はじめに
目的
本ドキュメントは、Googleサーチコンソールで複数アカウントを扱う際の操作と、ユーザー権限の管理方法を分かりやすく解説します。画面の切り替えや権限設定で迷わないよう、具体的な手順と注意点を提示します。
対象読者
- 個人で複数のサイトを管理している方
- 会社やチームでSearch Consoleを共有する担当者
- 管理者から委任を受けて初めて操作する方
初心者の方でも理解できるよう、専門用語は最小限にして説明します。
本書で扱う内容
- 複数アカウントの切り替え方法(ページ内の切替やログアウト・再ログイン)
- ユーザーの追加・権限変更・削除の手順
- 権限の違い(閲覧と管理など)の分かりやすい説明
- 実際の使用シーンに基づいた具体例
進め方のポイント
手順は画面操作を中心に記載します。まずは切り替えや権限の基本を押さえ、次に実践的な操作に進んでください。例として、個人ブログと会社サイトを同じアカウントで運用する場合や、代理店に限定的な権限を与える場面を取り上げます。安心して操作できるよう、よくあるつまずきも後の章で扱います。
複数アカウント保有時の切り替え方法
概要
Googleサーチコンソールで複数アカウント(Googleアカウント)を登録していると、画面右上のアカウントアイコンから簡単に切り替えできます。ログインやログアウトを繰り返す必要がなく、作業をすばやく続行できます。
切り替えの手順(基本)
- 画面右上のアカウントアイコンをクリックします。
- 表示されたアカウント一覧から切り替えたいアカウントを選びます。
- 選択すると即座にそのアカウントのサーチコンソール画面に切り替わります。
事前にやっておくこと
- 複数のGoogleアカウントをブラウザに登録しておくと便利です。ブラウザのアカウントメニューから「別のアカウントを追加」を選び、必要なアカウントでログインしてください。
- 各アカウントに対して適切なプロパティ(サイト)のアクセス権があるか確認してください。権限がないと切り替えても対象サイトは表示されません。
モバイルでの注意点
モバイルアプリやモバイルブラウザではメニュー表示が異なる場合があります。メニュー内のアカウント切り替えを探すか、必要ならブラウザでデスクトップ表示に切り替えて操作してください。
トラブル対策
- 切り替えたいアカウントが一覧にない場合は、一度「別のアカウントを追加」してログインしてください。表示されないときはブラウザのキャッシュをクリアして再読み込みします。
- アクセス権がない場合は、管理者に権限付与を依頼してください。
アカウント切り替えの事前準備
準備するもの
- アカウントのメールアドレスまたはユーザーID
- 正しいパスワード(入力しやすい場所で準備)
- 二段階認証を使う場合は認証アプリやSMSの受信環境
- 端末(PCやスマホ)とブラウザ/アプリの最新版
追加前のチェックポイント
- 他のアカウントでログイン中の場合は、作業中の内容を保存します。
- パスワードをクリップボードにコピーする場合は、表示されるまで確認してください。
- 組織アカウントでは管理者の許可が必要なことがあります。必要なら事前に依頼してください。
アカウント追加の手順(事前準備の流れ)
- 追加したいアカウントの情報を用意します。
- サインイン画面でメールアドレスとパスワードを入力し、「次へ」をクリックします。
- 二段階認証が有効なら認証を完了します。
追加後の確認方法
- 画面右上のアイコンをクリックし、追加したアカウントが表示されていることを確認してください。
- 表示されない場合は一度ログアウトして再度ログインし直すと反映されることがあります。
問題が起きたときの対処
- パスワードで弾かれる場合はパスワードリセットを行い、メールの受信を確認します。
- 二段階認証で受信できない場合は認証アプリの時刻同期やSMS設定を確認してください。
- ブラウザのキャッシュやクッキーをクリアすると改善することがあります。
これらの準備を済ませることで、アカウント切り替えがスムーズになります。操作の前に落ち着いて準備を整えてください。
ユーザーと権限の概念理解
概要
サーチコンソールの権限は3種類に分かれます。「オーナー」「フル(完全)」そして「制限付き」です。それぞれ扱える範囲が異なり、共同で管理するときに重要になります。
各権限の役割
- オーナー:最高権限です。ユーザー管理(追加・削除)やプロパティ設定の変更ができます。複数オーナーを設定でき、実務上はアカウント管理者が持ちます。
- フル:ほとんどの機能を使えます。データの閲覧や検査ツールの利用、サイトマップ送信などが可能です。ただしユーザー管理はできません。
- 制限付き:閲覧や一部操作に限定されます。データ確認や簡単な検査だけ必要な外部担当者に向きます。
使い分けのポイント
権限は最小限の原則で配分してください。管理作業が必要な人だけオーナーにし、日常的な解析や改善はフル、閲覧だけで十分な場合は制限付きにします。権限を誤ると設定変更やデータ削除のリスクがあるため、付与前に役割を確認してください。
具体例
- 社内のサイト管理者:オーナー
- SEO担当者:フル
- 外部コンサルやクライアント:制限付き
権限を意識して割り当てると、安全で効率的に運用できます。
ユーザーを追加する手順
概要
左メニューの「設定」→「ユーザーと権限」を選び、「ユーザーを追加」ボタンをクリックします。追加したい相手のGoogleアカウントのメールアドレスを入力し、権限(オーナー/フル/制限付き)を選んで「追加」を押します。認証作業は不要で、即座に一覧に表示されます。
手順(わかりやすく順を追って)
- 左メニューの「設定」をクリックします。
- 「ユーザーと権限」を選択します。
