はじめに
本記事は、Googleサーチコンソールの「ドメインプロパティ」と「URLプレフィックスプロパティ」の違いと選び方を、初心者向けにやさしく丁寧に解説するために作りました。専門用語はできるだけ使わず、具体例を交えて説明します。
対象読者:
– 自分のサイトを持つ個人・中小企業の方
– サイトの検索表示や集客を改善したい方
– サーチコンソールの設定で迷っている初心者
この記事で学べること:
– 両プロパティの管理範囲の違い(例: example.com と https://www.example.com)
– それぞれの特徴と設定のしやすさ
– メリット・デメリットの比較
– ケース別の選び方の目安
読み方のポイント:
まず第2章で「ドメイン」と「URLプレフィックス」の違いを把握してください。その後、各プロパティの詳しい特徴(第3章・第4章)を読み、比較表(第5章)で違いを確認すると選びやすくなります。最後に第6章で、自分の状況に合った選び方を提案します。
これから順に説明しますので、気軽に読み進めてください。
サーチコンソールの「ドメイン」と「URLプレフィックス」は何が違うのか?
概要
サーチコンソールでサイトを登録する際、2つのプロパティタイプから選びます。見た目は似ていますが、管理する範囲が根本的に違います。ここでは簡潔に違いを説明します。
主な違い(簡単な言い方)
- ドメインプロパティ: ドメイン全体をまとめて管理します。例)example.com に対しては、http/https、www あり/なし、サブドメイン(blog.example.com など)すべてを含みます。
- URLプレフィックス: 入力したURLで始まる範囲だけを管理します。例)https://www.example.com/blog/ を登録すると、そのURL以下だけが対象です。
具体例で確認
- あなたが https://example.com と http://www.example.com の両方を運用している場合、ドメインプロパティなら一括でデータが見られます。URLプレフィックスで https://example.com を登録しているだけだと、http://www.example.com のデータは反映されません。
検証方法の違い(簡単に)
- ドメインプロパティ: DNS(ドメインの設定)での確認が必要です。
- URLプレフィックス: HTMLファイルやメタタグ、GAタグなどで比較的簡単に確認できます。
なぜ違いを知る必要があるか
誤ってURLプレフィックスだけ登録すると、意図したページが計測されずデータが分散します。SEOの判断や問題発見がしにくくなります。運用の手間や解析の精度に直結するため、最初にどちらを使うか選んでください。
補足(選ぶときのポイント)
ドメイン全体を把握したければドメインプロパティ、特定のサブサイトやパスだけを管理したければURLプレフィックスが向きます。
ドメインプロパティとは?管理できる範囲と特徴
定義
ドメインプロパティは、入力したドメイン配下のURLを丸ごと計測するプロパティタイプです。たとえば「example.com」を登録すると、https://example.com、http://example.com、https://www.example.com、https://blog.example.com(サブドメイン)など、同じドメインに属するすべてのURLが対象になります。
管理できる範囲
- プロトコルの違い(http/https)をまたいで計測します
- wwwの有無や複数のサブドメインも含みます
- ドメイン以下のすべてのパス(/、/about、/products など)をまとめて管理します
特徴とメリット
- データが一元化されるため、サイト全体の検索パフォーマンスやインデックス状況を把握しやすいです
- サブドメイン運用やプロトコル移行(http→https)をしている場合に便利です
- 推奨レベルが高く、特に複数ドメイン形式で運用するサイトに向きます
注意点(デメリット)
- 所有権の確認にDNSへのTXTレコード追加が必要です。ドメインの管理権限がないと設定できません
- DNS反映に時間がかかることがあります
- サブドメイン単位で別々に分析したい場合は、URLプレフィックスを併用する必要があります
設定の簡単な流れ
- サーチコンソールでドメインを登録
- 指示されたTXTレコードをDNSに追加
- 反映を待って所有権を確認
以上がドメインプロパティの範囲と特徴です。
URLプレフィックスプロパティとは?対象範囲と特徴
定義
URLプレフィックスプロパティは、登録したURLの先頭(プレフィックス)で始まるページだけを計測するタイプです。たとえば「https://example.com/blog/」を登録すれば、その配下にあるページが対象になりますが、ルート直下や別サブドメイン、異なるプロトコルは対象外です。
対象範囲(わかりやすい例)
