はじめに
本記事の目的
この章では、Googleサーチコンソールの不要なアカウントや権限を安全に削除する方法と注意点を分かりやすく説明します。対象はサイト管理者や担当者で、専門知識がなくても理解できる内容にしています。具体的な手順は次章以降で丁寧に解説します。
削除が必要な理由
- セキュリティ向上: 退職した担当者や不要な外部パートナーの権限を残すと、情報漏えいや意図しない変更リスクが高まります。例えば、前任者のメールアドレスが残っていると、不正アクセスの足掛かりになります。
- 管理の簡素化: 不要なプロパティやアカウントを整理すると、管理者が必要な情報に素早くアクセスできます。
本記事で扱う主な項目(概要)
- ユーザー権限の削除方法(個別のユーザーを外す手順)
- プロパティ(サイト情報)の削除方法(サイト自体を扱わなくする手順)
- 所有権トークンの削除と不正ユーザー対策(証明に使う情報の無効化)
続く章で、実際のメニューの位置や注意点、削除前に行うべきバックアップなどを具体例を交えて説明します。まずはなぜ削除が大切かを理解していただければと思います。
サーチコンソールのユーザー権限の削除方法
手順(操作画面に沿って)
- Googleサーチコンソールにログインします。
- 左側メニューの「設定」をクリックします。
- 「ユーザーと権限」を選びます。
- 削除したいユーザーの右側にある縦三点アイコン(︙)をクリックします。
- 表示されるメニューで「権限の削除」を選択し、確認画面で「ユーザーの削除」をクリックします。
削除後の影響
- 削除されたユーザーは該当プロパティへアクセスできなくなります。
- 操作はオーナー権限を持つアカウントのみ可能です。複数オーナーがいる場合、他のオーナーは引き続き管理できます。
誤削除を防ぐためのポイント
- 削除前に対象ユーザーへ事前連絡を行ってください。
- 重要な設定やデータがある場合はスクリーンショットやメモを残しましょう。
- まず権限を“閲覧のみ”や“制限付き”に変更して様子を見る方法も有効です。
オーナー権限の取り扱い
- オーナー権限はサイト管理の最終責任者に限定してください。
- 不要なオーナー権限は速やかに削除し、権限付与は必要最小限にとどめます。
- 万が一のため、信頼できる複数名で権限を分担する運用も検討してください。
プロパティ(サイト情報)の削除方法
概要
サーチコンソールに登録したプロパティ(サイト情報)を削除すると、そのプロパティのデータが自分のサーチコンソール画面から見えなくなります。他のユーザーにも影響が出る場合があるため、事前の確認が大切です。サイト自体がGoogle検索から消えるわけではなく、インデックス削除は別途手続きが必要です。
削除手順(簡単なステップ)
- サーチコンソールにログインし、対象のプロパティを選択します。
- 左下の「設定」をクリックします。
- 「プロパティを削除」を選びます。
- 表示されたポップアップで内容を確認し、「プロパティを削除」をクリックして確定します。
※ 削除操作は、プロパティのオーナー権限があるアカウントで行ってください。権限がない場合は削除できません。
削除前に確認すること
- データのバックアップ:必要なレポートやCSVをエクスポートしておきます(パフォーマンスやカバレッジなど)。
- 関係者への連絡:チームや委託先に削除予定を伝え、影響範囲を共有します。
- 他のアクセス方法の確認:APIや連携ツールを利用している場合は設定を見直してください。
削除後の影響と対応
- サーチコンソール上の履歴データは表示されなくなりますが、再度プロパティを追加して所有権を確認すればデータの収集は再開できます。
- Googleの検索結果からサイトを消すには別途「インデックスの削除」やrobotsやmetaタグでの制御が必要です。
補足(再登録のポイント)
プロパティを誤って削除した場合でも、再登録して所有権を証明すれば再び利用できます。重要なデータは事前にエクスポートしておくと安心です。
所有権トークンの削除と不正ユーザー対策
概要
不正ユーザーが再び所有権を取れないよう、サイト上に残る確認用トークン(HTMLファイル、METAタグ、DNSのTXTレコード、Googleアナリティクスやタグマネージャーの連携情報など)を確実に削除します。必要に応じて技術者へ相談してください。
所有権トークンの削除手順
- HTMLファイル:サーバー(FTPやファイルマネージャー)やCMSのルートにある確認用ファイル(例: google*.html)を削除します。
- METAタグ:サイトのヘッダー設定またはCMSのカスタムHTMLから該当のタグを取り除きます。