- 画面右上の「ユーザーを追加」ボタンを押します。
- メールアドレス欄に追加したい人のGoogleアカウントを入力します(例:taro@example.com)。
- 付与する権限を選びます(オーナー=管理全般、フル=多くの操作可、制限付き=閲覧中心)。
- 「追加」をクリックすると、一覧に即表示されます。
入力する情報のポイント
- メールアドレスは正確に入力してください。誤入力だと別ユーザーが追加されます。
- 権限は後で変更できますが、付与前に役割を確認すると安全です。
追加後の確認と注意点
- 一覧に表示されたら、権限が正しく設定されているか確認します。
- オーナー権限は慎重に与えてください。アカウント設定の変更やユーザー管理が可能です。
トラブルシューティング
- 入力しても追加されない場合は、ブラウザを更新して再試行してください。キャッシュや権限の反映遅延が原因のことがあります。
- 間違えて追加した場合は、該当ユーザーを選んで削除または権限変更してください。
ユーザーの権限を変更する方法
操作手順
- 既存ユーザーの一覧で、変更したいユーザーのメールアドレス横にある3点メニュー(⋮)をクリックします。
- 表示されたメニューから「権限の変更」を選択します。
- 権限選択画面で、新しい権限(例:閲覧のみ、編集者、管理者など)を選びます。
- 「保存」ボタンをクリックして完了です。変更はいつでも繰り返せます。
適用タイミングと影響
多くのシステムでは、保存後すぐに権限が反映されます。場合によっては、対象ユーザーが再ログインすると新しい権限が有効になることがあります。
権限の選び方のポイント
- 閲覧のみ:情報を参照させたい場合に利用します。誤操作を防げます。
- 編集者:内容の修正や追加が必要な担当者に適します。
- 管理者:アカウント管理や権限変更を行う場合に付与します。最小限の人数に留めると安全です。
注意点
- 自分以外の管理者がいない状態で自分の権限を下げないでください。アクセス不能になる恐れがあります。
- 変更履歴や監査ログがあれば、誰がいつ変更したかを確認しておくと安心です。
よくあるケースと対処例
- 間違えて権限を下げた場合:別の管理者に元の権限へ戻してもらうか、サポートに連絡してください。
- 複数ユーザーに同じ権限を設定する場合:一つずつ行う以外に、管理画面でまとめて変更できる機能があれば活用してください。
ユーザーを削除する方法
手順
- 管理画面で対象ユーザーの行を見つけます。
- その行の3点メニュー(⋮)をクリックします。
- メニューから「権限の削除」または「ユーザーの削除」を選びます。
- 確認ダイアログが表示されたら「OK」または「ユーザーの削除」を押して確定します。
削除後の影響
- 該当ユーザーのアクセス権は即時に取り消されます。
- 共有ファイルやコメントは通常そのまま残りますが、所有権がある場合は別ユーザーへ移す必要があります。
削除前のチェックリスト
- 重要なファイルやデータの所有権移行を行う。
- 必要なログやエクスポートを保存する。
- そのユーザーの進行中作業を引き継ぐ担当を決める。
復元と注意点
- 一部のシステムでは一定期間内に復元できる場合があります。復元方法は管理画面の「ユーザー復元」やサポートを確認してください。
- 完全削除になるとアクセスは戻りません。慎重に操作してください。
小さなコツ
- 先に権限を一時停止して問題ないか確認すると安全です。
- 削除前にユーザーへ通知しておくと混乱を避けられます。
よくある質問と回答
以下は、ユーザー管理でよく寄せられる質問とその回答です。簡潔に、実務で役立つ点に絞って説明します。
Q1: 追加したユーザーはすぐにアクセスできますか?
A: はい。招待後すぐにログインして作業できます。招待メールの承認が必要な場合は、受信確認を促してください。
Q2: 権限は後から変更できますか?
A: はい。必要に応じて権限を上げ下げできます。作業内容が変わったときに柔軟に対応してください。
Q3: 削除したユーザーを同じメールで再追加できますか?
A: はい。削除後でも同じメールアドレスで再度追加できます。チーム構成の変更に合わせて調整してください。
Q4: 削除するとデータはどうなりますか?
A: 一般的には削除でアクセスが止まりますが、所有するファイルや履歴は残る場合があります。重要なデータは事前に引き継ぎしてください。
Q5: 権限変更の履歴は確認できますか?
A: 多くのケースで操作ログが残ります。いつ誰が変更したかを確認すると管理が楽になります。
Q6: 誤って削除してしまったときは?
A: すぐに同じメールで再追加し、必要な権限を復元します。復旧が難しい場合は管理者やサポートに相談してください。
実践的な使用シーン
シナリオ1: 新メンバーのオンボーディング
新しくメンバーが加わるときは、まず閲覧権限でスタートします。具体的には「閲覧者」を付与し、作業に慣れたら必要に応じて「編集者」に昇格します。権限は1週間単位やタスク単位で見直すと安全です。
シナリオ2: テスト環境と本番環境の分離
開発や検証はテストプロパティで行い、本番プロパティは限定された少数のオーナーが管理します。こうすることで操作ミスや権限の乱用を防げます。
シナリオ3: 緊急対応時の代理アクセス
担当者が不在の場合は一時的に高権限を付与します。作業時間と対象を明確にし、作業後すぐに権限を戻してください。
シナリオ4: 監査とログ確認
定期的にユーザー権限と操作ログを確認します。不審な変更があれば権限を一時停止して調査します。
実務のコツ
・最低権限の原則を徹底する。
・プロジェクトフェーズごとに権限表を作る。
・権限変更は記録して残す。
以上を守るとセキュリティを保ちながら効率的に運用できます。