- 登録例: https://example.com/blog/
- 対象: https://example.com/blog/post1、https://example.com/blog/2025/01/
- 非対象: https://example.com/、http://example.com/blog/、https://blog.example.com/
主な特徴
- 範囲が限定的でディレクトリ単位の分析に向きます。
- httpとhttpsは別扱いで、サブドメインも個別管理です。
- 同じサイトの複数ディレクトリを別々に登録できます。
所有権確認の方法(初心者向け)
HTMLタグの挿入、確認用ファイルのアップロード、Googleアナリティクス/タグマネージャー連携など、DNS設定が不要な手段が使えます。設定が簡単で導入ハードルが低い点が利点です。
使いどころのヒント
ブログやキャンペーンページなど、サイトの一部だけを詳しく見るときに便利です。サイト全体の問題を把握したい場合は別のプロパティタイプも検討してください。
ドメイン vs URLプレフィックス:違いを一覧比較
以下はドメインプロパティとURLプレフィックスプロパティを分かりやすく比較した一覧です。
- 管理範囲
- ドメイン: example.com や *.example.com 等、ドメイン全体のすべてのプロトコル・サブドメインを含みます。例: example.com、www.example.com、shop.example.com。
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URLプレフィックス: 特定のURLから始まる範囲だけを管理します。例: https://example.com/blog/ や http://example.com/。
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データのまとまり
- ドメイン: データを一元管理できます。複数のサブドメインやプロトコルをまとめて確認できます。
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URLプレフィックス: サイト内でデータが分かれやすく、目的別に細かく見るのに向きます。
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設定難易度
- ドメイン: DNSでの所有権確認が必要です。少し手間がかかります。
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URLプレフィックス: 所有権確認が簡単で、個別URLごとにすぐ登録できます。
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推奨度と用途
- ドメイン: サイト全体のSEO把握や統合管理におすすめです。
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URLプレフィックス: 特定ディレクトリやサブサイトの分析、テスト環境の計測に向きます。
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注意点
- ドメインは設定が正しくないと見落としが出ます。
- URLプレフィックスを多数登録すると管理が煩雑になります。
選ぶ際は、全体把握を重視するか、部分ごとの詳細分析を重視するかで決めるとわかりやすいです。
どっちを選ぶべき?ケース別のおすすめプロパティタイプ
結論
基本的にドメインプロパティで登録することをおすすめします。サイト全体(サブドメインやプロトコルを含む)を一括で管理できるため、手間が少なく統一したデータが得られます。
ケース別のおすすめ
- 一般的なブログやアフィリエイト:ドメインプロパティがおすすめ(例:example.com と www.example.com をまとめる)。
- サブディレクトリ単位で管理したい:URLプレフィックスが便利(例:example.com/shop/ のみを監視)。
- 開発中やステージング環境:URLプレフィックスを使うと手早く確認できます(例:staging.example.com)。
- 複数チームで全体を共有したい:ドメインプロパティが向きます。
選び方のポイント
- DNSにアクセスできるか:できるならドメインプロパティを選びます。DNSでの検証が必要です。
- 簡単さを優先するか:HTMLタグやGoogleアナリティクスで検証したい場合はURLプレフィックスが手軽です。
- 管理範囲の明確さ:部分だけ管理したければURLプレフィックス、一括管理ならドメイン。
設定時の注意
ドメインはDNS変更が必要で少し手間がかかります。URLプレフィックスは種類ごとにプロパティを増やすと管理が煩雑になるため、増やしすぎないよう気を付けてください。