- DNS(TXTレコード):ドメイン管理画面で対象のTXTレコードを削除します。反映に数分〜数時間かかる場合があります。
- Googleアナリティクス/タグマネージャー:連携設定(プロパティやタグ)を解除し、不要なトラッキングIDを削除します。
削除後の確認
- Search Consoleで所有権が消えているか確認します。
- ブラウザやサーバーのキャッシュをクリアして再確認してください。
- DNS削除後は反映状況をチェックします。
再発防止の対策
- 管理者パスワードを強化し、定期的に変更します。
- 不審なユーザーや権限を早めに削除し、最小権限の原則で設定します。
- 二段階認証を有効化し、可能ならIP制限やログ監視を導入します。
専門家への相談
サーバー操作やDNS設定に不安がある場合は、サーバー管理者や信頼できる技術者へ相談してください。安全に進めるための具体的な支援を受けられます。
権限削除のメリットと定期的な見直しの重要性
メリット
不要なユーザー権限を削除すると、セキュリティリスクが減ります。例えば、退職したスタッフや作業を終えた外部の開発者が残したアクセスを削除すれば、不正な変更や情報漏えいの可能性が下がります。管理もシンプルになり、誰がどの操作をできるかを把握しやすくなります。
見直すべきタイミング
- 担当者の交代や退職時
- 外部委託や契約の終了時
- 一時的に付与したアクセスの期限切れ時
- セキュリティ事故や不審なログを検知したとき
定期チェックの方法
- 定期スケジュール(例:3か月ごと)で権限一覧を確認します。サイト規模に応じて頻度は調整してください。
- 最小権限(必要な権限だけ付与)を徹底します。期限付きのアクセスを使うと管理が楽になります。
- ログや変更履歴を確認して、不審な操作がないかチェックします。
簡単なチェックリスト
- 直近で役割が変わった人はいるか?
- 契約が終了した外部メンバーはいるか?
- 期限付きアクセスは適切に削除されているか?
- 管理者権限が多すぎないか?
定期的に見直すことで、誤ったアクセスや乗っ取りリスクを未然に防げます。
サーチコンソールの権限の種類
概要
サーチコンソールの権限は主にオーナー、フルユーザー、制限付きユーザーの3種類です。役割ごとにできることが異なり、権限を適切に割り当てることでセキュリティと運用効率を両立できます。
オーナー(Owner)
- できること:すべてのデータ閲覧、プロパティの追加・削除、所有権の確認、ユーザーの追加・削除など管理全般を行えます。
- 例:社内の責任者やサイト運用の最終決裁者に付与します。
- 注意点:権限を誤って与えると重大な変更が行われるため、信頼できる人だけに限定してください。
フルユーザー(Full user)
- できること:ほとんどのデータ閲覧やレポート操作、サイトの問題確認などが可能です。ただしユーザー管理や所有権の変更はできません。
- 例:外部のSEO担当や分析チームに適しています。
制限付きユーザー(Restricted user)
- できること:閲覧に限定された操作のみ行えます。データの一部しか見られない場合があります。
- 例:クライアント向けの閲覧アカウントや一時的な参照用に使います。
割り当ての実務的な考え方
- 所有権は最小限の人数に限定します。運用担当はフルユーザーで必要十分です。外部関係者は制限付きにして、必要なら一時的に権限を上げる運用にしてください。
権限の確認方法(簡単)
サーチコンソールの設定→ユーザーと権限で現在の割当を確認できます。定期的に見直し、不要な権限は削除してください。
削除に関するよくある質問と注意事項
よくある質問
Q1: 削除すればGoogle検索から完全に消えますか?
A1: いいえ。サーチコンソールのプロパティや権限を削除しても、検索結果やキャッシュから即座に消えるわけではありません。検索結果から消したい場合は「URLの削除」やインデックス削除の申請が別途必要です。
Q2: 削除したユーザーはすぐにアクセスできなくなりますか?
A2: はい。権限を削除すれば、そのユーザーは直ちに該当プロパティへアクセスできなくなります。
Q3: オーナー権限を誤って全員削除したら?
A3: 非常に危険です。オーナーが誰もいなくなると管理操作ができなくなります。必ず別のアカウントにオーナー権限を与えてから既存のオーナーを削除してください。
注意事項と対策
- 削除前にバックアップのオーナーを用意する。具体例:自分の別メールをオーナーに追加する。
- インデックスや検索結果の削除はサーチコンソール内の別機能で申請する。
- 不正アクセスが心配ならパスワード変更、2段階認証の設定、所有権トークンの無効化を行ってください。
- 大切な操作は関係者に連絡して同意を得ると安全です。












