URL を Fetch as Google(URL 検査)で個別にテストし、原因を絞ってください。繰り返し検証と確認を行うことで、確実に問題を解消できます。

カバレッジが更新されない場合の対応

まず落ち着いて待つ

修正後すぐに反映されないことはよくあります。一般には数日から2週間ほどかかるので、まずは焦らず待ちます。短期間で何度も操作すると逆に混乱します。

更新状況の確認方法

  • サーチコンソールのカバレッジレポートを定期的に確認します。
  • URL検査ツールで対象ページをチェックし、インデックスステータスの変化を見ます。
  • サーチコンソールからのメール通知も見逃さないでください。

よくある原因と対処

  • robots.txtやnoindexが残っている場合:設定を修正して再申請します。
  • サーバーエラーや応答遅延:サーバーのログを確認し改善します。
  • 内部リンクが少ない/孤立している:サイト内でリンクを増やしてクロール経路を作ります。
  • 正規化(canonical)の誤設定:canonicalタグを見直します。

追加でできること

短期間で確認したい場合はURL検査から再クロールをリクエストします。大幅な変更後はXMLサイトマップを更新し、サーチコンソールで送信してください。修正履歴を残すと、後で原因をたどりやすくなります。

定期的なモニタリングの重要性

はじめに

インデックスカバレッジを一度直して終わりにしないことが大切です。状態は日々変わるため、定期的に確認すると新しい問題を早く見つけられます。

何を確認するか

  • エラー:404やnoindexなど、サイトの表示に影響する項目を優先します。
  • 警告:クローラが注意しているページをチェックします。
  • 有効ページ数:意図したページがインデックスされているか確認します。

確認頻度の目安

  • 小規模サイト:週に1回
  • 中〜大規模サイト:週2〜3回、重要変更後は即時確認

自動化と通知設定

Search Consoleの通知やサイト監視ツールを使うと見落としを減らせます。重要な増減があればメールやSlackで受け取ると便利です。

優先順位と対応フロー

問題が見つかったら、まず影響範囲を把握し、重要度の高いページから修正します。修正後は検証を実行して反映を確認します。

実務のポイント

定期チェックをルーチン化し、担当者を決めておくと継続しやすくなります。ログを残すと原因追跡に役立ちます。

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